時の化石

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人生に迷った時におすすめの本(その2)。不安を克服するために書かれた、名著「道は開ける」は、今こそ読まれるべき本だ。

どーも、ShinShaです。
このところ、東京都のコロナ感染者が増えてきて少し心配ですね。
まあ、分子の数ばかりみて騒いでも仕方がない訳ですけどね。
最近の東京都の検査数は4月上旬の倍以上の数になっています。
臭いところを検査しているわけですから、陽性者も出るでしょう。
現状は、重症患者が増加していない、病床にも余裕があるので、4月末の状況とはだいぶ印象が違います。
もちろん、要注意ですけどね。

さて、新型コロナウィルスのお陰で、まったく、さんざんですね。
1週間前に出したブログが、かなり評価を頂きましたので、こんな時代に、皆さんにご紹介する良い本はないかと考えました。

前のブログ記事

www.fossiloftime.com

そして、十数年ぶりに、D.カーネーギー(著)、「道は開ける」、角川文庫を読み返しました。
あ〜、この本の内容、ずいぶん忘れている。(汗)
読み返した本の内容が、素晴らしいので、数日間、電車の移動時間の間に読みふけってしまいました。
名著「道は開ける」は、今こそ、読まれるべき本だと思います。
この本を読んで、励まされる人も、きっと多いでしょう。

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D.カーネーギ著 「道は開ける」

「道は開ける」とはどういう本か

まず、作者についてご紹介します。

作者デールー・カーネギー1888年−1955年)は、アメリカ合衆国の作家。
セールスマンなどの仕事を経て、YMCAの夜間学校で「話し方」についての講座を持つ。 講座用のテキストとして書いた「人を動かす」、「道が開ける」が世界的ベストセラーになり、現在も売れ続けている。

カーネギーは、ニューヨークで不幸のどん底を生きていた。
ゴキブリだらけの安アパートに住み、好きでもないトラックを売る仕事を続けていた。
失望と不安、苦しみ、反骨心からくる偏頭痛に悩まされていた。
描いていた夢はすっかり、悪夢に変わってしまった。
こんなものが人生と呼べるのか?
あんなにも待ちわびたはずの命の冒険は、こんなものだったのか?

カーネギーは仕事をやめて、YMCAの夜間学校公開講座の教師となった。
この決意が、彼の人生を大きく変えた。
YMCAの講座は、多くのビジスマンやセールスマンたち、大人が受講する講座で、誰もが自分の問題をどうにかしようと通ってきていた。
短期間に成果を求められる、この講座を受け持つことで、カーネギーは教師の仕事が大好きになり、精力的に仕事をこなした。
彼の講座を受講したビジネスマンたちは、目をみはるスピードで自信を身につけ、昇進し、収入を上げて行った。

年が進んで、カーネーギーは、受講生たちに「不安」という強大な問題があることに気付いた。
カーネギーが、ニューヨーク5番街にある大きな図書館で、「不安」という言葉をタイトルに掲げた本を探すと、わずか22冊しかなかった。
「イモムシ」に関する本は189冊あるのに。
こんなことがあっていいのか。
不安は人間の最大の問題なのだ!

カーネギーは、自分で本を書くことを決意し、不安に関する古今東西の書物を読んだ。
軍人、ヘンリーフォードなど著名人のインタビューも行った。

さらに、自らの講座で、受講者たちと一緒に、不安に関する研究を行った。
その方法は、まず、不安を乗り越えるためのルールを一揃い受講者たちに教え、それを私生活で実践してもらい、収穫を授業で話し合うことだった。
この経験をとおして、カーネギーは、人がどう不安を克服したか、地上の誰よりも耳を傾けることができたと語っている。

「道が開ける」は、こうして書かれた本なのです。
これから、「道が開ける」の最も重要なエピソードを2つご紹介します。

過去と未来とを閉ざし、「今日というひと区切りを生きる」

「道が開ける」パート1、第1章は「今日というひと区切りを生きる」とうタイトルになっています。
第1章の重要な部分をご紹介します。

オックスフォード大学の医学教授、サー・ウィリアム・オスラー氏は、大西洋を渡る豪華客船に乗っていた。
船長の号令で歯車の回る音がして、すぐさま船体各部の防水壁が締まり始めた。
私は諸君に伝えたい。この船旅を安全確実なものにするために、心の中に「今日というひと区切り」を持ち、それをコントロールする術を身に付けるべきだと。


「ボタンを押せばいつでもいかなるときであろうと、鉄の隔壁が過去を ー死んだ昨日を今と隔ててくれる音が聞こえるはずだ。そうしたら今度は別のボタンを押し、まだ訪れぬ明日を今日と隔てるのだよ。そうすれば、今日はまず安全だ!


過去を閉ざしなさい。死んだ過去は埋葬すべきだ。・・・愚かなる人々を惨めな死へと追いやる過去など、閉ざしてしまわなくてはいけない。・・・そして、未来の重荷を過去の重荷と一緒に背負おうなどとしたらならば、よろめかずに今日を生きることなどできはしない。


過去と同じように未来も、しっかりと閉ざしてしまわなればいけないのだ。・・・明日などという日はありはしないのだからね。我々は、いまこのときにかしか救われない。未来を案じてばかりいたならば、いつまで経ってもエネルギーを浪費し、心をさいなまれ、不安につきまとわれることになってしまう。・・・大きな隔壁で、過去と未来とを閉ざし、「今日というひと区切りを生きる」という習慣を、諸君たちは育まなければいけない


また、別の日に、オスラーは学生たちに、「今日一日のパンをお与えください」という祈りから一日を始めるよう促した。
大事なのは、この祈りは今日のパンのためだけの祈りなのだということだ。
今日のパンはただひとつ、私たちが食べることができるパンなのだ。

オスラーが言いたいことは明日に備える必要などないということだろうか?
いやちがう。
彼が言いたいことは、すべての知恵と情熱とを今日一日に傾けることこそが、明日に備える最上の手段であるということだ。
未来への準備とは、そのようにしか、できないものなのだ。

長い引用ですが、英知にあふれた知恵の言葉です。
すばらしい内容です。
オスラー教授は、自分の成功の秘訣は、この鉄則を忠実に守ってきたからだと、語ったそうです。

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pakutasoから引用

不安を取り去る魔法の公式

第2章のタイトル、魔法の公式とは、なんて素晴らしいのだろう。
続いて第2章を紹介します。

このエピソードはニューヨーク州、キャリア・コーポレーションの経営者、ウィリス・H・キャリア氏のお話しです。
キャリア氏は若かったころ、ある会社からガス浄化機設置の業務を受託します。
しかし、浄化装置は新しい技術であったため、保証する性能が出ないというトラブルに巻き込まれます。

「その失敗を受け、私は呆然としてしまいました。まるで、誰かに頭を殴られたようなショックで、胃がきりきりと痛んでたまりませんでした。しばらくは、それが不安なせいで不眠症になってしまったほどです。」

「やがてふと我に返った私は、不安を抱いていてもなにも改善などされないのだという当たり前のことを思い出しました。そこで、不安を忘れて問題と取り組む方法を見つけ出したのです。この方法は、実に効率的でした。」

これが、不安を取り去る魔法の公式なのです。

・ 第1ステップ 恐怖を棚上げして、「最悪の場合どんな心配が起こり得るのか」ということをありのまま検討してみる

・ 第2ステップ 起こり得る最悪の事態を想定したら、今度は必要ならば、それを受け入れる決意をする

・ 第3ステップ そこから、心で受け止めた最悪の事態を改善すべく、落ち着いて時間と労力を注ぎ込む

「最悪の事態を想定し、必要ならば受け入れてしまおうと気持ちを固めると、重要な変化が私に起こりました。ぱっと力みが抜け、しばらく感じたことない心の平穏が訪れたのです。その時から、私の思考はしっかりと動き始めたのです。」

そう、これはエネルギーの解放なのだ。
最悪の事態を受け入れてしまえば、私たちはもう、何も失うものはない。
それは、つまりあとは上がってゆくだけということなのだ。

自らの苦境を受け入れることを拒み、状況を改善することを拒み、怒りと苦しみの中で、人生を破滅へと追いやってしまった人々は数限りなくいるのである。

キャリア氏は見事トラブルを解決して、それ以来このメソッドを使いつづけました。 この時以来、不安とはほとんど無縁の人生を送ることができたそうです。

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pakutasoから引用

まとめ

今回の記事は、名著「道は開ける」から、2つのエピソードを紹介しました。
やはり世界的名著だけありますね。
YMCAの教師が、受講者の不安を克服するために、作った講義のテキストが、ベストセラーとなり、世界の名著になったんでね。
この本、非常に良い本ですので、おすすめです。
カーネギーのもう1冊、「人を動かす」も世界的名著となっています。

さて、今回は引用が多く、記事描くのに疲れてしまいました。
タイプのスピードも落ちてきましたね(泣)
それでも、今日というひと区切りの中で、ベスト尽くしました。

道は開ける 文庫版

道は開ける 文庫版

道は開ける 新装版

道は開ける 新装版

今日もこのブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha