どーも。ShinShaです。今日も、暑い日が続いています。なかなか外に出る気になりませんね。
さて、今日はアーティゾン美術館訪問記、第2回目の記事です。前回は主に現代アートに関する記事をお届けしました。今回は、石橋財団コレクション選から、たくさんの名画をご紹介します。そして、5年ぶりに大好きなあの絵にも会ってきましたよ。
アーティゾン美術館には、素晴らしい収蔵作品が沢山あります。皆さんも、夏休み中に訪問されてはいかがでしょうか。
前回の記事はこちらです。まだ、読んでおられない方は、併せて読んで下さいね。
アーティゾン美術館
前回、美術館の創設・沿革について詳しく書きましたので、今回はさらっとこの美術館の情報を書きますね。
2015年から休館していた旧「ブリジストン美術館」が、2020年に「アーティゾン美術館」と名称を変え、新しい美術館として開館しまたものです。名称は、「ARTIZON」(アーティゾン)は、「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合せたもので、新しい地平を切り開く美術館にしたいという意志が込められているそうです。
アーティゾン美術館は、23階建て高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の低層部にあり、展示室は4-6 階の3フロア、旧美術館の約 2 倍の面積に拡張。古代美術、印象派、日本の近世美術、日本近代洋画、20世紀美術、そして現代美術まで対象に作品展示を行います。
リニューアルで確かに広くなりましたね。大学生まで入場料は無料です。チケットは原則的にweb予約制です。PCでもスマホでも予約できますよ。
名称/アーテイゾン美術
住所/〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2
TEL 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
開館時間/ 10:00〜18:00(最終入館時間 17:30)
定休日 / 月曜日 (祝日の場合は開館し翌平日は振替休日)
入館料・観覧料/ ウェブ予約チケット 一般 1,100円 、当日チケット(窓口販売) 一般 1,500円 、大学生・専門学校生・ 高校生 無料(要予約)
チケット予約 チケット購入 | アーティゾン美術館
アーテイゾン美術館では、現在3つの美術展が開催中です。
第 58 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 Cosmo- Eggs| 宇宙の卵
石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 新収蔵作品特別展示:パウル・クレー
2020年6月23日[火]ー 10月25日[日]
美術展鑑賞記2
前回も書きましたが、アーティゾン美術館に行って、すごく驚いたのは、どの作品も写真撮影が可能なのです。60年ちょっと生きてきましたが、青木繁、ルノアール、セザンヌ、ロートレックなどの名画を自分のカメラで撮影したのは初めてです。
興奮して、思わず、最初は手が震えました。ブログ記事用に写真を撮ろうと思っているので、忙しいのなんの(笑)。最初は、忙しくて、アート作品を観る余裕すら無かった。欲望が深すぎて困ったものです(笑)。
はい、4階石橋財団コレクション展のエントランスに着きました。やっと、大好きな2次元絵画の世界にたどり着きました(笑)。
この美術展の内部に、パウレー・クレーと印象派の女性画家たちの展示コーナが設けてあります。
それでは、ゆっくり、石橋財団コレクション選の絵を観ていきましょう。今回の写真は、全て私が撮影したものです。大きめの画像を掲載しますね。
オノレ・ドーミエ 「山中のドンキホーテ」1850年頃、油彩・板
僕は、この絵がすごく好きです。絵から滑稽さ、ユーモアが滲み出ています。夕暮れの山中にいる、凛とした騎士と、少しくたびれたやせ馬ロシナンテ。僕の持っているドンキホーテのイメージを見事に描いてくれています。ドーミエはもともと、新聞の挿絵用の風刺版画を得意とした画家です。印象派の先取りをしたが画家として評価されています。
カミール・ピサロ 「ブージヴァルのセーヌ川」1870年頃、油彩・カンヴァス
ブージヴァルはバリ中心から約15kmの西部郊外にある小さな街です。セーヌ川沿いにあり、印象派の画家が創作活動の場として、よく用いました。
印象派画家ピサロが描いた風景画。どこかにバルビゾン派の風景画の影響があるような気がします。調べてみると、ピサロは、バルビゾン派画家のカミューユ・コローから大きな影響を受けているそうです。
この絵は早春のセーヌ川の風景を描いたものでしょうか。川は豊かな水をたたえ、たゆたう水面の表現が素晴らしい。川面に映る林、建物の姿。美しい絵です。
ポール・セザンヌ 「セント ヴィクトワール山とシャトーノワール」1904-1906年頃、油彩・カンヴァス
僕の考えるセザンヌはセンスの塊のような画家だ。セザンヌは印象派の画家であったが、1880年頃印象派を離れ、以降は独自の絵画の道を開拓していきました。セザンヌはこの山を、若い時から亡くなるまで80点近く描いているそうです。この作品は最晩年の作品です。この画家の到達点がこの絵の中にあるのでしょう。
ブルーを基調とした美しい絵です。これは夕暮れの絵なのか。夜明け前の絵なのか。輪郭線がなければ、どこまでが山で、どこまでが空なのか判別ができません。山は自然に溶けこんで存在している。空も木々も同色で描かれ、全てが渾然一体となったなったような美しさを感じます。まさに、センスの塊ですね。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 「カニューのテラス」1905年頃、油彩・カンヴァス
印象派の画家、ルノワールの絵です。ルノワールらしい美しい絵ですね。
この美術館では、かなり顔を近づけて絵を観ることができます。この絵を近くでじっくり観察しました。ルノアールは、絵の中の建物、植物を、一筆毎に黄色、緑、赤、グレーの色彩を重ねて、絵を描いています。さすが、光の画家と言われる作品ですね。
アンリ・ド・トゥールズ=ロートレック 「サーカスの舞台裏」1886年頃、油彩・カンヴァス
モノクロームで描かれた美しい絵です。この絵はサーカスの舞台裏の一瞬を描いたものです。背景はサーカスのテントでしょうか。強い光が漏れてきていて、この絵の登場人物はシルエットのように見えます。彼独特の美的センスを感じる美しい絵です。
ロートレックは、パリのムーランルージュなどを代表とするダンスホールの踊り子、娼婦のような夜の世界の女たちに共感し、彼女らを愛情のこもった筆致で描きました。ロートレックの作品には、「ムーラン・ルージュ」などのポスターの名作も多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績がある画家です。
青木繁 『海の幸』1904年、油彩・カンヴァス
この美術館に来るまで、大好きなこの絵があることを、すっかり忘れていました。美術館の名前が変わったからでしょうね。青木繁 『海の幸』とは5年ぶりの再会です。
青木繁に関する情報を下に引用します。
明治期の日本絵画のロマン主義的傾向を代表する画家であり、代表作『海の幸』はその記念碑的作品と評されている。若くして日本美術史上に残る作品を次々と生み出したが、名声を得ることなく放浪の末に胸を患い、28歳で早世した。その生涯については虚実取り混ぜたエピソードが多く、半ば伝説化している。短命だったこともあって残された作品の数は多くはなく、代表作『海の幸』を含め、未完成の作品が多い。
引用:wikipedia
この絵では、大きな獲物を獲って帰る漁師たちの姿が、生き生きと描かれています。背景の色も、一部の線もデッサンのような粗さで描かれており、絵に躍動感をもたらしています。これは計算づくのテクニックですね。一人だけ正面を向いている女性が、この絵の美しさを完成しています。彼女は、青木の恋人の福田たねです。そして、若くして亡くなった天才画家の物語とともに、この絵は至高の美を獲得したのです。だから、僕には『海の幸』を普通の気持ちでは観られないのです。
最後に、この絵は、洋画では、最も早い1967年に重要文化財に指定された作品の一点となったそうです。よかったなぁ。
ごめんなさいね。絵の重要な部分に、反対側の窓が映り込んでしまっていたので、2枚の画像を掲載します。
- 作者:山田五郎
- 発売日: 2011/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:山田 五郎
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
あとがき
今日は、アーティゾン美術館、石橋財団コレクション選の中の絵画をご紹介しました。今回は、素晴らしい名画とじっくり向きうことができて、至福の時を過ごすことができました。ブログを始めて、時間に追われるようになりましたが、こういう楽しい機会も増えてきました。
今回はドーミエ、ピサロ、セザンネ、ルノワール、ロートレックそして、青木繁の6作の名画をご紹介致しました。ブログを一所懸命書いていたら、力尽きてきました。すみません、残りは後のブログに書かせていただきます。パウル・クレー、女流印象派画家の絵など、まだまだ素晴らしい絵がありましたよ。
今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha