どーも。ShinShaです。8月13日、お盆ですね。皆様、いかがおすごしでしょうか。
今年は、故郷に帰ることはできませんでした。今日は、午前に仕事して、午後からは、ゆっくりブログを書いています。
今日は、アーティゾン美術館訪問記第3回目の記事をUPします。前回から続けて、ピカソ、パウル・クレー、再び、青木繁などの名画を紹介致します。ブログで、掲載できない名画も数多くあります。偏愛基準で選定していますので、なにとぞお許し下さい。この訪問記は、この記事で終わりです。
アーティゾン美術館には、素晴らしい収蔵作品が沢山あります。皆さんも、ぜひ訪問されてはいかがでしょうか。
以前の記事はこちらです。まだ、読んでおられない方は、併せて読んで下さいね。
アーティゾン美術館について
名称/アーテイゾン美術
住所/〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2
TEL 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
開館時間/ 10:00〜18:00(最終入館時間 17:30)
定休日 / 月曜日 (祝日の場合は開館し翌平日は振替休日)
入館料・観覧料/ ウェブ予約チケット 一般 1,100円 、当日チケット(窓口販売) 一般 1,500円 、大学生・専門学校生・ 高校生 無料(要予約)
チケット予約 チケット購入 | アーティゾン美術館
アーテイゾン美術館では、現在3つの美術展が開催中です。
第 58 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 Cosmo- Eggs| 宇宙の卵
石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 新収蔵作品特別展示:パウル・クレー
2020年6月23日[火]ー 10月25日[日]
美術展鑑賞記3
アーティゾン美術館で驚いたのは、今回の美術展では、どの作品も写真撮影が可能なことです。今後の企画展で海外の名画の展示が始まると、どうなるかが気になるところです。美術愛好家にとっては、自分のカメラで名画を写真に撮る、画像データを所有できるというのは嬉しいことですね。
最近、ナショナル・ギャラリー、ヴァン・ゴッホ 美術館、メトロポリタン美術館など、海外の有名美術館は、websiteに非常に大きな画像を公開しています。日本の美術館では、こういうところはありません。ブログ画像を入手するのも大変です。
デジタルデータを公開すると、入場者が減ったり、ノベルティ商品の売れ行きに影響があるという、狭い了見なんでしょうね。今回のアーティゾン美術館の進化、大いに歓迎したいです。
青木繁『わだつみのいろこの宮』1907年
ふたたび、青木繁の絵。この人の絵は、ロマンチックですね。この作品は、古事記の海幸彦・山幸彦(やまさちひことうみさちひこ)を題材にしており、山幸彦が、竜宮で豊玉姫と出会った場面を描いたものです。これは、海の中を描いた絵なんですね。左の女性の足元から気泡が立ち上っています。完成度が高い美しい絵です。これ、青木繁、25歳作品ですよ。すばらしいですね
ネットを調べると、この絵について、いろいろな情報があります。夏目漱石が称賛した、勝負を賭けて博覧会に出品した作品と書いてあります。結果的に、この作品は十分な評価を得られませんでした。青木繁は、この年、父の危篤の知らせを受け、失意のまま久留米に帰郷。再び、中央に戻ることがないまま、28歳で亡くなります。
ShinSha的には、この絵は『海の幸』の奔放な才気は感じられないけど、素晴らしい作品だと思います。(重要文化財にも指定されていますしね)美術界の年寄達は、若き才能を恐れていたのかもしませんね。
黒田清輝 『針仕事』1890年
明治期の代表的洋画家。後に政治家にも転身しています。この人、出世欲のある人ですね。
窓際で針仕事をする女性の陰影、色彩の変化が美しいですね。印象派の影響を受けた絵ですね。黒田清輝は、1884年〜1893年にフランス留学し、ラファエル・コランという画家に師事して、絵を学んでいます。年代をみると、この絵はフランスにいる時代の絵ですね。
黒田清輝は、後に 東京美術学校(現 東京藝術大学)の教授を務め、青木繁らを指導しています。
ベルト・モリゾ 『バルコニーの女と子ども』1872年
今回の美術展では、「印象派の女性画家たち」という特設コーナーが設けられ、19点の作品が展示されています。この中から作品を一つご紹介します。
この絵は、印象派女流画家のベルト・モリゾの作品。着飾った女性と子供がパリの街を眺めています。遠近法を使って、バルコニーから遠くの街まで、奥行きのある風景を描いています。遠くの街はかすみ、空に溶け込み、右手には金色に光る塔がある。印象派らしい、光を見事に表現した作品です。
パブロ・ピカソ 『腕を組んですわるサルタンバンク』1923年
ピカソの絵を素通りしては叱られますね。ギリシャ風の顔立ちの芸人の肖像画です。素晴らしい描写力と、存在感の絵です。しかし、私には、なかなか感情移入ができないので、美術館の解説を引用します。この美術館にはもう1点、ピカソの絵があります。
ピカソの「新古典主義の時代」を代表する作品のひとつです。サルタンバンクは最下層の芸人のこと。(略)サルタンバンクを描いたこの作品は、社会の周辺にいる人たちへのピカソの共感から生み出されたというよりも、むしろ芸術家自身の肖像かもしれません。ギリシア彫刻のような顔立ちは、そのことを暗示しています。画面の左側に人の顔のような線が見えます。さらに、科学的な調査によると、サルタンバンクに寄り添うように女性の姿が描かれていたようです。この作品の旧蔵者のひとりはピアニストのホロヴィッツです。
引用:アーティゾン美術館wensite
パウル・クレー『数学的なビジョン』1923年
アーティゾン美術館は、2019年に24点のパウルクレー の作品を収蔵、合計25点の豊富な作品を有しています。
この作品は、タイトルからして、ShinShaには興味深いです。この絵は理科系の私にとってはなじみやすい作品ですね。こんなチャートを学生時代にはよく見ました。しかし、そういう素材がアートとして提示されており、非常に面白いです。
クレーは「芸術は見えないものを見えるようにする」と主張していたそうですが、音楽、建築、など様々な対象を捉えた、色彩豊かな独特の絵を描いています。彼の絵画は「ポリフォニー(多声音楽)絵画」とも呼ばれます。
「ポリフォニー(多声音楽)絵画」
理論:作品が生まれる過程として①実物の厳密な模写 ②感じたままに主線を引く ③すべてをはじめの状態へ戻す としています。描かれているモチーフの観察から始まり、そこから徹底して無駄なものを省きシンプルに還元・凝縮をしようとする作業です。 それらを色彩と自由な線により描いたクレーの絵画は、まるでリズムやハーモニーが聞こえてくるかのような「ポリフォニー(多声音楽)絵画」呼ばれる色調と色彩を重ね合わせた絵画**に発展していきます。
パウル・クレー『谷間の花』1938年
パウル・クレーのコレクションからもう1作。美術館の作品説明を引用します。
晩年の1938年の「谷間の花」は、初期の幾何学的な構成とは異なり、不定形の色面を切り絵のように組み合わせた作品で、中央には輝かしいまでのオレンジ色の光を放つ大輪の花が咲き誇っていました。どこか原初的ながらも、強い生命感がみなぎる作品と言えるかもしれません
引用:アーティゾン美術館website
これは、美しい絵です。児童画のようでもありますが、おそらく、これは計算され尽くした色彩ですね。上の作品とは15年が経過しています。2つの作品は似ても似つかないものです。
この人は不思議なアーティストですね。殆どカンヴァスで絵を描くことはなかったそうです。彼の絵は、頭に浮かんだ対象をバラバラにしたり、単純化して、コラージュするような手法を取っています。だから、固定された作風などなく、様々な形の作品を生み出すことができるのですね。
- 作者:山田五郎
- 発売日: 2011/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:山田 五郎
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
あとがき
今日も、6点の作品をご紹介しました。すべて、記憶に残る美しい絵でした。
今回は、それなにパウ・ルクレーについて調べて、ブログを書きました。おかげで、パウ・ルクレーをかなり好きになりました。
青木繁と黒田清輝という、因縁のある二人の作品を並べてはいけないかな、などと少し思いつつ、このブログを終わらせて頂きます。
今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha
ついに私もブログ村、60代部門にエントリーしました。
お手数ですが、一番下のバナーをプチッとクリックお願い致します 🙇♂️