時の化石

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みうらじゅん著『ない仕事の作り方』を読みながら。この本は、スモールビジネスのバイブルだ。

どーも、ShinShaです。

少しずつ、ミュージシャンのライブも始まるようですね。毎年11月に、東京都内の施設「かつしかシンフォニーヒルズ」で開催される伊勢正三さんのバースディライブ、今年も開催されることになりました。先日、チケットを取りました。現在、イープラスのみで先行発売です。

今日は、僕と同世代のイラストレーター、みうらじゅん著『ない仕事の作り方』をご紹介します。本のタイトルからして不思議ですよね。この本は、我々のようなスモールビジネスを行っている人間にとって、とても参考になる本なのです。

実は、僕、みうらじゅん氏の大ファンなのです。彼の本は、結構、読んでしますし、「ザ・スライドショー」のイベントに行ったり、いとうせいこう氏との共演「見仏記」のDVDは、ほとんど観ています。みうらじゅん、最高です。

みうらじゅん氏について

この本の帯に書いてる文章が面白かった。「この人の本業って何?」、「どうやって食ってるんだ・・・?」。全く同感です。

みうらじゅん氏の職業は、「イラストレーターなど」と書いてあります。実際は、本や、雑誌の記事も書いているし、イラストも書くし、TVや映画にも出演するし、イベントの企画もする。多彩な仕事をされています。彼の仕事は、本当に面白いですよね。彼にしかできない独特の世界があります。僕は大好きです。

みうらじゅん イラストレーターなど

1958年2月1日京都市生まれ 血液型AB型 1980年 武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー 1997年 「マイブーム」で新語・流行語大賞受賞 2005年 日本映画批評家大賞功労賞受賞 2018年 仏教伝道文化賞 沼田奨励賞を受賞

MAGAZINE・PAPER

Tarzan」男気ムキムキ人生相談ブロンソンに聞け+田口トモロヲ峯田和伸(マガジンハウス)隔月木曜の前半(月1) 「SPA!みうらじゅん×リリーフランキーグラビアン魂 (扶桑社) 毎週火曜 「週刊文春」人生エロエロ(文藝春秋)毎週木曜 「マリソル」みうらじゅん×辛酸なめ子のお悩み相談 煩悩=ほんのう(集英社)毎月7日 「モノマガジン」今月の宝物BEST2 (WPP) 毎月16日  「からだにいいこと」合言葉はアンチシリアス 老いるショック(祥伝社)毎月16日

出典: みうらじゅん official Site

f:id:tokinokaseki:20201024091348j:plain photo by Dick Thomas Johnson

みうらじゅん著『ない仕事の作り方』

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みうらじゅん『ない仕事の作り方』文藝春秋

みうらじゅん氏は、本書の冒頭で「私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類あるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけていろいろ仕掛けて。世の中に届けることです」、と書いています。たとえば、「ゆるキャラ」も、彼が価値を発見して、名前をつけて、世の中に広めたものです。だから、彼の仕事は、「ない仕事を作る」ということなんですね。

いわゆるノンジャンルのものから、新しい価値を作る仕事。彼が広めるまで「ゆるキャラ」なんてものはなかった。しかし、今や立派なジャンルとなって、ビジネスになっていますね。僕は笑って観てましたが、確かに彼はすごいことをやっているんですね。

ゼロから始まる仕事術

みうらじゅん氏の仕事は、下の手順で行うそうです。この一連の仕事を彼は「一人電通」と読んでいるそうです(笑)。ちなみに、博報堂と仕事するときは「一人博報堂」になる(爆)。

  1. なかったものに名前をつける
  2. 自分を洗脳   
  3. 収集
  4. 雑誌に売り込む
  5. イベントを仕掛ける

本書の中で、彼は、「他人を説得するのは難しいですが、自分を洗脳するのが一番難しい」と書いています。なぜなら、相手は「手の内」をいちばんよく知っている自分なのだからと(笑)。人に興味をもってもらうためには、まず自分が、「絶対にゆるキャラブームがくる」と強く思い込まなければなりません。「これだけ面白いものが、流行らないわけがない」と、自分を洗脳していくのです。

そして、洗脳の後は、彼曰く「無駄な努力」が始まる。興味の対象となるものを大量に集めます。好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まったから好きになるという戦略です。人は「大量のもの」に弱いことを、長年の経験で分かってきたそうです(笑)。彼の収集は、凄まじい、驚くようなものです。そこには圧倒的な熱量がある。だから、自分を洗脳しなければできないのです。

そして、名前をつけ、集めたものを、雑誌に売り込み、メディアから、情報を世の中に流しつつ、書籍やイベントに昇華させていく。そうして「ない仕事」は世の中のブームとなっていき、浸透する。

みうら氏が企画したもの全てが、大ブームになる訳ではありません。例えば、「ゴムヘビ」、「フィギュ和」、こういう失敗?は、彼の味になっていくんですね。

ゆるキャラ」誕生

みうら氏が「ゆるキャラ」の存在が気になり出したのが1995年頃。全国の物産展に出ている、妙な着ぐるみが気になりだした。わざとゆるいキャラクターを作ろという団体や人はいないけど、「ちゃんとした」キャラクターを作ろうしたした結果、何とも微妙な、中途半端な、いびつなものになってしまっている。全国の物産展に赴き、彼は、「ゆるキャラ」という名前を考案した。

その後、集められるだけの「ゆるキャラ」の情報を集め始めた。物産展に足を運び、写真やビデオを撮る。パンフレットを集める。地方自治体に「すいません、今日のイベント、着ぐるみは何時頃、どこに出ますか?」と電話をかけ、たらい回しにされた挙句、「やばい人からの電話だ」と思われることが何回も(笑)。こういう努力を続けて、全国の「ゆるキャラ」の情報を集めた。

この情報をみうら氏は、自らの企画として、メデイアに持ち込む。こういう企画がすぐに実現することはないので、彼は編集者を逆接待して売り込みまでする。

ゆるキャラ」は月刊紙に掲載。次に、付き合いのあったイベント制作会社に企画をプレゼン。2002年、後楽園ゆうえんちで、「第一回みうらじゅんゆるキャラショー」が開催された。当時は雨でしたが多くの観客が集まったそうです。

その後も、みうら氏は週刊誌で一体ずつ「ゆるキャラ」の情報を掲載して行った。最初は、地方自治体に電話をすると、うちのキャラクターが「ゆるい」とは何事だと、よく怒られたそうです(笑)。しばらく経つと、うちのキャラクターは「ゆるい」ですよと、全国の役所が売り込んできた(笑)。

彼が「ゆるキャラ」を生み出してから10年以上が経ち、「ゆるキャラ」は一大産業になった。「ふなっしー」が誕生し、2010年からは「ゆるキャラグランプリ」が毎年開催されるようになった。

感動的な仕事ですね。「ゆるキャラ」は正に「ない仕事」から始まった成功例なのです。

f:id:tokinokaseki:20201024090147j:plain photo by Takashi Nishimura

ここで、『ない仕事の作り方』に関する記事を、一旦、閉じさせていただきます。続きは、次回の記事に掲載いたします。

ここから先には、みうらじゅん氏のイベントについて情報をご紹介しますね。

みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展 MJ’sFESに参加した

ShinShaは、2018年2月、川崎市で開催された「みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展 MJ’s FES」に参加しました。この時の様子をご紹介します。この企画展、人気があるようです。川崎市の後、全国あちこちに移動して開催されています。稼いでるなぁ。

これ、エントランスの写真です。みうら氏がお出迎えです。同年代で、髪が豊かでロン毛。シャンプーは、女性用の高級品を使っていて、最近は美魔女を目指しているそうです(笑)。

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みうらじゅんフェス会場エントランス

エントランスを抜けるとホールに。そこでは、「つっ込み如来」がお出迎え。この如来ザ・スライドショーの入り口でも見ましたね。

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エントランスホールで「つっ込み如来」がお出迎え

みうらじゅん氏が見仏記で書いた、仏像のイラストの展示。さすが、武蔵美。力作ぞろいで素晴らしいです。本人曰く、まだまだ上手くなっているそうです。

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みうらじゅん氏が描いた仏像のイラスト

「エロ」も彼のビジネスのジャンルです。会場の中にはエロコーナーもありました。こういう大らかなところが良いです。

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これは、たぶん18禁のコーナーの出し物だったはず。。。(笑)

この日は、山田五郎氏とみうらじゅん氏のオープニングトークが行われました。抽選に当たったので参加しました。非常に楽しいトークの連発でした。会場の写真を載せます。

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トークイベント会場。残念ながらイベント自体は撮影禁止。

見仏記 (角川文庫)

見仏記 (角川文庫)

まとめ

はい、書きだしたら止まらない。えらい文字数になってきた。今回の記事では、みうらじゅん著『ない仕事の作り方』から、彼の仕事術、「ゆるキャラ」が誕生するまでのストリーをご紹介しました。ブームを起こすという強い信念と、猛烈な収集。そして、地道なメディア戦略。感動的な話でした。

彼は、非常に魅力的な人柄ですからねぇ。だから、こういうことができるのでしょう。次回は「見仏記」について、さらに感動的なストリーをご紹介します。

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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