時の化石

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瀧本哲史著『2020年6月30日またここで会おう』。 人生は「3勝97敗」のゲーム。ビジネスで波に乗る方法とは。

どーも、ShinShaです。

今回のブログは、瀧本哲史著『2020年6月30日またここで会おう』についての2回目の記事です。今回は、この本の中から、特にビジネスに参考になる内容を採り上げてみました。この本には、気鋭のエンジェル投資家、瀧本さんから、数々のアドバイスが書かれています。ビジネスの参考になる良い本です。特に、若い人たちには、貴重なアドバイスが書かれています。

筆者の紹介

瀧本 哲史(たきもと てつふみ、1972年1月22日 - 2019年8月10日)

日本のエンジェル投資家、経営コンサルタント京都大学産官学連携本部イノベーションマネジメントサイエンス研究部門客員准教授、株式会社オトバンク取締役、全国教室ディベート連盟副理事長等を歴任した。

著書

『武器としての決断思考』星海社(出版) 講談社(発売)〈星海社新書1 〉、2011年9月。ISBN 978-4-06-138501-6。

『僕は君たちに武器を配りたい』講談社、2011年9月。ISBN 978-4-06-217066-6。

『武器としての交渉思考』星海社(出版) 講談社(発売)〈星海社新書 19〉、2012年6月。ISBN 978-4-06-138515-3。

『君に友だちはいらない』(講談社、2013年11月) ISBN 978-4062176200

『ミライの授業』(講談社、2016年)ISBN 978-4062200172

『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社新書、2020年4月)ISBN 978-4065194287

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『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社新書、2020年4月)

『2020年6月30日またここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』

この本に掲載されている講義は、2012年6月30日、東京大学の伊藤謝恩ホールにて行われたものです。生徒の参加資格を29歳以下に限定、約300人の10代、20代が全国から集結しました。

ちょうど今、この本を読み終えたところです。この本に、心から感動しました。彼は、本当に若者を、日本を心配して、正直に大切なことを真正面から語っています。本書は、多くの人に読んで頂きたい、すばらしい本です。

バイブルを否定せよ 自分で考えるしかない

瀧本氏は、名が知られた文筆家です。ベストセラーを何冊も書いています。また、気鋭の投資家としても知られた人です。こういう人は普通、高いお金をとって、何とかセミナーとか、何とか塾とか、有料ブログなどで、荒稼ぎをするものです。

この講義は、参加費無料で行われました。彼は、若者のカリスマになる気など、さらさらないようです。それどころか、本書にはこう書いています。「この世には真の教えなどない。僕の話も信用するな」。ちょっと笑ってしまうほど、彼は正直だ。だから、彼は信頼できるのです。

僕の基本的な考えは、「どこかに絶対的に正しい答えがあるのんじゃないか?」と考えること自体をやめること。バイブルとカリスマの否定というのが、僕の世界観。


テレビやSNSで有名な人、メディアに出るような人は、頭がいい人が多い。彼らは、一見正しいことを言っているように見えるが、なんだかんだお金や、影響力が目当てで、うまく洗脳的な活動を分からないようにやっている。


はっきり言いますが、真の教えとか「法則」みたいなことを言う人は、全員インチキです。

自分の人生は自分で考えて自分で決めるしかない。そのためには、幅広い知識を身につけ、異なる考え方やアプローチ方法が理解できるようになることが重要だ

「僕の話も信用するな。自分で考えろ。」この言葉は、胸に刺さってきますね。彼は、自分を犠牲にしても、この重要なメッセージを伝えたかった。この言葉には、何者も否定することはできない強さがあります。

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人生にはバイブルはない "2002-32-1 Bible, Sunday School Teachers Edition" by Naval History & Heritage Commandis licensed under CC BY 2.0

交渉は情報戦

続いて、この本では、交渉について興味深いことが書いてあります。

現代社会は、トップダウンの「支配的関係」から「相互依存の社会」へと変わってきている。どんなに大きな力の差があっても、弱い立場の人を屈服されることは難しい。
逆に言うと、弱い立場であっても、考え方や行動次第では、強い立場に影響を与えることができる。交渉することによって、自分を有利な状況に変えることができる。

だから、北朝鮮アメリカを敵に回して、世界を敵に回しても、交渉して生き延びていける訳なんですね。筆者は、北朝鮮は世界で最も交渉のうまい国かもしれないと話しています。

弱い立場でも、やり方によっては、交渉で有利な状況に変えられる。じつに魅力的ですね。有利に交渉を行うには、どうしたら良いのでしょうか?

その方法が書かれていました。

交渉においても、こちら側の主張をたくさんするよりは、相手側にたくさん聞いて、相手が何を重視しているかを分析したうえで、最終的に「だったらこれはどうですか?」と提案する方が交渉がまとまる可能性が高まるんです。


交渉の一般的なイメージは間違っていて、交渉は「言ったもん勝ち」ではなくて、「聞いたもん勝ち」なんですね


交渉の本質というのは、どっちかというと情報戦に近くて、いかに相手側から情報を集めるかで決まるんです。

なるほど、この情報には、説得力がありますね。交渉に勝とうとすると、普通は意気込んで、相手にこちらサイドの要求をたくさん押し付けようとしますね。彼の理論を読むと、それではうまくいくはずはないですね。交渉は、相手が何を重視しているかを分析した上で行うべし。

ビジネスも、取引も交渉の一種ですから、このテクニックは、いろいろと使えそうです。忘れないで覚えておこうと思います。

人生は「3勝97敗」のゲームだ

この本の中で、僕には「3勝97敗」という言葉が、強烈に頭に残っています。

瀧本さんは「統計的に、ベンチャー企業は100社あっても、うまくいくのはたった3社」と書いています。普通のビジネスでも、これは一緒です。独立・起業・開業が成功する確率は、5年後に残っているのが15%、10年後に残っている確率は3%しかないといわれています。

新しいことに挑戦すれば、「3勝97敗」から逃れられない。これは、計画された失敗であり、大半が失敗することは織り込み済みなのです。

「それでも悲観することなく行動できるかどうか」を筆者は問いかけています。

ビジネスで大きい成功をしようとするなら、たとえ「3勝97敗」のゲームでも挑戦するしかない。大きな企業でも、「3勝97敗」のゲームから、新しいビジネスを探っていくしかないのです。挑戦する人や企業が出てこない限り、日本は変わっていかないし、社会の進歩もありません。

この問題は、新しいビジネスしようと思う人には、非常に大きい問題です。ほとんどが負けるゲームに参加するんです。

でもぜんぜん悲観することはなくてですね、失敗した人はまた再チャレンジすればいいだけです。そうやって失敗と成功をグルグル回して行って、社会をよくしていくことが、資本主義の素晴らしいところなんですね。

これは、年寄りの僕らには、なかなか難しいことです。しかし、若い人には、こういう柔軟な気持ちをもって、新しいチャレンジをしてもらたいと思います。そして、大きい成功を勝ち取り、この日本を変えていってほしい。

もうひとつ、彼は素晴らしいことを話しています。

この中からもし成功する人が出てきたら、「自分はたまたま成功したにすぎない」と思って、同じように才能があった、たまたま失敗したに過ぎない人を助けてあげてください。

挑戦する若者に対する、大きい優しい心がここに書かれています。誰にも結果が予想できないチャレンジをして、ほとんどは負けて、わずかな人だけ成功する。もともと、どちらにも大きな差はないのだ。運に恵まれたか、運に見放されたか。

こういう考え方が、今の日本には重要なことだと思います。そうしないと優秀な人が、新しい挑戦をしなくなってしまいます。挑戦する人や企業が出てこない限り、日本は変わっていかないし、社会の進歩もありません。

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引用:すしぱく https://www.pakutaso.com/web_susi-paku.html

ビジネスで波に乗るためには

ビジネスで波に乗りたい。そして、大きな成功を勝ち取りたい。ビジネスをしている人の誰もが望んでいることです。そのために、アィデイアを探して、成功するためのプランを練る。

瀧本さんは、どれだけ練ったアイディアでも、同じことを考えている人は世界中に1,000人はいる。だから、ビジネスのアィデイアは、ほとんどの場合、成功につながる要素にはならないと書いています。

どんな優れたアイディアでも、ビジネスが立ち上がるまで普通は3年かかる。そこ行き着くまでに低迷して、ほとんどの会社が倒れてしまう。それをやるメンバーの実行力の方がよほど重要だ。

そして、ビジネスで波に乗るための方法について書いています。

ビジネスで良い波に乗るには、波がきてから走り出しては、間に合わない。波が来るまで、ずっと海辺に立ち尽くして、いなくてはならない。その間、他の人から見たら、「頭がおかしい人」である必要がある。あなたはそうなれるのか?

これは僕も全く同感です。良い波はそうそう来ない。波を待ちながら、波が来ることを信じながら、海辺で寒さに耐える。これはもうやってみるしかないのです。そして、耐えた人だけが、波に乗れるのだと思います。

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雰囲気イケメンさんによる写真ACからの写真

できなかった答え合わせ

この講義の最後に、彼は8年後の今日、2020年6月30日に、またここに再び集まって、みんなで宿題の答えあわせがしたいと話しました。

この講義を聴講した生徒は、2020年には20代後半から、30代となっている。講義を聴いた人が、成功して世の中が少しく変わった話、こういう事業に挑戦して失敗したけど、今はこう考えているとか、答え合わせをやりたい。もう一つ、瀧本氏は、2020年頃までは日本にチップを貼り続けるとも書いていました。

その答え合わせは、実現しないまま、瀧本さんは2019年に逝去された。今、彼が生きていたならば、コロナ禍で苦しんでいる世界について、どう考えているだろうか? 相変わらず、沈んでいる日本について、何を語るのだろうか? 彼から話を聴いてみたかった。
尽きない大きな興味が、あるのですが、それを実現する機会は永遠に失われてしまいました。つくづく惜しい人を亡くしたと思います。

あとがき

瀧本さんは、「日本にはまだ可能性がある。何とか良くしていこう。」と考えて大学に戻り、本を書き、本気で日本を変える人材を育てようとした。本当に素晴らしい人でした。

この本を読み終えて、心から感動しました。彼は、若者を、日本を心配して、正直に大切なことを真正面から語っています。こんな人は、そうそうこの世の中にいるものではない。僕は、まだ読んでいない彼の本をすべて読みたいと思います。若い人たちは、ぜひ、彼の本を手に取ってみてください。

前のブログ。書き方がまずくて申し訳ありませんでした。読みやすくリライトしてみました。よろしかったら、もう一度読んでやってください。書く技術が未熟で申し訳ございません。

www.fossiloftime.com

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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