時の化石

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「フタバサウルス・スズキイ」 日本初の首長竜化石発見の物語 

どーも、ShinShaです。
今回は、実際にあった夢のような物語についてご紹介します。
男の子は子供の頃、だいたい化石とか考古学に夢中になるものです。
かくいう私もそういう少年でした。

マチュアが日本で最初の首長竜化石を発見。
それが新種生物で、学名に自分の名前がついてしまった。
そんな夢のような物語があったのですね。
これが、学名 「フタバサウルス・スズキイ」、日本で最初の首長竜の化石発見の物語なのです。

フタバスズキリュウとは

最初の俗名「フタバスズキリュウ」についてwikipediaから引用します。
1968年にいわき市で発見された化石。
発見したした人は鈴木直さんです。
そして、発見後38年後に、この化石が新種の首長竜であることが判明。
「Futabasaurus suzukii (フタバサウルス・スズキイ)」という学名が付けられた。
マチュア考古学者の憧れの的ですね。

フタバスズキリュウの化石は1968年(昭和43年)に、福島県いわき市大久町入間沢の大久川河岸で露出していた双葉層群玉山層入間沢部層(いりまざわぶそう)の Inoceramus amakusensis 帯から、当時高校生だった鈴木直によって発見された。

この頃、各大陸に比べて面積が小さい日本列島では、首長竜や恐竜など中生代の大型爬虫類の化石が発見されることはないと考えられていた。
フタバスズキリュウの発見により、こうした定説が覆され、専門家やアマチュア研究者による化石発掘が各地で盛んになった。

「双葉鈴木竜」という名は発見者の苗字「鈴木」と、発見された地層の「双葉」層群から名付けられている。

発見直後に調査のため来日したサミュエル・ウェルズにちなんで「ウェルジオサウルス・スズキイ」という学名が提案されていたが、当時は新種かどうかの判断がつかず、発見後38年経った2006年(平成18年)5月に国立科学博物館の研究チームによってようやく新属新種の首長竜と判明し、「Futabasaurus suzukii (フタバサウルス・スズキイ)」という学名で正式に記載された。 引用:wikipedia

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フタバスズキリュウパネル

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「フタバサウルス・スズキイ」の物語

鈴木少年の化石発見

幼い頃から図鑑が大好きだった鈴木さん、中学生の時に郷土いわき市の地質の成り立ちを書いた本に出会います。
そこには、いわき市には約1億年前の白亜紀の地層が露出していること、珍しい魚類、サメの化石が発見されることが書いてありました。
鈴木さんの化石に対する熱がそこから始まった。

鈴木さんはそれから地元の資料館に行き、故郷の地質資料について調べ始めました。
ラッキーなことにいわきには石炭が産出するため、戦前の多くの地質調査資料が残っていた。
彼は資料を読んで、白亜紀の地層が、いわき市北部大久川上流に露出していることを突きとめます。 いわき市は炭鉱があるから良かったのですね。
一般的な地域ではそれほど地質調査は行われていませんからね。

彼は化石ハンターとなり、自宅から30km以上離れた地層まで、毎週末、自転車で出かけるようになりました。
アンモナイト、貝、サメの歯など化石コレクションが増えていった。
そして、ある日、これまで見たことがない大型の動物の骨を発見します。

この人が賢明だったのは、発掘を中止して国立科学博物に電話をしたことです。
貴重な化石を損傷することなく、そのまま残すことができました。
これによって多くの情報が失われず保全されたのです。

彼が発見した化石は、とんでもない貴重なものだったのです。

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国立科学博物館に展示されているフタバスズキリュウの骨格模型

国立科学博物による発掘調査

連絡を受けた国立科学博物館の研究者は、現地を訪問して首長竜の化石のようだと目星をつけました。

そして、崖を崩して掘り出すことになりました。
ものすごい大きさなので、人間の手作業では掘れない。
地元の協力で重機で崖を崩す作業が行われました。

化石をある程度露出させて国立科学博物館に持ち帰り、骨の周辺部が切り出されました。
そこには驚くべきことに、一頭の巨大な竜が閉じ込められていた。

下の写真が国立科学博物館にある産状模型です。
これを初めて見たときは興奮しましたね。
こんな化石が発見されたなんて!!

この化石には発見者鈴木さんの名前が冠され、フタバスズキリュウと呼ばれるようになりました。

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「骨の化石を地層ごと切り出した状態」の模型(産状模型)

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フタバスズキリュウの骨格模型

新種の認定研究

そして、この話には続きがありました。

フタバスズキリュウは、それから長いあいだ科学的な検証が十分に行われず、正式な論文として発表されていませんでした。 2006年に現・東京学芸大学の佐藤たまき准教授により論文化され、新属新種の首長竜として正式に記載されました。

webを検索したら佐藤さんのコメントが掲載されていました。

首長竜の専門家から見てフタバスズキリュウが重要なのは、白亜紀のサンクトニアンという時代の地層から見つかっており、「北太平洋岸エリアのなかで一番古い」という点です。

フタバスズキリュウが含まれるグループであるエラスモサウルス科の首長竜は、白亜紀には世界中どこにでもいた生き物なのですが、化石がバラバラの状態で見つかることが多いんです。


バラバラの状態では種や属の同定ができないことが多いため、フタバスズキリュウは、北半球側の環太平洋域において、まともに骨格が見つかっているエラスモサウルス類で一番古いものであるといえます。   
そして、北アメリカやオーストラリアで見つかっているほかの首長竜と形を比較して属や種の同定ができる、北太平洋岸産出の唯一のエラスモサウルス類標本です。
引用: academist journal https://academist-cf.com/journal/?p=3434

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国立科学博物館

参考文献関連書籍など

この記事は下記の本を参考にして書きました。 また、トミーから模型も発売されています。

フタバスズキリュウ もうひとつの物語

フタバスズキリュウ もうひとつの物語

  • 作者:佐藤 たまき
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

アニア AL-09 クビナガリュウ(フタバサウルス)

アニア AL-09 クビナガリュウ(フタバサウルス)

  • 発売日: 2015/08/06
  • メディア: おもちゃ&ホビー

あとがき

昆虫学や天文学、絶滅生物化石の発見などの分野では、科学上の発見はアマチュアの情熱によって支えれています。
情熱をもったアマチュア研究家はいっぱいいますからね。
今回の物語はアマチュア研究家が理想とするゴールです。

鈴木さんは、その後もいわき市の研究員として、化石の発掘、調査、復元作業を行われています。
彼は講演会の最後に与謝野晶子の歌を引いて話を終えるそうです。
「劫初(ごうしょ)より造りいとなむ殿堂にわれも黄金の釘ひとつ打つ」

いいことばですね。
胸が熱くなりました。

今日も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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