どうも、ShinShaです。
今回はかなり物騒なテーマについて書きます。
2023年1月、ロイターwebニュースにこんな記事が掲載されました。
[ワシントン 28日 ロイター] - 米空軍のマイク・ミニハン大将は内部メモで、米国は台湾有事で2年以内に中国と戦うことになるとの認識を示した。NBCニュースが報道したメモのコピーをロイターが確認した。
メモは2月1日付だが1月27日に送られていた。「私が間違っていることを望むが、25年に戦う予感がする」と記されている。
僕はマスコミを信用していないので、ロイターのインターナショナル版も調べてみました。
そこにも同じ記事がありました。
2025年って2年後のことですよ!
記事を読んで、本当に心配になりました。
こんなに大変なことを見過ごすわけにはいかない。
それから、記事の信憑性、台湾有事の可能性について正しい情報を得たいと思ってWeb、本の情報を探していました。
そんな中、毎日Podcastで聴いている『大竹まこと ゴールデンラジオ!』に小川さんが出演されました。
彼のウクライナ戦争、台湾有事に対する合理的な解説に感服しました。
今回の記事は、小川和久 著『メデイアの報じない戦争のリアル』についてご紹介します。
最初に結論を書いておきます。
軍事アナリスト 小川和久さんの分析では、台湾有事は当面ありえないということです。
僕はこの見立ては合理的で正しいと思います。
小川和久氏 プロフィール
小川和久氏のプロフィールです。
かつては、ずいぶんTVにも出演されていたから、記憶されている人も多いはずです。
小川さんがすごいのは、各国の軍事装備、過去の軍事作戦の情報など、どこで調べたのかと思うようなデータを山ほど持っておられる。
そして豊富なデータをもとに、鋭い分析を行って世界の軍事動向を把握している。
この人はプロフェッショナルだな。
本を少し読めば分かります。
静岡県立大学特任教授 特定非営利活動法人・国際変動研究所理事長 軍事アナリスト
1945年生まれ。陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校修了。
同志社大学神学部中退。地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。
外交・安全保障・危機管理(防災、テロ対策、重要インフラ防護など)の分野で政府の政策立案に関わり、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。
小渕内閣ではドクター・ヘリ実現に中心的役割を果たした。
電力、電話、金融など重要インフラ産業のセキュリティ(コンピュータ・ネットワーク)でもコンサルタントとして活動。
2012年4月から、静岡県立大学特任教授として静岡県の危機管理体制の改善に取り組んでいる。
『フテンマ戦記基地返還が迷走した本当の理由』『日米同盟のリアリズム』など著書多数。
台湾有事は当面起こりえない
今回ご紹介する本は、小川和久著『メデイアの報じない戦争のリアル』。
本の中味にふれてしまいますが、ご本人もラジオ・YouTubeなどで話されているので良いでしょう。
この本に書かれた台湾有事に関する分析について簡単に紹介します。
台湾有事とは「中国軍が台湾本島を攻めて占領する」ことです。
台湾有事のメインの軍事行動は、中国軍が台湾に船で軍隊を送り込み、上陸することになります。
圧倒的な軍事力の差がなければ他国を占領することなどできません。
軍事には「攻める側は守る側の3倍以上の兵力が必要」という常識がある。
事実、過去の軍事上陸作戦、1944年のノルマンディー作戦、1945年の米軍の沖縄への上陸作戦なども、3倍以上の兵力で行われています。
台湾の保有兵力は陸・海・空軍合わせて計30万人、これを占領しようとする中国軍は100万人以上の兵力が必要となります。
ところが、現在の中国の輸送船設備を調べると100万人の兵力を運ぶ能力はない。
小川さんの分析では、当面は台湾有事は起こり得ないという結論です。
併せて、湾を占拠して上陸するルート、制空権などを含めた筆者のシミュレーションからも上陸作戦は成立しない。
さらに、短距離弾道ミサイルを使って台湾の重要施設を破壊し、混乱に乗じて傀儡政権を作る”斬首戦”は、アメリカとの全面戦争を招く危険が大きい。
台湾有事について、こんなに専門的で科学的な解説を初めて読みました。
本書を読んで少し安心しました。
僕らはもう少し防衛に関する知識を持たなければなりませんね。
そして小川さんのいわれるとおり、空論ではなく台湾有事を正しく恐れることが重要だと思いました。
小川さんが出演されたゴールデンラジオのYouTubeリンクです。
まず、著者の解説を聞いてみてください。
繰り返されるブラフ
「台湾有事が起きる」というブラフは、過去から繰り返し行われているそうです。
軍に予算を取りたいがために、米軍の高官がしばしば行うパフォーマンス。
今回、そのニュースを僕も見たわけです。
政府の立派な政治家の皆さんは、ブラフに引っかかってバイデン大統領のいわれるまま防衛費倍増を約束した。
金もないのに国民の議論も国会の審議もすっ飛ばして。
周りにまともな専門家もいないのでしょう。
やることすべてが中学生レベルだよ。
中国、習近平主席には「2049年に米国を凌駕する大国になる」という野望があり、それまでは安全運転という方針をもっています。
また、中国人のひとつの側面を表す言葉として「商売人」という言葉が挙げられます。
ひとたび有事が起これば、中国はあらゆる先進諸国から経済封鎖されます。
これまで積み上げてきた金のなる木を簡単に投げ捨てて、商売人の中国人が危険な賭けに出るとは思えません。
日本の国防について
もうひとつ、本書を読んで初めて知ったことがありました。
日本の防衛に関するリアルな現実です。
要点をまとめてみました。
- 日本の実力は自衛隊だけ見ても分からない。60年以上にわたって築いてきた日米同盟との組み合わせを通して、真の姿を見きわめることができる。
- 日米同盟は米国的にとって”死活的に重要”。日米同盟を基盤として中国と対峙し、アジア〜中東〜アフリカに至る広範囲に軍事力を展開し、覇権を握る大きな源泉となっている。日本を捨てて逃げることなどありえない。
- 日米安保を片務的と卑下する必要はない。日本はアメリカにとって国益のある最重要同盟国であり、日本も相応の費用、インフラ、装備など負担をしている。
日本の将来が不安な人は、ぜひ小川和久さんの本を読んでみてください。
ウクライナ戦争の真実、ロシア・中国の軍事力、日米同盟の実力など、理詰めでリアルな分析が書かれています。
おわりに
もう、日本には真実を伝える新聞もTVも無くなってしまった。
ずっと前から新聞は読まなくなったし、TVも「らんまん」以外見ていません。
だって、聴取料取られているでしょう😅
同じ世代の経済評論家、森永卓郎さんがラジオで話していました。
TV局ディレクターから言われるそうです。
「政権批判、批判につながるようなことは一切話さないでください」
だから、正直な森永さんは、そこいら中のTV局から出禁😅
ということで、TVに出ている専門家は信用ならないのです。
TVで流れているのは「コッテコテでスッカスカ」の報道もどきだ。
数字欲しさに、芸能事務所のスキャンダルさえ流せない体たらくです。
昔は、こうじゃなかったんだけどなぁ。
筑紫哲也さんが懐かしいよ。
ラジオはまだいい。
いろんな分野のプロフェッショナルから、本当の話を聞ける。
批判しても〇〇党からクレームはこないみたいだ。
あとはWeb、Twitter、本から真実の情報を探すしかない。
小川さんの著作をぜひ読んでみてください。
空論ではない世界のリアルな軍事について書かれています。
そして、リアルを知ることで希望も見えてくるんです。
ShinSha