どうもShinShaです。ジャズ・スタンダードをご紹介する記事です。今回はかなりジャズっぽいナンバー、「エンジェル・アイズ」です。
歌詞はこんな内容です。
フラられた男がバーで飲んでいる。自暴自棄になりながらも、男は彼女への未練を引きずっている。男が愛したのは、悪魔が地上に送りこんだ”天使の瞳”をもつ女性だった。まるで映画の一場面のような、味わい深い歌詞です。
このスタンダードの歌ものは、やはり、フランク・シナトラかな。歌詞の世界に似合いすぎている。チェット・ベイカーのやさぐれた感じも良いです。インスト曲にも素晴らしいチューンがありました。今回も新旧織り交ぜて選曲しました。
「エンジェル・アイズ」 Angel Eyes
楽曲について
「エンジェル・アイズ」(Angel Eyes)は、米国の作編曲家マット・デニスが1946年に作曲。親友、アール・ブレンドに作詞を依頼した。デニス最大のヒット曲になりました。
デニスはこのほか、「コートにすみれを」「エブリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」などのスタンダード曲を書きました。
メロディは最初、少しとっつきにくいかも。少し経つと、この美しくも切ないメロディに強く惹かれるようになります。悲痛な面持ち、それを振り払うような感情を転調によってうまく表現するブルー・バラードなのです。
この曲は多くのミュージシャンにより愛されています。ナット・キング・コール、フランク・シナトラ、チェット・ベイカー、アニタ・オディ、エラフィッツ・ジェラルドなど、多くのシンガーが歌っています。特にエラフィッツ・ジェラルドは、この曲がお気に入りで何回も録音しています。
歌詞
このスタンダードの歌詞は下記の内容です。(^^;;
フラられた男がバーで飲んでいる。自暴自棄になりながら、未だに彼女への未練を引きずっている。男が愛したのは、悪魔が地上に送りこんだ”天使の瞳”をもつ女性だった
アイツがいまどんな男と付き合っていて、何処にいるのか。確かめずにはいられない。映画の一場面のような味わいがある歌詞です。
Angel Eyes
I try to think that love's not around
But it's uncomfortably near
My ol' heart ain't gaining no ground
Because my angel eyes ain't here
もう愛は近くにないと思おうとしたが
不快など まだそばにある
くたびれた俺のハートは 所在をなくしてる
俺の“天使の瞳”がここにいないから
Angel eyes, that old Devil sent
They glow unbearably bright
Need I say that my love's misspent
Misspent with angel eyes tonight
老獪な悪魔が送り込んだ”天使の瞳”
たまらないほど 眩しく輝く瞳
俺の愛は無駄だったってことさ
今夜も“天使の瞳”に片想いだ
So drink up all you people
Order anything you see
Have fun you happy people
The laugh's and the joke's on me
さあ 皆んな飲んでくれ
好きなもの 何でも注文してくれ
幸せな皆さん さあ楽しんで
俺のことを ジョークと笑いのネタにすればいい
Pardon me but I got to run
The facts uncommonly clear
Got to find who's now number one
And why my angel eyes
Oh, where is my angel eyes?
失礼するよ 急ぐんだ
真実はもう明らかだけど
誰が彼女のNo.1 なのか
ああ 俺の”天使の瞳”はどこにいるのか
探さなければ
'Scuse me while I disappear
失礼する もう行くよ
訳:ShinSha
「エンジェル アイズ」の名演奏
ジャズ・スタンダードを聴く楽しみは、いろんなアーティストの演奏の聴き比べにある。この曲にはどんな名演があるのだろうか?今回も新旧織り交ぜて素晴らしい演奏を紹介します。
[インストゥルメンタル]
⚫️ アート・ペッパー
僕の最近の愛聴盤。1979年3月にロサンゼルスでレコーディングされた音源です。当時、ペッパーには契約上の問題があり、このアルバムはビル・ワトラス・クインテット名義で日本だけでリリースされた。
美しい演奏です。抑制を効かせて、彼独特のフレーズを混ぜながら歌うペッパーソロが素晴らしい。ぜひ聴いてください。
Art Pepper Presents "West Coast Sessions!" Volume 4: Bill Watrous 2017
Alto Saxophone – Art Pepper, Bass – Bob Magnusson, Drums – Carl Burnett, Piano – Russ Freeman, Trombone – Bill Watrous
⚫️ トミー・フラナガン
ロンカーター、トニー・ウィリアムズとのすごいメンバーのトリオ。曲の美しさを表現したリリカルな演奏です。後半に向かってアドリブがどんどん展開していくところが素晴らしい。
Tommy Flanagan “Master TRio“ 1991
Bass – Ron Carter, Drums – Tony Williams, Piano – Tommy Flanagan
⚫️ エディ・ヒギンズ トリオ
ヒギンズってジャズ界ではけっして大物ではないけど、どの作品を聴いてもハズレがない。いぶし銀のような職人技がさえている。リリカルでじつに美しい演奏です。このアルバム、全曲がすばらしい。
エディ・ヒギンズ トリオ ”魅惑のとりこ” 2001
Bass – Jay Leonhart, Drums – Joe Ascione, Piano – Eddie Higgins
[ボーカル曲]
⚫️ フランク・シナトラ
この曲はやっぱりシナトラですよね。フラれた寂しい中年のイメージがハマっています。ストリングス、ブラスを使った華麗なバック演奏の中で、響くシナトラのボーカルが素晴らしい。”天使の瞳”って何色なんだろう。どんな髪型の彼女なんだろう?曲を聴きながら、想像していました。
Frank Sinatra “Sings For Only The Lonely” 1958
Arranged By, Conductor [Conducted By] – Nelson Riddle, Vocals [Sings] – Frank Sinatra
⚫️ チェット・ベイカー
チェット独特のブルーなボーカル。ワンパターンといえば、そのとおりなんだけど、このファルセットボイスはクセになる。このやさぐれたトーンが曲に合っています。フラれて酒に酔ってボロボロになっている感じがとても良い。
Chet Baler “Two a Day” 1979
Bass – Jean-Louis Rassinfosse, Drums – Jeff Brillinger, Piano – Phil Markowitz, Trumpet, Vocals – Chet Baker
⚫️ イリアーヌ・イリアス
エンジェル・アイズをBossaのリズムで聴くのもなかなか良い。ぴったりハマったアレンジで、まるでこっちがオリジナルみたいだ。イリアーヌの軽やかなボーカル、ベースがとても良いです。やっぱBossaは素敵だ(^^)
Eliane Elias "Love Stories” 2021
サブスクミュージックでジャズを聴こう
サブスクミュージックでジャズを聴きましょう。今回のスタンダードの名演、名曲はすべてサブスクで聴くことができます。しかも音質も素晴らしい。
Apple Musicではジャズ名盤のハイレゾ化が進んできています。
素晴らしい音質で名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ
記事で採り上げたアルバムのamazonリンク
おわりに
今回はフラれた男の歌詞のスタンダードでした。調べてみると、ジャズ・スタンダードには、こういうパターンの歌詞は少ないですね。ジャズはオシャレな酒場の音楽でもあるわけで、雰囲気には似合わないのかな。
このシリーズの記事も13作となりました。とりあえず30作が目標です。少し前は書くのが大変でしたが、最近はすごく楽しくなりました。記事を書きながら、いろんな曲を聴くのが勉強になるし楽しい。いろんなジャンルの音楽を聴きますが、僕にはジャズがいちばん性に合っている気がします。
僕も”天使の瞳"をもつ女性に出会ってみたい😆
ShinSha