どうもShinShaです。2024年8月、和食店『賛否両論』を訪問しました。巷では予約の取れないお店と言われていますが、数ヶ月ぶりに予約が取れてラッキーでした。
今回で賛否両論 恵比寿本店には四回目の訪問となりました。これで春夏秋冬、オールーシーズン、コンプリート。今回はついに店主、笠原さんとお会いすることができました。
『賛否両論』とは
2004年に東京都渋谷区恵比寿に料理人笠原将弘さんがオープンした日本料理店『賛否両論』。巷では、とにかく予約が取れない和食店として有名です。笠原さんは腕の立つ料理人であり、また熱のある人物です。テレビに出演したり、本を書いたりとにかく忙しい方です。
賛否両論のメニューは「おまかせ」で、料金は12,500円と9,500円の2コースのみ。料理の品書きはなく、旬の食材を使用した「おまかせコース」の内容は、提供される直前までお楽しみとなっています。隣の席の料理をちらちら見ながら、次に何が来るのかやたら気になるのでした。
賛否両論 夏のご馳走 2024年8月😋
一階の調理場に笠原さんの姿がちらりと見えました。今回はお会いできるかな。僕らは二階席で食事です。お店の人に話を聞くと調理場を囲うようにある一階席は瞬時に予約が埋まるとのこと(^^;;
今回も上のコースを選択。ボリュームが多いので、朝から摂食をして体調を整えて店に臨みました。しかし、先付け見ただけでビールを我慢できなくなった。
最初に八寸が供されました。右上左から時計回りに、スイカと梅干しのすり流し、胡麻豆腐とじゅんさいとウニ、万願寺とうがらしの擬製豆腐、鴨ロースと塩えのきなめ茸。どの料理も美味しかったけど、スイカと梅干しのすり流しは想像を超えた味だった。ああビールがどんどん進んでしまう。
次は椀もの、鱧と冬瓜の汁。ふわふわで柔らかな鱧と出汁の染みた冬瓜。上に乗っているのは十六ささげ。上品な出汁とふわふわの鱧。すばらしい美味しさでした。
隣のテーブルの人が、なぜ冬瓜にこれほど出汁が染みるのかと訊いていた。お店の人は調理人総出で冬瓜に細かい切れ目を無数に刻むのです。とても大変な作業ですと応えていた。ふっくらした鱧にもそういう技が施されているのだろう。改めてこの店の料理の奥深さを感じました。
続いてお造り。左からまぐろ(中トロ、大トロ)、鯛、タコ。醤油の上の小皿に入っているのは醤油に漬けた赤玉ねぎ。鯛、タコに赤玉ねぎ醤油を乗せて食べたらとても美味しかった。マグロは脂に乗って口の中でとろけるようでした。お造りを食べるのにも、毎回変わった漬け醤油を出してくれる。楽しいです。
次はおしのぎの穴子寿司。こんな料理も出るんだね。柔らかく蒸して軽く炙った穴子が、美味いのなんの。ご飯を食べていると、ぷちぷち、かりかりという食感と、いろいろな香りが口の中で広がる。
穴子の上に千切りのきゅうりととんぶりの実をあしらい、酢飯の中には細かく刻んだ、いぶりがっこが入っている。なんと手の込んだ料理だろう。ああ、これを丼で食べられたら。
焼き物はカンパチの柚子胡椒焼き。付け合わせはフルーツトマトとセロリと土佐酢の大根おろし。やわらかなカンパチにほんのり柚子胡椒の香りがした。上品で香り高き一皿でした。
次は茶碗蒸し。今回は、椎茸とホタテの茶碗蒸し、焼きナスすりおろし餡かけ。このお店の茶碗蒸しも毎回の楽しみ。来る度にまったく違う料理が出てくる。今回は焼きナス風味の餡かけでした。美味しいに決まっていますね。
席に着いてから約2時間分。〆の土鍋ご飯が炊き上がりました。今回はなんと、店主、笠原さんに給仕頂きました。
「写真、撮らせてもらっていいですか?」
「はい、ポーズ作りますね」
今回の土鍋ご飯は、「焼きとうもろこし、バター、黒胡椒ご飯」 。バターと焼きとうもろこしの豊かな香りが広がる。これはたまらん。お腹いっぱいでしたが、笠原さんに一人前、装って頂きました。めちゃくちゃ美味しいご飯でした。
笠原さんに少しお話を伺うことができました。料理のメニューは、すべて彼が決めているそうです。都合がつく時は、早朝の買い出しから、お店で調理、接客まで対応されるそうです。ハードワークですね。和やかで誠実なお人柄とプロフェッショナルのオーラを感じました。
ここまで料理の記事を書き終えて、違和感を感じた。メモを見ると一品写真を撮り忘れていた。撮り忘れたのは肉料理「豚しゃぶのジャンボなめこ、糸うりの餡かけ」。料理の美味しさに心を奪われてしまったからなのかな。肉料理もとても美味しい一品でした。
さて、最後のデザートです!毎回ですが、胃袋にはぜんぜん余裕なんかない💦 店員さんがリストを示して「甘味はお好きなだけ」とオーダーを取りに来ました。流石に今回は全部食べられない。今回はとり将プリン、杏仁豆腐、本日のデザート、そしてきなこアイスの4品をチョイス。
下の写真の左上から紹介しますね。きなこアイス、スイカのシャーベット塩ジュレがけ(本日のデザート)、杏仁豆腐、とり将プリン。杏仁豆腐に掛かっているソースは季節によって変わります。今回は桃のソースでした。
どれだけお腹がいっぱいでも、とり将プリンと杏仁豆腐は必ず食べたい。どちらも絶品。今回も抜群に美味しかった。
あとがき
格式ばらずリラックスして美味しい和食を楽しめる名店です。今回でこのお店を訪問するのは4回目ですが、これまで同じ料理は一品もありませんでした。どの料理も恐ろしいほど手が込んでいて、クリエイティビティを感じます。
この店を、毎回訪問する度に「今回が一番美味しかった」と感じます。想像力や記憶を、目の前の料理が軽々と超えてしまう。『腕・舌・遊び心』。まさにキャッチフレーズどおりの超名店です。
着席から2時間半。会計を済ませてお店を出ました。今回は店主、笠原さんにお見送りをして頂きました。さらに記念撮影も。
これまで秋・冬・春・夏の4回、このお店に来ることができました。本当にラッキーでした。頑張って仕事をしてまた来るぞ。
ShinSha