どうもShinShaです。皆さんは列車やバスで長距離移動中に何をしていますか?僕は本を読んだり、音楽を聴くことが多いのです。それか寝ているかですね。
僕は2年半前から、ノイズキャンセル機能付きのワイヤレスイヤホンを使っています。でもイヤホン収集を始めて良い音質で音楽を聴き始めたら、ワイヤレスイヤホンの音が物足りなくなってきました。
どうせ音楽を聴くなら、良い音質でハイレゾミュージックを聴きたい。今回は旅先で音楽を楽しむというテーマで記事を書きました。
移動中に音楽を聴く
まず音楽を聴くための障害となる、騒音について知っておかなければなりません。下の図は地下鉄、列車の騒音レベルを示した図です。地下鉄、在来線鉄道車内の騒音レベルは70〜80dB、新幹線は60 〜 70dB程度の騒音です。
余談ですがwebを調べていると、こんな情報がありました。東京都の大江戸線は騒音がうるさいと苦情が絶えないそうですが、騒音レベルは100dBを超えるらしい。これは建設当時の東京都財政が厳しく、トンネルのサイズを小さくしたことが原因だそうです。パチンコ屋の店内よりも...(汗)
さて、ワイヤレスイヤホンなどに搭載されている、ノイズキャンセル機能 ANC(Active Noise Cancelling)は、主に騒音と逆位相の音波を発生し音を消す仕組みとなっています。効果を実感しやすいノイズキャンセリングの目安は消音力【-40dB】の性能が必要だといわれています。
ということは、ノイズキャンセル機能のついたイヤホンを使うと、地下鉄や電車の中の騒音レベルが戸建て住宅地なみのレベルに低下するという訳です。だから快適に音楽を聴くことができるんだ。
僕はJBLのノイズキャンセル機能付きワイヤレスイヤホンを使っています。ワイヤレスイヤホンはケーブルから解放されるという利点が大きいですね。RadikoやPodcast番組を聞くのには十分な性能だと思います。
しかし、音楽を本格的に楽しむには音質が低すぎる。最近はLdacというハイレゾ伝送が可能なコーデックも現れましたが、有線イヤホン、ヘッドホンとは音の情報量がぜんぜん違うのです。
都市を走る地下鉄は頻繁にドアの開閉があり、車内放送も流れ、さらには人の移動も激しい。だから、音楽を集中して聴く環境とはなりにくい。こちらは半ば諦めるとして、長距離道の時に良い音楽を聴いてみたいと考えました。
ドングルDACと有線イヤホンで音楽を聴く
ドングルDAC(ヘッドホンアンプ付)
長距離移動中に本格的な音楽を聴くために、一番コストがかからない方法は、まずヘッドホンアンプ付きドングルDAC(ダック)を手に入れ、自分のもっているスマートホン、有線イヤホンと繋ぐことです。お金に余裕のある方はDAPを購入されても良いですよ。
DACはデジタル・アナログコンバーターを意味しています。デジタルオーディオデータをアナログに変換し、イヤホンやヘッドホンで再生できるようにする装置のことです。
最近では価格1万円程度の小さなドングルDACがたくさん販売されていますので、それを購入すれば良いのです。参考までに僕が購入した製品の写真を下に掲載します。長さ56mm、重さわずか18.5g。こんなに小さなギアさえあればでイヤホン、ヘッドホンでハイレゾミュージックを聴くことができるようになるのです。
さらにお金を節約したい方にはDAC内蔵のイヤホンを購入する方法があります。最近はiPhoneの出力端子がusb-cに変更されたため、この端子に接続ができるDACと一体となったイヤホンが販売されています。後ほど、おすすめの製品をご紹介しますね。
スマートホン + ドングルDAC + 有線イヤホンで聴く音楽はダウンロードした音源、ストリーミングサービスです。最近はストリーミングサービスでもハイレゾ音楽が聴けるようになりましたからね。
フォームイヤーピース
さて、次に準備するのは、遮音性が高いイヤーピースです。遮音性が高いイヤーピースとしてはウレタンフォームでできた製品が有名です。このイヤーピースをフォームイヤーピスト呼びます。
最近では熱可塑性のある素材を使って体温で変形してピッタリ耳にフィットするフォームタイプの製品もあります。これらのイヤーピースは車内の騒音の侵入を防ぐとともに、聴いている音楽の音漏れも防止してくれます。
下にシリコンイヤーピスとフォームイヤーピースの違いを示した図を掲載しました。コンプライ(Conmly)は有名なフォームイヤーピースのブランドです。フォームタイプのイヤーピースは外耳道にぴったりと隙間なく密着することで、高い遮音性を確保することができるのです。
フォームイヤーピースとシリコンイヤーピースの遮音性の差に関するデータを調べてみました。これもコンプライが出しているデータです。どんな試験を行なったか詳細は書かれていないのですが、明らかにフォームイヤーピースはシリコン製イヤーピースより遮音性が高い結果を示しています。
グラフを見るとシリコンとフォームタイプの差異はおよそ6 dBです。音圧dBは対数で示されるので、音の強さでいうとおよそ2倍の差異があります。聴こえるノイズの音量が2倍も違うというのはとても大きな差ですね。
今回は実験をするため、2種類のフォームイヤーピースを購入しました。買ったのはコンプライのアジアンフィットモデル、それとAZLAのFoamaxです。
電車の中で試してみた
ところで、フォームイヤーピースって高音が減衰すると言われていますが、実際はどうなのでしょうか?じつはフォームイヤーピースを使うのは今度が初めてで...ちょっと自信がない(汗)
ちょっとwebの情報を調べてみました。オーディオなどの情報サイトPHILE WEBに掲載された記事を読みました。
下のグラフは、補聴器用の測定機器を利用して、イヤーピースを付け替えたイヤホンの聴こえ方を計測したものです。SHUREのトリプルフランジはシリコン製のドリルみたいな形の製品です。このグラフではコンプライのイヤーピースは優秀ですね。低域の音も高域の音も一番よく聞こえている。これなら、音質も心配なさそうかな。
さて、それでは実際に列車に乗って実験しましょう。今回は福島への列車、特急スーパーひたちの中で実験しました。座席の位置はいつもの海が見えるA席です。福島への旅路は品川からいわきまで2時間40分、富岡まで3時間15分。結構時間がかかります。この移動時間にじっくり音楽を聴けたらと思うのです。
今回もってきたイヤホンは最近購入した Maestraudio(マエストロオーディオ) MAPro 1000。最近のお気に入りの赤イヤホンです。イヤホンの詳しい情報は下のリンクをクリックしてください。
https://www.fossiloftime.com/entry/2024/09/19/174748
このイヤホンにフォームイヤーピースを付けます。MAPro 1000に付属品フォームイヤーピース、コンプライ、AZLAのフォームイヤーピースを付け替えました。
音楽はApple Musicのストーミングでハイレゾ音源を聴きました。iPhoneのキャリアはソフトバンクですが、いわき駅まで大きな障害なくハイレゾで音楽が聴けたと思います。聴いた曲はジャズとクラシックがメインです。
フォームイヤーピースは指でつぶして小さくしてから、耳に装着するのですね。30秒くらいで膨らむそうですが、慣れてないので焦ってしまう。ケーブルの始末もしなければならないしね。何度も繰り返して着けました。
結果はどうだったか...。
なかなか良い音質で音楽を聴くことができました。音楽を鳴らしていると、列車の騒音はあまり気になりません。フォームイヤーピース3種には大きな差を感じませんでしたが、やはり一番遮音性があると感じたのはコンプライ製品かな。
それはそうだよな。コンプライは1990年にフォームイヤーピスの製品化を行なったパイオニアだ。また、アジアンフィットなどという、アジア人の外耳道に合った製品まで開発してるしね。
音楽を流している時に感じる騒音は、ノイズキャンセリング機能付きワイヤレスいイヤホンと差を感じません。聴こえてくる音質は、いうまでもなく比べものにならないほど、有線イヤホンの方が優れていました。
高域の音は確かにシリコンイヤーピースの聴こえ方と違ってソフトな音質に感じます。しかし、それ以上に感じたのは装着時の快適さです。少し経つと着けていることを忘れてしまうほど。これならずっとストレスなく着けていられますね。
ドングルDACは出張先の宿でも活躍しました。出張時に持ち歩いているMACにもつないで、ハイレゾミュージックを聴きました。あっケーブルがぐちゃぐちゃ、おまけにイヤーピースもシリコン(汗)この日は一杯飲んでたもので。
その後、都内の地下鉄、私鉄でもフォームイヤーピースを着けて音楽を聴きましたが、遮音性は十分でした。音楽が流れていなくても、雑音はノイズキャンセル機能付きワイヤレスイヤホンとほぼ同じレベルです。フォームイヤーピースを外す時、騒音が耳に流れてくるのが実感できます。やっぱり素晴らしい効果なんだ。
2日前にモーツァルトのピアノ協奏曲を聴いていたら、気持ちが良すぎて駅を乗り過ごしました。困った問題はそれくらいですね。皆様もぜひ、トライしてみてください。
オススメの製品
🔳フォームイヤーピス
フォームイヤーピースリンクを貼ります。まず、僕が購入したコンプライの新アジアンフィット。下記の製品サイズが標準的な有線イヤホンに合うと思います。
お手持ちの有線イヤホンへの適合製品の型番は下記をクリックして確認ください。
https://www.comply.jp/type/trz/
続いて有名なイヤーピースブランド、AZLAの製品です。一組あたりの価格はこちらの方が少し安いです。AZLAのイヤーピース製品は少し大きい目なので僕はMSサイズを使ってます。
🔳ドングルDAC(ヘッドホンアンプ付)
ドングルDACは高価な製品もありますがiBasso Audio、SHANLING 、FiiOなど中国メーカーの製品が有名です。僕はショップで聴きまくって、出力が大きくてまあまあの音質のFiiO製品 KA13を選びました。これならインピーダンスのそこそこ大きいヘッドホンでも鳴らせますしバランス接続も可能です。コストパフォーマンスが高い製品です。
続いて評判の高いiBasso AudioのドングルDACです。値段は少し高いけど、上のFiio製品と比べると音質はこちらの方が優れています。パワーもあり一般的なヘッドホンなら十分音楽を楽しむことができます。
🔳DAC機能付きイヤホン
最後にDAC付きのハイレゾイヤホンを紹介します。この製品はセラミックツィータ + ダイナミックドライバーを搭載し、低域から高域まで素晴らしい音質のハイレゾイヤホンです。これを持てばDACを購入する必要はありません。
このイヤホンの詳細を知りたい方は下記をクリックして下さいね。
https://www.fossiloftime.com/entry/2024/08/16/212432
おわりに
騒音レベルなどの情報を調べながら書いたら、記事が長文になってしまいました。個人的にはちょっと楽しい実験でした。今回の検証でこれから旅は楽しくなりそうです。やはりいつも良い音質で音楽を聴きたいですね。
最近は家でもフォームイヤーピースを使うこともあります。装着感が快適なので音楽を聴きながら仕事をするのに適しています。この快適さはクセになりそうです。これは良い発見でした。
ドングルDACはイヤホンショップで、イヤホン、ヘッドホンの試聴に大活躍です。最近は毎日リュックの中に入れて持ち歩いています。そのために出力が大きな製品を選んだのです。さすがにゼンハイザーのヘッドホンHD650は鳴らせないけど。
福島からの帰りのスーパーひたちでも音楽が聴けるなぁ。ちょっと楽しみにいわき駅で列車に乗り込みました。それから...意識があったのは湯本くらいまでか。気がつくと車窓にスカイツリーが見えた。ふう、少しハードワークだったなぁ。
ShinSha