どうもShinShaです。久しぶりにイヤホンのレビュー記事を書きます。先日、iFiオーディオのモバイルDACを買ったのですが、これと一緒に持ち歩く、普段使いのイヤホンを探していました。ショップで中古品を何本か視聴していた中、飛び抜けて音が良いイヤホンを見つけました。それがSENNHEISER(ゼンハイザー) IE200でした。
SENNHEISERのヘッドホンをもっているのに、IE200はまったくノーマークだった。フラットでバランスが良い音。ギター、弦楽器、ピアノの音、女性ボーカルも美しい。久しぶりにイヤホンの音に感動しました。一瞬でこのイヤホンの音に魅せられ、僕は即座にレジに向かったのでした。
IE200の素晴らしさについて以下に詳しくレポートしていきます。
SENNHESER IE200
SENNHESER社について
ゼンハイザー社は Fritz Sennheiser 博士によって 1945年に設立されました。創業以来、3世代約80年にわたって家族経営によってオーディオの開発と製造販売を行ってきている企業です。
オーストリアのAKG、米国のJBLなど歴史のある音響製品メーカーが時代とともに勢いを失っていく中、ゼンハイザー社は現在もブランド価値を保ち続けている稀有な企業です。


同社の歴史を読んでいると、ヘッドホンで初めての開放型(Open Back型)のヘッドホン(HD 414)を開発し、音響特性を大きく革新しています。また、ダイナミック・ドライバーの高い製造技術をもち、イヤーモニターでも決してバランスド・アーマチュアを使おうとしない、技術への自信と頑固さをもつ企業でもあります。
ゼンハイザー社の製品は他社製品より高価です。しかし日本国内でも長期間にわたり人気を保ち、同社のイヤホン、ヘッドホンは常に製品売上のトップにランクインしています。ゼンハイザーの製品は世界のユーザーから高く評価されているのです。


しかし、驚くことにゼンハイザー社は2022年にコンシューマー製品部門をスイスのSonova(ソノヴァ)に譲渡しました。Sonovaはスイスに本社を置く補聴器、聴覚機器などの分野のトップ企業。譲渡対象となったのはワイヤレスやヘッドフォン、インイヤーなどの機器です。
今回ご紹介するIE200の販売元も現在はSonova社です。製品の製造は変わらずアイルランド・タラモアの工場を中心に、ドイツなどの伝統的な拠点で、従来の高い品質基準を維持して行われているとのことです。

SENNHEISER IE200について
IE 200の主な特徴・機能は下記のとおりです。
- 7mm TrueResponseトランスデューサー: 上位機種にも搭載されているシングルダイナミックドライバーを搭載。圧倒的に歪みを排除し、ローからハイまでスムーズなつながりを実現
- デュアルチューニングシステム: クローズ/スタンダード(密閉): 低域が豊かで、安定した低音を体感できる。オープン(開放): イヤーピースを浅く装着することで通気性を上げ、音の圧と低域の量を抑え、空間の広がりを感じるサウンドになる
- 軽量・小型の筐体: 片側約4gと非常に軽く、耳に収まるコンパクトなデザインで、長時間の装着や寝ホン(寝ながらの使用)にも適している
- ブレードケーブル: タッチノイズ(ケーブルが服に触れる音)を低減する編組ケーブルを採用。着脱可能(独自形状のMMCXコネクタ)

IE200の写真、ttps://www.amazon.co.jp/ から転載
デュアルチューニングシステムはイヤーピースを浅く付けるか深く差し込むかで音質が変わる仕組みです。イヤーピースを浅くセットするにはちょっとしたコツが必要です。指で耳を引っ張り耳腔を広げてイヤホンをセットするのです。そうすると、開放型ヘッドホンのような抜けの良い音を聴くことができます。また、SpinFit社のイヤーピース omni は取付軸が浅いので簡単に浅いポジションにイヤーピースをセットできます。興味がある人はぜひ試してみてください。

デュアルチューニングシステム、https://www.amazon.co.jp/ から転載
IE200のイヤホンヘッドの分解図を見ると興味津々です。それぞれがどんな機能をもっているのだろう?ドイツ製の製品だから一つも無駄のない構成になっているはず。樹脂製のボディは密閉性が高くできていますね。だから小さなダイナミックドライバでもサブベースの音を余裕で出力できるのです。

様々な構成パーツ、https://www.amazon.co.jp/ から転載
製品仕様
SENNHEISER IE200
形式:φ7 mm ダイナミックドライバー
再生周波数帯域: 6Hz ~ 20 KHz
筐体素材 : 樹脂
重量 : 約4g(片側重量、ケーブル除く)
インピーダンス: 18 Ω、感度:119dB(1kHz,1Vrms)
接続プラグ : 3.5mmステレオミニプラグ L型
ケーブル : ブレードケーブル 1.2m
付属品 : イヤーピースセット(標準シリコン S/M/L、フォーム S/M/L)
ポーチ

購入イヤホンの写真
今回はIE200 Silver Editionの中古品を購入しました。通常のIE200は黒なので、これはAmazonの限定製品なのかな。ラッキーなことに中古でもパッケージが付いていました。
箱を開けてみました。イヤホン本体とイヤーピース。箱の中にあるオレンジのイヤーピースは購入したショップのオリジナルイヤーピースでおまけについてきました。


イヤホンと付属品を取り出しました。イヤーピースはシリコンタイプとフォームタイプの2種が付属しています。2種類ついてくるのはありがたいです。

イヤホンの写真をもう少し掲載します。イヤホンヘッドは小さめで軽い。コネクター部は耳に装着しやすようにフックを取り付けています。デザインの随所に長期間の使用に耐えるような工夫が見られます。さすがSENNHEISER。


IE200にはブレードケーブルという珍しい編み込みケーブルを採用しています。このケーブル、細くて軽くて取り回しが良いです。また、コンパクトに畳むこともできます。ケーブルのタッチノイズも減少したような気がします。

最近愛用しているモバイルDAC Mojo2と一緒に写真を撮りました。この2つの製品の相性はとても良いんですよ。

製品レビュー
総合評価
SENNHEISER IE200
総合 :☆☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆
装着感 :☆☆☆☆☆
サウンド :☆☆☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆☆☆
<音質バランス>

[コメント]
IE200は低域から高域までフラット、どの領域にも強調がないナチュラルな音質です。同社のヘッドホン名作 HD600の音作りに重なる方向性です。音質からクラシックやアコースティックな音楽を楽しむのに向いています。EDMやヒップホップなど量感ある低音を求める人は他の製品を探した方が良いです。
米国のwebsite、Audio Sceince Reviewにクラシックを聴くのに最良のIEMと書いてありましたが、僕もまったく同感です。IE200でクラシックを聴いていると音に包まれるような感動があります。やはりゼンハイザーの製品は素晴らしい。
IE200の低域は量感が少ないというレビューが多いのですが、実は適正な量感を確保しています。樹脂製筐体とφ7mmのダイナミックドライバーという仕様でも10Hz以下の低域を再生できるのはすごい技術です。だからベース音が重要となるジャズを聴いても楽しいのです。
参考までに下にIE200の周波数応答図を掲載しました。ヘッドホンの科学的音質基準、ハーマンカーブに全周波数域にわたりよく一致する素晴らしいチューニングとなっています。この製品がいかに素晴らしい音質か、このデータからも理解できます。

サウンド・インプレッション
特定の帯域が強調されていないので、IE200は全ての音域の音を自然に聴くことができます。さらに音の解像度が高いため、オーケストラの演奏ではこれまで聞こえなかった楽器の音を見つけることもしばしばです。これがこの製品の魅力の本質だと思います。
僕はクラシックはピアノ曲を好んで聴きます。IE200はピアノと弦楽器の再生音が美しいです。アシケナージとフィルハーモニア・オーケストラが演奏するモーツアルトピアノ協奏曲23番第2楽章。悲しくも美しいメロディ。IE200で聴いていると心が音楽に溶けていくようです。
次にジャズを。ビル・エバンスのピアノトリオ曲を何曲か。エバンスのエモーショナルなコード・ボイシングと歌うようなラフォロのウッドベース。ベースの響きも素晴らしい。IE200はアコースティックなジャズにもとてもいい。続いてメロディ・ガルドー ”ファースト ソング”。深く沈むウッドベース、美しいピアノの響き。そしてハスキーでやわらかなガルドーのボーカル。なんて甘美な曲なのだろう。
最後にPOPs。最近よく聴いている米津玄師のチューン ”JANE DOE”。タイトルは身元不明の女性遺体の意味です。艶がある宇多田ヒカルのボーカル、息遣いやため息が耳にかかるような感じ。こういう細部がボーカルのリアルさを演出してくれます。このイヤホン、女性ボーカルも最高です。(もちろん、米津玄師のボーカルも良い)エンディングではバックのストリングス、シンセサイザーが哭いている。胸が締め付けられるような魅力を感じます。

試聴曲
[Classics]
ウラディーミル・アシケナージ/フィルハーモニア・オーケストラ : モーツァルト ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488/第二楽章 Andante
[Jazz]
ビルエバンス:Waltz For Debby “My Foolish Heart”、”Waltz For Debby”、メロディ・ガルドー: The Essential Melody Gardot “ファースト・ソング” “ワンス・アイ・ワズ・ラヴド”
[Pops]
米津玄師 & 宇多田ヒカル : “JANE DOE”、 Laufey : Bewitched ”Bewitched”、中島美嘉 “Orion with Ensemble”
[試聴環境]:
音源:Apple Music (ロスレス、ハイレゾロスレス)、DAC&ヘッドホンアンプ: Mojo2
デザイン・製品の質感
ミニマルなデザインです。ケーブルは柔軟性があるブレードケーブル(編み込みケーブル)を採用しています。ほとんどプラスティックからできているため高級感はありませんが、工業デザインとして高いクオリティを感じます。細部までじつに良くできています。
MMCXコネクタ部に中空のフックを取り付け、ケーブルの保護がされています。こういう細部のデザインに企業の歴史を感じます。下にIE200と国産イヤホンの写真を載せました。どちらの製品が耳に装着しやすいか、ケーブルの断線リスクが低いかはいうまでもないでしょう。国産メーカにもこうしたデザインの素晴らしさを学んで欲しいです。


装着感
片側イヤホン重量4gという軽量さで装着感は良好。イージーにシェアがけ装着ができるよう、コネクタ部にフックが付いています。ケーブルは軽くて柔らかく取り回しが容易です。装着感は快適で長時間着けていても疲れることはありません。
音場・定位感
定位は正確です。この製品は音場が広めです。イヤーピースを浅くセットしてクラシックを聴くと広いステージ空間を感じます。この価格帯で高級ヘッドホンのような広い音場を再現できるなんて、やはりSENNHEISERはすごい。
記事で採り上げた商品のリンク
SENNHEISER IE200はAmazonのセールで10〜13K円で販売されています。セールの時に購入しましょう!
IE200におすすめのイヤーピース。SpinFitのイヤーピースomniを使うと、簡単に浅いポジションにイヤーピースを装着して広い音場で音楽を聴けます。
おわりに
このところクラシック音楽を聴くのが夜の楽しみです。いま記事を書きながらIE200でモーツァルトのピアノコンチェルトを聴いています。(ああ、なんて美しい音楽なのだろう)IE200は心からおススメできるイヤホンです。製品の価格を考えれば、驚異的コストパフォーマンスといえるでしょう。音が美しいイヤホンです。結局、IE200は普段使いではなく大事なコレクションの1つとなりました。風呂上がりで髪が乾いていない時(ヘッドホンが着けれない)、よくクラシックを聴いてます。
さて、昨年末から仕事が忙しくなり、その後は休日も何らか仕事をしなければならない状況でした。おそらくいま人生の大事な局面なのでしょうね。おまけに引越しの準備もあり、2月中旬に入ってようやく仕事のない休日を過ごせるようになりました。
とはいえストレスのためか、変わらずオーディオ製品の取っ替え引っ替えを続けてます(笑)アフィリエイト収入が増えたので、昨年末に欲しかったDAC製品 CHORD Mojo2を手に入れました。今年になっても今回レビューのイヤホンなんかも買ってます。ネタはたくさんキープしているので、ぼちぼちブログ書いていきます。
ShinSha


