どうもShinShaです。今回の記事はヘッドホン FOSTEX TRP60mk2、日本製ヘッドホンのレビューです。購入してから3ヶ月経ちますが、このヘッドホンの音の虜になっています。やわらかく包まれるような音質がたまなく愛おしいのです。
僕はマンション住まいなので、家族に気兼ねせずに聴ける、音場が広く音の良いヘッドホンを探したい。というのが、このところの課題でありました。密閉型ヘッドホンをいろいろ買ってはみたけど今ひとつ納得できる製品はなかった。
今回紹介するFOSTEX T60RPmk2はセミオープン型の構造で音漏れは少ないです。さらに広い音場をもっています。さすがに同じ部屋の中というのは難しいですが、ドア1枚隔てればかなり大きな音で音楽を聴いてもほとんど音が漏れない。さらにこのヘッドホンは音質が素晴らしいのです。以下にT60RPmk2について詳しくレポート致します。
- FOSTEX T60RPmk2
- FOSTEXについて
- 平面振動板ヘッドホンについて
- FOSTEX T60RPmk2
- 製品仕様
- 購入ヘッドホンの写真
- 製品レビュー
- 記事で採り上げた商品のリンク
- おわりに
FOSTEX T60RPmk2
FOSTEXについて
FOSTEXは東京都昭島市に本社を置く、フォスター電機株式会社の展開するブランドです。同社は1949年創業の歴史ある音響メーカです。
フォスター電機は、1949年にスピーカメーカとして誕生しました。音響変換機器を主力にサウンド・スペシャリストとして音の世界に多くの技術と製品を供給しています。
家庭用オーディオ機器(AV 用スピーカ)を始め、車載用スピーカ、高級Hi-Fi スピーカシステム、 携帯電話/ 携帯オーディオ/タブレット/PC 等の情報機器用小型スピーカやヘッドホン/ ヘッドセット、ブザーなど独創の技術と蓄積されたノウハウをバックボーンに、お客様の期待に応える最高の音と品質を提供しています。
引用 https://www.foster.co.jp/
OEM製品を生産するメーカーとして確固たる地位を築いていたフォスター電機が、満を持して自社ブランド「FOSTEX(フォステクス)」を設立したのは、1973年7月のことです。
現在のフォスター電機の主力製品は車載用スピーカです。AIで調べると、なんと世界シェアNo.1のメーカなのですね。また、一般消費者向けのオーディオ製品ではスピーカーユニットの神様的存在であり、自作スピーカー界隈やプロの現場で数々の伝説的なヒット商品を生み出しています。同社の製品は一般消費者が家電量販店で買う完製品としてのヒットというより、玄人がこぞって買い求める定番部品としてのヒットが目立ちます。

FOSTEXブランドのヘッドホンは、世界中のオーディオ愛好家やプロフェッショナルから独自の技術と芸術性を両立させた、唯一無二の存在として非常に高く評価されています。特に海外のハイエンド市場における評価ポイントは、以下のとおりです。
- 「バイオダイナ」振動板による独自のサウンド
FOSTEXが誇る「バイオセルロース」を用いたバイオダイナ振動板は、世界的にファンが多い技術です。
- 工芸品のような美しさ(TH900シリーズ)
フラッグシップモデルの「TH900mk2」などは、ハウジングに日本の伝統工芸である「漆塗り」を採用しています。
- プロ現場での圧倒的な信頼(T50RPシリーズ)
一般向けだけでなく、スタジオ用の「T50RP」シリーズは、数十年にわたり世界のレコーディングスタジオの標準機の一つです。非常にフラットで正確な音質が評価されています。海外(特に北米)では、このヘッドホンをベースに改造して自分好みの音を作る「Mod文化」のベース機として最も有名です。
FOSTEXはとてもユニークなブランドですね。今回調べるまで知りませんでした。近年は平面駆動型のヘッドホンが流行していますが、ダイナミックドライバーを用いたヘッドホンでも「最高峰のダイナミック型サウンド」として、ゼンハイザーやベイヤーダイナミックと並び称される存在です。

平面振動板ヘッドホンについて
平面振動板ドライバーのヘッドホンの歴史を調べると、1972年にイギリスの老舗スピーカーメーカー Wharfedale社が初めて製品化しました。続いてフォスター社が1974年にRP振動板ヘッドホンT50v0 を発売、ヤマハもほぼ同時期に製品化を行いました。そして2000年代後半に中国のHIFIMAN、アメリカのAUDEZEが平面振動板を搭載したヘッドホンを発売し、以降、この形式のヘッドホンは高級機として人気を誇るようになりました。
最初に世に出したという意味ではイギリスのWharfedale社かもしれませんが、平面駆動型を実用的な完成度まで高め、50年以上も継続して進化させてきたという意味では、FOSTEXこそが平面駆動型ヘッドホンの真の宗家と言っても過言ではありません。

下の図は同社のRP振動板の仕組みを示してます。コイルを組み込んだ平面振動板が挟み込まれた永久磁石の間で振動して音が発生します。RP = Regular Phase(レギュラー・フェーズ) という言葉には、フォスター電機がこの技術に込めた「全帯域において位相(Phase)が正しく、一定(Regular)である」という意味が込められています。
RP振動板には全体にコイルが印刷されています。そこに磁力をかけると、振動板のすべてが、同時に均一に動きます。結果として、低域から高域まですべての音が時間的なズレなく一斉に耳に届き、圧倒的な定位を生み出します。つまり、音が耳に届く時間が正確に揃うと、脳は音の位置を正しく認識しやすくなります。「オーケストラの第1バイオリンがここ、チェロがここ」という楽器配置の立体感がシャープになるのです。

また、RP振動板は録音された電気信号の波形を、そのまま空気の振動に変える能力が高く、トランジェント(音スピード感)に優れ、細かな音のニュアンスまで再生することができます。これらの点がRP振動板がダイナミックドラバーより優れている特徴なのです。
下の写真はポタフェスで見せて頂いたRP振動板の写真です。左から第3世代、第4世代、それからフラグシップ機の順に並んでいます。左から右へと配置された磁石、振動板のコイルの密度が高くなっています。TRP60mk2には第4世代のRP振動板が搭載されています。

下の写真はハウジング内部の写真です。耳に正対する位置にRP振動板が取り付けてあります。その外周にハウジング内部につながる丸い孔が見えます。RP振動板はダイナミックドライバーとは違って裏表両面から音を出します。GEMINIによればハウジング内部の反響音を聴かせることで、広い音場を再現しているようです。様々な技術と仕組みを利用して、実験的な評価を重ねてRP振動板ヘッドホンの素晴らしい音が作られているのですね。

FOSTEX T60RPmk2
前モデルT60RPについては以前から知っていました。何回か試聴したこともあります。オーケストラのサウンドを聴いた時の並外れた解像度の高さを感じていました。しかし前モデルは低域の量感が少なく、ジャズを聴く僕にはその点が残念でした。
もう一つ、デザインの好みは人それぞれですが、角ばった木製ハウジングのデザインと木の材質が下駄をイメージさせ、音が良くても下駄をかぶるのはイヤだな(笑)と思い、購入を見送っていました。(ファンの皆様、お許しください)
それが2025年春に新製品T60RPmk2が発売されたのです。前モデルはハウジングの材質がマホガニーでしたが、新製品は密度の高い黒胡桃に変更されました。さらにヘッドホンの心臓部であるRP平面振動板ドライバーについてもアップデートされています。また、インピーダンスが小さくなり、比較的小型なオーディオ装置でも鳴らせるように変更された点も大きいと思います。
以下にTRP60mk2の特徴について説明します。
【黒胡桃無垢材から削り出したセミオープン型ハウジング】
美しい木目で天然の質感を楽しめる黒胡桃無垢材ハウジングにより、豊かでしっかりとした低音域の深みから濁りが無く伸びやかな高音域まで、聴き心地の良い自然なサウンドを楽しめます。
【第4世代へと進化したRPドライバー】
50年に渡り自社技術で改良を重ねるRPテクノロジーの全面駆動型平面振動板ドライバーは、第4世代で平面振動板の振動領域の拡大と均一化のため、振動板を挟み込むマグネットを増量しプリンテッドコイルのパターン形状を新設計しました。
さらに磁気回路の構成部品も一新して磁束分布を最適化することで、振動板の不要な共振を抑え鋭いレスポンスでの音の立上がりと立下がりを実現しています。第4世代ドライバーは、感度の向上、モニタリングしやすい滑らかな周波数特性、優れた過渡特性を同時に達成。正確な定位感と音場の再現能力を従来よりさらに向上させました。


製品仕様
FOSTEX T60RPmk2
形式:RP方式平面振動板、セミオープン形式
再生周波数帯域:10 Hz〜 40 KHz
筐体素材 : ウォールナット
インピーダンス: 28 Ω、感度:96 dB/mW
接続プラグ :3.5mm、6.3mm(標準)アダプター付属
質量:360 g(ケーブルなし)
付属品: φ3.5 mm(2極)ミニプラグ x 2(L,R) ⇔ φ 3.5 mm (3極)ステレオミニプラグ・ケーブル(2 m)、φ3.5 mm → φ6.3 mmステレオフォーン変換コネクタ


購入ヘッドホンの写真
FOSTEX T60RPmk2がやってきた。ダンボール製の箱の中から黒い箱が出てきました。高級感がある外箱です。


開封しましょう。ヘッドホンが出てきました。美術品のような美しさです!箱の中身をすべて取り出しました。ポーチ、ケーブル、φ6.3 mm変換プラグが同梱されています。


T60RPmk2の写真をいくつか掲載します。セミオープンバック形式のヘッドホンなのでハウジングに2本のスリット状の開口が設けられています。開口がずいぶん小さいですね。だから音漏れは少ないです。ところが音場はとても広く感じます。すごい技術だと思います。





購入した当時はS.M.S.L DO400というDACアンプで聴いていたので、4.4mmバランスケーブルも併せて購入しました。DACのパワーを十分に活かせるし、少し音質も向上しますからね。


最近愛用しているDAC&AMP、Mojo2と一緒に写真を撮りました。(PCはiMacです)最強の組み合わせ。この2つがあればもう何も要らないと思います。

製品レビュー
総合評価
FOSTEX T60RPmk2
総合 :☆☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆☆
装着感 :☆☆☆☆☆
サウンド :☆☆☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆☆☆
<音質バランス>

[コメント]
低域から高域までフラットな音質です。バランスが良い音質だから、いろんなジャンルの音楽を楽しめるヘッドホンです。T60RPmk2は特にクラシック、ジャズ、アコースティックな音楽を聴くのには最良の選択肢だと思います。
また、意外なことに、AIで調べるとT60RPmk2はメタル、プログレッシブ・ロックなどにも最適だと評価しています。その理由はツインペダルの高速なバスドラムや、何重にも重なるギターのレイヤーが、平面駆動型の分離能力によって整理され、カオスにならずに「音楽」として再生できるからということです。RP振動板は音楽の急激な変化に対応する、優れたトランジェント性能をもっているからです。
黒胡桃のハウジングのもつ温かく深い響き。自然な音の広がりと高い解像度が高い音質。本当に素晴らしい製品です。慣れ親しんだ音楽を聴いても、音が立体的に聴こえてくる。T60RPmk2でライブ音源を聴くとその臨場感に驚きます。これこそがRP振動板の性能なのですね。この音源のどこにそんな情報が潜んでいたのかと思うこともしばしばです。
サウンド・インプレッション
まずクラシックを聴きます。モーツァルトピアノ協奏曲第20番。最高傑作という人もいるピアノ協奏曲。第1楽章は何と表現すべきか。冒頭から激しく禍々しいまでの旋律に感情を揺さぶられる。オーケストラの提示部が終わった後にピアノが入ってくる。弦楽器の柔らかな響きの中に聴こえるピアノの哀しげなパッセージ。この音だけで心を掴まれていまう。オーケストラの楽器が奏でる変化が激しく多彩な音、ピアノの美しい響きをT60RPmk2は見事に再生してくれる。このヘッドホンがあれば、心ゆくまでモーツァルトの世界に浸ることができる。そう思いました。
続いてジャズを。渡辺貞夫さんと新日本フィルとのライブ盤を聴いてみた。このライブは有名な武道館ライブの再演なんですね。寂しげで美しいピアノのイントロに続く、貞夫さんの艶のあるSAX。これを擁するように包み込むストリングスの柔らかな音。ライブ演奏ならではホールの音の響きを感じます。うっとりするほど美しい。
次にダイアナ・クラールのライブ盤。(ギター + ピアノトリオ)にストリングス、ホーンセクションを加えた大編成のバンドの演奏をT60RPmk2は解像度高く再生してくれる。リズムセクションのキレの良いビートが心地よい。少ししゃがれたダイアナのボーカルがとても色っぽい。。このヘッドホンはジャズによく合ってるし、女性ボーカルもグッド!

試聴曲
[Classics]
レイフ・オヴァーアンス・アンスネス&マーラー・チャンバー・オーケストラ:Mozart Momentum 1785 “モーツァルトピアノ協奏曲N0.20 in D Minor, K.466”
[Jazz]
渡辺貞夫: meets 新日本フィルハーモニー管弦楽団 “オンリー・イン・マイ・マインド” “ボア・ノイチ” 、ダイアナ・クラール: ライブ・イン・パリ “レッツ・フォーリング・ラブ” ”ザ・ルック・オブ・ラブ”
[試聴環境]:
音源:Apple Music (ロスレス、ハイレゾロスレス)、DAC & Amp: Mojo2
デザイン・製品の質感
黒胡桃のハウジングにヘッドバンドは革を使った高級感あるデザインです。一つひとつ模様が異なる黒胡桃のハウジングには愛着を感じます。天然木って良いですね。
装着感
重量がありますが装着感は快適です。側圧はそれほど強くなく、イヤーパッドにはクッション性があります。長時間の使用でもストレスを感じません。
音場・定位感
RP振動板技術により定位は極めて正確です。オーケストラの演奏の中で楽器の位置を感じ取ることができます。定位感が正確なので兄弟機はゲーム用のヘッドホンとしても有名です。(敵がどこにいるか音で察知できるみたい)音場はとても広く、音楽が立体的に聴こえます。この点も魅力的です。
記事で採り上げた商品のリンク
T60RPmk2には密閉型の製品も発売されています。高い遮音性を求める人にはこちらの製品をオススメします。
専用の4.4mmバランスケーブルも発売されています。
おわりに
黒胡桃と革を用いた工芸品のようなデザイン。ウッドハウジングが作る温かくバランスがとれた音質と優れた解像度、そして広い音場。ライブ音源を聴くと、まるで自分がホールにいるような臨場感を感じます。FOSTEX TRP60mk2は素晴らしい製品です。
さらに音漏れが少なく、深夜でもドア1枚を隔てれば周囲に気兼ねしないで音楽を楽しめるヘッドホンです。これこそ探していた1本!イヤホンとヘッドホンを探索し始めてから3年。個人的にようやくたどりついたヘッドホンだと感じました。
FOSTEXが50年かけて改良してきたRP振動板を搭載したヘッドホンは世界に誇るべき製品です。音楽を愛する人すべてにとって素晴らしい一本となります。ぜひぜひ購入をご検討ください!
ShinSha


