どうもShinShaです。少し前にDac & ヘッドホンアンプを買い替えました。今回購入したのは英国オーディオブランドChord Eletronics のMojo2新製品です。
ESSフラッグシップDACチップを搭載した 中国のメーカーの製品を2年間使っていました。さすがESSの最新DACチップはいいなぁと気に入っていたのですが、昨年12月のポタフェスで新しいMojo2に遭遇。胸がときめいてしまったのです。
Mojo2は魅力いっぱいの製品です。独創的なデザイン。唯一無二のFGPA方式DA変換。音が劣化しないイコライザ機能。アナログチックな音の魅力。小さいボディなのにとにかく音が良い。ボーカル曲を聴いてもクラシックを聴いても、米津玄師やYOASOBIを聴いても。仕事が終わった後、毎日夢中になってMojo2で音楽を聴いています。
以下Mojo2について詳しくレポートいたします。
Chord Electronics社
Chord Electronics(コード・エレクトロニクス)は、イギリスのケント州に拠点を置く、世界最高峰のオーディオブランドの一つです。この企業を一言で表すなら、既存のチップに頼らず独自の数学的アルゴリズムで音を再構築する、「デジタルオーディオ界の異端児にしてリーダー」というべきでしょうか。
◾️ Chordが特別な理由:FPGAテクノロジー
一般的なメーカーが、旭化成(AKM)やESS社などの「既製品のDACチップ」を購入して音を作るのに対し、Chordは異なります。FPGAと呼ばれる集積回路に、天才エンジニアのロバート・ワッツ氏が数十年かけて開発した独自のプログラム(WTAフィルターなど)を書き込みます。
2026年現在の最新技術では、他社のチップでは不可能なほど緻密な計算を行い、録音時に失われた音の立ち上がり(トランジェント)を驚異的な精度で復元します。これが、Chord特有の「生々しい音」の正体です。

◾️ ブランドの背景とデザイン
創業者ジョン・フランクスは航空機用電源のエンジニアでした。そのため、製品は「頑丈で、電気的にノイズに強く、機能的」であることを極めて重視しています。航空機グレードのアルミ削り出し筐体や、サンプリングレートに合わせて色が変わる「光るビー玉(コントロール・スフィア)」など、一目でChordとわかるデザインが特徴です。


Mojo2(4.4mm端子搭載モデル)について
Chord Mojoは、イギリスのハイエンドオーディオブランドChord Electronicsが発売した、ポータブルDAC(DAコンバーター)兼ヘッドホンアンプの傑作シリーズです。「ポータブルでも一切妥協しない音質」を掲げ、 2015年の初代発売以来、オーディオ愛好家から絶大な支持を得ています。
その後、2回のアップデートを経て、現在は後継機のMojo2(4.4mm端子搭載モデル)が販売されています。Mojo2の特徴、製品の性能と機能、2025年後半の改良について以下に説明します。
Chord Mojoシリーズの特徴
MojoシリーズはChord Electrics社の開発したFPGA(プログラマブルな集積回路)によるDA変換ほか、数々の独自技術を搭載した世界最高峰のモバイルDACです。Mojoの特徴は下記のとおりです。
- 圧倒的な解像度と滑らかさ: デジタル特有のトゲがなく、非常にアナログライクで濃密な音が特徴です
- 強力な駆動力: 手のひらサイズながら、インピーダンスの高い大型ヘッドホン(最大800Ω)も軽々と鳴らしきります
- 遊び心あるデザイン: 航空機グレードのアルミ削り出し筐体に、サンプリングレートに合わせて色が変わる「光る球体ボタン」がトレードマークです

Mojo2(4.4mm 端子搭載モデル)のアップデート
Mojo発売から7年後、後継機Mojo2が発売になりました。そして2025年後半にMojo 2をさらに進化させた「Mojo 2(4.4mm端子搭載モデル)」(以下、Mojo2(4.4mm))が登場しました。この特徴を以下に記載します。
- 従来の3.5mm出力に加えて4線シングルエンド方式の4.4mm出力端子を搭載
- 3.5mmもしくは4.4mm出力の前回利用時の音量・DSP・クロスフィード設定へ自動復帰するメモリー機能の搭載
- USB Type-Cでデータ通信と充電の両方を完結できるようアップデート
ミュート機能、4段階のクロスフィード調整、ボタンロック、UHD DSPによるロスレス・トーン・コントロールなど、Mojo 2の強みはそのまま継承しながら、現代的で使いやすいFPGA DACへと進化しました。


Mojo2の驚異的なジッター除去性能
Mojo2のジッター(時間軸のゆがみ)特性は、オーディオ業界でもポータブル機の常識を覆したと評されるほど極めて優秀です。設計者ロバート・ワッツ氏によれば、Mojoのアーキテクチャは入力信号のジッターに実質的に影響されないように設計されています。ジッターが極限まで抑えられているため、背景のノイズフロアが非常に低く、微細な音が埋もれません。
なぜMojoはジッターに強いのか、その理由は以下の2つの独自技術にあります。この時間軸の正確さこそが、Chord製品特有のリズムのキレや立体的な音場を生み出しています。
◾️ デジタル・フェーズ・ロック・ループ (DPLL)
通常のDACチップは入力信号のクロックに同期しようとしますが、MojoのFPGA(独自の計算回路)は、入力されたデータを一度バッファに蓄え、FPGA内部の超高精度なマスタークロックで再構築します。これにより、上流(スマホやPC)から伝わってくる時間軸の乱れを文字通り切り離すことができます。
◾️ WTA (Watts Transient Alignment) フィルター
ジッターは音の立ち上がり(トランジェント)を鈍らせますが、MojoはこのWTAフィルターによって、数万タップ(計算の細かさ)という膨大な処理を行い、アナログ波形のタイミングを復元します。

常識を覆した UHD DSP
Mojo2には「UHD DSP」(Ultra High Definition Digital Signal Processing)という世界初の完全ロスレスなデジタル・トーンコントロール機能を搭載しています。多くのユーザーがイコライザー(EQ)を使うと音が劣化するという常識を持っていますが、UHD DSPはその常識を覆したのです。
◾️ UHD DSPがロスレスな理由
通常のデジタルEQは、計算の過程で情報の切り捨て(丸め誤差)が発生し、音が痩せたり、透明感が失われたりします。
UHD DSPは内部で104bitという、音楽データ(通常16〜24bit)に対して過剰なほど高精度で計算を行います。膨大な桁数で計算するため、周波数をいじっても元の音源が持つ微細なディテールやダイナミックレンジが一切損なわれません。これが「UHD(超高精細)」と呼ばれる所以です。
◾️具体的に何ができるの?
Mojo 2のボタンを操作して、低域〜高域までの4つの帯域(20Hz、125Hz、3kHz、20Hz)をイコライザ調整(10段階:-10〜+9dB)できます。
また、Mojo2はスピーカーのような音の広がりを再現する「クロスフィード」機能をもっており、自然な音響空間を作れます。クロスフィード機能もこのDSP上で処理されています。
Mojo 2は自分の好みの音や、接続するヘッドホンのポテンシャルを最大限に引き出すための「プロ用ツール」が内部に組み込まれている、と考えると分かりやすいかもしれません。

Mojo2(4.4mm)が届いた
外箱は製品のイラストを載せたシンプルなパッケージです。大体「Mojo」なんて遊びすぎのネーミングですね。調べてみると、Mobile Joy(モバイル・ジョイ)の略、「魔法の小箱」という意味を込めてMojoとしたとか。魔法の小箱って、ぴったりですね。



箱から取り出しました。大きさは 83mm× 62mm× 22.9mm、重さ185g。手のひらサイズのDACですが、音質は素晴らしいです。

側面の写真を2枚。まず出力側。3.5mm端子と今回から4.4mm端子が付きました。

こちらが入力側の側面。入力はオプティカルTOSlink、コアキシャル(3.5mm)、Micro USB、USB-Cの4種類。USB-Cは左側コアキシャルの下、ギリギリの位置に。専用ストリーミングモジュール POLYと接続がMicro USBなので、ここしか付けようがないようです(^^;; しかし付いてて良かった!

USB-CケーブルでiMacと接続。接続するとボタンが光ります。

ゼンハイザーIE200と接続してみました。

お気に入りのヘッドホンFOSTEX T60RPmk2とバランスケーブルで接続しています。4.4mmの接続はシングルですが、ノイズはないし解像度も音も素晴らしいからなんの不満もないです。4.4mm端子が付いたから、ほかのヘッドホンとも接続できるから便利。

製品の仕様
Mojo2の仕様を以下に示します。DA変換はChord製品独自のFPGA方式、唯一無二の音をもつ製品です。独立電源をもたない小さなDAC&AMPですがインピーダンスの高いヘッドホンを楽々鳴らすことができます。ポータブル利用をする場合はフル充電後8時間稼働します。
入力はオプティカルTOSlink、コアキシャル (3.5mm)、Micro USB、USB Type-C の4種です。出力は2系統のヘッドホン出力(4.4mm、3.3mm)です。4.4mm出力はシングルエンドです。内部回路への影響、バランス接続を上まわるノイス抑制、解像度をもつことからあえてシングル出力としているようです。外部アンプ等に出力するためには、ヘッドホン端子にXLR変換などのケーブルを使用します。

www.youtube.com
製品レビュー
(1) 総合評価
Mojo2(4.4mm)
総合 :☆☆☆☆☆
デザイン・質感 :☆☆☆☆☆
操作性 :☆☆☆☆☆
サウンド :☆☆☆☆☆
定位・空間表現 :☆☆☆☆☆
(2) コメント
「音質面ではすでに完成されていたが、4.4mm端子の追加によって、現代のポータブルオーディオ市場において死角がなくなった」
「バッテリー駆動のポータブル機としては、最高の製品。据え置き型のDACとして見ても、極めて優れた製品」
2025年後半にアップデートされたMojo2(4.4mm)は海外オーディオサイトでも高い評価を得ています。
Mojo2の音質、操作などについては次項で詳しくレビューするとして、ここではMojo2のUHD DSPによるイコライザー、クロスフィード機能についてご紹介することにします。
Mojo2には独自のUHD DSP イコライザー機能、クロスフィールド機能があり自由に音質や音場を調整することができます。Mojoの優れた点は、操作により音の劣化やノイズが発生しないことです。以前使っていたESS最新チップを搭載したDACには何種類もフィルターや音色モードがありましたが、使い勝手がよくありませんでした。

僕はMojo2のUHD DSP、クロスフィードの設定方法をAIを使って調べています。Mojoには世界中に熱狂的なファンがおり、web上に豊富な情報が蓄積されています。例えば、FOSTEX T60ROmk2の音場を広く設定する方法について調べると、クロスフィード緑、イコラザー20HZ (赤)+3、20kHZ (青)+3という情報が返ってくる。実際に音楽を聴いてみるとなるほどなぁと。可聴域両端のわずかな音の違いが空間認識と関係しているのか。Mojo2の音質コントロールは実用的でとても楽しいです。
最近のJPopの音源の多くは音が悪い。これはレコード会社のミックスの品質のせいで、断じてアーティトの責任ではないのだが。良いオーディオ装置で聴くとがっかりです。こんな音源を聴くのはどうしたら良いか?AIに質問するとDSPで補正する設定を教えてくれます。Mojo2を使うとこんな風に音質設定が自由にできるのだ。

[デザイン・質感]
小さな黒いアルミニウムの箱にプラスティックのボタンが4つ。LCDもモニターも付いていない。驚くべき独創性。シンプルなデザインはとても魅力的です。知らない人が見たらきっと謎すぎる(笑)質感に高級さは感じませんが、素晴らしいデザインです。
[操作性]
Mojo2のすべての操作はビー玉形状のボタンを押して行います。ボリューム、イコライザー、クロスフィードも。インディケータはボタンの光る色の組合せ。慣れてくればの現在の設定がどうなっているか一目で分かる。個人的にはこういうギミックがものすごく好き。すごいUI(ユニバーサル・インターフェイス)だと思います。
2025年のアップデートで、4.4mm端子への接続が可能となりました。(回路はシングル)これまでもっていたバランスケーブルのヘッドホン、イヤホンを接続できるようになりました。オーディオマニアにとってありがたいです。
もう一つ、USB-C端子から充電ができるよう改良されました。この改良がなければ僕はMojo2買いません。大体、MACユーザーはMicro USBなんて絶対に使いませんから。僕はインテリジェントデスクトップ機能を使ってiMacとUSB-Cで一日中繋ぎっぱなしにして使っています。このアップデートで、Mojo2は現代的な仕様の製品に生まれ変わり、操作性が大きく向上しました。

[サウンド]
Mojo2の音の魅力は圧倒的な透明度と、それを損なわない自由自在な補正機能の両立です。楽器一つひとつの音がリアルに聴こえます。弦の震え、倍音の豊かさ、シンバルのアタックの早さ。僕はジャズクラブで行くので、普段から生の楽器の音をよく聴いています。ピアノ、ベース、ドラムス、ギター、バイオリン、サックス...楽器の音の響きがリアルで美しいです。
以前聴いていたESSのDACチップと比べるとMojo2の音はアナログチックな魅力があります。弦楽器のシルキーな音の広がり。ボーカルの生々しさと艶。例えばそんなところに差を感じます。
Laufey、メロディ・ガルドー、中島美嘉... お気に入りの歌姫のボーカルと倍音や息づかいまで生々しく、その魅力を艶やかに表現してくれる。Mojo2の音は既存のDACチップの音より何枚も上手だと感じます。

以前、ハイレミュージックとアナログの違いについて調べたことがありました。アナログ盤の愛好家はアナログ盤のもつトランジェント、音の立ち上がり、アタック感はデジタルでは再現できないと指摘します。ビット数を多くしてサンプリング密度を上げても不連続な信号の集合体であるハイレゾ音源はアナログ盤にまだ敵わない。Mojo2のFPGAテクノロジーは独自の技術でデジタル化により失われたピースを再現しようとしてます。
Mojoはジッター(時間軸のゆがみ)抑制技術も素晴らしいです。変化が激しくスピード感がある音楽を正確な時間軸に従って楽々と再生します。YOASOBI ”UNDEAD”、米津玄師 ”IRIS OUT”、上原ひろみ"White Out"やバド・パウエル”tempus fugit” などを聴くと快感を感じるのです。Mojo2のサウンドは本当に素晴らしい!

今回紹介した製品の販売サイトリンク
おわりに
Mojo2はChord Electrics社の高度なデジタル技術が注ぎ込まれた製品です。しかし音もUIもアナログとしての完成度を追求している。そこがとても興味深いです。Mojo2の操作はビー玉の光る色を見て押すだけ。ディスプレーもインディケータも付いていません。少し慣れれば誰でも直感的に使える。良いツールというのはこういうものですね。Mojo2のUIには、かつてスティーブ・ジョブズが理想としていたコンセプトに相通じるものがあります。触るほどMojo2の魅力の虜になっていきます。
PCオーディオで音楽を聴くようになって、これまでFiiO、S.M.S.Lと中国製のDAC製品を使ってきました。DACチップはAKM、次はESSを使ってきました。ESSのフラグシップDACチップはさすがだと思いましたが、Mojo2の音を聴いてしまうと色褪せます。
僕はマンション住まいなので、当面スピーカーで音楽を聴くつもりはありません。ヘッドホン、イヤホンで日々音楽を楽しみ、時々ライブで生の音楽を聴くというミュージックライフを送っています。だから、DACは今回購入したMojo2が自分のゴールだと思っています。たどり着いたPCオーディオシステムは、小さなMojo2とヘッドホン(イヤホン)数本だけ。ミニマルな組み合わせで最高の音。これでいいのだ。
ShinSha
