どーも、ShinShaです。
今回は本書『清張地獄八景』に登場する「魔性の女」について記事を書きました。
これまで「魔性の女」って人に出会ったことがないので、興味があるのです。
この本を読んでいて、怖いなと思ったのは「日陰に咲く魔性の女」タイプ。
派手ではないが、そこはかとない美しさをもっている。
男性に尽くし一途な愛情を示してくれる。
それが徹底的な愛情なんですね。
覚悟なく近づいた男性は、気付いたら無限の迷路にハマり込む。
本書には、いろんなタイプの「魔性の女」が登場します。
やはり松本清張は深い。
それを掘り下げたこの本、とっても面白いです。
はげしくオススメです。
『清張地獄八景』
この本は、松本清張生誕110年を記念して出版されたファンブック。
著者、編集者はみうらじゅん氏。
これは面白いに決まっています。
しかし、相変わらず、すごい熱ですね。
松本清張のことを書いてたのは、知っていましたが。
「一生、松本清張だけ読んでいても構わないー」。
そこまで言い切れるのはスゴい。
作品の聖地めぐりに行ったり、かつては「マツキヨ」の愛称で呼んでメディアで啓蒙運動をしていたそうです。
本の表紙で、みうらじゅん氏、靴を脱いで土下座してますね(笑)。
彼は清張地獄経験者だと書いてあります。
僕も・・・やめとこ(笑)。
松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。
数多くの清張原作作品に出演している岩下志麻、船越英一郎のインタビューや対談をはじめ、佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫、泉麻人、春日太一……ほか、著名な作家の再録記事も多数掲載。引用:文春books https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167916480
清張地獄とは
本書の冒頭に書いてる、清張地獄の説明です。
誰もが陥(おち)いりやすい、怖い生き地獄。
仕事も家庭も安定してきて、周りからチヤホヤされるようになる。
女性にもモテるようになってきた。
『俺もまだ捨てたもんじゃないな』と思い始める。
「もう少し刺激がほしい」「ばれなきゃいいんじゃない」という気持ちが、清張地獄のボタンを押す。
男性諸君、ちょっとした出来心、ダメですよ。
そこには「魔性の女」が待っているかもしれません(笑)
地位と金を「成功」の象徴だと考える人はいずれ清張地獄に堕とされる。
それを得たという満足感が油断を招くからだ。
汗水垂らしてコツコツとやってきた故の、または卑怯な手を使ってつかんだ「幸せ」という幻想。
たかぶる気持ちが抑えきれなくなり、そんな自分にご褒美を与えたくなる。
そのくらいは神様も許してくれるだろうと高をくくるが、どっこいその瞬間から清張地獄のカウントダウンは始まるのだ。
それは必ず、偶然を装ってやって来る。
取り立ててマズイ現場を押さえられたわけじゃないのに。真綿で首を絞められるようにジワジワと近づいてくる。
気がついた時は既に時は遅く、荒れる日本海のせり出す崖に立たされている。
早目に反省、謝罪してしまえばいいのだが、追い込まれし者はどうにか隠蔽(いんぺい)をしようと画策する。
そこも清張地獄はお見通し。
”見とるぞ見とるぞ”と、どこかでつぶやく声がする。
ちなみに清張地獄とは死んでからの地獄ではない。
生き地獄のことだ。
その”見とるぞ見とるぞ”という呟く声の主はもう一人の自分であるからして、どんな悪考も悪事もすぐにバレてしまう。
要するに、裁くも裁かれるも自分なのだ。
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魔性の女って・・・
最近では松本清張作品の映画化は少なくなりましたが、テレビドラマは毎年のように作られています。
清張作品のどこにそんなに魅力があるのか?
そこには、男と女のドロドロのドラマが描かれているからだそうだ💦
なかでも清張作品で印象的なのは、「魔性の女」に男たちが惑わされて絶望的な状況に堕ちていくストーリー。
このストーリーに、視聴者の皆さんはグッとくる。
みうらじゅん氏は、これはホラーだと語っています(笑)
清張の映画作品に出演した女優は、久我美子、岩下志麻、松坂慶子、桃井かおり、黒木瞳など。\ なるほど、魔性の魅力がありそうです。
僕はこれまで、「魔性の女」という方にはお会いしたことがない(笑)ので興味があるのです。
この年齢なので変な意味はありませんよ💦
あくまでも人間に対する興味ということです。
こういう時代ですので、書くのがなかなかむずかしいのですが・・・
女性読者様は、こうやったら男を自由に操縦できる、ぐらいの感覚で読んでいたけるとうれしいです。
本書に書いてある2つのドラマから「魔性の女」を見ていきましょう。
リアルにありそうなドラマで恐ろしいですね💦
テレビドラマ「黒い画集・坂道の家」TBS 1991年
このドラマは真面目一筋に生きていた男がふとした欲望の落とし穴にはまり込む。
キャストはいかりや長介と黒木瞳。
質素倹約で細々と営んできた雑貨店に、客としてやってきた謎の美女に一目惚れしたことで人生は狂っていく。
「今の私はあなただけよ」
大きな瞳を潤ませながら正面から見つめてくる。
遊びを知らない中年男は、百戦錬磨の子猫に絡めとられて、破滅の道に進んでいく。
テレビドラマ「馬を売る女」 TBS 1982年
キャストは泉谷しげると風吹ジュン。
あの美しい風吹ジュンが意外な役を演じていますね。
安アパートに住み、特売コロッケを一つしか買わない倹約家の女性が、工場主と出会って恋に落ちる。
恋を知った女性はどんどん変貌し、チャーミングに美しくなっていく。
男に裏切られても、どこまでもどこまでも追いかけてすがりついて行く。
「おねがい、私のことも考えて」
そして訪れる破滅への道。
本書に書いてある「魔性の女」のパターンは3つ。
- 美貌とエロスあふれる女
- 無自覚に翻弄する女
- 日陰にひっそりと咲く女
一番上は分かりやすいですね。
しかし、魅力的な女性には男はなかなか勝てない。
夢枕獏の小説『おにさうし』では、千年も修行した空を飛ぶ術を身につけた仙人が、ある姫に一目惚れして空から落ちてしまう物語が書かれています。
きっとそういうものなのだ。
二番目は、当人にはまったく誘っている気はないが、男たちが勝手に誤解して舞い上げっていく。
無自覚な悪魔タイプだ。
そして、なかなか距離が縮まらないものだから、男はどんどん入れあげて離れられなくなる.
そして、一番恐ろしいと思ったのが三番目。
決して派手ではないが、そこはかとない美しさと色っぽさをもつ。
都合よく近づけても、都合よく離れてはくれない。
どこまでもどこまでも追いかけてくる。
覚悟なく近づいた男性は、気付いたら無限の迷路にハマり込む。
そこから脱する方法は、破滅しかない。
清張の小説にはさまざま「魔性の女」が登場し、男たちを破滅させて行く。 みうらじゅん氏は、これはホラーだと解説しています。
しかし、数々の小説を書いてきた松本清張さんでも、最後まで、「女性は分からん」と語っていたそうです。
女性には、おそるべき魔性の力があるのですね。
よく考えると、ここが一番恐ろしいです💦💦
あとがき
皆さん、ふとした出来心に気をつけましょうね。
僕も、この年齢なので気をつけて生きていきたいです。
清張地獄はお見通し。
”見とるぞ見とるぞ”と、どこかでつぶやく声がする。
今日も最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha
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