時の化石

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ゴッホ『ひまわり』、ダ・ビンチ『モナリザ』の解説もすばらしいなぁ 山田五郎著『知識ゼロからの西洋絵画入門』

どーもShinShaです。

今回は山田五郎さんの『知識ゼロからの西洋絵画入門』の記事です。本書を読みながら、ブログを書いていて何度も爆笑しました。しかも大いに勉強になる。この本オススメです!

この春に観た「ロンドンナショナルギャラリー展」は、11月3日から大阪で開催中ですね。ゴッホの『ひまわり』は素晴らしかったなぁ。あの絵を観られたことは、一生の思い出となりました。

ロンドン・ナショナルギャラリーの『ひまわり』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』。五郎さんがどう解説してくれるのか、とても楽しみですね。そしてクレーの『セネシオ』も載せましたよ。

山田五郎さんプロフィール

山田五郎さんは西洋美術史が専門です。学生時代には、オーストリアザルツブルク大学に留学しています。 みうらじゅんさんと仲が良いので、その関係で昔から存じ上げております。
生の五郎さん、2回ほど拝見しております。現在も、時々、radikoでFM番組も聴いています。

1958年東京都生まれ。編集者・評論家。上智大学文学部在学中にオーストリアザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。
卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。
現在は時計、ファッション、西洋美術、化石鉱物など幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。
出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)、『東京REMIX族』(J-WAVE)など、テレビ・ラジオの出演多数。著書に『百万人のお尻学』(講談社+α文庫)、『20世紀少年白書』(世界文化社)、『知識ゼロからの西洋絵画史入門』(小社)などがある。

オススメのポイント

前に読んだ山田五郎著『知識ゼロからの西洋絵画史入門』が非常に面白かった。同じシリーズの『知識ゼロからの西洋絵画入門』についても読んでみたくなりました。

この本はオールカラー。ルネサンスから現代まで34枚の名画を選んで、作品と画家について解説されています。画家は履歴書の形式で「プロフィール」、「エピソード」、「流派」、「得意とするモチーフ」、「尊敬する画家」などの項目で評価されています。

履歴書の最後に「山田編集長の内申書」という欄がある(笑)。ここには、五郎さんの画家のコメントが。これがメチャクチャ面白い。転記しながらも大爆笑。

ラファエロ・サンツィオ:育ちがよく才能に恵まれ、まさに「ルネッサンスの貴公子」です。女子にも人気がありましたが、それが仇(あだ)となって悪い病気をもらい、早死にしたという噂も。

ポール・ゴーギャン:ワルなのに妙にロマンティストなダメ男。奥さんはいい迷惑ですが、なぜか憎み切れなかったようです。ダメンズ好きな女子はひっからないよう気をつけましょう。

パブロ・ピカソ:スペインの田舎の出身で背が低く髪も薄いコンプレックスをバネに、人並はずれた才能とバイタリティで女子を口説きまくる危険人物です。

【本書掲載の34の名画、画家の解説】
ボッテイチェリ ヴィーナスの誕生/ボッス 快楽の園/ダ・ヴィンチ モナ・リザミケランジェロ 最後の審判ラファエロ 小椅子の聖母/デューラー 1500年の自画像/ブロンズィーノ 愛の寓意/ルーベンス マリー・ド・メディシスの生涯:マルセイユ上陸/レンブラント 夜警/フェルメール 牛乳を注ぐ女/フラゴナール ぶらんこ/ゴヤ 裸のマハ/アングル トルコ風呂/ミレー 晩鐘/モロー 出現/ミレイ オフィーリア/マネ フォリー=ベルジェールのバー/モネ 日傘をさす女/ゴーギャン アレアレア:楽しいとき/セザンヌ サン=ビクトワール山/ロートレック ディヴァン・ジャポネ/ムンク 叫び/クリムト 接吻/ルソー 私自身、肖像=風景/モディリアーニ 黄色いセーターを着たジャンヌ・エビュテルネ/シャガール 誕生日/マティス 金魚/ピカソ 泣く女/クレー セネシオ(野菊)/カンディンスキー コンポジションⅧ/ダリ 記憶の固執

この本、絵に興味がある人なら、誰でも面白く読める良い本です。しかもとても勉強になります。知らない絵もいくつかあるなぁ。。。 勉強しなくちゃ。

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山田五郎著『知識ゼロからの西洋絵画入門』幻冬舎

山田五郎著『知識ゼロからの西洋絵画入門』を読む 

掲載された34作の名画から、3作をご紹介します。『ひまわり』、『モナ・リザ』誰でも知っている絵の解説というのは難しいですね。名画に対する五郎さんのコメントを読むと、同時代の芸術のこと、画家の人生、絵画の技術を踏まえて書かれています。さすがですね。

そして、ゴシップのような情報を上げながら、彼独特の笑いのセンスを保っているのもすばらしいです。

ヴァン・ゴッホ『ひまわり』

ゴッホは生涯で花瓶に行けたひまわりの絵を7枚書いています。このうちの2枚は、ゴッホ自身によるコピー作品なので、正しくは5作というべきでしょう、

ロンドン・ナショナル・ギャラリー収蔵「ひまわり」は4作目の作品で、もっとも人気が高い作品です。そしてゴッホの遺族ヨー・ボンガー(弟テオの奥さん)が、最後まで売却をためらったのはこの作品でした。それくらい、完成度が高い作品なんですね。

ヨー・ボンゲルはロンドン・ナショナル・ギャラリーのディレクターに「この絵を手放すことは、ヴィンセントの名誉を得るための犠牲なんです」とまで書いています。

ゴッホの山田編集長からの内申書は『思い込みが激しすぎて、周りが見えなくなりがちです。弟のテオくんもフォローに追われて自分の仕事が手につかず、困っていました』。なるほど、そのとおりですね(笑)。

五郎さんの『ひまわり』の解説を引用します。多くの人は、この作品に幸せなイメージを抱いているはずです。彼は「ひまわり」をこのように見ていたのですね。ちょっとしたした驚きでした。

すばらしいコメントですね。ゴッホへの、この絵への愛情にあふれています。最後のところは、少し涙が出そうな気分になってきました。

ゴッホの「ひまわり」を見ていると、マジで涙が出てきます。鮮やかに明るい黄色が、かえって悲しく見えて。

花瓶の中のひまわりのように、黄色い家に集まって同じ理想を追ってくれると信じだ仲間は来なかった。

あまりに純粋で一途すぎ、世間と噛み合わないまま燃え尽きたゴッホ。けれども彼の作品は、今も世界中の芸術家に影響を与えています。枯れた後に多くの種を残す、ひまわりのように。

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「ひまわり」/1888年/油彩、キャンバス 92.1x73cm /ロンドン・ナショナル・ギャラリー

"Vincent van Gogh - Still Life: Vase with twelve sunflowers" by Steve Dorrington is licensed under CC BY 2.0

レオナルド・ダ・ヴィンチモナ・リザ

久しぶりに、この絵を見ました。MACのディスプレーに画像を大写しにしてじっくり見ていると、この世界に取り込まれそうになる。スターウォーズ にも出てきそうな謎めいた風景とミステリアスな美女の微笑。この絵の魅力は危険ですね。

モナ・リザ。イタリア語では「愛しのリーサ」。ミケランジェロの弟子が、モデルはフィレンツェの富豪デル・ジョコンドの妻、エリザベッタ(愛称リーサ)だと書き残したため、この題名が普及しました。最近の絵の分析、古文書の研究から、この説がもっとも有力とのことです。

モナ・リザ』のモデルは人妻だったのです。リーサの表情は、画家を信頼しきったものですね。緊張など、どこにもありません。二人が親密な関係であったことが想像できます。とても気になりますね。そうか、このミステリーも人気の要素なんだ。気がつくのが遅すぎる(汗)。

モナ・リザ』人気のもう一つの理由が、「謎の微笑」。笑っているのか、いないのか?

見るものを魅了する「謎の微笑」は、ダヴィンチが菅瀬下「スフマート」の賜物です。輪郭を描かず色の濃淡で対象を浮かび上がらせる「ぼかし技法」。
薄い絵具を何度も塗り重ねるため、完成までに時間がかかります。
ダヴィンチは『モナ・リザ』を終生、持ち歩き、加筆し続けたとか。

終生、この絵を持ち歩いて描き続けた。すごいですね。『最後の晩餐』、『岩窟の聖母』などの作品も、同じように持ち歩いていたようです。

昔読んだ本に、売れっ子画家だったラファエロは、絵を数ヶ月で描き上げねばならなくて、納期を気にせずに自由に絵を描いているダ・ヴィンチをうらやんでたという文章がありました。きっと、薄い絵具を何度も重ねるなんて手法はできなかったのですね。

山田編集長の内申書です。「天才すぎて飽きやすいのが玉にきず。その結果、常に新しいスポンサーを求めて各地をさまよい、最後は敵国フランスで死ぬことになりました。」

ちなみに、ダ・ヴィンチは大量のデッサンを遺していますが、完成した絵画はわずか17点とのことです。生産性が低すぎるわ(汗)。天才は天才で問題だな。

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モナ・リザ」/1503−1506年頃、油彩、板/77x53cm/ルーブル博物館

"monalisa" by Postprocessman is licensed under CC BY 2.0

パウル・クレー『セネシオ(野菊) 』

最後に、最近すごく気になっているパウル・クレーの絵について、本書の内容をご紹介します。

セネシオはラテン語で、キク科キオン属の植物を訴訟する学名。

奥行きのない平面性、円や正方形といった単純な幾何学図形による構成、現実に縛られない自由な色彩、カンバスの織目や絵具のムラの質感を活かした「画肌(マチュール)」などー。

けれどもそんな高度な技法や計算など少しも感じさせず、あくまでもシンプルでピュアな印象。まるで子供が描いたような絵のようです。

パウル・クレーの絵は素晴らしいですね。最近ハマっています。

花瓶に挿した野菊が絵の対象でしょうか?この絵からは、菩薩像の表情のような東洋的なイメージを受けます。色彩の組み合わせが美しいですね。この色合い、タッチが何もいえない。

この絵からは、柔らかくたおやかな美しさが見える。しかし、同時に裏側には冷たさ、悲しさを感じさせます。いろいろな解釈、イメージを持つことができるのが抽象画の良いところですね。

クレーの山田編集長の内申書です。「当時としては珍しく主夫業に専念し、息子の成長記録もマメにつけていた満天パパ。家事の負担が大きすぎるとこぼしたこともありますが。」 クレーはまじめな人だったんですね。

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『セネシオ(野菊) 』/1922年/油彩・キャンバス/40.5 x 38cm/バーゼル美術館

By Paul Klee - http://www.abcgallery.com/K/klee/klee6.JPG, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10873666

あとがき

いやぁ面白かった。この本のすべてをご紹介できないのが、とても残念です

本書には、これまで知らなかった様々な情報が書かれています。だいたい美術書には、ピカソを「女性を踏み台にする自己中男」とか、ゴッホについて「画商時代は下宿の娘をストカー」、なんて書いてる本ないですよね(笑)。

何でも勉強するのは大変です。山田五郎さんが書かれたこの本、このシリーズは、とても楽しく、笑いながら美術を学ぶことができます。しかも書かれている情報は、彼の豊富な専門知識がベースになっています。

こんな楽しい美術の本は他にはありませんね。迷わずオススメです。

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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