時の化石

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最新イヤーピース製品レビュー AZLA・Pentaconn・SpinFit 〜 イヤーピースの沼から抜けられない

どうもShinShaです。今回はイヤホンに取り付けるイヤーピースのレビューです。イヤホンと耳との接点となるイヤーピースは音質に大きな影響を与えます。この数年、次々と新しい技術を投入したイヤーピスが発売されています。これは買ってみなければ。

今回は熱可塑性樹脂を使ったAZLA SednaEarfit XELASTEC(アズラ・セドナイヤーフィット・セラステック)、金属コアを取り付けたPentaconn COREIR(ペンタコン・コレイル)、そしてSpinFit OMNI (スピン・フィット・オムニ)の3製品をレビューしました。

レビューの結果を一言でまとめると、COREIRのイヤーピースによる音質の変化はスゴイ。また、SednaEarfit XELASTECの着け心地・音質は最高です。詳細は下記を参照ください。

ついに買ってしまった禁断のイヤーピース

今回評価するのは以下の3製品です。
・AZLA SednaEarfit XELASTEC:
 アズラ・セドナイヤーフィット・セラステック(以下XELASTICと表記)
・Pentaconn COREIR:ペンタコン・コレイル(以下COREIRと表記)
・SpinFit OMNI:スピン・フィット・オムニ(以下OMNIと表記)

XELASTEC、COREIRには新しい技術が使われているので、是非とも手に入れたかったのです。2つとも値段は高いですけどね。経済が弱い国に住むとイヤーピース買うのも大変になるなぁ。キシダメ、ウエダメ、分かってんのか!

昨年末にXELASTECを購入、そしてCOREIRを先週購入しました。OMNIはこの記事を書くために昨日購入しました。これらの最新製品は従来のイヤーピースのおよそ倍の価格です。二組セットだと安いイヤホンなら買えてしまう。でもそれだけの機能が合うならと、期待で胸が躍ります。

AZLA SednaEarfit XELASTEC

AZLAは韓国のブランドです。同社のSednaEarfitは優れた音質を生み出すイヤーピースとして、マニアの間では高い評価を得ています。AZLAは熱可塑性樹脂を使用したイヤーピースSednaEarfit XELASTECを2020年にリリースしました。

「XELASTEC」とはX(NEXT)+ELAS(ELASTOMER)+TEC(TECH)の組み合わせで、次世代を意味するXと熱可塑性エラストマーを意味するELAS、そしてハイテクを意味するTECからなる合成語。このイヤーピースは、熱可塑性エラストマーを使っているため、体温で変形して装着後に耳にぴったりフィットするイヤーピースなのです。

使っている感覚としては、装着してしばらくすると、着けている感じが軽くなってきます。しかし、耳にぴったりフィットしているのです。その証拠に外すのがちょっと大変なのです。

サイズはSS/S/MS/M/ML/Lの6サイズです。少し耳孔が小さめな僕には”M”サイズより”MS”サイズがフィットしました。同じようなレビューを散見するので、購入時は気をつけた方が良いですね。製品の特徴は以下のとおりです。

世界的なメーカーである独KRAIBURG TPE社の高品質な熱可塑性エラストマー(TPE:サーマルプラスティックエラストマー)を採用しました。熱により軟化し変形しやすくなるという素材の特性を最大限に活かし、イヤホンを耳に装着した際に体温により傘部分の形状が徐々に軟化、変形していき吸いつくような極上のフィット感が得られます。

形状が変化して耳にフィットする為、耳道の特定部分に負担が掛かることが少なくなり、長時間快適に使用できます。同じく形状を変化させて耳道にフィットさせるウレタン系のフォーム素材とは異なり、素材の耐久性が高いのも特徴です。 引用:https://www.amazon.co.jp


なお、この製品の最新バージョンが2024年3月に発売されました。近いうちに入手したいと思います。

AZLA SednaEarfit XELASTEC

AZLA SednaEarfit XELASTEC

intime翔DDにXELASTECを装着

Pentaconn COREIR

Pentaconn COREIR は中国に本社を置くLinsoul Audioの製品です。Petaconnはプラグや、ケーブルなどがメインのブランドだと思っていました。最近、イヤーピースまで開発したんですね。このイヤーピース、昨年から話題になっていたのです。聴く前はイヤーピースに金属コアを取り付けて、音なんて変わるのかなと思っていました。

先日、仕事の合間にeイヤホン秋葉原本店に行った時、大好きなintimeのeイヤホン限定バージョンに、このCOREIRが装着してあったのです。興味を感じたので、試聴をしてみると音に驚きました。

すぐに購入を決めたのですが、COREIRには真鍮とアルミニウムの2種類の金属コア製品があるのですね。店員さんに「ジャズを聴くけどどっちがいい?」と尋ねたところ、「アルミニウムCOREIRのピアノの音は暗さを残した華やかさ」を感じると、アルミニウムを推してくれました。「暗さを残した音」というのは、とてもいい表現ですね。その音を聴きたいと思いました。

COREIRの構造を下に示します。透明なシリコンイヤーピースの上部に金属コアを内蔵しています。クリアなシリコン樹脂ベースのデザインはカッコいいですね。サイズは(S/MS/M/L)の4サイズ。僕は”M”でぴったりでした。

Pentaconn CREIRの構造、https://www.amazon.co.jp から転載

製品パッケージ
Pentaconn CREIR 二組

SpinFit OMNI

SpinFitは台湾のブランド。柔軟性があり装着感が良いイヤーピースを供給しているブランドです。僕はこれまで、同社のCP145をメインのイヤーピースとして使ってきました。製品のサイズは6サイズ(SS/S/MS/M/L/XL)と細かな配慮がされており、ほとんどの人がこの製品ならフィットするでしょう。今回の新しい製品、OMNIの特徴は以下のとおりです。

優れた柔軟性と弾力性
SpinFit独自開発の高品質シリコン材質を配合。柔軟でしなやかな特性とハリのある弾力性をバランスよく両立し、長時間の使用でも快適な装着感を提供します。
肌に優しいシリコンを採用。皮膚刺激性試験に合格。SGS OECD TG439 認証取得。

シリコン素材配合の二層チューブ
OMNI のチューブは、外層には肌に優しい柔らかなシリコン素材を使用し、高いフィット感と心地よさを実現。内層にはしなやか且つしっかりしたシリコン素材を使用し、装着したイヤホンのノズルがしっかりホールドされるように設計されています。
引用:https://www.amazon.co.jp から転載



SpinFit OMNIhttps://www.amazon.co.jp から転載

製品パッケージ
イヤーピースOMNI

話題のイヤーピース製品3種をレビューする

お気に入りのイヤホン、initime (アンティーム)雅MarkⅡに3種のイヤーピースを取り付け、ジャズの3曲を聴き比べます。この時に感じた装着感、音の印象から製品の評価を行いました。今回試聴した曲は以下の3曲です。ハイレゾ・ジャズ音源のピアノ、ベース、ギター、ドラムス、そして女性ボーカルの音からイヤーピスによる音質の変化を評価しました。

ビル・エバンス ”Waltz For Debby”
・ジュリアン・ラージ ”Serenade”
・サマラ・ジョイ ”Star Dust”
試聴環境:Apple Music (High-Res) - iMac - S.M.S.L DO400 -

3種のイヤピースの写真、左からCOREIR、XELASTIC、OMNI

initime雅MarkⅡにCOREIRを取り付けた

[総評]
評価は結果は下の表のとおりとなりました。COREIRを装着したイヤホンの音質は素晴らしいです。また、XELASTICは音質もよく装着感が最高です。このイヤーピースならストレスなく長時間使用し続けることができます。OMNIについては特別に良いところは感じられませんでした。同社の他の製品と比べても同等の装着感・音質でした。

レビュー結果のまとめ

※今回レビューしたイヤーピース製品のAmazonリンク


[コメント]
・XELASTIC
AZLAは音質重視のため、元々、硬めの樹脂を採用していたので、熱可塑性樹脂の採用で装着感が大きく向上しました。XELASTICについては、装着後、着けているのを忘れるほど耳にフィットします。良い製品ですね。ストレスを感じることなく長時間使用できます。耳から外すのがちょっと大変になりますが、耳を斜めに引っ張ると外れやすいです。

XELASTICは明らかに通常のイヤーピースより、音質が大きく向上します。クラシック、ジャズなどを聴くのに適した製品だと感じすます。低域を◯の評価としたのはCOREIRの引き締まった低音と相対比較したためです。OMNIより低音の音質はずっと良いです。

・COREIR
このイヤーピースを装着すると、イヤホンの音質が格段に向上します。クリスタルのような鋭利な高音、引き締まった低音、輪郭がはっきりした音が聴こえるのです。初めて聴いた時はびっくりしました。特にピアノ、ギター、ベースの金属弦、ドラムの音等がリアルで素晴らしく聴こえます。

昨日から、このイヤーピーにより音質が向上するメカニズムについて考えていました。COREIRの装着により、擬似的にイヤホンのノズルがピースの先端まで伸ばされた形になり、音が減衰することがなく耳に届くことが主な要因ではないかと考えました。また、紡錘形の形状で3種の製品の中ではCOREIRが一番耳奥に入る形となっています。

逆にいうと、従来の樹脂製のイヤホンでは、このわずか3〜5mm高さの空間を金属製パイプで埋めていないために、樹脂体の振動等により音が減衰し劣化していることになります。また、COREIRでは金属を変えることで反響音を変化させ、音質の変化を生み出すこともできます。以上が考察となりますが、よく考えられた素晴らしい製品だと思います。

intime雅MarkⅡにCOREIRを装着すると、セラミックツィータVSTの高域、超高域の音がさらに磨きがかって聴こえます。すごい音がしますね。この組み合わせは最高のマリアージュなのだと感じました。

OMNI
3種のイヤーピスの中ではもっとも小さく、耳の奥まで入れようとする設計意図なんでしょう。外側の樹脂はこれまでの製品より薄く、ハリのある素材を使っています。しかし、このイヤーピースを着けて音楽を聴いたところ、3種の製品の中では一番音質が劣っていました。樹脂の種類や構造を変えた訳ですが、特別に新しい技術改良もなく、当然と言えば当然なのですが。

同社の製品CP145と音を聴き比べましたが、大きな差を感じませんでした。また、OMNIをイヤホンへの取り付けるのには、大変苦労をしました。間違って買ったかと思ったほどです。何にでも使えるものというのは、往々にして使いに難いくくなるものです。

この評価で価格が倍以上ですからね。正直に書けば、機能的には購入に値しない製品だと思います。強いていうなら、この製品の優れたところはOECDの皮膚刺激性試験に合格したグレードの高い樹脂を用いていることでしょうか。 SpinFitはこれまで素晴らしい製品を供給してきているブランドなので残念です。

おわりに

今回はイヤーピース3種のレビューをお届けしました。イヤーピースって、小さなパーツなのですが、いろんな技術が活かされていてじつに面白いですね。COREIR、XELASTICは素晴らしいイヤーピースです。お気に入りのイヤホン、intime 雅MarkⅡ、initime翔DDに取り付けると音質が向上し、慣れ親しんだイヤホンが生まれ変わったような感じを受けます。最近はヘッドホンより、イヤホンで音楽を聴く機会が増えてきました。

やっぱりイヤホンは奥が深いなぁ。当分、イヤーピースの沼から抜け出せそうにありません。きっと、近いうちにXELASTCの最新バージョン、COREIR真鍮タイプも買ってしまうのだな(泣)

ところでもう一つ、僕が大切にしているイヤホンがあります。それはSONY MDR EX800STなのですが、このイヤホンはどんなイヤーピースを着けても、オリジナルの音を超えることができません。黒いシリコンでできた何のことない安いイヤーピースなのですが。SONYのチューニング技術、恐るべし(^^;;

ShinSha