時の化石

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森永卓郎著『書いてはいけない -日本経済墜落の真相』を読む - ステージ4のがんを宣告された著者の告発とは? -

どうも、ShinShaです。今回ご紹介するのは、ステージ4の膵臓がんを宣告された森永卓郎さんが「命あるうち、この本を完成させ世に問いたい」と書き上げた本です。「どうせ死ぬなら、殺されようと構わない。国民に真実を伝えたい」。彼は現状を打破するために告発しなければならないと考えました。

正直なコメントをするため、あちこちのメディアから出禁にされた彼にしてみても、これまで伝えられなかった「書いてはいけない」タブーとは。日本経済墜落の真相とは。これは読まずにはいられません。

本書について

著者プロフィール

この本の著者、森永卓郎さんの略歴は以下のとおりです。

森永卓郎(もりなが・たくろう) 1957年、東京都生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。1980年に東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現在のJT)に入社、予算を握る大蔵省(現・財務省)に「絶対服従」のオキテを強いられる。その経験を原点として、「財政均衡主義」という教義のもとカルト化する財務省に斬り込んだ『ザイム真理教』がベストセラーに。本書では、四半世紀に及ぶメディア活動で見聞きしてきた‶3つのタブー〟に挑み、その背景に存在する「真相」を描き出す。2023年12月、ステージ4のがん告知を受ける。 引用:https://www.amazon.co.jp/

本書について

この本には出版する前から圧力がかかっていた。前作『ザイム真理教』の原稿を大手出版社に送って出版を依頼したところNOの返事が返ってきた。別の出版社に原稿を送っても拒絶される。そんな状態が3ヶ月も続いた。どこの出版社も財務省を正面から批判する本を出版するリスクに腰が引けたのです。

出版をあきらめかけた頃、”三五館シンシャ”という名の会社が出版を引き受けてくれた。原稿を読んだ出版社の中野社長は「この本は世に出すべき本です。当社は私一人でやっていますので、一緒にリスクを取りましょう」と話した。この会社は”三五館”という出版社が倒産した後、勤めていた現社長が一人で再興した出版社だった。

三五館シンシャは、出版を引き受けて良かったですね。前作『ザイム真理教も、この本も発売前から予約が殺到してベストセラーとなり、大増刷することになりました。森永さんのお話では中野社長さんは、あまりのペースに怯えながらも大増刷を続けているとのことです。この出版社、僕のハンドルネームと一緒ですね😊

次に出版社のコピー文を引用します。

『ザイム真理教』を上回る衝撃作! ~日本経済墜落の真相~
2023年12月、私はすい臓がんステージ4の告知を受けた。告知の瞬間、私は、何かを食べたいとか、 どこかに行きたいとか、そんなことは微塵も考えなかった。
なんとか自分の命のあるうちにこの本を完成させて世に問いたい。 そのことだけを考えた。 その意味で本書は、私の40年にわたる研究者人生の集大成であると同時に、私の遺書でもあるのだ。
【目次】 第1章 ジャニーズ事務所 第2章 ザイム真理教 第3章 日航123便はなぜ墜落したのか 第4章 日本経済墜落の真相
引用:https://www.amazon.co.jp/

購入した森永卓郎さんの本


『書いてはいけない -日本経済墜落の真相』

ザイム真理教

財務省が日本経済凋落の元凶だと考える森永さんは、カルト教団である統一教会に見立て、「ザイム真理教」とネーミングして2023年6月に本を出版した。この本はベストセラーになり、取材・出演依頼が殺到した。しかし、大手新聞、東京の地上波テレビには完全スルーされた。これはジャニーズ問題とまったく一緒だった。財務省を大きく批判するのは大マスコミにはタブーとなっているのだ。

本書の一部を下に紹介します。

この30年間、先進国では日本だけが経済成長をしていない。統計データをきちんと見ている経済学者なら、その最大の原因の1つが緊縮財政であることは、みなわかっている。だから、まともの経済学者は財政緊縮路線を批判する。...

もし財務省が財政緊縮路線政策をやめて、適切な財政出動(減税を含む)をすれば、経済は大きく成長する。その結果税収が増えて、財政緊縮策を採るよりも、財政収支が改善するのは明らかだ。それなのに、なぜ財務省増税社会保険料負担増、そして社会保障や公共事業をカットを続けるのか。

私の答えは明確だ。それは財務省が宗教を通り越して、カルト教団になっているからだ。


財務省 wikipeiaから転載

経済成長が止まり国民の所得も増えない中、政府は増税を繰り返し、すでに日本の税負担は48%、まさに”五公五民”ともいえる状況になっている。江戸時代では”五公五民”の年貢をとると、農民は一揆を起こすか、逃散(ちょうさん)、つまり逃げ出すかのどちらかだった。

現在の日本人はデモをする訳でもなく、投票に行く人間も少なく、ただ甘んじて苦しむだけだ。民主主義がぜんぜん足らないと思う。僕らはもっと声を上げ、行動しなければと思うのです。

この本を読むと、彼がなぜ財務省を「ザイム真理教」と呼ぶのか理由が分かります。メディアに出る影響力のありそうな人物には財務省主計局から説明に出向き、自分たちの政策方針を洗脳して信者にする。ホリエモンも安部俊樹氏も関連している事業に政府からの補助金を受けているのでザイム真理教の信者だ。財務省に対する批判するをものには税務調査で対抗する。税務調査は彼らの強力な武器なのです。

森永卓郎氏 https://ddnavi.com/book/ から転載

日航123便はなぜ墜落したのか

日航123便の墜落にまつわる話について、ラジオで森永さんが語るのを数年前に聴いてました。詳細についてはネタバレになるから書きませんが、墜落の原因が圧力隔壁破損ではなく、他にあるというものです。

Webを調べると日航123便の墜落に関する本や様々な情報が出てくる。それは数多くの目撃情報、飛行ルート、米軍の出動記録、事故現場の状況などが、圧力隔壁破損→尾翼破壊→制御不能による墜落したというシナリオとは符合しないからなのです。

森永さんが書いているのは、この事故には政府に不都合な真実があり、それを隠すために圧力隔壁破損という事故原因をでっち上げたということです。通常はこういう陰謀説を信用しないのですが、この件については、森永さんが書いていることだから信じられると思うのです。しかも関係者の多くが知っているとの情報もあります。

なぜ、経済アナリストである森永さんが、1985年8月に起きた日航123便の墜落にこだわるか。それは、事故原因をボーイング社に押し付け、アメリカ政府にも口裏を合わせてもらったために、それ以降の日米交渉では、圧倒的にアメリカが優位となったと考えているからです。

日航機事故現場の写真、https://www.nhk.or.jp から転載

日本経済墜落の真相

経済の専門家でなくても、日本経済が失速した大きな潮目が1985年9月のプラザ合意であることを知っています。森永さんはプラザ合意を「日本経済集団リンチ事件」と書いています。プラザ合意後の2年間で、なんと日本円対ドル為替レートは240円から120円に変動。つまり、日本の貿易製品に100%の関税が掛けられたのと同じ状況になった。経済絶好調だった日本はアメリカ、ヨーロッパから無着クチャの条件を突きつけられた。

当然のことですが、プラザ合意の後には日本の輸出総額は大幅に減少していった。さらに1986年の日米半導体協定、1989−90年の日米構造協議でも、政府は米国に完全追随し半導体のシェアを失い、日本市場の解放を行うことになった。

やがて日本は深刻な景気後退に向かう。そして財務省の経済政策の失敗により1990年バブル崩壊。その後は誰もが知っている失われた30年という時代が続いた。書きながらため息が出てきます。これが日航123便の墜落の後、日本が受け入れた経済政策の結末でした。

これが本書に書いている日本経済の墜落の真相です。日航機事故からわずか1ヶ月後のプラザ合意アメリカに全面追随。これは何かがあったと考えてもおかしくないと思います。

プラザ合意、円の対ドルレートの推移、 https://special.sankei.com/ から転載

おわりに

本の概要を疾ってお伝えしました。特にザイム真理教、日航123便の墜落の章は恐ろしかったです。改めてこれほど重大でアブナイ話を身体を張って伝えてくれた、森永さんは信頼できる人物だと思いました。詳細については、ぜひ、本書をお読みください。

『ザイム真理教』『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、そして本書、森永さんの新しい本が次々ベストセラーになっています。彼の思惑どおり国民が現実を知って皆んなの意識が変わったら良いなと思います。

このところがん治療がうまく行き、森永さんは回復されつつあります。森永さん、元気になって財務大臣になってください。
ShinSha