どうもShinShaです。ジャズ・スタンダードをご紹介する記事です。今回のテーマは、「ミスティ」。このスタンダードはピアニスト、エロール・ガーナーが飛行機の中で着想を得て書いた曲です。
40年前、名盤「エラ・イン・ベルリン」で初めて聴いてから、お気に入りの曲です。恋する女性の心理を歌った可愛い歌詞がとても可愛い。「あなたに恋をしすぎて 霧に包まれたような感じなの」。今回も女性ボーカルをじっくり聴きたいです。
この曲の演奏は、作曲者エロール・ガーナーのピアノが定番。ガーナー節も聴こえる楽しい演奏です。そして歌ものは、何といってもエラ・フィッツジェラルドかな。今回も新旧織り交ぜて素晴らしいチューンを選曲しました。
「ミスティ」 “Misty“
楽曲について
ミスティは1954年にエロル・ガーナーによって作曲されました。起伏の激しいメロディはジャズの王道ともいえます。
1954年、ジャズ・ピアニストのエロル・ガーナーはサンフランシスコからシカゴへ向かう飛行機の窓から見えた虹から着想を得て、「ミスティ」を作曲。ガーナーは、頭に浮かんだメロディを口ずさみながら、ピアノの鍵盤を思い浮かべて膝を叩きながら作曲を行なったそうです。
後にジョニー・バークによって歌詞が加えられ、1959年に発売されたジョニー・マティスによるカバー・バージョンがBillboard Hot 100で最高位12位を記録。ほかにもレイ・スティーブンス、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラらによってカバーされている。
引用: wikipedia
曲の歌詞
ジョニー・バークの書いた歌詞が素晴らしいですね。’Misty’というタイトルから、恋する女性を表現する詞をつくった。「あなたを愛しすぎて、もう右足か左足か、帽子なのか手袋なのかも分からないの」いう部分が特にすごい。訳していてちょっと恥ずかしくなりました (^^;;
ミスティ “Misty”
Look at me, I'm as helpless as a kitten up a tree
And I feel like I'm clingin' to a cloud
I can't understand
I get misty, just holding your hand
わたしを見て
木にのぼった子猫みたいに無力よ
雲にしがみついているみたい
あなたの手を握るだけで
霧に包まれるような気持ちなの
Walk my way
And a thousand violins begin to play
Or it might be the sound of your hello
That music I hear
I get misty, the moment you're near
あなたがこっちに来る
千のバイオリンが響き始める
わたしが聴いた音楽は
あなたの”hello”という声かしら
あなたのそばにいると 霧に包まれるの
Can't you see that you're leading me on?
And it's just what I want you to do
Don't you notice how hopelessly I'm lost
That's why I'm following you
あなたは私を誘惑しているのを分かってる?
でも それはわたしが望んでいること
途方にくれるほど 迷っていることが分からない?
だから あなたについていくのよ
On my own
Would I wander through this wonderland alone
Never knowing my right foot from my left
My hat from my glove
I'm too misty, and too much in love
Too misty
And too much in love
わたし一人で この不思議の国を彷徨うの?
右足か左足かも分からない
もう帽子か手袋かも分からないの
わたしは霧に包まれたみたい
あなたを とてもとても愛してしまってるの
訳:ShinSha
「ミスティ」の名演奏
ジャズ・スタンダードを聴く楽しみは、いろんなアーティストの演奏の聴き比べ。この曲にはどんな名演があるのでしょうか?今回も新旧織り交ぜて素晴らしい演奏を紹介します。
[インストゥルメンタル]
「ミスティ」は美しいメロディのスタンダードです。起伏の激しいメロディはジャズの王道ともいえます。この曲は作曲者エロール・ガーナーのピアノ演奏がやはり基本でしょうか。今回はフレディ・ハバードのカッコいいホーンの演奏も選曲しました。
⚫️ エロール・ガーナー
この曲の代表的な演奏といえば、作曲者エロール・ガーナーを外せません。彼が曲にどんなイメージをもっていたのか演奏から伝わってきます。エロールのピアノは瑞々しくて美しいですね。独特のガーナー節も聴こえる楽しい演奏です。
Erroll Garner “Misty” 1954
Bass-Wyatt Luther, Drums- Eugene Fats Hart, Piano- Erroll Garner, and others
⚫️ フレディ・ハバード
さすがフレディ・ハバードのトランペットですね。キレ良くハードにプレイをきめてくれます。彼にかかれば甘いメロディのスタンダードが、こんなにおしゃれでカッコいい曲に変身する。繰り返し聴きたくなってきます。
Freddie Hubbard “Sweet Return“ 1983
Bass – Eddie Gomez, Drums – Roy Haynes, Percussion – Hector Manuel Andrade, Piano – Joanne Brackeen, Tambourine – Craig Haynes, Tenor Saxophone, Flute, Alto Flute – Lew Tabackin, Trumpet, Flugelhorn – Freddie Hubbard
⚫️ ボブ・ジェームズ
ボブ・ジェームズの最近のライブ演奏。フュージョン時代に大活躍した彼も、最近ではシンプルなピアノトリオ演奏をしているのですね。胸に染みる美しい演奏です。メロディが美しいなぁ。
Bob James ”Feel Like Making LIVE!” 2021
Bass - Michael Palazzolo, Drums - James Adkins , Piano - Bob James
[ボーカル曲]
この曲は何といってもエラを外すわけにはいけません。ほかにはサラ・ヴォーン、ジュリー・ロンドンなどのボーカル曲も素晴らしいですのです。しかし、今回は20代の新しいアーティーストの曲を選びました。レイヴェイの曲は今回初めて聴きましたが艶っぽくて良いです。
⚫️ エラ・フィッツジェラルド
僕が初めて聴いたジャズボーカルのアルバムは「エラ・イン・ベルリン」でした。エラって大柄なのになんてきめ細やかで、可愛らしい歌を歌えるのだろうと思いました。しかもこれはライブ録音なのです。いつ聴いてもミスティな気分に包まれる素晴らしいチューンです。
Ella Fitzgerald “Mack The Knife - Ella In Berlin” 1960
Bass - Wilfred Middlebrooks, Drums - Gus Johnson, Guitar - Jim Hall, Piano - Paul Smith, Vocals - Ella Fitzgerald
⚫️ サマラ・ジョイ
SNSで大ブレイクし、突如ミュージックシーンに登場した新星ジャズ シンガー。ヴェルベット・ヴォイスをもつというサマラは並外れて歌がうまいですね。オールドスタイルでありながら、ちゃんと現代的な表現になっています。素晴らしいチューンです。
Samara Joy “Linger Awhile” 2021
⚫️ レイヴェイ
名門バークリー音大卒、2024年のグラミー賞では最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバムを受賞。アイスランド出身の20代のアーティストです。“Laufey”の綴りで「レイヴェイ」と読むんですね。まさに今をときめく歌姫です。ウィスバーボイスで歌う”Misty”はなかなか艶っぽっくて良いです。
Laufey “Bewitched” 2023
サブスクミュージックでジャズを聴こう
サブスクミュージックでジャズを聴きましょう。今回のスタンダードの名演、名曲はすべてサブスクで聴くことができます。しかも音質も素晴らしい。
Apple Musicではジャズ名盤のハイレゾ化が進んできています。
素晴らしい音質で名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ
記事で採り上げたアルバムのamazonリンク
おわりに
今回は40年以上聴いている大好きなスタンダードについてご紹介しました。今回久しぶりに「エラ・イン・ベルリン」を聴き直しました。60年以上前にリリースされたライブ盤ですが、やはり超名盤ですね。いま聴いても輝きは失われていません。
今回の記事を書くために、サマラ・ジョイ、レイヴェイと二人の20代のアーティストヴォーカルを聴きました。新しい才能の音楽を聴くのは楽しいですね。音楽のジャンルにとらわれない、ボーダレスで自由な表現を感じました。
今回でジャズ・スタンドーのブログが10記事となりました。50記事を目標に、これからも楽しみながら書いていきたいと思います。最近記事書くスピードが落ちてるなぁ。これから何年かかるんだ (^^;;
ShinSha