時の化石

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アーティゾン美術館「STEPS AHEAD展」に行ってきました (2)

どーも、ShinShaです。
アーティゾン美術館STEPS AHEAD展2回目の記事です。
今回は抽象主義、ダダイスムなど現代アート作品のご紹介です。

現代アートは基本的に苦手ですが、今回は美しい絵がありましたよ。
カンディンスキー「3本の菩提樹」クーニング、「無題(闘 牛)」など、とてもすばらしい作品です。
クレーの作品も大好きです。
「STEPS AHEAD展」楽しかったです。

STEPS AHEAD展について

今回の美術展に関する美術館の説明です。
あるところにはあるものですね。
石橋財団、どんどんコレクションを増やしていますね。

近年、石橋財団印象派や日本近代洋画など、従来の核となるコレクションを充実させる一方で、抽象表現を中心とする 20世紀初頭から現代までの美術、日本の近世美術など、コレクションの幅を広げています。

それら新しいコレクションの一部は、2020 年 1 月の開館以来徐々にご紹介してきましたが、まだまだお見せしていない作品があります。

キュビスムの画家たち、アンリ・マティスのドローイング、マルセル・デュシャン、抽象表現主義の女性画家たち、瀧口修造実験工房、オーストラリアの現代絵画など、未公開の新収蔵作品 92 点を中心に 201 点、さらに芸術家の肖像写真コレクションから 87 点で構成する本展で、さらに前進を続けるアーティゾン美術館の今をお見せします。

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アーティゾン美術館2021年4月

今回の展示会ではキュビズム、フォービズム、抽象主義、ダダイズム などのコレクションの展示が充実しています。

抽象主義のパウルクレー以外は、あまり興味が無いのですが、入場料を払う限りしっかり見てこようと思います。

ついに、絵画の歴史を妨害した便器男=マルセル・デュシャン、何も描かない画家ポロックの作品を見る日がやってきました。
どのような気分で見られるのか心配です(笑)
刃物持って、館内で暴れないように気をつけます💦

今回の展示会下記の構成になっています。

1:藤島武二の《東洋振り》と日本、西洋の近代絵画
2:キュビスム
3:カンディンスキーとクレー
4:倉俣史朗と田中信太郎
5:抽象表現主義の女性画家たちを中心に
6:瀧口修造実験工房
7:デュシャンとニューヨーク
8:第二次大戦後のフランスの抽象美術
9:具体の絵画
10:オーストラリア美術-アボリジナル・アート
11:日本の抽象絵画
12:超高精細スキャニングプロジェクト
13:アンリ・マティスの素描
14:芸術家の肖像写真コレクション

今回の展示会の中から、気に入った作品を中心にご紹介をしていきたいと考えています。

カンディンスキーとクレー

20世紀初頭、具体的な対象を書かず、色と形を自在に構成して抽象的な概念を表現あるいは想像する抽象主義が生まれました。
抽象主義の代表的な画家はカンディンスキー、クレー、モンドリアン、マレーヴィッチなど。

ドイツヴァイマールに1919年総合的な造形学校「バウハウス」が誕生。
カンディンスキー、クレーはこの学校で教鞭を取りました。
バウハウスは1932年ナチスにより解体されました。
抽象画を憎むヒトラーからクレー らも弾圧を受ける。
ヒットラーは元は売れない画家でしたから嫉妬なのかも。

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バウハウスに関する展示パネル 写真左がカンディンスキー、右から二番目パウル・クレー

カンディンスキーもこんな絵を描いた時代があったのですね。
3本の菩提樹のある美しい風景画です。
カンディンスキーが抽象画に向かう前の作品。
この強烈な色彩は、この少し前の表現主義の影響です。
この絵には独特の美しさがありますね。
すばらしいです。

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カンディンスキー「三本の菩提樹」1908年、油彩・板

カンディンスキーはピアノとチェロの英才教育を受けて育ったロシア人。
この絵は楽しげな音楽を描いた作品です。
蛇のようなうねる曲線。
五線紙や虹を思わせる曲線のフォルム。
画面を大きく横切る直線。
小さなハートと四角形がにぎやかに画面を構成しています。

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カンディンスキー「二本の線」1940年、ミクストメディア・カードボード
クレーは大好きな画家です。
この人は最後まで完全な抽象絵画に向かわず、対象の形やイメージを残しつつ、独特の色彩絵画を描きました。
自らもヴァイオリンの名手であるクレーも抽象画によって音楽を描いたのです。
この絵はオペラか歌劇の一場面を描いたものか。
赤一色に塗られた背景。
少しユーモラスな立像はキュビズムのように分解され夕焼けに溶けていく。
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パウル・クレー「寓意的な小立像(消えていく)」1927年、 油彩・木枠に貼られた厚紙

抽象表現主義の女性画家たちを中心に

クーニングの抽象画、美しいですね。
この絵は1957年にメキシコで見た闘牛の衝撃的なシーンと猛烈な印象を描いたもの。
黒い筆のタッチの躍動感、様々な色彩が表す情熱と興奮。
美しいエネルギーを感じる作品です。

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エレイン・デ・クーニング、「無題(闘 牛)」1959年、油彩・キャンバス

苦手なポロックの絵です。
この人は「何も描いていない絵」を描いた革命的なアーティストとされています。
何も描かないのなら、絵など描かなくとも良いのでは💦
こうやって鑑賞すること自体が無意味に思えます。

第2次世界大戦後、アートの中心がアメリカに移ってから断絶した価値観が生まれた。
コンセプトは理解できても、僕には好きになれません。
美しくない。

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ジャクソン・ポロック、「ナンバー2、1951」1951年、油彩・キャンバス

スペインの画家ミロについても、まだ僕には十分に理解ができていません。
伊集院静さんが本を書いているので読んでみるつもりです。
美術館の解説を引用しますね。

戦後のミロを特徴つける叙情性をもった作品である。
様々な色彩の層を繊細な筆触により重ねた地に、黒白緑青赤と現職を交えた色面と大胆な筆触で画面は構成されている。

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ジョアン・ミロ「絵画」1952年、油彩・キャンバス

デュシャンとニューヨーク

ここからは、ダダイスムの作品などが展示されます。

参考図書の山田五郎産の解説を引用します。

第一次大戦後に生まれたダダイスムは既存の価値を全否定。
芸術の使命は「考えるきっかけ」を与えることだと主張して、既製品を使った無意味な作品をあえて制作。
今日まで続くコンセプチャル・アートの源流となりました。

さらに便器にサインをして、アート作品だと主張したマルセル・デュシャンについては、下のように説明しています。

キュビズム計画からスタートしてレディメードに至り、発想自体が作品であると言い張って絵を書くことを放棄。
2000年におよぶ西洋絵画の歴史を終わらせてしまった男。
アートをわけがわからないものにした超本人といえます。

この書き方を読むと、五郎さんもディシャンを嫌っているようですね(笑)

このブースでは、僕が嫌いなマルセル・デュシャンらの作品が展示されていました。
好きな人もいるかもしれないので、一応作品を紹介しますがサラッと。
率直に書きますので解説が不快な場合は、読み飛ばしてください💦

デュシャンの本の装丁箱に「各階水道ガス完備」標識を貼った作品。
意味不明、これがアートなのか?

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マルセル・デュシャン「各階水道ガス完備(ロベール・ルベル著『マルセル・デュシャンについての函 )」1959年

自分の絵の複製画をつめたトランク。
これタイトルもふざけていますね。
コンセンプチャルアート?どこがアート?

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マルセル・デュシャンマルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの箱)シリーズB」1952年、1946年

アメリカの有名な彫刻家イサム・ノグチの作品。
イサム・ノグチの照明など作品が好きです。
香川県産の庵治石を使った彫刻。
この作品は美しいアートですね。
天然石を活かしたワビサビだ。

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イサムノグチ「魚の顔 No.2」1983年、庵治石

参考図書

最近、山田五郎さんの「知識ゼロからの近代絵画入門」を読みながら、現代アートについても勉強しています。
この本、入門編とあなどってはいけませんよ。
基本をしっかりおさえた上で、五郎さんらしい解説がなされています。
楽しくアートを学ぶことができるオススメの本です。

知識ゼロからの近代絵画入門

知識ゼロからの近代絵画入門

知識ゼロからの西洋絵画史入門

知識ゼロからの西洋絵画史入門

  • 作者:山田五郎
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

あとがき

今回はSTEPS AHEAD展の抽象主義、ダダイスムなどの作品のご紹介でした。

アートも科学技術も過去の業績(アーカイブ)との戦いです。
アーティストは、つねに新しい局面を開かなければ、活躍できません。
ルネサンス以降、西洋絵画ではあらゆる挑戦が行われ数々の名作が生まれました。

若いアーティストは必死で新しい挑戦をしないと有名になどなれません。
ピカソだってキュビズムの画家として世に出ました。
そいういう、芸術の動きはすごく理解できます。

現代アートは、好きなものを評価すればいい。
基本的に意味がないのだから理解しようがない。
僕には、デュシャンポロックの作品はダメですね。
ぜんぜん美しく感じない。
どこにも心が動かないです。
それより美しい絵を楽しんだ方が良いです。

今日も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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