どーも、SHinShaです。
今日は、久々に上野へ。
東京は、雨が降ったり止んだりで、日傘の出番はありませんでした。 (残念)
上野は、まあまあ混んできてました。
動物園は予約制でしたが、付近には行列ができていましたよ。
さて、本日は、奥さんと一緒に、西洋美術館でロンドン・ナショナル・ギャラリー展を観てきました。
久々の西洋美術館で、名画に囲まれて幸せな時を過ごしてきました。
展示会場、西洋美術館の様子
入り口で、予約チケットを見せて、検温・手の消毒後入場です。
会場はマスク着用ルールになっています。
あとは、コロナ対策のための特別なルールや、規制はなかったです。
人気のある絵は、ソーシャルディスタンスを取って、並んで順番に見なければならない可能性も想定してましたが、そういう設定はなかったです。
時間制で人数制限を設けているので、会場内では大きな混雑はなかったです。
奥さんは「良い絵が近くで見られて良かった。これならまた来たい。」とのこと。
どこまでも前向きで素晴らしい人です。
「ひまわり」の周りには、さすがに多くの人がたまっていました。
ちょっと蜜状態。
しかし、ご紹介するベラスケス、ゴヤの絵を熱心に見ている人はほとんどいません。
思わず、見逃してませんか? と、声を掛けたくなったほどです。
今回の展示会はロンドン・ナショナル・ギャラリー展なので、大英帝国の国立美術館が収集した名画たくさんが来ている訳です。
年代的には1470〜1900年くらいのヨーロッパ絵画。
私見ですが、イギリスには有名な画家は少ないので、イタリア、フランスなどの絵が中心になります。
ゴッホのひまわりはⅦのエリアに展示していました。
展示会場は、7ブロックに分けて、全部で61枚の絵が展示されています。
Ⅰ イタリア・ルネッサンス絵画 (全8枚)
Ⅱ オランダ絵画の黄金時代(全8枚)
Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス肖像画(全8枚)
Ⅳ グランドツアー(全8枚)
Ⅴ スペイン絵画の発見(全8枚)
Ⅵ 風景画とピクチャレスク(全9枚)
Ⅶ イギリスにおけるフランス近代絵画受容(全12枚)
今日は、見てきた絵の中から、印象に残った4枚を紹介します。
「ひまわり」は、しばらく前のブログで紹介したし、天邪鬼なので、他の絵について書きます。
前のブログはこちらです。
オランダ絵画の黄金時代
このエリアから2枚の絵をご紹介します。
[絵画1]レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン「34歳の自画像」1640年、油彩/カンバス 91 x 75 cm
この絵は34歳の、絶頂期に描いた彼の代表作品の一つです。
レンブラントは、光の画家だといわれます。
この絵も、レンブラント独特の光を表現したものですが、150dpi程度の画像では捉えることができません。
実物を見ないと分からない。
レンブラントの光を表現する技法が、それほど細密で優れているということでしょう。
肖像画全体が、その光の世界に入り込んでしまっています。
素晴らしい絵です。
[絵画2]ヨハネス・フェルメール「ヴァージナルの前にすわる若い女」1670-72年、油彩/カンバス 51.5 x 45.5 cm
フェルメールは、ゴッホと並んで日本人が大好きな画家。
また、贋作騒動、盗難事件 、ナチスによる略奪など様々な物語をもつ作家でもある。
フェルメールの作品は30数点しか残っていません。
私は、このうちの多分10枚くらいの絵を観ています。
この絵は、画中に絵が描いてあったり、楽器が2種描かれていたり、 女性のドレスの表現など、
いかにもフェルメールらしい構図の良い絵です。
この作品はフェルメール40−42歳の時の絵です。
(私の持っている本には45歳作とある)
カーテン、2つの楽器、青いドレスの表現が美しいです。
フェルメールの研究家には、画中の絵から、絵画の謎解きをする人がいるらしい。
この絵の背景の絵は「取り持ち女」という売春宿を描いた作品だそうです。
私には抽象画にしか見えなかった。
この絵には、売春という不浄な世界と理想的の愛の世界の、対比を表す意図があるのだと。
どうして、背景にそんな絵をもってくるのか?
フェルメールという作家は、一筋縄ではいかない謎という訳ですね。
ますます、好きになった。
私の持っている本では、この絵は現存する最晩年の絵で、技法に衰えが目立つと解説されています。
奥さんも、フェルメールの華やかさがないといっています。
しかし、私には良い絵だと思えました。
スペイン絵画の発見
次はスペイン絵画のエリアから2作品をご紹介。
[絵画3]ディエゴ・ベラスケス「マルタとマリアの家のキリスト」1618年頃、油彩/カンバス 60 x 135 cm
スペインの宮廷画家、画家の中の画家といわれる名手ベラスケスの初期の先品。
図録では、この絵は、初期の「ボデゴン(厨房画)」と呼ばれるジャンルの革新的な作品の一つと説明されています。
私はwebsiteでこの絵を見た時、地味な絵だな、まあ若い頃の作品だからな、とナメていました。
実物を見てびっくり。
やっぱり、ベラスケスだ。
壺や魚の表現、画中を背景を切り取り、別のドラマを見せる構図など、ベラスケスそのものではないか。
非常に優れた表現です。
驚きとともに、大きく感動したのです。
[絵画4]フランシスコ・デ・ゴヤ「ウェリントン公爵」1812−1814年、油彩/カンバス 64.3 x 52.4 cm
どこから見ても、ゴヤらしいタッチの名画です。
この絵は軍人の肖像画としては、ずいぶん違和感があります。
美術館の説明では、ゴヤは戦争から帰った、消耗したウェリントンを、ありのままに描いた絵だとしていました。
肖像画というのは、対象を立派に、称賛する表現で描くのが当たり前です。
この絵に描かれたウェリントンはやつれて、無表情です。
とても、戦争に勝利した将軍の肖像には見えない。
作家、堀田善衛氏は著作「ゴヤ」の中で、「ウェリントンに対する敬意などというものはゴヤの側には皆無と見える。」と書いています。
なるほど、そういわれるとそのとおりに見えますね。
違和感の理由も説明できる。
いかにも、奇人ゴヤらしい傑作です!
山田五郎さんの2冊の美術本、オススメです。レンブラント、フェルメール、ゴヤ、ベラスケスの絵、時代背景、画家の生涯などを楽しく解説してくれます。こんな楽しい美術の本に出会ってことはありません。 どちらもオールカラーです。ぜひ。
- 作者:山田 五郎
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
- 作者:山田五郎
- 発売日: 2011/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
まとめ
絵の解説を、考えながら書いていましたら、ずいぶん時間がかかりました。ふう。
上にも書きましたが、あの大英帝国の集めた名画の美術展だけあって、傑作ぞろいです。
今日は、私の好きな4枚の絵を紹介いたしましたが、未だ未だ良い絵がたくさんあると思います。
このブログでは、もう1回、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展について記事を書く予定です。
今日もお付き合いありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha