時の化石

ブログ「時の化石」は、アート、ミュージック、ライフハックなどを中心に数々の楽しい話題を提供します。

約10年ぶりに聴いた「マック・ザ・ナイフ-エラ・イン・ベルリン」。僕は、地下鉄の中でひとり陶然としていた。

どーも、ShinShaです。
今回ご紹介する「マック・ザ・ナイフ-エラ・イン・ベルリン」はジャズボーカルの歴史的名盤。
すばらしいスタンダード曲が満載で、初心者にもおすすめのアルバムです。
僕が、ジャズを聴き始めたのは大学生のころ。
本日ご紹介するアルバムは、大学時代の友人に教えてもらって聴きました。
懐かしいアルバムです。
当時は、由井正一さんの「A History of Jazz」という本なんかを読み、彼のFMラジオも聴くようになり、少しずつジャズの勉強をしていました。
しかし、長い時間が経つと、結局、好きなものしか残らないんですよね。
今でも聞くジャズといえば、アート・ペッパースタン・ゲッツ渡辺貞夫パット・メセニーチック・コリア渡辺香津美などなど。

先月から、ブログを書くようになって、正直ネタ探しが大変。
少し前からジャズのアルバムについて書いてみたいと思っていました。
それで、久しぶりに「エラ・イン・ベルリン」を2日間、聴いてみました。
このアルバム、是非、多くの人に聴いてもらいたいです!

エラ・フィッツジェラルド

エラ・フィッツジェラルドについてwikipediaから引用します。

エラ・フィッツジェラルド(Ella Jane Fitzgerald、1917年4月25日 - 1996年6月15日)は、アメリカ合衆国ジャズ・シンガービリー・ホリデイサラ・ヴォーンと並び称される20世紀の女性トップ・ジャズ・ボーカリストの1人。 13回のグラミー賞受賞に加え、イェール、ダートマスプリンストン大学において名誉博士号を授与され、ジョージ・W・ブッシュからは大統領自由勲章を授与されるなど、レコードセールス、批評の両面で高い評価を受けた。 Lady Ella、またはThe First Lady of Songとも呼ばれている。

サラボーンも、ビリーホリディも聴きましたけど、僕の中ではエラ・フィッツジェラルドが一番。
後にも先にも、彼女を超えるジャズシンガーはいません。
ご紹介するアルバムは1960年西ベルリンでのライブ録音。
シングル、アルバム共にグラミー賞(アルバムと曲のそれぞれ最優秀女性ボーカリスト賞)を受賞した作品です。

マック・ザ・ナイフ-エラ・イン・ベルリン」

このアルバム、いろいろなバージョンがあるようですが、僕が聴いているのは完全版(+4)です。

01.Setting up the stage 02. That Old Black Magic 03. Our Love Is Here To Stay 04. Gone With The Wind 05. Misty 06. Applause and Fanfare interlude 07. The Lady Is A Tramp 08. Fanfare and Announcement 09.THe Man I love 10. Love For Sale 11. Just One Of Those Things 12. Summertime 13. Too Darn Hot 14. Applause and Fanfare interlude 15. Lorelei 16. Mack The Knife 17. Fanfare and Announcement 18. How High The Moon 19. Applause and closing fan fare

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マック・ザ・ナイフ-エラ・イン・ベルリン」1960年
このアルバムは、ジャズボーカル作品の中で、最も有名な作品の一つです。
僕はジャズボーカルのアルバムで、これより良いと思う作品に出会ったことがありません。
今日はアルバムの中から、何曲か、感想を書いてみたいと思います。

Apple Music Link

Gone With The Wind
ジャズの有名なスタンダード曲。
これはスイングする良い曲です。
ベースとドラムがご機嫌にリズムを刻む。
エラは伸びやかな声で、リズミカルに歌っています。
ギターのフレーズが素晴らしい。
ジョー・パスなんですね。
後半、エラのスキャットとギターがディエットします。
美しく楽しい曲です。

●Misty
これは、ジャズピアニスト、エロール・ガーナー作曲の有名なスタンダード。
この曲は恋に落ちた女性の心を歌った曲。
歌詞を引用しますね。
気恥ずかしくなってきますね。

On my own (ただひとりで) Would I wander through this wonderland alone (この不思議な世界をさまよっていると) Never knowing my right foot from my left (もう右足なのか、左足なのか) My hat from my glove (帽子なのか手袋なのか、なにが何なのか) I’m too misty and too much in love (霧がかかりすぎてわからなくなるの、あなたを愛しすぎて)

ジャズシンガー篠塚ゆきさんの訳を転載しました    https://ameblo.jp/yukishinozuka/

エラは、テクニックを封印して、丁寧に、シンプルに歌っています。
ピアノもリリカルに美しく鳴っています。
今日、地下鉄の中で、久しぶりにMistyをじっくり聴いていて、思わず陶然となっていまいました。
本当に、ため息が出るほど美しい曲。

この曲は、有名なスタンダードなので、多くのジャズシンガーが歌っています。
僕は、エラの以上のMistyは、聴いたことがありません。
念のため、サラボーンや、ジュリーロンドンとも聴き比べてみましたが、この想いは変わりませんね。
この一曲を聴くだけでも、アルバムを買う価値があります。

●Summer Time
これも超有名なスタンダード。
ジョージ・ガーシュインの名曲です。
この曲でも、エラは、丁寧に、エモーショナルに歌っています。
これも素晴らしいですね。
このバージョンが、一番のSummer Timeもかもしれませんね。
サラボーンの歌が有名だけど、個人的には、エラがずっといい。
シンプルで美しいです、

Mac The Knife
ハプニングが起きて、一躍有名になった曲。
エラはこのライブで、この曲初めて歌ったらしいです。
歌う前に、エラは「歌詞を全部、覚えていたらいいけれど」と話しています。 (ちゃんと、録音されていて聞こえます。)
そして、歌の途中でやっぱり歌詞を忘れていまい、「ああ、次のコーラスは何だったけ、この歌のことだけれど、もうわかんなくなっちゃった」と歌ってしまう。

そこから、スキャットが始まり、ルイアームストロングを真似たスキャットが出てくる。
このスキャットがすごい出来なんです。
それで、この曲、一気に有名になってしまったんですね。
本当に楽しくて素晴らしい曲です。
この曲聴くだけでも、アルバムを買う価値ありますよ。

エラは、MistyやSummer Timeのようなリリカルなスタンダードから、こういうスイングする楽しい曲まで、何でもこなせるんですね。

●How High The Moon
これも有名なスタンダードの曲。
この曲は、恋に落ちた女性が、月を見てセンチメンタルになっている歌詞。
エラは、抑え気味に、丁寧に原曲どおりエモーショナルに歌い始めます。
そして、54秒後、急にドラムがリズムを刻み、テンポが急に早くなって、高速バージョンのHow High The Moonに変わっていく。

それからスキャットが始まる。
エラは曲7分間のうち、70%くらいは歌詞を歌ってません。
すごいスキャット(笑)。
ありとあらゆるテクニックを繰り出してくる。
聴いていて楽しくなってきます。
アルバムの最後を締めくくる素晴らしい曲。

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公式サイト http://www.ellafitzgerald.com から転載

まとめ

久しぶりに大好きな「エラ・イン・ベルリン」を2日にわたって聴きました。
とても楽しかったです。
音楽の力は素晴らしいですね。

このアルバム、知っている人も、たまには聴いてみるといいですよ。
本当に素晴らしいです。

実は、この数ヶ月 king gnuにハマって、全アルバム聴きました。
素晴らしいですね。
しかし、これをブログに書く勇気はありません(笑)。

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
「時の化石」は、記憶に埋もれた琥珀のように、少しきらきらするものを書いていこうと思います。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha

エラ・イン・ベルリン完全版(+4)

エラ・イン・ベルリン完全版(+4)