時の化石

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向井滋春『SO&SO』1982年。アストラッド・ジルベルトをフューチャーした宝石のように美しい曲たち。

どーも、ShinShaです。
今日は、ミュージックの記事です。
しばらく前に、アストラッド・ジルベルトの記事を書きましたら、大変、多くの人に読んで頂きました。
彼女ファンが、たくさんいるのですね。少々驚きました。私だけではなかった(笑)。

今日は、日本のジャズ・トロンボーン第一人者、向井滋春さんのアルバムをご紹介します。
このアルバムには、何と、アストラッド・ジルベルトが参加しているのです。これが、じつに良いのです。

このアルバム、全曲がボサノバテイストです。
これは向井滋春氏の名盤であると当時に、アストラッド・ジルベルトの隠れた名盤でもあります。
マイナーといわれようがどういわれようが、このアルバムを、ぜひ皆さんにご紹介したい。
そういう思いで、このブログ書きます。

アストラッド・ジルベルト ファンの皆さん、ぜひ、このブログにアクセスしてくださいね。

向井滋春さんのこと

向井滋春さんの経歴をご紹介します。
これはオフィシャルサイトからの引用です。
http://www.s-mukai.com/profile/index.html

1949年1月21日名古屋生まれ。
熱田高校入学時にトロンボーンを始める。
同志社大学入学と同時にサードハードオーケストラに所属。
2年からモダンジャズグループにも参加。
1971年上京。大友義男グループ、川崎遼グループで活躍。
1975年新宿ジャズ賞受賞。 1976年にデビューアルバム「For My Little Bird」をリリース。
それから年に1枚ずつレコードをリリースして行った。
1979年には短期間だがNYに住んで本場のジャズ界を体験。
しかしこの時期はフュージョン全盛期で帰国後フュージョン系バンドを作った。
1980年にはSteve Gad等と「Pleasure」をNYで録音してリリース。
(この時だけトロンボーンはBACH12を使用。他は全部KINGである)
1982年にはAstrud Gilbertoをフューチャーしたブラジリアンテイストの「So & So」をNY録音してリリース。
80年代には渡辺香津美キリンバンド、松岡直也ウィッシングにも参加。
1980年代後半には巨匠Elvin Jones のバンド「Japanese Jazz Machine」に参加して2,3年間日本中を旅した。彼との共演は物凄いショッキングだった。

1990年にはモスクワと他の都市で演奏。
1991年ライブ盤「On the Wing」をリリース。
1989~93まで毎夏Mt.Fuji Jazz Festival に出演。
1992年には山下洋輔グループでブラジル、アルゼンチン、パラグアイを楽旅。
その後ジョージ川口バンドで北京、上海で演奏。
八向山(八尋トモヒロ、向井、山下洋輔)でパリ、ケルンで公演。

1998年 プロ野球オールスター戦(名古屋ドーム)で「君が代」をソロ演奏した。
1999年に久々のNY録音「Stance」を発表、これは村田陽一プロデュースでBilley Hart, Nicholas Paton等が参加している。
2000年に入ってからは 4管(Tp As Ts Tb)プラス3リズムのバンド「Super 4 Brass」をリリース。(全曲向井のアレンジ)この年にチェロを始める。
2002年 「八向山」
2003年 「Super 4 Trombones」、ライブ盤「Live at Body&Soul」(CDとDVD)
2004年 「Jazz Strings」(全曲向井のアレンジ、Tb+弦楽四重奏+3リズム)
2008 「Plays Standards」ワンホーンカルテットに原朋直(Tp)池田篤(As)道下和彦(G)が2曲ずつ参加。
2011年 初めて他の人をプロデュースした。
小島伸子(Vo)のデビュー CD「Stretch Over」をリリース。
洗足学園音楽大学ジャズ科発足以来客員教授をし、2012年度からは講師も兼任する。

僕が、向井滋春さんのことを知ったのは、渡辺香津美坂本龍一らが結成したKYLYNバンドに彼が参加していたからです。 「Milestone」の彼のトロンボーンは滅茶苦茶かっこ良かった。
ちなみにこの曲、渡辺香津美のギターも坂本龍一のキーボードもなかなか良かい。
坂本龍一のジャズ演奏、めったにない逸品です。

それで何作か、彼の作品を聴くようになってこの作品にたどり着いた。
この作品と出会ってから38年、時々思い出して聴くアルバムです。

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向井滋春氏 向井滋春websiteから転載 http://www.s-mukai.com/index.html

アストラッド・ジルベルト

前回も書いたアストラッド・ジルベルトの情報です。
彼女のシンデレラ・ストーリーをちょっと短めに。

アストラッド・ジルベルトの経歴 wikipediaより引用

アストラッドは、1940年、ブラジル・バイーア州でブラジル人の母とドイツ人の父親の間に生まれ、リオ・デ・ジャネイロで育った。
1959年にジョアン・ジルベルトと結婚。
1963年にアメリカ合衆国に移住し。同年3月、アルバム『ゲッツ/ジルベルト (Getz/Gilberto)』のレコーディングをジョアン・ジルベルトスタン・ゲッツアントニオ・カルロス・ジョビンと共に行った。
そのときまで彼女はプロの歌手として歌ったことはなかったが、彼女の歌声にプロデューサーのクリード・テイラーが目をつけ、彼女が英語で歌う「イパネマの娘」が作られた。

プロデューサーは、大御所のジョアンの歌も、ゲッツのソロも削りまくって(笑)、「イパネマの娘」を3分以内に編集して、シングル盤を、ラジオ局に売り込んだ。
これが200万枚の大ヒットになり、彼女は一躍大スターに。

前回の記事にも書きましたが、いまだに、彼女の歌の魅力がどこにあるのか、どうも誰にも解明できない謎。(笑)
しかし、彼女はグラミー賞歌手なので、良いものは良いというのが結論でした(笑)

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"File:Astrud Gilberto 1966.jpg" by Kroon, Ron / Anefo is marked with CC0 1.0

アルバム『SO&SO』1982年

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アルバム『SO&SO』1982年

01.CHAMPAGNE & CAVIAR(シャンペインとキャビア) / 02.VELAS / 03.NOS DOIS / 04.BERIMBAU / 05.MIRACLE OF THE FISHES / 06.TERRAFIRME / EEP ON RIDING / 08.HOLD ME

向井滋春(tb) Astrud Gilbert(vo) Anthony Jackson(b) Omar Hakim(ds) Eliane Elias、Jorge Dalto(p) Jeff Mironov(g) Guilherme Franco(perc, berimbau) Manolo Badrena(perc) 他

このアルバム、素晴らしいメンバーが参加しています。
スパー、トロンボーン演奏者 向井滋春
アンソニー・ジャクソンは最近では上原ひろみと一緒にプレイしていますね。
イリアーヌは美人女性ピアニストで、数々の作品を出しています。
オマー・ハキムはウェザーリポートのドラマー。
そして、とどめはわが永遠の歌姫、アストラトラッド・ジルバルト。
このアルバムは素晴らしいに決まっています。

ブログを書くために、2日間このアルバムを繰り返し聴きました。
トロンボーンという楽器は、非常に味がある楽器ですね。
トランペットにも、サックスにもない優れた音色や味わいがあります。
このアルバムでは、トロンボーンの素晴らしさを充分に楽しむことができます。

いつものように、何曲か解説を書きますね

Apple Music リンク

CHAMPAGNE & CAVIAR(シャンペインとキャビア)

これは、アストラット・ジルベルトの曲。
なかなかおしゃれなボサノバの曲です。
これから夏に向かって、ぴったりの曲ですね。

向井滋春トロンボーンのイントロからスタート。
柔らかくて伸びやかな美しいトーンです。
アストラット・ジルベルトは、甘い声で歌います。
「あなたと私は、CHAMPAGNE & CAVIARみたいにぴったりなの。」
相変わらず上手い歌ではないけど、最高なんだよな。これが。

中盤のトロンボーンのソロは、メロディアスに歌って、すごくカッコいいいですね。
続くジェフ・ミノロフのギターも印象的なソロを演奏してくれます。

そして、再びアストラット・ジルベルトの歌に戻ります。
イリアーヌのピアノも美しいです。
最後のジルベルトのスキャットも素敵です。
お洒落で素晴らしい曲です。
青い空、美しい海。
海辺のホテルで、シャンパンを飲んでいるイメージが湧き上がってきます。

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https://www.pakutaso.comから転載

BERIMBAU

曲のタイトル、BERIMBAU(ビリンバウ)はブラジルの民族楽器。
打弦楽器の一種。
バーデン・パウエル作曲の有名なボサノバの曲です。
独特のリズムと、メロディが美しい曲です。
この曲は、かなり有名で、セルジオ・メンデスや、アストラット・ジルベルトも歌っています。
このアルバムのBERIMBAUはインストルメンタルです。

この曲のアレンジ は、すごくカッコいいです。
パーカッションとベース、ドラムスがリズムを刻む、この上に、トロンボーンの伸びやかな歌うようなプレイ。
完全なブラジリアンテイストです。
フージョンの名演といってもいいかな。

中盤にBERIMBAUのソロが、入ります。BERIMBAUというのは、なかなかプリミティブな楽器ですね。1弦しかない、びんびんとなる楽器。なかなか面白いプレイです。

終盤の向井滋春トロンボーンのソロが、テクニックを駆使した素晴らしいプレイです。この曲の最後を見事に飾ってくれます。素晴らしい演奏です、

HOLD ME

この曲は、イントロのトロンボーンの音色を聴いただけで、僕はもう心を持っていかれる。
何て優しくて美しい音なのか。
ストリングスとピアノのメロディーも美しい。
この曲は、アルバムのベストチューン。
38年間、大好きな美しいメロディのバラード。

続く、生ギター、イリアーノのピアノ、ストリングスの美しいバックに乗って、歌うジルベルトのボーカルはとても愛らしく、素晴らしい。

そして、中盤のトロンボーンソロが素晴らしい。
なんと優しく、リリカルな演奏なんだ。
メロウなストリングスも美しい。

この曲のジルベルト、ちゃんとメリハリ作って頑張って歌っていますよ。
この曲を美しく感じるのは、ジルベルトのボーカルと、トロンボーンの音色が、非常によく調和しているからですね。 素晴らしい曲です。
何回でも聴いてしまう。ロマンチックなバラード。

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SO&SO(紙ジャケ)

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いそしぎ(SHM-CD)

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まとめ

今日は、向井滋春とアストラット・ジルベルトが共演したアルバム『SO&SO』をご紹介しました。
このアルバム、宝石のように美しい作品集です。

このブログでは。これからも、古くて美しい音楽を紹介していきたいと思います。
少し、皆さんの知らない作品にも広げていくかもしれません。
ジャズも興味を持つと面白い世界ですよ。

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
これからも、このブログのミュージック部門よろしくお願い致します。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha