時の化石

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堀井憲一郎著「いますぐ書け、の文章法」 良い文章は立って書け リズムに乗って書け

どーも、ShinShaです。

この本には、読まれる文章を書くための、堀井氏の数々の驚きのアドバイスが書かれています。今回のお話、じつに面白いです。文章は勢いが大事。良い文章を書くためには、立って書け、踊りながら書け。いかにもホリケンさんらしい、最高のアドバイスですね。

作者について

僕は、作者 堀井憲一郎氏について、昔から知っています。しばらく前まで、彼の週刊誌の記事をよく読んでました。とにかく、ユニークで、異常におもしろい記事を書く人です。抱腹絶倒の名作をたくさん書いている。

堀井憲一郎

1958(昭和33)年、京都市出身。早大卒。高校では落語研究会、大学では漫画研究会に所属。調査して書くというスタイルで大ブレーク。テレビ・ラジオにも活躍の場を広げる。『スキーの便利帖』『ホリイの調査』『馬鹿が止まらない』『この役立たず! ホリイのずんずん調査』『『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。』『若者殺しの時代』『東京ディズニーリゾート便利帖 第3版』『いつだって大変な時代』『いますぐ書け、の文章法』『ねじれの国、日本』など著書多数。

引用:ブックバン https://www.bookbang.jp/reviewer/article/557403

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堀井憲一郎 著『いますぐ書け、の文章法』 ちくま新書

文章では自己表現はできない

本書には、文章での自己表現について、こんなことが書いてありました。

みんなオリジナ幻想が強すぎる。「自己表現として文章を書きたい」という発想は、ほとんどの場合「おれの話を聞け」と言っているのにすぎない。「ただひたすら私の話を受け取ってください」と言っているだけなのだ。

この文章には、ショック受けました。うむ。一所懸命、自分の特徴を出そうとしていていたのは、「おれの話を聞け」と言ってたのか。正直いって目が覚めました。

ブログは、今日のアクセス、今月のアクセスだの、数字で圧力を及ぼしてくる。少し真面目にやってると、ついつい数字に目がくらんでくる。少しでも、自分なりの表現をアピールをしてアクセスを伸ばしたい。そう考えていました。

オリジナルな文章とはどういうものか。堀井氏の考えが書かれています。

オリジナルとは、人の成果を踏まえて、それをすべて呑み込んだうえで、たったひとつでいいから、何か新しいことを示すこと、それだけです。それがオリジナルです。

これには、少し驚きました。ひとつだけ新しいことを示せ。これはどういう意味なのか?そして、もうひとつ、人の成果を全て呑み込む、とも書かれています。

自分だけのものを世に問おうとしても相手にはしてもらえない。そういう意味で、文章では自己表現はできない

世間に合わせていくという、おそろしくつまらない手順を経ないと、なかなか表現の場は確保できないのである。あまり愉快な話ではない。でも、そういうふうにしか、世界は動かないのだ。しかたがない。

引用部分を読んで意味が分かってきました。これは、プロのライターとしての忠告なんですね。そんなものを書いても、誰にも読んでもらえない。読んでもらえない文章は、ないのも同じ。

「世間に合わせていくという、おそろしくつまらない手順を経ないと、なかなか表現の場は確保できない」。堀井さんの本音が書かれていますね。そして、これは深い知恵です。プロのライターは、ペン一本で食べていくために、さんざん経験を踏んでいますから。

この章には、本当に目が覚めましたし、大きな知恵をいただきました。やはり、堀井憲一郎さん、只者ではない。

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今年も10月桜の花が咲き始めました

事前に考えたことしか書かれていない文章は失敗である

この本に、推理小説作家の小説の書き方について書かれています。これを読んで、ちょっとびっくりしました。

かって推理小説を量産していた作家は、小説を書きだすときに、犯人が誰かなんて考えていないと述べていたそうです。最初に犯人を決めてしまうと、読んでる人だって分かってしまう。書いている本人も知らないから、読者は誰が犯人か分からず、わくわくして読み進んでこられるという説明だったそうです。

推理小説は、最初にストリーを決めて、建築のように詳細な設計図を作って、書いていくのだと考えていました。作者が犯人を決めていないから、読者をわくわくさせることができる。この部分は、とても面白いですね。

筆者は「文章を書き始めると書き手には制御できない。文章は暴走する。」、「書いていて何が楽しいかって、書く前には想像しなかった出来上がりになるからだ」。だから、事前に考えたことしか考えてない文章は失敗だ。

堀井氏の場合は、「自分以外の何者かが文章を書く。シャーマンみたいに何かが取りついて書く(笑)」とまで表現しています。そうやって書いた文章は、自分でも素晴らしいと感じる。そう書けない時は、おずおずと、うなだれるしかない。きっと、潜在意識が文章を生み出しているのでしょうが、これは、アーティストと一緒、芸術の世界ですね。

達人の域には、達することはできないですが、ブログを書くようになって、この文章の意味が、少し分かるようになってきました。ブログを書いていると、自分の思ってもなかった方向に文章は進むし、書いてる途中で、感動することもあります。ゴッホのブログや、曽野綾子さんの本のブログ書いている時は、ついつい涙が出たことがありました。文章が少し走ったのかな。今までなかった経験です。

前回のブログでは、良い文章を書くためには『まず、自分が驚け』という内容をご紹介しましたが、「事前に考えたことしか書かれていない文章」では、書いている自分が驚くことは無いですね。だから、読者には、驚きや感動を生き生きと伝えることができないのです。

しかし、本当に良い文章を書けるようになるということは、なかなか、大変なのですね。とにかく、繰り返し文章を書くしかない。

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acworksさんによる写真ACからの写真

文章の力は勢いである 立って書け、踊って書け

うむ。このタイトルはよく分からない。どういう意味でしょうか??

文章にとって大事なのは勢いです。私はそう思う。意味よりも勢い。内容よりも大事ですね。プロとして考えると。書いている内容よりも、勢いが大事。それが、文章が持っているもっとも大きな力だから。

内容より、勢い。これは参考になります。どうも、最近は逆を目指していたなぁ。文章に勢いがなくなっていたのか。これは、反省しなければなりません。

そういえば、私が好きなあるブロガーさんは、時々「うらぁー!」という書き出しで、文章書いていますね、あの「うらぁー!」には、そういう深い意図があったのか。

「文章を丁寧に直すと、ろくなものにならない」経験則である。頭が制御して書くものは、標準に近づいて行き、個性のない文章になってしまう。

文章の力は、勢い、個性である。知ってる内容でも、表現が新しけば人は読んでくれる。個性は頭ではなく、体に宿るものである。

ますます、文章を書くのはむずかしいです。文章を丁寧に直してもダメ。驚きや感動を生き生き、読者に伝えるためには、文章を書きたい思った時のライブ性が大事なんですね。頭で書くとそれが失われれてしまう。

文章に勢いを呼び込むために、堀井さんは、できるだけ短時間に文章を書いたり、落ち着けない状態で文章を書いたり、いろんな方法を試しています(笑)

また、立ったまま文章を書いたり、音楽をかけながらリズムに乗って文章を書いたり、という工夫もしています。爆笑です。ある本はレベッカのライブとか、プリンセス・プリンセスの音楽を聴いて、踊りながら立って書いたそうです。古い(笑)。

しかし、プロでもそこまでして、「文章の勢い」を捕まえようとしている。これは見過ごせない重要な情報です。すいぶん参考になりましたね。

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Mike FosterによるPixabayからの画像

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)

あとがき

本書を約90%読み終えました。この本には、良い文章を書く方法について、驚きのアドバイスが書かれている。いかにも、堀井憲一郎氏らしい本です。彼にしか、こういう本は書けない。数々のアドバイスは、彼の深い経験から得られた貴重なものです。文章を書く人には、ぜひ読んでいただきたい本です。

ブログを始めて3ヶ月を過ぎ、最近、スランプ気味です。きっと、文章の勢いが落ちてきてるんだな。言われてみれば、勢いというのは、大切ですね。次回のブログは、スカパラ聴きながら、踊って書くことにします。どうなるか、楽しみです。

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
我が家の10月桜咲き始めした。
一番上の写真が、今年のみずみずしい花です。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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