時の化石

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前野 ウルド 浩太郎 著『バッタを倒しにアフリカに』 笑ってはいけない バッタ博士のアフリカ大冒険 (虫の写真あり)

どーも ShinShaです。

今日は、前野 ウルド 浩太郎 著『バッタを倒しにアフリカに』をご紹介します。この本、子供の頃からの大の虫好きが、バッタ博士になって、アフリカに「バッタに食べられたい」という夢を実現しに行くお話です。背後には、日本社会の複雑な事情が絡んでいます。一大決心して「サバクトビバッタ」研究のため、アフリカに渡った前野さんの挑戦はどうなったのか。ぜひ、記事を読んでくださいね。

女性の読者様には、申し訳ありません。きっと、「また、虫の話なの!」って思われたでしょう。どうしても、この素晴らしい本について、書かずにはいられませんでした。今回のブログ、虫の写真を2枚、載せました。できるだけ、グロテスクではない、刺激が少ないものを選んだつもりです。何卒、よろしくお願いします。

著者について

著者 前野ウルド 浩太郎氏の略歴は、下記のとおりです。じつは、この本、前から知ってました。しばらく前、文化放送大竹まことのゴールデンラジオ」に、彼が出演した番組をpodcastで聞きました。本屋でも、時々、この本のアホな表紙をちらちら眺めてました。きっといつかは、この本を読むんだろうな。しかし、この表紙、笑ってしまいます。彼は大真面目にやってるんですね。そこがすごくいいのです。

この本に、彼のブログの話が出てきました。ググったら、なんと、はてなブログでした。リンクを紹介しますね。しかし、最近は更新されていませんねぇ。残念です。

otokomaeno.hatenablog.com

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前野 ウルド 浩太郎 著『バッタを倒しにアフリカに』

前野/ウルド浩太郎 昆虫学者(通称:バッタ博士)。1980年秋田県生まれ。国立研究開発法人国際農林水産業研究センター研究員。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。博士(農学)。京都大学白眉センター特定助教を経て、現職。アフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタの防除技術の開発に従事。モーリタニアでの研究活動が認められ、現地のミドルネーム「ウルド(○○の子孫の意)」を授かる。著書に、第4回いける本大賞を受賞した『孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生』(東海大学出版部)がある

前野 ウルド 浩太郎 著『バッタを倒しにアフリカに』

「バッタに食べられたい」少年が、モーリタニアに旅立つまで

小学校の頃、前野さんは、ファーブル昆虫紀を読んで昆虫学者になりたいと思った。また、同じ頃に科学雑誌で、バッタの大群を見学に行っ女性が、襲われて緑色の服を喰われてしまった記事を読んだのです。彼は、興奮して、自分も「バッタに食べられたい」と思ったそうです。

筆者の虫好きは、その後も変わらず、昆虫学が勉強できる弘前大学に進学し、神戸大学で博士号を取得する。博士号を取った人は、次の職でも、当然、自分の研究を続けたいと考える。今の日本では、博士号を取った人はたくさんいて、企業の就職先、研究者としての就職先を探すのは至難のわざ。いわゆるポスドク問題ですね。しかも彼の研究分野は、バッタ!

日本では、最近ではバッタの被害などなく、バッタ関係の就職先なんてない。「日本がバッタの大軍に襲われればいいのに」、筆者は黒い祈りを捧げるが、そんなことは起きるわけがない(爆笑)。

調べてみると、過去40年間にアフリカで腰をすえてフィールドワークした学者はいなかった。バッタフィールド研究が止まっていることに気が付いた。おお、狙うのは、そこですね! 

筆者は、モーリタニアの研究所に行き、「サバクトビバッタ」 のフィールド研究をすることを決意した。青春をアフリカに捧げて、立派な論文を書いて、生涯バッタの研究ができる学者になることを目指したのです。

凶暴に変身する「サバクトビバッタ

ところで、前野さんが研究している「サバクトビバッタ」とはどういう虫なんでしょうか?

サバクトビバッタ」は大発生して、農作物や緑を食い尽くす、あの有名なバッタです。西アフリカ地域の被害は、東京都くらいの面積で、被害額は年間400億円にもなるそうです。

このバッタ、仮面ライダーみたいに変身するんですよ。凶暴に変身するのです

サバクトビバッタ」は、密度が低いところで育つと、「孤独相」とよばれる緑色の大人しいバッタのままです。しかし、高密度の中で発生すると、群れを作って活発に活動し、黒い悪魔として恐れられる。変身して、体の色が黄色と黒になり、羽が長くなって1日100kmの距離を飛ぶ。これを「群生相」と呼ぶそうです。同じバッタが、生育環境で大きく変身する。

こういう「相変異」、変身するものをバッタ(Locust)、しないのを、イナゴ(Glass Hopper)とよぶそうです。ちなみに、バッタ(Locust)の語源のラテン語は、「焼け野原」。恐ろしい名前です。

ひぇー、知らなかった。バッタの話、めちゃめちゃ面白いですね。密度が高いところで育つと狂うんだ。生物というのは、すごい能力を持っていますね!

サバクトビバッタ」のなるべく可愛い、刺激の少ない写真(笑)を選びました。嫌な人は、枝だと思ってスルーしてくださいね。興味ある人はじっくりご覧くださいね。

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木に止まっている「サバクトビバッタ

"File:Fao Desert Locust (181506673).jpeg" by Erland De Vienne is licensed under CC BY-SA 3.0


サバクトビバッタ」の画像を探していたら、下の画像が出てきました。国連食糧農業機構、2019年の「サバクトビバッタ」の被害地図です。

紫、茶色のドットが付いている地域が、バッタの群れがいるところ。最近は、モーリタニアのある西アフリカより、エチオピア、イエメン、パキスタン、インドの方が被害が大きいようですね。バッタは、もうすく、中国にも行きそうです。

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サバクトビバッタ による世界の被害地図 国連食糧農業機構 

"Insect Atlas 2020: FIGHTING THE LOCUST PLAGUE Map of the desert-locust early warning system “Locust watch” of the UN Food and Agriculture Organization FAO, example for the month of September 2019 and long-term changes" by boellstiftung is licensed under CC BY-SA 2.0

モーリタニアのさんざんな1年目

前野さんは、日本学術振興会海外特別研究員として任期二年間で、アフリカで「サバクトビバッタ」 の研究を行うことになった。2011年4月、強い決意とともに、単身モーリタニアに赴任する。

いよいよ、夢を実現する日がやって来たのだ。しかし、この人、博士号を取るまでに、バッタに触りすぎたために、バッタアレルギーになった。バッタに触るとじんましんが出る(笑)。研究者がこういうアレルギーを発症するのはよく聞く話です。

それでも、バッタの研究を続け、新しい発見を論文に書く。そして、子供の頃からの「バッタに食べられたい」夢を実現する。なんと素晴らしい決意だろうか。変態ともいうべきか。。。

ウルド の誇り

彼は研究所のババ所長に、高い評価をされて、ウルド(ould) の姓を送られる。ウルド 姓はモーリタニアでは、最も高い敬意が払われるミドルネームだ。

ほどんどの研究者はアフリカに来たがらないのに、コータローはよく来たな。(略)コータローは若いのに、よく物事が見えている。さすが、サムライの国の研究者だ。」

彼は、研究者名を誇りある「前野 ウルド 浩太郎」に改名した。

初フィールドワーク

彼は日本国内では、バッタを飼育して室内で研究を行っていた。フィールドワークはやったことがない。しかし、デビューがアフリカなんて恐ろしい。僕も海外経験がいくつかあるだけに、そう思います。

彼は、モーリタニア研究所で、バッタ調査チームを結成する。車やテントなど、主要な機材は研究所に借りた。運転手、コック、研究助手などを研究費で雇った。

しかし、彼は、モーリタニアでの経験が浅くフランス語も離せない。運転手、コック、研究助手のほとんどに騙される。給料を2重払いさせれたり、2倍払わされたりする。彼の部下はみんな、いい人なんだが、そうやって暮らすのが当然の文化なのだ。こういうことは、海外ではよくあること。

チーム結成後、彼は、モーリタニア北部に、意気込んで調査に出かける。そこそこの、数のバッタと出会い、彼は、やっとフィールドワークを始めることができた。フィールでバッタを観察して、いくつかの発見もあった。

裏切りの干ばつ

ところが、その後、モーリタニアでは、建国以来、最悪の大干ばつが始まったのだ。
バッタの大発生で、大きな被害を受けていたモーリタニアから、バッタの姿がこつぜんと消えてしまったのだ。
笑っていけない。人生を賭けて、アフリカに渡った前野さんには大ピンチなのだ。

さあ、彼の人生はどうなってしまうのか。子供の頃からの「バッタに食べられたい」夢を実現すことができるのか?

次回に続く。


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サハラ砂漠でのバッタの大発生 彼はこれを求めていたのだが。。。

"File:Criquet migrateur Schistocerca gregaria Juncus maritimus at Imililik, Western Sahara (April, 1944).png" by Magnus Ullman is licensed under CC BY-SA 3.0

あとがき

今日のブログは、書いていてすごく楽しかったです。こういう、情熱のある研究者はどんどん世界に出かけていって、活躍して欲しいです。

この話、しばらくまえに書いた「クワバカ 」とも共通するとことがありますね。同じ虫ばかでも、彼は学者になった。そして、青春をアフリカのバッタ研究に賭けたのです。この先、どうなっていくか楽しみですね。

今回のブログ、スカパラを聴きながら仕上げました。トライして分かったのは、聴きながら書くのはなかなか難しい。修行が必要ですね。また、やってみるつもりです。

今日もこのブログを訪問いただき、ありがとうございました。
あざとい終わり方ですみません。結末、未だ読んでいませんので(笑)。
次回のブログを楽しみにしてください。

今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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