どーも、ShinShiaです。
忙しい時に限って本を買ってしまうのは、私だけでしょうか?
本屋で『清張地獄八景』を買ってしまった。
じゅん氏が熱く語る松本清張文学の面白さ。
そして「清張地獄」「いい崖出してるツアー」。
大爆笑でした。
ちょっとした気のゆるみの過ちから、やってくる清張地獄・・・怖い!
最後まで読んで頂いた方には、脱出方法をお教えしますね(笑)
著者みうらじゅん氏のご紹介
「この人の本業って何?」、「どうやって食ってるんだ・・・?」。
ある本の帯に書いてありました。
全く同感です。
みうらじゅん氏の職業は、「イラストレーターなど」と書いてあります。
実際は、本や、雑誌の記事も書いているし、イラストも書くし、TVや映画にも出演するし、イベントの企画もする。
多彩な仕事をされています。
彼の仕事は、本当に面白いですよね。
彼にしかない独特の世界があります。
好きなものに対する猛烈な熱がある。
1958年2月1日京都市生まれ 血液型AB型
1980年 武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー
1997年 「マイブーム」で新語・流行語大賞受賞
2005年 日本映画批評家大賞功労賞受賞
2018年 仏教伝道文化賞 沼田奨励賞を受賞MAGAZINE・PAPER
「Tarzan」男気ムキムキ人生相談ブロンソンに聞け+田口トモロヲ・峯田和伸(マガジンハウス)隔月木曜の前半(月1)
「SPA!」みうらじゅん×リリーフランキーのグラビアン魂 (扶桑社) 毎週火曜
「週刊文春」人生エロエロ(文藝春秋)毎週木曜
「マリソル」みうらじゅん×辛酸なめ子のお悩み相談 煩悩=ほんのう(集英社)毎月7日
「モノマガジン」今月の宝物BEST2 (WPP) 毎月16日
「からだにいいこと」合言葉はアンチシリアス 老いるショック(祥伝社)毎月16日
photo by Dick Thomas Johnson
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『清張地獄八景』
この本は、松本清張生誕110年を記念して出版されたファンブックです。
著者は、みうらじゅん氏。
これは面白いに決まっています。
しかし、相変わらずのすごい熱。
清張のことを書いてたのは、うすうす知っていましたが。
「一生、松本清張だけ読んでいても構わないー」。
そこまで言い切れるのはスゴい。
かつては、作品の聖地めぐりに行ったり、「マツキヨ」の愛称で呼んで各種メディアで啓蒙運動をしていたそうです。
本の表紙で、みうらじゅん氏、靴を脱いで土下座してますね(笑)。
彼は、清張地獄経験者だと書いてあります。
僕も・・・やめとこ(笑)。
しかしこの本、良いですね。
清張文学の素晴らしさが胸に迫ってきます。
連作当時、雑誌「女性自身」の売り上げが倍増したという「波の塔」を読みたくなりました。
松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。
数多くの清張原作作品に出演している岩下志麻、船越英一郎のインタビューや対談をはじめ、佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫、泉麻人、春日太一……ほか、著名な作家の再録記事も多数掲載。引用:文春books https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167916480
清張地獄とは
本書の冒頭に書いてる、清張地獄の説明です。
誰でもが陥(おち)いりやすい、怖い生き地獄です。
地位と金を「成功」の象徴だと考える人はいずれ清張地獄に堕とされる。
それを得たという満足感が油断を招くからだ。
汗水垂らしてコツコツとやってきた故の、または卑怯な手を使ってつかんだ「幸せ」という幻想。
たかぶる気持ちが抑えきれなくなり、そんな自分にご褒美を与えたくなる。
そのくらいは神様も許してくれるだろうと高をくくるが、どっこいその瞬間から清張地獄のカウントダウンは始まるのだ。
それは必ず、偶然を装ってやって来る。
取り立ててマズイ現場を押さえられたわけじゃないのに。真綿で首を絞められるようにジワジワと近づいてくる。
気がついた時は既に時は遅く、荒れる日本海のせり出す崖に立たされている。
早目に反省、謝罪してしまえばいいのだが、追い込まれし者はどうにか隠蔽(いんぺい)をしようと画策する。
そこも清張地獄はお見通し。
”見とるぞ見とるぞ”と、どこかでつぶやく声がする。
ちなみに清張地獄とは死んでからの地獄ではない。
生き地獄のことだ。
その”見とるぞ見とるぞ”という呟く声の主はもう一人の自分であるからして、どんな悪考も悪事もすぐにバレてしまう。
要するに、裁くも裁かれるも自分なのだ。
仕事も家庭も安定してきて、周りからチヤホヤされるようになり、女性にもモテるようになってきた。
『俺もまだ捨てたもんじゃないな』と思い始める。
「もう少し刺激がほしい」「ばれなきゃいいんじゃない」という気持ちが、清張地獄のボタンを押す。
しでかすのは、不倫とか、ちょっとした悪事。
「どうにかバレずにいたい」「一からやり直すのだけはゴメンだ」
あわてふためいて、どんどん清張地獄にハマっていく。
そして、追い込まれて気がついたら、北陸の崖の先に立っている(爆)。
この本を読んでたら、最近話題の総務省の高官たちを思いだしました。
あれも、清張地獄だな。
ガース総理にゴマをすって、ライバルを蹴散(けち)らして手に入れた出世。
もっともっと出世したい。
公務員倫理違反は承知だが、「総理の息子だから、これくらいはいいんじゃない」
しかし、”見とるぞ見とるぞ”。
悪事はバレて清張地獄に突き落とされた。
総務省のまわりには、恐ろしい負のエネルギーが充満してますね。
そういえば、この本の出版社は文春文庫です。
文春に、チクった総務省関係の人も、きっと清張地獄行きだろうなぁ。
いい崖出してるツアー
この本から、もう一つ面白いところを紹介しますね。
90年代、みうらさんには「崖ブーム」が起きたそうです。
そして、みうら氏は自分が理想とするいい崖(笑)のルーツが、松本清張原作『ゼロの焦点』にルーツがあることに気づくのです。
その崖は、石川県にある国定公園 能登金剛にあるヤセの断崖でした。
彼は北陸本線に乗って金沢へ。
金沢からタクシーにのって現地に向かったのです。
タクシーの運転手さんに「お客さん、落ちたりしないよねぇ?」と言われながら崖までたどりつく。
「崖ブーム」の熱は、テレビ番組を巻き込んだんですね。
番組は、昨年亡くなった岡江久美子さんが司会をしていた『はなまるマーケット』。
彼がTVで崖を語ったところ、全国の視聴者から「うちの崖はいい崖出しててます!」とのFAXが多数。
デビュー当時のTBS安住紳一郎アナウンサーと、走行距離1596km。2泊3日で全国の崖を回ったそうです。
僕は一度もこの映像を見たことがありません。
YouTubeで動画を探したけれど、見つかりませんでした。
残念!
あとがき
最後まで読んでくれた人には清張地獄から抜け出し方をお教えしましょう。
みうら氏が編み出した脱出法です。
ようやく僕は最近、清張地獄から抜け出すからの脱出方法が少し見えてきたきがしている。
それは ”イチからやり直すのは御免だ” を改め、”そこがいんじゃない!” とすること。
そして、それを念仏のように日々唱えて暮らしていけば、清張地獄も、そんな呑気な考えに呆れ、対象から外されるのではないか?
「何が起きても恐怖感を持たず、受け入れて楽しく生きる」ということでしょうか。
これは、正解かもしれませんね。
本文中には「安定とは不安定と不安定の間にある小さな止まり木ぐらいに思っていた方が賢明」とも書いてあります。
今の時代、これは正しい考え方だと思います。
いずれにしても、清張地獄は怖い!
今日も最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha
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