時の化石

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大人の科学(2) DNAとは何か? DNA発見の感動の物語

どーも、ShinShaです。
大人の科学シリーズ第2回目はDNAがテーマ。
DNAはデオキシリボ核酸の略称、生物の設計図です。
今回はDNAとDNA発見の感動の物語をご紹介です。

このへんの情報は新型コロナの感染拡大で必須の知識となりましたね。
DNAの仕組みを知ると生物のメカニズムの神秘に感動します。
一緒に勉強しましょう。

DNAとは何か?

DNAは生物の設計図

生物は細胞の中に設計図をもっています。
細菌、植物、昆虫、動物など、それぞれ違った設計図をもっています。
この設計図は、親から子へ、世代が変わる時にコピーされて受け継がれます。

生物の設計図は、細胞の中にあるDNAです。
設計図DNAの情報はヌクレオチドという化学物質の並び方で書かれています。

混同しやすい遺伝子、ゲノムについても解説します
●DNA
DNAは化学物質の名前で、デオキシリボ核酸の略称です。

●ゲノム
生物に含まれている、その生物を作るのに必要なすべてのDNAの情報。 ゲノムの中で遺伝子が占める割合は数%。

●遺伝子
化学物質が意味のある順番で並んだ文字列で、それが生命を作るために必要な情報を含んでいるもの。

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真核細胞の中の拡大図
引用:バイオステーション https://bio-sta.jp/beginner/genomedescription/

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DNAの拡大図
引用:バイオステーション https://bio-sta.jp/beginner/genomedescription/

ヒトのゲノムは30億。
そのうち遺伝子の数はおよそ2万数千といわれています。
また、大腸菌のゲノムは約460万。
やはりヒトよりはかなり情報が少ないです。

染色体の中に、糸巻きに巻かれたらせんの紐が入っている。 そのらせんの中には生命を作るための情報が書き込まれています。
そして、情報は生殖によりコピーされて次の世代に受け継がれていく。
すごい仕組みですね。
まったく驚嘆するしかないです。

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設計図を書く4種類のコード ヌクレオチド

生物の設計図DNAは4種のヌクレオチドがコードの役目をして書かれています。

ヌクレオチドはリン酸・糖(デオキシリボース)・塩基が結合した化学物質です。
ヌクレオチド塩基には下記の5種類があります。
アデニン(A) 、チミン(T) 、グアニン(G) 、シトシン(C)、ウラシル(U)です。

このうちチミン(T)はDNAのみに含まれます。
またウラシル(U)はRNAのみに含まれる塩基です。

ヌクレオチドの4種類の塩基(A)(T)(G)(C)の配列を使って、生物の設計情報が書かれているのです。

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DNAヌクレオチド
すじにくシチュー, CC0, via Wikimedia Commons

DNAの二重らせん構造

ヌクレオチドが結合したできたものがDNA。

DNAは二重らせん構造をしており、その内部にアデニン(A) とチミン(T)、グアニン(G) 、シトシン(C)が規則正しく対合しています。
同時に、DNAは、互いに補い合う関係にあります。

すごく感動するのは、この構造は何万年もの長期間にわたって情報を保存するために最適な構造だということです。
二重のらせんの構造なので、一方のどこかの情報が壊れても、もう一方のらせんの情報から、壊れた部分を復元することができます。
また、DNAの二重らせん構造は、複製をつくりやすい構造でもある。

この仕組みを知ると、生物を創造したのは神のような英知であると考えてしまいます。
生物の進化のみで、こんな画期的なメカニズムに到達できるものなのか?

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DNA二重らせん構造
Genomics Education Programme, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, via Wikimedia Commons

DNA発見の物語

オズワイルド・エイブリーによる発見

最初にDNAが生物の遺伝子であることを発見したのはオズワイルド・エイブリーです。

福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」から引用します。

ロックフェラー大学のエイブリーは肺炎を引き起こす肺炎双球菌の研究をしていて、遺伝子が核酸の中にあることを突きとめていた。
しかし、当時は電子計算機の技術が進んでいなかったから、4つの要素しか持たない単純な核酸の中に、遺伝子の情報があるなんて誰も信じなかった。

当時は、遺伝子は複雑な情報をもつ特殊なタンパク質だと考えらえていました。
現代の我々は、0と1の2つの数字で複雑な情報を表すことができることを知っています。

エイブリーの論文は、学会で「異物の混入によるもの」と激しい批判を受け続けました。
彼はそれでも淡々と、遺伝子の純化の実験を繰り返し、一歩一歩、得られたデータから論文を発表していった。

そして、エイブリーがロックフェラー医学研究所を定年退職した後に、彼の学説が正しいことが証明されました。
DNAが遺伝子そのものであることが実証されたのです。

学会でさんざん叩かれても、地道な努力を積み重ねてDNA発見業績を残したエイブリーはロックフェラー医学研究所で働く研究者のヒーローとなっています。
誰もがノーベル賞を取れる訳ではないのです。

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オズワイルド・エイブリー

不明 - http://profiles.nlm.nih.gov/CC/A/A/L/P//ccaalp.jpg, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3677045による

シャルガフのパズル

エイブリーが大学を去った後、研究者たちはこぞってDNAを研究し始めました。
誰もが大きな栄誉を狙っていたのです。

コロンビア大学の生化学研究者アーウィン・シャガルフはDNAの謎の解明に最も近づいていました。
彼の研究成果には、DNAに関するパズルのような難問があったのです。

『動物、植物、微生物、どのような起源のDNAであっても、あるいはどのようなDNAの一部分であっても、その構成を分析してみると四つの文字のうちAとT、CとGの含有量は等しい。』

これは「シャガルフの法則」と呼ばれています。
シャガルフは、あと一歩のところまでたどり着きながら、このパズルを解くことができませんでした。

DNAの二重ラセン構造の発見

DNAの二重ラセン構造を解明したのは、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックという無名の若き研究者たちでした。

ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックは、散らばっていたパズルのピースを見事に組み立てて、DNAの構造を解明した。
DNAの構造に関するわずか千語の短い論文が『ネイチャー』1953年4月25日号に掲載された。

**そこには糖とリン酸からなる二本の鎖がラセン状に絡まりあい、その内部にAとT、CとGが規則正しく対合しているモデル図が示されていた。
シャガルフの法則がなぜ成立するかを明らかにし、同時に、互いに「相補的」関係にある二本のラセンは、自己複製のメカニズムをも暗示していた。

アメリカ生まれのワトソン、イギリス生まれのクリックは、ケンブリッジ大学で出会いました。
そして二人でDNAの構造解明の研究を進めていました。
論文を発表した時には、クリックは37歳、ワトソンは25歳でした。

DNA構造解明の功績により、二人は1962年にノーベル賞医学生理学賞を受賞しました。

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ワトソンとクリック
"FIO054: Figure 5.8c" by Rosenfeld Media is licensed under CC BY 2.0

相対する二重のらせん構造を作っているので、DNAをどこで切っても四つの文字のうちAとT、CとGの数は等しい。
DNAの二重ラセン構造の解明は世紀の大発見ですね。
ものすごく感動します。

参考図書 

今回の記事は 福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』などを参考にして書きました。
この本には、DNAの謎の解明と研究者たちの感動の物語が詳細に書かれています。
さらに、本書にはウィルス、狂牛病、生命の動的平衡という驚異のメカニズムに関しても書かれています。

DNAの世紀の大発見は、ある女性研究者のX線データを盗み見たからできたのだという、ダークサイドの話が本書に書かれています。
このミステリーの詳細は、『生物と無生物のあいだ』で、じっくりとお読みくださいね。

福岡伸一
生物学者青山学院大学教授、米国ロックフェラー大学客員教授
1959年東京都生まれ。京都大学卒。
米国ハーバード大学医学部研究員、京都大学助教授を経て現職。
著書『生物と無生物のあいだ』はサントリー学芸賞を受賞。
引用:https://dot.asahi.com/columnist/profile/?author_id=hukuoka_s

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

あとがき

今回はDNAの基礎に関するサイエンス記事でした。
高等学校の生物を思い出されましたか。

DNAに関する知識は生物学の基礎です。 この後にRNAPCRの原理、ウィルスなどについて、順次記事を書いていく予定です。

今日も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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