どーも、ShinShaです。
アーティゾン美術館STEPS AHEAD展3回目の記事です。
今回はクレー、マティスの作品を中心にご紹介します。
東京は3回目の緊急事態宣言。
GWに美術館に行けません。
よろしかったら当ブログでゆっくりアートを鑑賞ください。
今回の「STEPS AHEAD展」、すばらしかったです。
だんだん現代アートがなじんできた自分が怖い💦
STEPS AHEAD展について
今回の美術展に関する美術館の説明です。
あるところにはあるものですね。
石橋財団、どんどんコレクションを増やしていますね。
近年、石橋財団は印象派や日本近代洋画など、従来の核となるコレクションを充実させる一方で、抽象表現を中心とする 20世紀初頭から現代までの美術、日本の近世美術など、コレクションの幅を広げています。
それら新しいコレクションの一部は、2020 年 1 月の開館以来徐々にご紹介してきましたが、まだまだお見せしていない作品があります。キュビスムの画家たち、アンリ・マティスのドローイング、マルセル・デュシャン、抽象表現主義の女性画家たち、瀧口修造と実験工房、オーストラリアの現代絵画など、未公開の新収蔵作品 92 点を中心に 201 点、さらに芸術家の肖像写真コレクションから 87 点で構成する本展で、さらに前進を続けるアーティゾン美術館の今をお見せします。
今回の展示会ではキュビズム、フォービズム、抽象主義、ダダイズム などのコレクションの展示が充実しています。
現代アートは、抽象主義のパウルクレー以外は、あまり興味が無いです。
でも入場料を払う限りしっかり見てこようと思います。
ついに、絵画の歴史を妨害した便器男=マルセル・デュシャン、何も描かない画家ポロックの作品を見る日がやってきました。
どのような気分で見られるのか心配です(笑)
館内で叫んだり、暴れないように気をつけます💦
今回の展示会下記の構成になっています。
1:藤島武二の《東洋振り》と日本、西洋の近代絵画
2:キュビスム
3:カンディンスキーとクレー
4:倉俣史朗と田中信太郎
5:抽象表現主義の女性画家たちを中心に
6:瀧口修造と実験工房
7:デュシャンとニューヨーク
8:第二次大戦後のフランスの抽象美術
9:具体の絵画
10:オーストラリア美術-アボリジナル・アート
11:日本の抽象絵画
12:超高精細スキャニングプロジェクト
13:アンリ・マティスの素描
14:芸術家の肖像写真コレクション
今回の展示会の中から、気に入った作品を中心にご紹介をしていきたいと考えています。
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カンディンスキーとクレー (2)
20世紀初頭、具体的な対象を書かず、色と形を自在に構成して抽象的な概念を表現あるいは想像する抽象主義が生まれました。
抽象主義の代表的な画家は、カンディンスキー、クレー、モンドリアン、マレーヴィッチなど。
ドイツヴァイマールに1919年総合的な造形学校「バウハウス」が誕生。
カンディンスキー、クレーはこの学校で教鞭を取った。
バウハウスは1932年ナチスにより解体される。
抽象画を憎むヒトラーからクレーらも弾圧を受ける。
今回の記事では、前回に続いてパウル・クレー の作品を紹介します。
クレーは大好きな画家です。
両親も妻も音楽家、自らもヴァイオリニスととしてオーケストラの在籍するほどの腕前だった。
クレーは、抽象画によって目に見えない音楽を描こうとしました。
この人は最後まで完全な抽象絵画に向かわず、対象のかたちやイメージを残しつつ、独特の色彩絵画を描きました。
この作品の美術館の解説を引用します。
天体を頂く画面が表しているのは世界そのものである。
怪しい均衡をとりながら浮遊しているのは世界のあり方。
そしてそれを取り巻く記号は人間による世界のとらえ方とみることができよう。
読んでもよく分からない💦
僕にはこの絵は数学、天文、宇宙などのイメージを表しているように見えます。
宇宙は数学的なメカニズムにより成り立っている。
えっ、もっと分からないって?💦
抽象画は考えるより感じろですよ(笑)
この絵は直感的に理解できる美しい絵ですね。
線で描かれた島や入江のかたち。
自然を表す原色による色彩。
虹のように美しい色彩の組み合わせです。
平行線を組み合わせて建築物のイメージを表現しています。
平行線は山、谷に折られて不思議な立体感を作り出す。
独特の美しい世界観の絵です。
さまざまな色彩のドット。
組み合わされた三角形と四角形。
にぎやかで華やかな庭のイメージを描いた絵だ。
クレーにはどんな音楽が聴こえていたのだろうか?
狩野典信「松梅図屏風」
暗い展示室に、中国の青磁と金屏風の日本画が1対展示してありました。
すばらしい日本画でした。
隆々とした太い幹に青々と勢いある葉が繁る松。
松葉の描写がすばらしいです。
繁栄と安定を表すエネルギーあふれる松の絵です。
一方、梅の木は曲がりくねり、朽ち果てそうな風情です。
あちこちの細枝に梅の花が咲いています。
この絵をじっと見ていると、「人生ってこういうものかしれないな」というイメージが浮かんできました。
絵の中の可憐な梅花は夢のような美しさです。
この梅の絵に心をうばわれました。
対照的な一対の絵で一つの作品をなしています。
日本画はあまり見ないのですが、すばらしい迫力と美しさでした。
見事な作品に感動しました。
アンリ・マティスの素描
アンリ・マティスといえばフォービズムの画家として有名です。
20世紀の幕開けに告げたフォービズムは感覚的で自由な色彩表現が特徴です。
フォービズムは、目に映る色ではなく心が感じる色を自由に表現しました。
参考図書の山田五郎著「知識ゼロからの近代絵画入門」には、「マティスはフォービズムと呼ばれるのを嫌い、より優れた色彩表現に変化した」と書いてあります。
さらに、フォービズムと呼ばれる絵を描いたのは数ヶ月しかなかったそうです。
さすが五郎さん、他の本にはそんなこと書いてないですね。
フォービズムは、さも現代美術の大きな革命だみたいに書いています。
フォービズムの作品が嫌いなので少し安心しました。
赤と緑に塗り分けた女性の顔なんて、美しくないですよね。
マティス自身も嫌っていたんだ。
マティスの作品は洗練された色彩感覚を武器に、その後、装飾的な作風に進化していきます。
彼は「人々を癒す肘掛け椅子のような絵が描きたい」と話していました。
今回の美術展でも、お店に飾りたくなるような装飾的でお洒落で美しい作品が多いですね。
この作品は赤が基調のアートセンスにあふれる美しい絵ですね。
現代アートの見本のような作品です。
以前の記事で紹介したラトゥールの精密描写の静物画から約60年で、アートの表現は大きく変化しました。
この作品を観ていて感動しました。
オダリスクの意味は下記のとおりです。
「官能的な美神」ということですね。
スルタンの女たちに仕える女奴隷、あるいはそのハレムの女。
(略)
19世紀フランスに流行した東方趣味に基づく、いわゆるオリエンタリズムの画家たちにとってまたとない題材を提供した。
とりわけ『グランド・オダリスク』を頂点とするアングルの作品では、オダリスクたちは装飾味豊かで官能的な美神に変じている。
その後ルノアールやマチスたちがオダリスクを主題に取り上げるのは、これらの画家が色彩画家であったことの証(あかし)である。
これも赤が基調の美しい絵です。
あまり官能的な要素は感じません。
膝に物を置いているのが、近所のおばちゃんみたいだ💦
色彩が美しい女性像ですね。
美しい色彩の装飾的なオシャレで楽しい作品です。
本の装丁、ショップの壁などにかかっていたら映えるでしょうね。
このコーナーが「アンリ・マティスの素描」となっているので素描画を1枚UPします。
見づらくてすみません。
一筆でさらっと描いたようなシンプルなペン画がですが、構図、デザイン、モデルの表情のどこを取っても一流の作品です。
やはりすごいわ。
参考図書
最近、山田五郎さんの「知識ゼロからの近代絵画入門」を読みながら、現代アートについても勉強しています。
この本、入門編とあなどってはいけませんよ。
基本をしっかりおさえた上で、五郎さんらしい解説がなされています。
他のアート本には書いていない様々な知識を知ることができます.
楽しくアートを学ぶことができる最高の本です。
- 作者:山田 五郎
- 発売日: 2019/03/07
- メディア: 単行本
あとがき
今回はSTEPS AHEAD展からクレー、マティスなど現代絵画作品のご紹介でした。
そして、少し江戸時代の日本画についても記事を書きました。
本でアートを学んで、美術館で実物を鑑賞してブログに書く。
この作業を行なっていると、不思議なことに嫌いだった現代アートがどんどん馴染んできました💦
今回はキュビズムの絵や抽象画にも感動しました。
また、クレーもマティスもすばらしい絵が多かったです。
3回の記事で紹介したアーティゾン美術館「STEPS AHEAD展」すばらしい美術展でした。
アーティゾン美術館では新型コロナ感染防止の万全の対策が取られています。
(エレベーターのボタンまでお姉さんが押してくれます!)
緊急事態宣言が終わりましたら、皆様もぜひお出かけください。
今日も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha
ブログ村、ライフスタイル部門にエントリーしました。
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