どーも、ShinShaです。
大人の科学4回目はウィルスに関する記事です。
新型コロナウィルスの世界の感染者は1億6000万人、死者347万人 。
ウィルスはタンパク質の殻の中にRNA(DNA)が入っているだけ。
呼吸もしないし自分で増殖もしない。
そんなモノがなぜ存続しているのか?
なぜ人間はこれほど被害を受けるのか?
そこが知りたいのです。
今回はウィルスの基礎を勉強しましょう。
ウィルスとは何か
ウイルスとは何か。
参考文献から引用しますね。
最も単純な形をしたウィルスは、核酸と呼ばれる物質が「タンパク質」と呼ばれる物質でできた殻で包まれただけの格好をしている。
このタンパク質の殻を「カプシド」という。
タンパク質でできたカプセルの中に核酸が入っているということだ。
これこそ、ウイルスがウイルスであるための「必要最低限の形」であるとさえ言えよう。
引用:武村政春「新しいウイルス入門 単なる病原体でなく生物進化の立役者? (ブルーバックス)」、講談社
大人の科学(2)、(3)で核酸については勉強しましたね。
核酸には、DNA(デオキシリボ核酸) とRNA(リボ核酸)の2種類がありました。
いずれも遺伝情報をもっている重要な物質です。
また、そこに書かれているのは細菌から植物、動物、すべての生物がもつ共通のコードでした。
ウイルスには「DNAウイルス」、「RNA」ウイルスの2種類があります。
ちなみに新型コロナウィルス はRNAウィルス です。
ウィルスはタンパク質の殻の中に核酸が入っているだけ。
自分では栄養もとらず、排泄もしないし呼吸もしない。
増殖するしくみも持っていないのです。
このため、大半の生物学者はウィルスは無生物であるという説を取っています。
しかし遺伝情報を持っているんですね。
これがウィルスの最大の特徴ですが、これが恐ろしいのですね。
ウィルスの発見
病原体の発見
フランスのルイ・パスツールは、発酵や腐敗などの作用が、顕微鏡でやっと見える「微生物」の仕業であると主張しました。
続いてドイツのロベルト・コッホは、多くの病気が細菌などの微生物感染によるものであることを証明したのです。
1880年代には、コッホは人類を長らく苦しめてきた結核菌、コレラ菌を発見しました。
また、コッホの研究室で学んだ北里柴三郎は、1889年に破傷風菌の純粋培養に成功。
その翌年には破傷風の治療法として世界初の血清療法を考案したのです。
この業績はノーベル賞級のものでした。
ウィルスの発見
十九世紀後半、ロシア人デミストリ・イワノフスキーは、細菌よりもずっと小さな病原体の存在をつきとめました。
彼はタバコモザイク病の病原体を、素焼きの陶器で濾過して、濾過した液の中に病原体がいることを確認したのです。
素焼き陶器にある孔の寸法は0.5−5.0マイクロメートルなので、病原体は0.5マイクロメートルより小さい大きさ。
(1マイクロメトルは1メートルの100万分の1、1ミリメートルの1000分の1の大きさです)
下にタバコモザイクウィルスの写真を掲載しましたが、細長い形の小さいウィルスですね。
1931年にベルリン工科大学で電子顕微鏡は開発され、1938年にシーメンス社が電子顕微鏡を製品化しました。
科学者たちは、結晶化したタバコモザイクウィルスの姿を顕微鏡で見ました。
また、その後は電子顕微鏡を使って数々のウィルスを発見しました。
野口英世は日本では伝説の偉人として高い評価を得ています。
お札にもなりましたし、子供たちは彼の伝記を読んで育ちます。
僕もその一人でしたが、野口英世は海外ではまったく評価されていません。
その理由は、彼が研究した黄熱病などの主張が間違っていたからです。
黄熱病や狂犬病の病原体は、当時は知られていないウィルスだったのです。
野口は異国の地で、懸命に見えないものを追いかけていたのです。
下の図は、ヒトの細胞、細菌、ウィルスの大きさを比べたものです。
一般的なウィルスの大きさはヒトの細胞の100分の1より小さく、一般的な細菌の約30分の1以下の大きさです。
ウィルスの種類
ウィルスの分類
ウィルスはDNAウィルスかRNAウィルスか、宿主の種類などによって分類されています。
下の図がウィルスの分類体系を表したものですが、ここではウィルスがこんな感じで分類されているという大まかな理解を頂ければと思います。
ちなみにコロナウィルスは一本鎖RNAをもち、宿主は脊椎動物だけのウィルスです。
また、ウィルスにはカプシドの周りにさらにエンベロープと呼ばれる膜のようなものをもったウィルスもいます。
エンベロープはタンパク質と宿主の細胞膜の断片からできています。
コロナウィルスもエンベロープをもつウィルスですね。
"Goalfinder L-Envelope-capsid-nucleic" by gfinder is licensed under CC BY-NC-SA 2.0
ウィルス感染症をざっと挙げると、麻疹(はしか)、風疹、風邪、インフルエンザ、ヘルペス、HIV、天然痘など、数えきれません。
麻疹も昔は人が亡くなる恐ろしい病気でした。
こんな単純なしくみのウィルスに、なぜ人間が脅かされるのか。
この謎について、ぜひ知りたいと思います。
巨大ウィルス
近年、驚きの巨大なウィルスが発見されました。
本論とは少しずれますが、ウィルスの興味深い多様性としてご紹介しますね。
ウイルスは長年にわたって細菌より小さいと考えられてきました。
ところが、2003年に小型の細菌よりも大きなミミウイルスが発見されたのです。
ミミウイルスの発見がきっかけで、その後、巨大ウイルスの発見ラッシュとなりました。
これまでに分離された巨大ウイルスは、ほとんどが単細胞生物を宿主とするものです。
下に巨大ウィルスの画像を掲載しました。
大腸菌やHIVウィルスと比べれば、発見された巨大ウイルスが、いかに大きいのか分かりますね。
生き物でもないのに、こんな多様性をもつなんて驚きです。
"File:Comparison of the size of giant viruses to a common virus (HIV) and bacteria (E. coli).tif" by Domi751 is licensed under CC BY-SA 4.0
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今回の記事は下記の本を参考にいたしました。
とても分かりやすくウィルスの基礎について書かれています。
また、新しい情報も掲載されているオススメの本です。
あとがき
ウィルスはどこに存在しているのでしょうか?
主に空気中や生物の体の中にいます。
また水の中にも沢山存在します。
天然水1ミリリットル中に2億5千万個、海中1ミリリットルに500〜1500万個検出されたなんていう話もあります。
これを想像すると恐ろしくて卒倒しそうです💦
いずれにしても、我々の体は大量のウィルスに囲まれていて、絶えず接触があるということなのですね。
次回は、息もせず、代謝もしないウィルスが、なぜ存続していけるのか?
こんなに単純な仕組みのウィルスに、なぜ人間が大きな影響を受けるのか?
その謎に迫っていきたいと思います。
じらしている訳ではないですよ。
何事も基本の積み重ねですからね。
今日も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
ShinSha
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