時の化石

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ロマン主義の名画が観たい ゴヤ、ターナーのロマンチックな美しさがたまらない

どーも、ShinShaです。
今回は19世紀ロマン主義絵画の記事です。
大好きなゴヤターナーの作品を中心にご紹介します。

日本人には古典主義の宗教画、歴史画はどれも同じに見えてしまいます。
ロマン主義絵画は、革命や戦争など同時代の事件を描きました。
また、ヌードあり、戦艦・機関車あり、ロマンチックで新しい絵の世界を開いてくれたのです。

ゴヤターナーの作品は何度見ても素晴らしいです。
今回も感動しました。

ロマン主義とは

ロマン主義とは18世紀初頭に起きた芸術の運動です。
山田五郎さんの本から説明を引用します。

「ロマンス」とは古代ローマ公用語ラテン語が、各地で方言化した「ロマンス語」で書かれた民衆文学のこと。
騎士道恋愛物語が多かったため、恋愛小説をロマンスと呼ぶようになりました。

つまり、ロマン主義という言葉には、古典文化に対する民衆文化という意味も込められています。
冷たく理知的で権力志向の新古典主義に対立するロマン主義は、当然、熱く感情的で庶民の味方。
 
ナポレオン軍による市民虐殺を告発したスペインのゴヤを先駆けに、フランスのジェリコードラクロワは現実に起きた悲劇を市民目線で迫真描写。
イギリスのターナーは、同時代の風景や出来事を独自の色彩で描き、印象主義を先取りしました。

宗教や歴史を重んじる古い芸術に対し、ロマン主義は同時代の起きた事件や風景、人物を生き生きと描きました。

絵画以外のロマン主義のアーティストとして、文学ではヴィクトール・ユーゴースタンダールバルザック、音楽ではショパンベルリオーズシューベルトなどが挙げられます。
ロマン主義は、さまざまな芸術の一大ムーブメントだったのですね。

ドラクロワの作品

ウジェーヌ・ドラクロワ(1798-1863)。
19世紀フランスのロマン主義を代表する画家。
光や色に対する探求は、ルノワールゴッホなど、印象主義の画家に多影響を与えた。

この作品はロマン主義の代表的作品として有名な絵です。
パリ7月革命、現実世界の事件を描いた絵です。
本作はフランスの100フラン紙幣に使用されたこともありました。

革命に立ち上がる市民のエネルギーを感じさせる、迫力のある絵です。
中央の自由の女神マリアンヌはフランス国旗を掲げ、市民たちを勇敢に導いています。

画面左の山高帽を被った人物はドラクロワ本人です。
しかし彼は革命には参加していなかった。
五郎さんいわく「だいぶ盛って描いた絵」だそうです。

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民衆を導く自由の女神1830年、油彩・キャンバス、ルーヴル美術館
”La liberté guidant le peuple”, Eugène Delacroix, Public domain, via Wikimedia Commons  

ロマン主義とは何か。
何故、ドラクロワのこの絵の女性は丸出しなのか(笑)
五郎さんの楽しい解説をご覧ください。

www.youtube.com
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ゴヤの作品

フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)。
織物工場の下絵描きから叩き上げ、43歳で宮廷画家となります。
46歳、病で聴力を失うも、53歳で首席宮廷画家まで昇りつめる。
ナポレオンの侵攻で宮廷が無くなり職を失う。
晩年にフランスに亡命し死去。

最初にご紹介するゴヤの作品は一対の作品です。
『裸のマハ』『着衣のマハ』

この作品は西洋絵画史上、初のヌード作品だと言われています。
それ以前の西洋絵画の女性の裸体は宗教、歴史の中の人物として描かれていました。

この作品は同時代の女性のヌードを書いた初めての絵だと言われています。
モデルはゴヤと深い仲にあったアルバ侯爵夫人、某宰相の愛人などの説がありますが解明されていません。
スキャンダラスな作品です。

挑むような眼差しと少し赤らむ頬。
何か濃密な雰囲気が感じられますね💦
柔らかな美しい曲線をもつなまめかしいヌード作品です。

ゴヤはこの作品をめぐって、後に宗教裁判にかけられています。
絵の世界では大きな事件だったのです。

裸のマハの完成後、彼は着衣の作品も描いています。
「見比べて妄想をふくらませる」💦
「着衣の作品の下に、裸の作品を隠した」
何故2作を描いたのかは、諸説あり不明です。

男は妄想する生き物です。
僕は妄想説に一票を投じます💦
 

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『裸のマハ』1797年-1803年頃、油彩・キャンバス、プラド美術館
"The Naked Maja" by lluisribesmateu1969 is licensed under CC BY-NC 2.0

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『着衣のマハ』1797年-1805年頃、油彩・キャンバス、プラド美術館
"Goya - The Clothed Maja [1807-08]" by Gandalf's Gallery is licensed under CC BY-NC-SA 2.0

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プラド美術館での展示
"Las majas" by Lanpernas . is licensed under CC BY 2.0

次の作品『マドリード、1808年5月3日』はナポレオン侵攻によるスペインでの虐殺を描いた作品です。
まるで、ゴヤがその場に立ち会ったように、この作品の描写は緊迫したリアリティがあります。

虐殺され地面に重ねられた遺体。
降参をする人、目を覆う人、顔を背ける人、祈る聖職者、立ちすくむ人。
血の噴き出るようなリアリティがある。
迫真の名画です。
  
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マドリード、1808年5月3日』1814年、油彩・キャンバス、プラド美術館
"Goya - The 3rd of May 1808 in Madrid - [1814]" by Gandalf's Gallery is licensed under CC BY-NC-SA 2.0    

ターナー の作品

ウィリアム・ターナー(1775-1851)。
「美術界のビートルズ」といわれるターナー
美術後進国といわれた18世紀末のイギリスに現れた天才画家です。
貧困から絵筆一本で身を起こし、27歳で王立芸術院の会員となった。

1819年、初のイタリア旅行で感じ取った太陽の光と色彩に魅せられて作風が変化。
以降、彼の作品は古典的な画風から印象主義を半世紀も先駆けする近代絵画へと進化した。

ターナーの絵には、海、船がある風景画が多いですね。
ロマンチックなターナーの絵が大好きです。

一番上の作品は、初期の作品です。
月が照らし出す、荒れくるう海を進む一艘の船。
ドラマチックで感動的な絵です。

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「海の漁師たち」1796年、油彩・キャンバス、テート・ブリテン
"Fishermen at Sea" , J. M. W. Turner, Public domain, via Wikimedia Commons

ナポレオン軍とのトラファルガーの海戦で活躍し、祖国を勝利に導いた戦艦テメレール号。
その最後の勇姿を、夕日が照らす風景の中に描いています。
感動的な演出ですね。

この空と空気の色彩は、印象主義、モネの初期の作品に通じる美しさがあります。  

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「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」1838年、油彩・キャンバス、ナショナル・ギャラリー
"The Fighting Téméraire tugged to her last Berth to be broken", J. M. W. Turner, Public domain, via Wikimedia Commons

雨の中をテムズ川に架かるメイデンヘッド鉄橋を、産業革命の象徴である鉄道が疾走する情景が描かれています。
荒れ狂う風雨の中を力強く疾走する機関車。

ドラマチックな演出ですね。
この気象と空気を描いた色彩が素晴らしい。
厳しいイギリスの風景そのものですが、それを突き抜けるエネルギー、希望も感じる絵です。
 

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「雨、蒸気、スピード ― グレート・ウェスタン鉄道」1844年、油彩・キャンバス ナショナル・ギャラリー
"Rain, Steam and Speed - National Gallery file" J. M. W. Turner, Public domain, via Wikimedia Commons

参考図書

今回の記事、山田五郎さんの下記の3冊の著作を参考にして書きました。

どの本も入門書とあなどってはいけませんよ。
基本をしっかりおさえた上で、五郎さんらしい解説がなされています。
他のアート本には書いていない様々な知識を知ることができます。
楽しくアートを学ぶことができる最高の本です。

あとがき

久しぶりにアートの記事を書きました。
じっくりを絵を観ながら、文章を書くのはとても有意義な時間です。
ブログを始めてから、絵の理解が深まった気がします。  

人に理解してもらう説明を書くためには、これまで漫然と見ていたものを、より深く見ることになります。  
今回も7点の作品を、じっくり鑑賞することができて楽しかったです。


えっ、『裸のマハ』の文章がやたら力が入ってるって??💦💦


今日も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha

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