時の化石

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稲垣栄洋 著 『はずれ者が進化を作る』を読みながら人生について考えた

どーも、ShinShaです。
2022年最初の記事です。
本年もよろしくお願い致します。

昨年末、本屋さんをぶらぶら。
ある本のポップが目に止まりました。

「私たち、頑張らなかったから生き残りました」
2021年中学入試『国語』出題率No.1作品

なに...頑張らなかったから...はずれ者が...💦
これは、僕には最高の本かもしれない。

平易に書かれた本には、生態系に関する驚きのエピソードが書かれていました。
何箇所も笑いながら、そして感動。
とても良い本に出会うことができました。

この本について

稲垣栄洋 著 『はずれ者が進化を作る』

進化に成功したのは、「強い」生き物ではなく オンリー1になれる場所をみつけた 誰よりも「弱い」生き物たちでした。
そんな彼らが”人間らしく”生きるための 知恵を私たちに教えてくれました。
引用:https://www.amazon.co.jp/

筑摩書房の宣伝文は抜群にうまいですね。
本のラッピングのフレーズを読んで、笑ってしまいました。

続いて著者のプロフィールです。

著者 稲垣栄洋さんは、静岡大学教授です。
「雑草生態学」というカテゴリーがあるのを初めて知りました。
やわらかい文章を書く人です。

著者 稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)
2019年~2021年 国立・私立中学入試【国語】3年連続最頻出著者

1968年静岡市生まれ。
岡山大学大学院農学研究科修了、農学博士、専攻は雑草生態学
農林水産省静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。

農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する著述や講演を行っている。

著書に、『植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし』(ちくまプリマー新書)、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』『身近な生きものの子育て奮闘記』(以上、ちくま文庫)、『たたかう植物 仁義なき生存戦略』(ちくま新書)など。 引用:https://www.amazon.co.jp/

雑草は育てられない

この本の中で、最初に驚いたのは雑草に関する話でした。
一節を引用しますね。

皆さんは雑草を育てたことがありますか?
雑草なら庭にいくらでも生えている...と思うかもしれませんが、そうではありません。
実際に種を撒いて、水をやって、育てるのです。
...
私は雑草の研究をしています。
そのため、研究材料として雑草を育てることがあります。

雑草は放っておけば育つから、雑草を育てるのは簡単だ、と思うかもしれません。
ところがそれは大間違いです。
雑草を育てるのはじつはなかなか難しいのです。

そりゃ、雑草を育てる人なんていませんよ(笑)
相当な変人だな...
そう思いながらも、本に引き込まれていきます。

雑草は種を撒き、水やりして育てようとしても、うまく育てられません。
発芽する時期がばらばら。
眠ったまま、長い間芽を出さない種もある。

とても面白いなぁ。
これこそが自然なのですね。

雑草の種は風に飛ばされるもの、動物に運ばれるもの、留まるものなど様々。
発芽する環境もそれぞれ異なる。
ばらばらであることが、生き延びるのに適しているのでしょう。

逆にいうと、売られている花や野菜は、同時に芽を出して、美しい花を付け、より多くの収穫ができるよう交配を重ねた人工的なものなのです。
こういう植物は環境の変化に弱く、病気などで滅びやすいのです。
その例として本書では、19世期アイルランドのジャガイモの例を挙げています。

当時アイルランドでは主食としていたジャガイモの疫病が大流行。
食糧が不足したアイルランドから多くの人がアメリカに渡った。
だからジャガイモは「アメリカ合衆国を作った植物」といわれています。

最近でも、ニュースでは中南米のバナナ壊滅の危機を報じていました。
鳥インフルエンザも豚コレラもこれと同じですね。

自然はつねにばらばら。
効率が悪くてもばらばらは変化に強い。
覚えておきたいエピソードです。

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バナナ農園の壊滅
"Destruction of a banana farm that was heavily diseased with banana bunchy top (2004)"作者: Plant pests and diseases is licensed under CC0 1.0

はずれ者が進化を作る

次に面白かったのは、本の表題となっている「はずれ者が進化を作る」という一節です。

自然界には正解がありません。
ですから、生物はたくさんの解答を作り続けます。
...
かつて、それまで経験したことがいような大きな環境の変化に直面したとき、その環境に適応したのは、平均値から大きく離れたはずれ者でした。
...
そしてやがては「はずれ者」とよばれた個体が標準になっていきます。
そして、そのはずれ者が作りだした集団の中から、さらにはずれた者が新たな環境へと 適用してしていきます。
...
じつは、生物の進化は、こうして起こってきたと考えられています。

「正解がないから、たくさんの回答を作り続ける」
変異や進化はこのようにも解釈できる。
とても素晴らしい言葉です。

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はずれ者が進化を作る 引用:稲垣栄洋 著 『はずれ者が進化を作る』 pp.64

著者はさらに「敗者が進化する」とも書いています。

生命の歴史を振り返ってみれば、進化を作り出してきた者は、常に追いやられ、迫害された弱者であり、敗者でした。

生命が誕生した海では、激しい生存競争が繰り広げられ、敗れたものは川へ逃げ、川でも競争が激しくなると、浅い水たまりに追いやられた。
そこからも逃だした生物は、陸上に上がって進化を続けた。

著者は、生物の驚くような進化は、はずれ者が作ってきたと書いています。
人類の祖先は森から追いやられて、草原に住んだサル。
二足で歩くようになり、脳を発達させて武器と道具を作った。

ダーウィンの進化論で、変わるものだけが生き残ることを知っていましたが、確かに変わるものは、生存の危機にある敗れたものですね。
勝者は変わらず生きていけばいい。

人生も一緒かもしれませんね。
負けても逃げても、チャレンジし続ければ必ずチャンスが巡ってくる。
止まらずに歩き続けましょう。

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Timeline evolution of life
LadyofHats, CC0, via Wikimedia Commons

ナンバー1しか生き残れない

自然界は僕らが想像する以上の厳しい世界です。
同じ環境や条件の中では、たった1種類の生物しか生きていけない。

生物は厳しい生存競争の中を生き抜いています。
生存競争とは生きるか死ぬか、強烈な戦いです。

自然界に暮らす生き物は、すべてがナンバーワンです。
どんなに弱そうに見える生き物でもどんなにつまらなく見える生き物も、必ずどこかでナンバー1なのです

歌に出てくる、ミミズだって、オケラだって、アメンボだってナンバー1だった💦

ナンバー1になる方法はいくらでもあります。
この環境であれば、ナンバー1、この空間であればナンバー1、このエサであればナンバー1、この条件であればナンバー1...

こうしてさまざまな生き物たちがナンバー1を分け合い、ナンバー1しか生きられないはずの自然界に、多種多様な生き物が暮らしているのです。

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オケラNo.1 ! 引用:https://mirusiru.jp/nature/animal/kera

ミミズは土を食べる生物としてはナンバー1です。
オケラは土の中で生きる昆虫の中のナンバー1。
アメンボは水上で暮らす肉食昆虫のナンバー1。

なるほど、どう見てもあいつら普通じゃないものね。
ミミズは手足も目もないし、オケラの前脚はドリルだし、アメンボは拡大すると死にそうに恐ろしい💦

企業が繁栄するには、やはりナンバー1の技術やサービスを持たないといけないですね。
お店だったら、その地区でナンバー1、カレーパンがナンバー1、深夜営業しているナンバー1とか。

生物の進化は、本当にいろいろなことを教えてくれます。
皆さん、自分が得意なことを探してナンバー1を目指しましょう。

ちなみに、このサイトのGoogle検索クエリを調べると...
itunesアフェリエイト審査」掲載順位1位、おお!
「佳つ乃+伊集院静」掲載順位1位、「竹内まりあ+胸」掲載順位1位💦💦💦

伊集院先生、竹内まりあ様、申し訳ございません! <(。_。)>

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あとがき

昨年から、分子生物学やウィルスについて、何冊か本を読んできましたが、生態系は驚くほどよくできています。
科学は自然のごく一部を解明しただけ。
自然から学ぶことは山ほどあります。

この本には、勉強になる自然の話が、たくさん、楽しく書いてあります。
はずれ者や敗者が進化を作るなんて、痛快だしロマンです。
子供たちが、いろいろな価値観をもつのは素晴らしいことです。

日本経済の長期低迷の主な原因の一つは、間違いなく多様性の欠如です。
タリバンより少しマシなジェンダーギャップ💦とカビの生えた移民政策。
新聞もTVも皆んな同じことしか報じない。

前に書きましたが、スティーブ・ジョブズはシリア移民の子供です。
mRNAワクチンの発明で世界を救ったカタリン・カリコはハンガリー移民。

アメリカには差別があるが、多様性を受け入れる包容力がある。
多様な人々が暮らし、ビジネスや研究をすることが国の発展につながっています。
日本はアイルランドのジャガイモ。

年始から、最近アクセスが増えている古い記事をリライトしていました。
細字ボールペンオタク💦の記事です。
リライトというか、全部書き直しました。

www.fossiloftime.com

検索上位記事のリライトは確かに効果がありますね。
リライト後、すぐにアクセスが増えてきました。

昨年末に気がついたらブログ投稿数が300を超えました。
書き散らした記事もたくさんあるなぁ💦

最近は仕事が忙しく、書き散らすのもいやなので、書きたいことをゆっくり書いていきます。
それにしてもアフィリエイトをなんとかせねば。

今日もこのブログを読んでいただき、ありがとうございました。
これからも、変わり者の目線で書いていきます!
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha