時の化石

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マエストロオーディオ IEM MA910SB レビュー - RSTの超高域倍音が美しい -

どうもShinShaです。
今回はマエストロオーディオのIEM(In Ear Monitor)MA910SB のレビューです。
このIEM、国産の新しいブランドの製品です。

イヤホンの世界では、欧米の高級製品がスタンダードとなり、また、コストパフォーマンスが高い中国製品が市場にあふれています。
新興国産ブランドは、この中で勝ち抜いていけるのか?
大きな期待をもちつつ製品をレビューしました。

エストロオーディオ MA910SB について

エストロオーディオは、群馬県高崎市にあるオーツェイド(O2aid)株式会社が2022年に立ち上げた新しいブランド。
同社は圧電セラミックス技術を利用した独自のツィーターを用いたイヤホンを開発しています。
オーツェイドのコストパフォーマンスが高い、ハイレゾイヤホンは、いま非常に人気があります。

MA910Sは、新開発のグラフェンコートダイナミックドライバーに、セラミックオーディオテクノロジーによる新発想のパッシブ型ツイーター「RST」(Reactive Sympathetic Tweeter)を搭載し、同時に高性能な音響補正デバイス「HDSS」を組み合わせることによって、低歪みかつ小型樹脂筐体では難しかった広いサウンドステージを獲得しています。

ケーブルにはシルバーコートOFCとOFCのハイブリッドを採用し、音の分離感向上と優れた定位感を実現。
全て国内にて組み上げを行い、高品質でご提供します。
引用:https://www.aiuto-jp.co.jp/products/

www.youtube.com


MA910Sの構造 https://www.aiuto-jp.co.jp/products/ から転載

オーツェイドの新ブランドIEM はダイナミックドライバーもセラミックツィーター RSTも新開発。
力が入っていますね (^^)
RSTがこの製品の最大の特徴です。
RSTは周波数10kHz以上の超高域、可聴範囲を超えた高周波数を再生するために搭載されています。

RSTの超高域の音がIEMのサウンドにどんなインパクトをもたらすのか?
楽器の基音が届かない倍音の世界に、どんな企みが隠されているのか?
大きな興味がありました。

今回、数十曲におよぶ試聴を行いましたが、MA910Sのサウンドはじつに素晴らしいものでした。
(詳しくはサウンド・インプレッションを参照ください)

いろんな楽器、ヴォーカルの周波数領域 Dokumen: Eksplor & Unggah secara Gratis | Scribd より引用

イヤホンに興味をもつようになって、コストパフォーマンスの高い中国製品、スタンダードとなっている欧米製品ばかりを見てきました。
新しい国産ブランド製品を、ぜひ応援したいですね。

製品仕様

エストロオーディオ MA910SB
形式:10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー
9mm径RST (Reactive Sympathetic Tweeter)
再生周波数帯域:5 HZ - 40 KHZ
インピーダンス:16 Ω、感度:100 dB/mW
接続:4.4mm バランス接続

MS910SB 製品の写真

購入したマエストロオーディオ MA910SBのパッケージ〜開封〜製品の写真です。

製品パッケージ

パッケージを開封

ポーチ、革製のコードバンド、新開発のイヤーピース4組が付属

ハウジングはスケルトンなプラスティック製、ハート型のデザイン(イヤーピースはCP 200+に付け替え)

MA910SB 製品レビュー

総合評価

総合     :☆☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆
装着感    :☆☆☆
サウンド   :☆☆☆☆☆
<音質バランス>

[コメント]
デザイン・製品の質感などは標準的なものです。
しかし、それを差し引いても余りあるほど、音に魅力がある製品です。

低域から高域までバランスよく音を再現するIEMです。
高域の音に特徴をもち、ハイトーンの美しいサウンドを聴くことができます。

特にRSTが表現する超高域(周波数10KHZ〜)の倍音は驚きの美しさです。
楽器としては、ピアノ、ヴィブラフォンシンセサイザーエレキギター、管楽器等の音の表現が素晴らしい。
MA910SBは、ジャズ、クラシック音楽、エレクトロミュージックを聴く人にとって最良の選択肢の一つとなります。

何より音楽を聴く楽しみにあふれるIEMです。
間違いなくMA910SBは買いです。
皆んなでこの製品を購入して、新しい純国産ブランドを盛り上げましょう!

サウンド・インプレッション

このIEMを評価するために、まず、いつも聴いているJPOP2曲を聴きました。
エージングはピンクノイズで1時間、早く音を聴きたくて待っていられなかった。

ハイレゾ音源 “ORION with ensemble”では、中島美嘉のボーカルとストリングスが美しい。
艶やかで生き生きしたボーカル音にうっとり。
続いて、少し前に幕張アリーナで聴いた小田和正の曲を聴く。
ライブで聴いた、中高域が豊かなクリアな音が流れてきます。
ここまで音を聴いただけで、十分に、価格1万円以上の音質であることが分かりました。

続いて、RSTの実力を確認してみましょう。
RSTはオーツェイドの技術の核心です。
RSTが再生する超高域の音には、どんな魅力があるのかとても興味があります。

高音の魅力がある音楽として、まず思い浮かんだ曲は ”Crystal Silence”。
チック・コリアゲーリー・バートンが、ピアノとヴィブラフォンの技巧を駆使して作り上げた超絶クリスタル・サウンド

ヴィブラフォンが鳴り始めたところで驚きました。
こんな音、聴いたことない。
なんと美しい響きだろうか!

Chick Corea and Gary Burton Concert in Kyiv, April 7, 2011 “ by usembassykyiv is marked with Public Domain Mark 1.0 .

次に、最も高音を出す楽器はシンセサイザーですね。
シンセサイザーの楽曲というと坂本龍一しかない!
大好きな曲 ”andata” を聴いてみる。

ピアノに続いてシンセサイザーの音が聴こえてくる。
いつの間にか、僕は壮大な音の宇宙の中にいた。
移動する響き、こだま、うねり、反響。
”andata”はこんな曲だったのか。

RSTの生み出す倍音の美しさに圧倒されました。
これはダイナミックドライバーでは、絶対に再生できない音です。
この音を聴いてしまうと、(これらの曲に関しては)ほかのイヤホンがオモチャのように感じます。
この2曲を聴くだけでも、MA910SBを買う価値があると思えます。

製品の音に感動したので、他の曲もどんどん聴いてみました。
キースのピアノの響き、ジェフのテレキャスターのファズ、マイルスの金属的ミュート音、どれも素晴らしいサウンドで表現してくれます。
音の再生レンジが広く、低域もしっかり再生されます。
オスカーピーターソンのジャズピアノ、反田恭平が弾くピアノコンチェルトが素晴らしいです。

改めてオーツェイドという新しい企業の技術の高さを感じました。
気がついたら、この記事書くのに10時間以上このIEMを聴いていました。
下記の試聴曲にリストアップした曲は、このIEMで聴いて素晴らしいと感じた楽曲です。

試聴した楽曲

POP:中島美嘉” ORION with ensemble”、小田和正 ”風を待って”、ジェフ・ベック ”Midnight Walker”、ボブ・ディラン “One More Cup of Coffee” など

Jazz、Classic:チック・コリア & ゲーリー・バートン ”Crystal Silence”、キース・ジャレット & チャーリー・ヘイデン ”But Not For Me”、マイルス・ディヴィス”Blue in Green”、坂本龍一 ”andata”、オスカー・ピーターソン We Get Request ”My One and Only Love” 、反田恭平 "ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番"

試聴環境 音源:Apple Music (ロスレスハイレゾロスレス)、DAC: Fiio K7

音場・定位

MA910SBには「音場が広がりが素晴らしい」「空間表現に優れる」というコメントが多いです。
普段は音場についてあまり意識していませんが、ライブ音源を聴く場合は立体感があると楽しいですね。

最近は世界的にゲーム人口が増加しましたし、VR(ヴァーチャル・リアリティ)技術にも音の空間表現は重要です。
今回、購入した製品は4.4mm バランス接続。
どんな空間表現を体験できるのか興味があります。

早速、ボブ・ディランBootleg Series ライブ音源 “One More Cup of Coffee”を聴いて、MA910SBの音場・定位を調べてみました。
確かに音の分離は素晴らしいです。
スカーレットのバイオリンが、ディランの右後方で鳴っているのがはっきり分かります。


VFS Game Design’s Pitch & Play “ by vancouverfilmschool is licensed under CC BY 2.0 .

しばらくしたらYouTubeなら映像と音を同時に確認できることに気がつきました。
ザ・バンド「ラストワルツ」”Forever Young”を再生しながら確認します。
おお、ロバートソンのギターがディランの左奥から聴こえる!

ほかのライブ音源についても、数曲YouTubeで試聴しました。
音の広がり、楽器、ボーカルの定位感。
なるほど、このイヤホンの空間表現は素晴らしいです。
MA910SBは広い音場をもち定位感も確か。
ゲーム用イヤホンとして使用するのにも適しています。


Ryuichi Sakamoto “ by Joi is licensed under CC BY 2.0 .

デザイン・製品の質感

音質が素晴らしいだけに、海外で戦う製品となってほしい。
だから、あえて苦言を呈します。
MA910Sのデザイン・製品の質感には魅力を感じません。

同価格帯の競合する中国製品には、優れたデザインの製品が数多くあります。
ユーザの中にはデザインを重視する人が多くいます。
もっとクオリティをもっと上げてほしいですね。

装着感

ノズル先端に大き目の凸部があります。
耳に装着するとこの部分に圧迫感を感じます。

遮音性を上げたいのでしょうが、長時間使用すると辛くなってくる。
(イヤーピースを Spinfit CP100+に変更して改善)
誰でもが楽しく使える、ユニバーサルなデザインとするためにも改善した方が良いですね。

レビュー製品広告リンク


耳孔が小さい人は、このイヤーピースで装着感を改善できます。


 ## 高音質なハイレゾサブスクリプション音源を聴こう

ハイレゾ音源はApple Music、Amazon Music Unlimitedだけ‼️
ハイレゾ音源は素晴らしい ♪( ´θ`)ノ

ディランもビートルズもYOASOBIも米津玄師もハイレゾ音源で聴きましょう。

Try Apple Music


おわりに

少し前に、国産イヤホンブランドの記事を書いてから、オーツェイドの製品に興味を持ちました。
あのセラミック・ツィータの音を聴いてみたい。
中国製イヤホンなどをいくつか売り払い、MA910SBを購入しました。

記事を書くために聴いた曲の中で、最も素晴らしい体験は坂本龍一 ”andata”を聴いた時でした。
シンセサイザーが作り出す、壮大な音の空間に衝撃を受けました。

ワタリウム美術館で見た、ニューヨークのスタジオでアルバム ”ASYNC” を制作する坂本さんの姿が浮かんできました。
彼はこんな音を聴いていたんだ。

評価したマエストロオーディオ MA910SB は素晴らしい製品でした。
オーツェイドの製品をこれから応援していこうと思います。

イヤホンの記事は激戦区💦
幅広い音楽を聴いてきた、自分の特徴を活かして本音で記事を書いていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

ShinSha