どうもShinShaです。
今回は売れ筋エントリーイヤホン3種を聴き比べてレビューをしました。
中国製ブランドKZ、水月雨(Moondrop)、そして国産ブランドfinalのエントリー製品です。
イヤホンを替えて同じ曲を何回も聴き比べると性能、音質の傾向がよく分かります。
3製品を聴き比べて個人的な順位をつけると下のとおりです。
①水月雨 Quarks ②KZ ZSTX ③final E3000
コストパフォーマンス重視で選ぶならKZ ZSTX。
音質、デザイン重視なら水月雨 Quarksを推します。
Quarksは音質のバランスも良い。
final E3000は発売から6年経過して古くなりましたね。
詳細なレビューは下記を参照ください。
評価したエントリー イヤホン3種
final E3000
国産ブランドfinal のエントリーモデルです。
amazon販売価格は税込 3,755 円(2024年3月)。
フラットでバランスが良い音質をもち、他のメディアからは高く評価されています。
E3000 は直径6.4mm の比較的小さいダイナミックドライバーを搭載した製品です。
発売から6年経過しましたが、依然として人気があります。
感度が低いため、スマートホンでは音量が出せないところは要注意です。
【製品仕様】
final E3000
形式:φ6.4mm ダイナミックドライバー
再生周波数帯域:非公表
インピーダンス:16 Ω、感度:100 dB/mW
接続:3.5mm
少し前に購入したので、パッケージなどの写真は取り忘れました💦
水月雨Quarks
中国深圳のブランド、水月雨(Moondrop) のエントリーモデルです。
amazon販売価格は税込 2,200 円(2024年3月)。
高音質でコストパフォーマンスが良い製品と美少女アニメキャラクターを使ったイメージ戦略で、水月雨の製品は若い世代に絶大的な人気があります。
final E3000とほぼ同サイズ、直径6mmのダイナミックドライバーを用いたイヤホンです。
【製品仕様】
水月雨Quarks
形式:φ6mm ダイナミックドライバー
再生周波数帯域:4Hz~43KHz
インピーダンス:16 Ω、感度:116 dB/mW
接続:3.5mm 、USB-C
KZ ZSTX
中国深圳のブランド、KZ のエントリーモデル。
amazon販売価格は税込 2,480 円(2024年3月)。
この価格で 10mmのダイナミックドライバー、BAも搭載しています。
次々と新製品を発売するKZブランドの中で、改良を続けながらも2020年6月から3年以上存続する人気モデルです。
このイヤホンはインピーダンスが低く、スマートホンでも大きな音量を出せます。
【製品仕様】
KZ ZSTX
形式:バランスド・アーマチュア(BA) + φ10mm ダイナミックドライバー(DD)
再生周波数帯域:20 HZ - 40 KHZ
インピーダンス:12 Ω、感度:107 dB/mW
接続:3.5mm
製品レビュー
final E3000
【総合評価】
総合 :☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆
装着感 :☆☆☆☆☆
サウンド :☆☆ (2.0)
<音質バランス>
【コメント】
ステンレスの筐体をもち、デザイン、質感は良好です。
装着感は柔軟性があるイヤーピースで外耳の中に入り込む構造になっていて非常に良いです。
音の印象はバランスよくまとまった音質です。
しかし低域の音量が少なく躍動感を感じません。
発売から6年経過しており、そろそろモデルチェンジが必要では?
【サウンド・インプレッション】
音質はカマボコ型。
このイヤホンは聴く音楽によって印象が大きく変わります。
宇多田ヒカル ”First Love”のように、中低域〜中高域が豊かな静かな曲を聴くと美しい音を再生します。
たしかに、時々「めちゃくちゃ良い音だな」と思うことがあるのです。
しかし、斉藤和義 ”Bun Bun Dan Dan”のように、低域の音が多い曲では音が籠(こも)ってしまう。
YOASOBI ”夜に駆ける” などアップテンポな曲のスピード感、ノリも感じられません。
このイヤホンのサウンドはバラード、録音の良いクラシックなどに合っています。
ロック、ジャズ、ヒップホップ、エレクトリックミュージック、元気の良いサウンドを聴くのには向きません。
ちょっと考えれば、直径6mmのドライバーしかないのだから当然なんですね。
後に紹介する水月雨Quarksと比較すると ”こぢんまりまとまった音質" ということになってしまう。
また、感度が低いためスマートフォンでは十分な音量が出せません。
この辺もエントリーモデルとして大きなマイナスですね。
水月雨 Quarks
【総合評価】
総合 :☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆
装着感 :☆☆☆☆
サウンド :☆☆☆☆ (3.5)
<音質バランス>
【コメント】
筐体が小さく透明でピアスのような美しいデザインです。
水月雨のデザインチームはなかなか上手いですね。
耳の中に入り込む柔軟性があるイヤーピースを採用し装着感は良好です。
過不足ない低域・高域の音を出し、ビートをしかっかり感じられるサウンドです。
音楽を聴いていて、とても楽しい製品です。
しかも価格は驚くほど安い。
【サウンド・インプレッション】
音質はフラットです。
小さいドライバーながら高域・低域の音が出ています。
宇多田ヒカル ”First Love”では美しい音の響きを感じます。
ピアノ、アコースティックギター、高域の音がキラキラしてる。
YOASOBI ”夜に駆ける” では、ベース音が感じられエレピ高音もよく鳴っている。
アップテンポな曲のノリをうまく再生しています。
ビートルズ ”Come Together”など、低域、高域の量が多い曲もそれなりに素晴らしい。
ビートも感じられ、なかなか楽しいです。
小さなドライバーをネオジウム磁石と高伝導性部品の採用によって強化し、スピード感も生み出しています。
少しパワーが足りないものの、なかなか良いサウンドに仕上っています。
KZ ZSTX
【総合評価】
総合 :☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆
装着感 :☆☆☆
サウンド :☆☆☆ (3.3)
<音質バランス>
【コメント】
デザインには好みがありますが、チープ感は否めません。
付属イヤーピースの品質も良くないです。
しかし、この価格帯では音質が素晴らしいです。
この価格で10mmダイナミックドライバ(DD)+ バランスド・アーマチュア(BA)のハイブリッドイヤホンです。
インピーダンスが小さく、スマートホンでも良く音を鳴らすことができます。
この辺はしっかり考えてある設計です。
【サウンド・インプレッション】
音質は典型的なドンシャリ系。
迫力あるサウンドを楽しめます。
ジャズ、ロックなど、どんなジャンルの曲を再生してもそこそこ楽しめます。
宇多田ヒカル ”First Love”のボーカル、ピアノ、アコースティックギターの音が素晴らしい。
ビートルズ “Come Together” を聴くと低域から高域の音がしっかり出て、ロックサウンドを楽しめる。
YOASOBI ”夜に駆ける” ベースもドラムの音もしっかり出ていてドライブ感が素晴らしい。
僕はZSTX以外にも、過去に2種のイヤホンをもっていました。
しかし、BAをいくつ積んでも、いまひとつ高音質にはなりきれないのがKZの問題です。
KZ はZSTX だけ持っていれば、それで十分かもしれません。
3製品のレビュー結果
3つのエントリーモデルを聴き比べて順位をつけると下のとおりです。
評価基準は音楽の楽しさを感じられることです。
①水月雨Quarks、②KZ ZSTX、③final E3000
水月雨 Quarksはデザインも美しく、音質もフラットでなかなか楽しい。
バランスが良く、どんなジャンルの音楽も楽しめます。
音質、デザイン重視ならQuarksを推します。
しかも軽量、小型で取り扱いやすいです。
KZ ZSTXは音が楽しい製品です。
ダイナミックドライバーの面積は他の製品の2.7倍。
BAまで積んいるから、音に迫力があるのは当然です。
しかもこの値段でハイブリッドです。
final E3000は中高域の音が中心のボーカル曲を聴くのに適しています。
デザインが良く、装着感も素晴らしいです。
しかし、音質では他の2製品に見劣りします。
またインピーダンスがスマートホンでは音量が出ないので要注意。
試聴曲
3つのイヤホンを評価するために今回は主に下記の楽曲を聴きました。
・宇多田ヒカル ”First Love”
・YOASOBI ”夜に駆ける”
・ビートルズ ”Come Together”
・斉藤和義 “Bun Bun Dan Dan”
試聴環境:Apple Music (ロスレス)、iMacに直差し
あとがき
今回記事を書いていて、印象に残ったのは水月雨 Quarksでした。
小さなダイナミックドライバーを、どう味付けするのか興味がありました。
水月雨はネオジウム磁石と高伝導性部品を用いて低域・高域の音を強化してきました。
さらに、チューニングに2年もかけた。
こういうチャレンジングな技術改良が素晴らしいですね。
初めてQuarksの音を聴いたら、笑ってしまうほど楽しかった。
ちっちゃくてもまとまったサウンドに仕上がっている。
今回の企画、個人的にもなかなか楽しかったです。
今後の方針をどうしようかという迷いなんか、何処かに行ってしまった。
皆んなが興味をもっているイヤホン、楽しい製品の記事をこれからも書いていこうと思います。
ShinSha