どうもShinShaです。
記事を書くために、和田誠・村上春樹 『ポートレイト・イン・ジャズ』を書い直しました。
何年ぶりにこの本を手にしただろうか?
久しぶりに読んでみると、やはり素晴らしいですね。
和田誠さんのイラスト、村上春樹のジャズプレイヤー、楽曲に対するコメント。
二人とも十代からのジャズファンだから、ジャズ愛にあふれているんですね。
ああ、楽しくなってきた。
今回の記事は、この本からアート・ペッパー、ビル・エヴァンス、ライオネル・ハンプトンのお話を紹介します。
あわせてジャズの名曲も聴いてみましょう!😃
和田誠・村上春樹 『ポートレイト・イン・ジャズ』
和田誠が描くミュージシャンの肖像に、村上春樹がエッセイを添えたジャズ名鑑。
ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだのは、マニアを唸らせ、入門者を暖かく迎えるよりすぐりのラインアップ。
著者(村上)が所蔵するLPジャケットの貴重な写真も満載!
単行本二冊を収録し、あらたにボーナス・トラック三篇を加えた増補決定版。
引用: https://www.shinchosha.co.jp/book/100153/
10年前に引っ越した際に、知らないうちにこの本を処分してしまったのです。
久しぶりに読んだら、本当に楽しかった。
村上春樹さんのジャズに対する博識、作家の感性、和田誠さんのアーティストの人柄を表現したなんとも味のあるイラスト!
一家に一冊、常備が必要なくらいの名著です😃
本を読みながら、なつかしいジャズの名曲を
ビル・エヴァンス
ジャズファンならば、皆んなが大好きなビル・エヴァンス。
村上さんは、ビル・エヴァンスの最も素晴らしい時期は、ベースの名手スコット・ラファロと一緒に演奏した数年間だと書いています。
二人が遺したアルバムはレーベル、リヴアーサイドの4枚。
『ポートレイト・イン・ジャズ』『ワルツ・フォー・デビー』『サンディ・アット・ヴィレッジ・バンガード』『エクスプロージョン』
現代のピアノトリオでは、ベーシストの役割が重要なのです。
ビル・エヴァンスとスコット・ラファロ、キースジャレットとゲイリー・ピーコック。
トリオ演奏とは戦いの場でもあるのです。
村上さんは二人の音楽を素晴らしい表現で書いています。
すごい表現だなぁ。
僕にはこんな文章、とても書けないなぁ。
これらのアルバムにおけるエヴァンスの演奏は文句なしに素晴らしい。
人間の自我が(それもかなりの問題を抱えていたであろう自我が)、才能という濾過装置を通過することによって、類まれな美しい宝石となってぽろぽろと地面にこぼれ落ちていく様を、僕はありありと目撃することができる。
その複雑精緻な濾過装置をぴたりとスタビライズ(安定化)し、またその内面を相対化し、活性化しているのが、スコット・ラファロの春のようにみずみずしく、また森のように深いベースプレイである。
アルバム『ワルツ・フォー・デビー』の中で、村上さんが一番好きな曲は「マイ・フーリッシュ・ハート」だと書いています。
甘いメロディの曲ですね。
この曲でもラファロのベース、素晴らしいです。
エヴァンスの弾くメロデイを支えるリズムと、時折織り交ぜる短く印象的なフレーズ。
エヴァンスのピアノも素晴らしい。
二人のインタープレイが、美しい音の波を創っている。
ああ、このまま音の中に溶けてしまいたい (^^)
アート・ペッパー
アート・ペッパーは、僕が大好きなサックス奏者です。
アート・ペッパーについて、村上さんは次のように書いています。
ちょっとした驚きでした。
チャーリーパーカーを奇跡の羽を持った天使だとすると、アートペッパーはおそらくは変形した肩翼を持った天使だ。
彼は羽ばたく術を知っている。
自分が生きるべき場所を承知している。
しかしその羽ばたくは、彼を約束された場所へと連れて行かない。
(中略)
僕らはアートペッパーの演奏を愛する。
しかし彼の残した手放しに幸福な演奏を、僕らは(おそらく)ひとつとして思い出すことができない。
彼は一人の誠実な堕天使として、自らの身を削って音楽を創り出していたのだ。
なんという文章だろう。
胸に突き刺さってきます。
僕はこんな風にペッパーを見たことがなかった。
ペッパーの演奏する「オーバー・ザ・レインボー」「ベサメ・ムーチョ」。
そういえば、こんな曲でさえどこかに寂しさが漂っている。
そうだった。
ペッパーの「サマータイム」は、あまりに寂しくて、メンタルがかなり調子が良い時にしか聴けない曲だった。
村上さんがペッパーの一曲として選んだ曲は、アルバム『ミートザリズムセクション』の「ストレートライフ」。
この作品は、マイルス・ディビスのリズムセクションを迎えて、録音した一世一代のアルバムなんです。
「ストレートライフ」でペッパーは火の出るような、熱くて高速なプレイを繰り出している。
「足りない、足りない」とペッパーが叫び続けていようだと村上さんは書いています。
なんだか、胸がいっぱいになってしまったなぁ。
僕の愛するペッパーの曲をもう一曲紹介します。
「パトリシア」
旅から旅への演奏ツァー、そして麻薬の常習で収容所を出たり入ったり。
ペッパーがなかなか会えない娘を思って書いた美しい曲。
ああ、ますます寂しくなってきた😭
オススメのイヤホンとミュージックサブスクリクション
ジャズを楽しく聴くための、オススメイヤホンを2つ紹介します。
⚫️ ASHIDAVOX EA-HF1
アシダ音響株式会社のA5,000円ベストバイイヤホン。
Φ15mmの大口径ダイナミックドライバーが再生する低域〜中域の音が素晴らしい。
低域、中低域音の量感は多め、 低域から高域までバランスの良い音を再生します。
スネアドラム、ベースなど低域の音の響きが素晴らしいのでジャズには最適。
ボーカル曲も素晴らしいです。
φ15mmの迫力サウンド。
この音を聴いてしまうと、6mmのDDなんてありえないでしょ😅
⚫️ initime 碧(SORA)−2
国産ブランドinitime(アンティーム)のu10,000円ベストバイ。
セラミックツィータ VSTが再生する超高域の倍音の響きが素晴らしいイヤホンです。
ピアノ、ギター、管楽器の音が美しい。
この音を聴いたら、もうほかの製品には戻れません😅
超おすすめイヤホンです😃
⚫️ ハイレゾ・サブスク・ミュージックのススメ
ジャズの名盤もハイレゾ化が進んできていて音質も最高。
ハイレゾ音源はApple Music、Amazon Music Unlimitedだけ!
素晴らしい音質でジャズの名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ
ライオネル・ハンプトン
ジャズ楽器の中でも、珍しいヴィブラホン。
このヴィブラホンをジャズの世界に持ち込んで、基本的な奏法を確立したのはライオネル・ハンプトンだったのですね。
この本を読んで知りました。
そしてヴィブラホンは、ハンプトン → ミルト・ジャクソン → ゲイリー・バートンへと演奏スタイルを変えながらも、ジャズの世界で独特の地位を保っています。
ゲイリー・バートンは、大好きなアーティストです。
ゲイリーがマレット4本もって演奏する姿を見た時はびっくりしました。
ライオネルハンプトンは戦前のスィングバンド時代の演奏は高く評価されていましたが、戦後は「ただよく歌うだけじゃないか」と評論家には相手にされなくなった。
村上さんは、おすすめアルバムとして、ハンプトン、ベン・ウェブスター、ハンク・ジョーンズがひたすら楽しく、無反省にスウィングしまくる『You Better Know It!!!』を挙げています。
無反省にスィング😅
そう、ジャズは楽しくて良いのだ。
ハンプトンといえば、僕が初めて聴いたジャズは、ライブアルバム『スターダスト』(1947年DECCA盤)なのです。
中学校の友達の家に、このアルバムがあって、友人と3人でアルバムを聴きました。
世の中にはこんな音楽があるのかと、ど田舎の中坊たちはシビレまくった。
その感激はいまでも忘れません。
あとがき
いやぁ、なつかしかった。
今回は初めて聴いたジャズまで記事に書いてしまいました。
しかし、村上春樹の感性はすごいなぁ。
ビル・エヴァンスとスコット・ラファロが生み出す美しい音楽の表現。
そして、アート・ペッパーというアーティストの評価。
ちょっと感動してしまったのです。
著作権の関係もあるので、今回は2021年東京オペラシティ 和田誠展で撮影したイラストを掲載しました。
そして、和田誠さんの絵は素晴らしいですね。
大学2年の時に、スタイルが確立されています。
音楽、文学、演劇、映画。
いろんな芸術に、和田誠さんの作品は関わっていました。
最近、クラシックも聴き始めましたが、やっぱりジャズはいいなぁ。
ブログも再開しちゃったし…
ああ、時間が足りない😅
ShinSha