時の化石

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イヤーモニター Acoustune RS THREE レビュー - 原音に忠実。音楽制作の現場で使えるタフなイヤモニ -

どうもShinShaです。
今回の記事は、イヤモニター Acoustune RS THREEのレビューです。
2013年創設、香港の新興オーディオブランドの製品です。
Acoustuneの製品はデザインがユニークで大人気ですね。

Acoustune は2種のイヤモニーターを発売しています。
今回は上位モデル RS THREEのレビューです。

RS THREE はコストパフォーマンスが高く優秀なイヤモニです。
デザインが良く、ステージ、音楽制作の現場でフルに使えるタフな構造をもっています。
そして、プロユースに適した解像度が高く情報量が多い音を再生してくれます。

この製品はインピーダンスが大きいため、スマートホンでは十分な音量を確保できません。
詳細なレビューは下記を参照くださいね。

Acoustune RS THREE について

ブランド Acoustune

2013年香港に創設のイヤホンメーカー。
独自技術のミリンクスドライバーとモジュラーメタルボディの技術をベースに、魅力的なデザインの製品を提供しています。
とにかく、このメーカーのイヤホンはカッコいい。

Acoustuneのハイエンド製品は、ガンダムみたいなメカニカルなデザインでスゴイ。
また、宝飾品のようなデザインもありますね。
アジアの新興オーディオメーカの成長は著しいですね。

Acoustune の製品デザイン(https://soundwaveaudio.com.hk/ の写真からコラージュ)

Acoustuneの音響技術の中核は、医療用に使われる強靭な樹脂ミリンクスを採用したダイナミック・ドライバーです。
ダイナミック・ドライバーは音を再生する標準的なデバイスです。
各メーカはこの振動板にさまざまな素材を用いて、音響特性を改良しています。
チタン、グラフェンDLC(ダイヤモンドライクカーボン)など。
Acoustuneは人工皮膚や手術縫合糸などに使われる樹脂「ミリンクス」を薄膜化して振動板素材に採用しています。

また、Acoustuneは独自のイヤーピースやケーブルも発売しており、なかなか評判が良いのです。
イヤーピースは国産ブランドintimeでも一時期採用していました。

ミリンクスドライバーの構造例 https://lifestyle.asiamiles.com/ から転載(本製品ではチタン製ドームは使われていません)

イヤモニターとは

イヤモニターとは「インイヤーモニター」の略で、主に楽器奏者やボーカリストなどアーティストが、ライブ中、録音中、楽曲制作中などに自分の演奏や、チームの演奏、トラック音、クリック音などを確認するために使用するイヤホンの事です。
引用:https://www.e-earphone.jp/

ミュージシャン、音楽制作関係者などプロが使うイヤホンのことです。
イヤモニターはライブステージでも聴こえるように遮音性が大きく、また耳にかける形式(シュア掛け)のものが多いです。
イヤーモニターは、一般的なイヤホンよりも解像度が高く情報量が多い性能が求められます。
また、原音に近く味付けの少ない音であることが基本です。
しかし性能標準なんかはないので、イヤホンとの区別って難しいですね。

Acoustune RS THREE

本製品に関するメーカー説明です。

『RS THREE(アールエス・スリー)』の企画にあたり著名なプロ作曲家達からのヒアリングを実施。『RS THREE』は単体での高いモニタリング性能を備えつつ、シビアに求められるこれらの音を聴きやすいチューニングを施しています。

Acoustuneはこれまで培ってきたMyrinx(ミリンクス)ドライバーのノウハウを生かし、同RSシリーズイヤホン「RS ONE」に搭載のMyrinx ELドライバーをブラッシュアップ。正確なモニタリング性能、音の再現性を実現する「Myrinx EL-Sドライバー」を開発しました。

「Myrinx EL-Sドライバー」の特性を活かすため、振動板背面に大きなバックキャビティを確保。振動板からグリルまでの距離を取ることで、瞬間的に250mWの信号の入力に耐えられる堅牢性を持ちます。現場での突発的な入力でも壊れにくい設計としました。

振動板のストローク幅を大きく取ることで、ラウドスピーカーを彷彿とさせるようなベースを引き出し、現代的な音楽制作に求められるハイクオリティなモニタリング性能を提供します。


引用:https://amazon.co.jp

製品仕様

Acoustune RS THREE
形式:φ10mmダイナミックドライバー
(Myrinx EL-Sドライバー)
再生周波数帯域:20 HZ - 40KHZ
インピーダンス:32 Ω、感度:108 dB/mW
接続:Pentaconn Ear 3.5mm アンバランス接続

付属品:
イヤホンケース、イヤーピース AET07 (S/M/L)、AET02(Free Size)
ケーブル長 1.8mm

本製品はインピーダンスが大きいので、スマートホンに直挿しでは十分な音量を確保できません。
この点は十分に気をつけてくださいね。

購入イヤホンの写真

簡素なパッケージ。内部のイヤホンヘッドがみえる

開封写真
 
付属品はイヤホンケース、6.3→3.5mm変換プラグ、イヤーピース各種

イヤホンヘッドはポリカーボネート樹脂製。Pentagon Ear接続。ケーブル1.8m

製品レビュー

総合評価

Acoustune RS THREE
総合     :☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆
装着感    :☆☆☆☆☆
サウンド   :☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆

<音質バランス>

[コメント]
低域から高域までバランス良く音を再生する製品です。
若干カマボコ型の傾向を感じます。
低域の音の締まりがいまひとつ、高域の音にも特徴はありません。
本来、普通の音を再生するように設計されているのですから。

解像度は高く安価なイヤホンでは聴き取れない、いろんな楽器の音が聞こえます。
音場は比較的広いですが、定位・空間表現についてはいまひとつですね。
楽器の再生位置を正確に感じ取れない音源もありました。

このイヤーモニターは装着感、耐久性を重視して設計されています。
かなりのコストを割いて、耐久性あるPentaconn Ear 接続を採用し、良質なケーブルを使っています。
また、ハウジングも壊れやすい部分について研究を行って部品を減らし、堅牢性の高いボディを採用しています。
まさにミュージシャンが現場で自由に使えるよう設計されています。
この点は大いに評価すべきであると思います😃< br>

イヤホンヘッド https://amazon.co.jp

サウンド・インプレッション

例によって、かなりの数の曲をこのイヤーモニター で聴きました。
試聴曲にリストアップした曲は、このイヤホンで聴いて素晴らしいと感じた楽曲です。

[Pops]
ハイレゾ音源 中島美嘉 “ORION with ensemble”
ヴォーカルの音が良いですね。
楽曲の中の左右のストリングス、中央のピアノが美しく聞こえます。

小田和正 ”風を待って”
ハイトーンの楽曲の再生音も良いですね。
パーカッション、ドラムス、左右の弦楽器、アコースティックギター、エレクトリックギター、そしてボーカル、バックコーラス。
解像度が高い音です。
いろんな楽器の音、ボーカルが複雑に重なって織りなすサウンドが美しい。

ビートルズ ”Golden Slumbers”〜”Carry The Weight”
ビート感が感じられる楽しいサウンド
ベース、ドラムス、ピアノ、エレクリックギター、管楽器、ストリングス。
そしてポールのボーカルとメンバーのバックコーラス。
50年前の名曲が鮮やかに蘇ります。

[Class, Jazz]
反田恭平 ”ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ストリングスの分厚く美しい音をうまく再生します。
オーケストラに埋もれず、ピアノの音が美しくエッジが立って聞こえます。
さすがイヤモニですね。

オスカー・ピターソン ”My One and Only Love”
センターに位置するピアノ、右のベース、左のドラムス。
空間の広がりを感じる音です。
ピアノの音がリアルに美しく響きます。

"PHILMONT Wallpaper" by Jamiecat * is licensed under CC BY 2.0.

試聴曲

[Pops]:
中島美嘉 ”ORION with ensemble”、宇多田ヒカル ”First Love” 、小田和正「early summer 2022」、ビートルズ Abbey Road “Golden Slumbers - Carry The Weight”

[Jazz、Classic]:
反田恭平 “ラフマニノフピアノ協奏曲2番”、辻井伸行アラベスク第1番”、オスカー・ピーターソン We Get Requests ”My One and Only Love”, “Quiet Night and Quiet Stars”

[試聴環境]
音源:Apple Music (ロスレスハイレゾロスレス)、DAC: Fiio K7

デザイン・製品の質感

高級な素材は使用していませんが、さすがAcoustune、デザインは上手いなぁ。
ケルトンのポリカーボネートハウジング金属プレートを組み合わせて高級感を出してます。
また、耐久性が高く、信頼性が高いPentaconn Ear接続を採用し、製品のグレードを上げています。

装着感

付属イヤーピースの装着感は良好です。
遮音性も比較的高いです。
ケーブルは柔らかく、イヤホンヘッドも軽量で装着感が素晴らしい。
ステージで動き回って、製品を使用することを想定して作られています。

音場・定位感

いくつかの楽曲で音場・定位感を確認しました。
音場については、ジャズのライブ音源で楽器、ボーカル位置、ステージ空間を感じます。 音場が広いと感じました。
定位については、MA910SBとセンター寄りの微妙な楽器位置が、左右逆に聴こえる音源がありました。
いまひとつかなぁと感じました。

"Audio mixer and laptop on backstage for mixing audio." by shixart1985 is licensed under CC BY 2.0.

おわりに

イヤーモニターの記事を書くのは今回で2回目です。
Acoustune RS THREEはミュージシャン、エンジニアがステージや音楽制作で使うことを第一に設計された製品です。
接続に高価なPentaconn Ear を採用し、使いやすく丈夫に作られています。

音質に関しては、最近セラミックツィータとかチタンコートDDとか、毎日聴いている耳には普通に聞こえます😅
でも、きっとイヤモニって本来そうあるべきなんですね。
しかし、原音に忠実で、高い解像度の音をもっています。
また、デザインもなかなかカッコよくて、丈夫にできている。
RS THREEはコストパフォーマンスが高く、よく作られたイヤーモニターだと考えます。

これで、何種類のイヤホンをレビューしたのかな?
一つひとつ、じっくり音を聴いて性能を確かめ、メーカーや製品技術について調べる。
世界中にいろんなメーカがあることも知りました。
音楽好きのエンジニアにとっては、なかなか楽しい作業です。

ShinSha