どうもShinShaです。
今回は百田尚樹さんの著書『クラシックを読む2』に関する記事です。
百田さんの本は、やはり面白いなぁ。
結局、続編も買ってしまいました。
この本の文章には熱があり、ついついApple Musicを聴いてしまいます。
どんどんクラシック音楽に引き込まれていきます。
この本のサブタイトルは「生きるよろこび 」。
今回は名曲ヴィヴァルディ「四季」、バッハ「無伴奏チェロ組曲」に隠されたドラマ、
そしてベートヴェンの交響曲に秘められた愛のエピソードを紹介します。
百田尚樹氏について
百田さんのプロフィールを下に載せました。
百田さんが書いた小説の累計発行部数は2,200万部。
これほどのベストセラー作家はそうそういません。
彼の書く小説は素晴らしいですね。
『永遠の0』『影法師』『海賊とよばれた男』
強靭な意志を貫いて生きる人々のドラマに、何度も胸が熱くなりました。
大阪府大阪市東淀川区出身。同志社大学法学部在学中に『ラブアタック!』(朝日放送)に出演し1978年当時大学3年生で6回目の挑戦などをする常連だった。大学は5年在籍した後、中退した。
その後、朝日放送プロデューサーに目をかけられ放送作家となり、『探偵!ナイトスクープ』のチーフライターを25年以上に渡り務めているほか、『大発見!恐怖の法則』などの番組の構成を手がけた。
2006年に『永遠の0』を発表し、小説家としてデビュー。2009年、『BOX!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。
2012年0月にオリコン“本”ランキング文庫部門で『永遠の0』が100万部を突破。 2013年、『海賊とよばれた男』で本屋大賞を受賞。「直木賞なんかよりもはるかに素晴らしい、文学賞の中で最高の賞だ」と喜び、その発言でも注目を集めた。
2019年6月12日に、小説家引退を宣言。 2019年12月、著作の累計発行部数が2000万部を突破したと発表した。 引用:Wikipedia
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『クラシックを読む2』から
この本の中から、印象に残った名曲のエピソード3つをご紹介します。
ヴィヴァルディ「四季」
有名なヴィヴァルディ「四季」にこんなエピソードがあったなんて知りませんでした。
ちょっと引用しますね。
一枚のレコードが音楽史を変えることがあります。
今から半世紀以上前の1959年、当時はほとんど知られていなかったイタリアの室内楽団イ・ムジチ楽団が録音した「四季」のレコードがまさにそれです。
今ではクラシックファン以外でも知らない人がいないくらいの人気曲ですが、当時はかなりコアな愛好家でも聴いたことのない超マイナー曲でした。もちろん作曲家であるヴィヴァルディの名前もほとんどの人が知りません。
イ・ムジチのレコードは世界中で爆発的に売れました。
そして、それがきっかけとなり世界でバロック音楽の再評価、ヴィヴァルディの研究が始まったのです。
ヴィヴァルディ (1678 - 1741) はイタリアのヴェネチアに生まれ、10歳で教会付属の学校に入り音楽を学びました。
25歳の時、教会の司祭になり「ピエタ慈善院附属音楽学院」の楽長・教師となりました。
ヴィヴァルディはピエタ附属音楽院の優秀な教師でした。
彼の指導する合唱団のレベルは向上し、ヴェネツィアを代表する楽団になりました。
やがて、音楽好きな貴族たちは、自分の娘を附属音楽院に入れて教育を受けさせるようになったそうです。
「四季」はこの音楽院の「合奏・合唱の娘たち」に向けて書いた曲の一つ。
「娘たち」といっても彼女たちの平均年齢は40歳。
多くが生涯独身で一生を音楽に捧げたといわれています。
「四季」は音楽を奏でるために、生涯を捧げた女性たちのために書かれた曲でした。
ヴィヴァルディの名声は40代でヨーロッパ中に広がり、各地を旅してオペラを成功させたり、まさに時代の寵児となりました。
しかし、その後はバロック音楽の衰退とスキャンダルが元で、ヴィヴァルディは不幸な晩年を送りました。
そして200年という年月の中で、彼の名前は消え去っていきました。
もし、イ・ムジチのレコードがなければ、彼の名がこれほど世に知られることはありませんでした。
久しぶりに「四季」を全曲聴きました。
「春」の美しいメロディは有名です。
ちょっと懐かしいですね。
やはり「冬」は大傑作ですね。
特に第一楽章はエモーショナルで寂しくてスピード感、ビートも感じます。
なんて素晴らしい音楽だろう。
しかし、これほどの曲が埋もれてしまうとはスキャンダルは怖い💦
バッハ「無伴奏チェロ組曲」
いまでは「チェロの聖書」とよばれる、この名曲はバッハの死後100年以上、チェロの練習曲など、完成した楽曲とは見なされていませんでした。
1890年のある日、スペインのバルセロナでチェロを学んでいた13歳の少年が楽譜店で古い楽譜を見つけます。
それから、少年は毎日毎日、楽譜の曲を練習して完全にマスターしました。
そして12年後、パリで公開演奏を行ったのです。
少年の名前はパブロ・カザルス。
この演奏以来、「無伴奏チェロ組曲」は大変な傑作として世に認められるようになりました。
天才チェリスト、パブロ・カザルスが「無伴奏チェロ組曲」の命を蘇らせたのです。
いまでは世界中のチェロの名手が、生涯をかけて弾く曲であるといわれています。
弾き手がいてこそ音楽は成立します。
難曲が長く残っていくのはなかなか大変なのだなぁ。
そんなことを考えました。
バッハという音楽家は知れば知るほど偉大ですね。
ヨーヨー・マーの「無伴奏チェロ組曲」アルバムにはこんな文章が書かれていました。
「作曲されてから300年以上の時が流れてもなお、私たちが困難の先に進んで行くべき道を示してくれる、この音楽が持つカとは一体何なのか」
バッハが息子の練習曲として書いた「平均律クラヴィーア曲集」は、世界のピアノの名手でさえ容易に演奏できない曲です。
坂本龍一さんもバッハを「最初に好きになった音楽」「生涯の友」と呼び、「平均律クラヴィーア曲集」でピアノの練習をしていたそうです。
この記事を書きながら無伴奏チェロ組曲を聴いています。
百田さんが書いているように、この曲には「宇宙的な響き」があると感じます。
とてもチェロひとつで演奏しているとは思えないほど豊かな音。
次から次へとメロディが形を変えて押し寄せてきます。
この名曲を何度も聴いていないのですが、僕は第5番が好きだなぁ。
陰影がある美しいメロデイが胸に深く響いてきます。
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素晴らしい音質で名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ
ベートーヴェン「交響曲第8番」
ベーヴェンの交響曲はどれも有名曲ばかり。
第3番 エロイカ(英雄)、第5番 運命、第6番田園、そして第9番合唱付き。
人気投票をすると最下位は第2番、第8番だろう、百田さんは書いています。
実際に第8番はコンサートでの演奏回数も少ないそうです。
Apple Musicを調べても、交響曲第8番のアルバムは見当たりません。
ベートーヴェン交響曲全曲集には入っていますが、全曲集の中には省略してるものもある。
「この曲があまりにも優れているから聴衆には理解できない」
第8番について、ベートーヴェンは皮肉まじりに話していたそうです。
百田さんは、ベートーヴェンはこの曲を書いた手応えを感じていた筈だと書いています。
次の交響曲第9番を書くまで12年もの年月がかかっています。
ベートーヴェンは世界で最初のフリーランスの音楽家です。
教会にも貴族にも雇われない、独立した音楽家でした。
彼は作曲した曲を裕福な貴族などに献呈して、謝礼を得るという方法で創作活動をしていました。
ところが、第8番は誰にも献呈されなかったのです。
彼が作曲した中で、唯一の献呈されない交響曲。
それは一つの謎でした。
この謎を解く鍵は「不滅の恋人」ではないかと百田さんは書いています。
ベートーヴェンの死後、1通のラブレターが机の中から発見されました。
宛先には名前がなく、「不滅の恋人へ」と書かれていました。
住所もイニシャルで記されていました。
「不滅の恋人」はアントニー・ブレンターノという女性であることが、後の研究でほぼ確実になりました。
ベートヴェンは何故、彼女の名前を書かなかったのか。
それは彼女が人妻だったからです。
百田さんの文を少し引用します。
最終楽章でベートヴェンは恋の喜びを爆発させます。疾走するかのようなリズムはまるで恋人に向かって全力で駆け出しているかのようです。
いや、ただ全速で走るだけではありません。走りながら何度も飛跳ね、踊っています。まさしく狂喜乱舞といった音楽です。
「交響曲第8番」は彼の個人的な想いを音楽に音楽にしたようです。そう考えると、彼が誰にもこの曲を献呈することがなかったのもわかる気がします。
僕も交響曲第8番を聴いてみました。
第1楽章はベートーヴェンらしい雄大で濃密な音が展開されますが、後半には軽やかなメロディが現れます。
第2楽章の最初なんて何だか可愛いぞ。
以降も明るいメロディが展開していきます。
ベートーヴェンもこんな明るい恋の曲を書くんだ。
秘めた恋の喜びの曲、良いではありませんか。
あとがき
ベートーヴェンは非常にもてる男だったと、この本に書いてありました。
彼は多くの貴族令嬢や婦人と恋をしたけれど、身分の違いや倫理的制約から生涯結婚することはなかったそうです。
駆け落ちの約束まであった「不滅の恋人」との恋は、結局うまくいきませんでした。
原因は彼女の妊娠(子の親は夫)だったそうです💦
しかしベートーヴェンは、後に彼女に曲を献呈しています。
「不滅の恋人」とはどれほど素晴らしい女性だったのでしょうか。
「四季」「無伴奏チェロ組曲」にも素晴らしいドラマがありました。
今回も楽しかったなぁ。
また、百田さんのクラシック本シリーズの記事を書きたいと思います。
ShinSha