時の化石

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イヤホン intime 翔DD The Head MMCX レビュー - これ以上何も要らない。オススメの低音重視モデル -

どうもShinShaです。
今回の記事は "intime 翔DD The Head MMCX" のレビューです。
これで initime(アンティーム) の製品のレビューは何回目でしょうか。
この新しいブランドの製品を聴くのは毎回楽しみです。

今回購入したのは同社のフラッグシップ intime 翔のクォリティを活かしつつ、ブレークダウンしたミドルエントリーモデル。
エントリーモデルと書いていますが、ドライバーユニットはフラッグシップと同じです。
しかもMMCX接続。
これは買わずにはおられません💦

レビューの結論として激しくオススメする低音重視モデルです。
本製品は低域・中低域の音が豊かでジャズやポップスを聴くのに最適。
さらにセラミックツィータVSTも搭載しているので、高域・超高域の音も素晴らしい。
クラシックの楽曲を聴いてみましたが、これも最高のサウンドでした。

この製品はスマートホンでも音量を確保できます。
しかしDAPDACにつないで聴くことをオススメします。
詳細なレビューは下記を参照くださいね。

intime 翔DD The Head MMCXについて

国産ブランド intime (アンティーム)

intime(アンティーム)は群馬県にあるオーツェイド株式会社が展開するオーディオブランドです。
独自の積層型セラミックツィーターVST(Vertical Support Tweeter)を用いたイヤホンを開発し、これが同社の製品の最大の特徴となっています。

VSTの再生する高域・超高域(10KHz-)の音はクリアで美しいです。
このイヤホンを一度聴いたら、手に入れたくなってしまいます。
intimeの音質が優れ、コストパフォーマンスが高いハイレゾイヤホンは若い人に大人気です。

セラミックツィータVST(Vertical Supoort Tweeter)はオーツェイド(株)が保有する独自の技術です。
VSTはセラミック薄板の両面に電極を付け、電流を流すと振動する性質を利用して音を出します。
0.14mmの厚さに5層のセラミックス板を組み合わせて、電極はミクロンサイズの薄さ。
すごい技術です。
セラミックツィータVSTはこんな構造になっているのですね。
ここから、あの素晴らしい高音が再生されるのです。

セラミックツィータVSTの構造 https://intime-acoustic.jp/ から転載

下に、今回の製品 intime 翔DDの構造図を掲載しました。
主に低域〜中高域の音を再生するウーハーと、高域〜超高域を再生するVSTが同軸に配置されるシンプルな構造になっています。

Intime 翔DDの構造 https://intime-acoustic.jp/ から転載

intime 翔DD The Head MMCX

下に本製品に関するメーカー説明分を載せます。
要約しますと、ミドルモデルながらドライバ技術、チューニング、筐体設計など全てがフラグシップ機と同じ。
ジャックは MMCX 仕様のイヤホンヘッドだけ販売。

MMCXタイプのケーブルを持っている人は、この製品を購入するだけで良いです。
オーディオ機器と4.4mmバランスを接続したり、ケーブルを交換して楽しむこともできるんですね。

intime 翔 DD は当社フラッグシップ「翔」のクォリティを活かしつつブレークダウンした当社のミドルエントリーモデルです。 イヤホンをホビーにしていらっしゃる多くのお客様から MMCX プラグを採用したモデルのリクエストも多く頂いておりました。音は嗜好品であり百人百様の愛する音があるのも事実です。そこで今回当社のドライバ技術、チューニング、筐体設計など全てを翔DD と同じにし、ジャックのみを MMCX 仕様にしたケーブルレスモデル「intime 翔 DD The Head -for MMCX」をイーイヤホン様と当社 EC サイト限定で販売するに至りました。

ドライバユニットは全て翔 DD と同じ内容になっています。当社オリジナルの 10mm 径の高性能ウーハとセラミックツイータ VST(第三世代)を同軸上に配置したハイブリッド構成のユニットを採用しております。高音は直線的に伝送されるためこの同軸構造は当社が最初に開発した intime 碧から継続採用している構造です。

これらのユニットを硬質ジュラルミン製の筐体に内装して、チタンのように軽量高剛性金属の持つ臨場感ある音の響きと速度感のある低音、そして VST の奏でる透明感のある中高音が高い解像度と広い音場を実現しています。

ツイータ VST にも翔 DD 同様に第三世代材料を用いた当社オリジナルのセラミック材料を用い、精密な積層技術と緻密なセラミック焼成技術とを融合した画期的な積層圧電素子を構成しています。特に積層構造においては素子の接点抵抗を抑制可能な貫通電極構造と更に内部電極全てに銀とパラジウムの合金電極を用いています。

そして、イヤホンの中に設置されているHDSS。
これはアメリカの企業の技術みたいですが、設置することで音の反響が整えられる。
initmeのイヤホンはダイナミックドライバーとVSTのハイブリッドイヤホンです。
HDSSを使っているので両者の音が干渉せず、きれいに聞こえるんですね。

HDSSの機能

製品仕様

Intime 翔DD The Head MMCX
形式:φ10mmダイナミックドライバー
+第 3 世代 VST+HDSS(R)
再生周波数帯域:10 HZ - 45KHZ
インピーダンス:22 Ω、感度:100 dB/mW
筐体素材: 硬質ジュラルミン + 樹脂
本体接続:MMCX
付属品:ポーチ、イヤーピース3組

本製品はスマートホンに直挿しでも音量を確保できます。
しかし、DAPDACやオーディオ機器に接続すると、もっと良い音で聴けますよ。

購入イヤホンの写真

今回の購入品にはケーブルは付いてません。
代わりにMMCX4.4mmタイプの中国製ケーブルをamazonから調達。
今回はTripowin、NICEHCKの2種のケーブルを購入しました。

気がつけば、2本の値段でオーツェイドwebショップでケーブルがほぼ買えた💦
まあ、いいやこれも修行か。
かなり情報を調べてケーブルを買ったのですが、Tripowin Altiaの音はぜんぜん気に入らない。
とにかく音が鳴りすぎ、そして少し音が籠るのです。

もう一本のケーブルを接続してみた。
こっちの音質はとても良いです。
NICEHCK Black Cat の音質は渋くて素晴らしい。
こっちの方が値段安いんだけどね💦
しかし、この太いケーブルを接続した様子は、少しアブノーマルな感じ💦

開封写真。付属品はイヤホンポーチ、イヤーピース各サイズ。ケーブルは付いてません

今回は2種類のケーブルを用意。一つ目はTripowin Altea

もう一つはNICEHCK BLACK CAT

ケーブルBLACKCAT 開封

翔DDを接続

僕はエンジニアなので、良導体であるケーブルの材質が少々変わっても、イヤホンの音が変わるはずがないと考えていました。
例えば、webにもこんな記事が見つかります。
専門外でも科学的にはこうなる筈だと考えていました。

検証:スピーカーケーブルで音は変わるのか? - Open Audio Lab



ところが、今回聴いてみると実際に2本のケーブルはかなり音質が異なっています。
困ったな。
ふと、オーツェイド(株)の渡邊社長さんがブログにケーブルについて書いていたことを思い出しました。
ブログには科学的説明は難しいけれど、確かに音質の変化が認められると書いてあります。
今後、数回にわたってケーブルについて記事を書いて頂けるそうです。
なぜ音質が変化するのか、渡邊社長の解説が聞きたいですね。

ケーブルのお話し(1) - オーツェイドの独り言


製品レビュー

総合評価

intime 翔DD The Head MMCX
総合     :☆☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆
装着感    :☆☆☆☆☆
サウンド   :☆☆☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆☆☆

<音質バランス>

[コメント]
僕は同社の雅Mark Ⅱ、マエストロオーディオ MA910SB をもっているのですが、この製品には驚きました。
音の傾向が大きく異なります。
雅MarkⅡと異なるのは、筐体材質、チタンコートダイナミックドライバーの採用とチューニングなんですが。
今もっている製品より、一まわり以上、音が分厚く、音量も豊か。
音質傾向はドンシャリで、とにかくこのイヤホン鳴りすぎです💦

このイヤホンは低域、中低域の音が豊かで、ジャズやポップスを聴くのに最適です。
さらに独自技術のセラミックツィータVSTも搭載しているの、高域・超高域の音も素晴らしい。
ジャズ・ポップスでは、強いリズム、ビートが体感でき、音楽を聴くのが楽しいです。

クラシックの楽曲を聞いてみましたが、これも最高のサウンドでした。
とくに弦楽器、ホルン、ピアノの響きが素晴らしい。
溺れるほど素晴らしいサウンドなのです。

イヤホンヘッド部拡大

サウンド・インプレッション

例によって、かなりの数の曲をこのイヤーホンで聴きました。
試聴曲にリストアップした曲は、このイヤホンで聴いて素晴らしいと感じた楽曲です。

[Pops]
ハイレゾ音源 中島美嘉 “ORION with ensemble”
ヴォーカルがとても艶かしいです。
呼吸音、息継ぎもリアル、マイクが直接つながってるみたい。
ストリングスの豊かなサウンドも素晴らしいです。
良い音してますね。

ビートルズ “Come Together”, ”Golden Slumbers”, ”Back In U.S.S.R.”
沈み込むベース、スネアドラムの音。
強いビート感が感じられるシンプルに良い音です。
足も腰も自然に動いてくる。
やっぱり、音楽はビートが生命だと感じます😀

[Classic]
坂本龍一 12 “20210310”
シンセサイザーの揺れ唸る音が深く響く。
高く低く左に右に、まるで天に通じているような音の広がりを感じます。
この曲の再生音は素晴らしいなぁ。

坂本龍一 12 “20211130”
ピアノの前に腰掛ける音、呼吸音。
坂本さんがすぐ近くでピアノを弾いているようだ。
すべてが音楽なんですね。
バックには透明なシンセサイザーが鳴り、神々しいピアノの音が脳の芯まで響いてくる。
ああ、なんと素晴らしいサウンド

坂本龍一 12 “20220302 - sarabande” バロック時代の3拍子の舞曲。
静謐な空間の中、複雑な和音が鳴る。
ピアノの重厚な、そして優しい音が響いてきます。
最後のアルバムがこんなに素晴らしいなんて思わなかったよ (泣)

坂本龍一 「12」 https://www.amazon.com から転載

反田恭平 ”亡き王女のためのパヴァーヌ
泣きたくなるような柔らかく静かな音が流れていきます。
心の中がピアノの優しい響きに満たされていくようです。
ここまま音の中に溶けてしまいたい。


辻井伸行ラフマニノフピアノ協奏曲第2番
壮大なストリングスの波の中に聞こえるやわらかなタッチのピアノ。
ストリングス、ホルン、きらめくピアノが一体となった音楽が美しい。

村治香織 ”Moon River”, “愛のテーマ ニューシネマ・パラダイス”
弦に爪の当たる音まで聴き分けられる解像度の高い音です。
低音弦の響きが深く美しいです。
翔DDでクラシックもなかなか良い。

[Jazz]
Art Pepper “You’d Be So Nice To Come Home To”
深く沈むベース、ドラムスのブラシ、ハイハットのリアルな音。
このイヤホンはジャズを聴くに最適なんだなぁ。
マイルスのリズムセクション(b, ds, p)をバックにペッパーのアルトがご機嫌に鳴っています。
ジャズって最高に素晴らしい。

Bill Evans “My Foolish Heart”
エバンスの甘いピアノの響き。
ラフォロの弾く深くメロディアスなパッセージ。
ああ、何と美しい音楽だ。

Art Pepper :Meets The Rhthym Section, https://www.amazon.com から転載

試聴曲

[Pops]
中島美嘉 ”ORION with ensemble”、米津玄師 “地球儀、ビートルズ : Abbey Road “Come Together” “Golden Slumbers - Carry The Weight”、Beatles ”Back in U.S.S.R.”

[Classic]
辻井伸行: カプースチン: 8つの演奏のエチュードラフマニノフピアノ協奏曲第2番”、反田恭平 “亡き王女のためのパヴァーヌ”、坂本龍一: 12 “20210310”, “20211130”, “20220302 - sarabande”、村治香織 ”Moon River”, “愛のテーマ ニューシネマ・パラダイス”

[Jazz]
Art Pepper: Meets The Rhythm Section “You’d Be So Nice To Come Home To”, “Straight Life” 、Bill Evans : Waltz For Debby “My Foolish Heart”

[試聴環境]
音源:Apple Music (ロスレスハイレゾロスレス)、DAC: Fiio K7、ケーブル: NICEHCK Black Cat 4.4mm アンバランス接続

デザイン・製品の質感

機能的で無駄のないデザインは好感がもてます。
ジュラルミンの質感も高級感があります。 透明な樹脂を使用していますが、デザイン的にもうひとつアレンジが欲しいなぁ。

装着感

付属イヤーピースの装着感は良好です。
遮音性も比較的高いです。
最近、可能な限りオリジナルでイヤピースで聴いているから、耳孔が広がった気が😅

音場・定位感

いくつかの楽曲で音場・定位感を確認しました。
音場については、ジャズのライブ音源の楽器、ボーカルの位置、音の広がりなどによりステージ空間の広さを感じます。
定位についても正確に表現してくれます。

"Le festival de jazz (Nice)" by dalbera is licensed under CC BY 2.0.

レビュー製品商品リンク、音楽サブスクリプション

今回レビュした製品の商品リンクです。


最近のサブスクはポップス、ジャズ、クラシックの名盤のハイレゾ化が進み音質が素晴らしいです。
ハイレゾ音源はApple Music、Amazon Music Unlimitedだけです!
素晴らしい音質で名曲を聴きましょう。


Try Apple Music



おわりに

ケーブルについて本文に少し書きましたが、同じ接続方式で同じ音源を聴いても明確に音質が変化します。
イヤホンって結構大変です。
ケーブルにも沼がある😅
確かに一本何万円のケーブルもあるなぁ。

イヤホンで低域の音量がないとポップスもジャズもぜんぜん楽しくない。
クラシックでも限られた曲しか楽しめないでしょう。
ピアノは一番低い音が25HZだしね。

Amazonでケーブル商品のレビューを読んでいると、f社のイヤホンを購入したユーザーがリケーブルで何とか低音を出そうとしているのが分かります。
とにかくそんな人がいっぱい💦

前にも書きましたが基本的にダイナミックドライバー直径6mmっていうのがNGです。
ASHIDAVOXの15mmDDイヤホンを聴いてみれば、一瞬で音の違いが分かります。
ユーチューバーとかVGPなんとか賞に頼らないで、自分の耳で音を聴いてみた方が良いですよ。

Intime の製品はよくできています。
高域重視のモデルでも、必要な低域の音量を確保できるように設計してあります。
そして今回レビューした翔DDのような素晴らしい低音重視モデルも開発しています。

ということで、最近は翔DDにぶっとい真っ黒なケーブルを付けて、ジャズとクラシックを聴きまくりです。
完全にこのサウンドにやられましたね。
initimeの製品は本当に素晴らしい。
今回も激しくオススメな製品なのでした。
これ以上何も要らないって、また買ってしまう(笑)

ShinSha