時の化石

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イヤーモニター SONY MDR EX800ST レビュー 〜 やっぱSONYはすごいや

どうもShinShaです。
今回の記事は、イヤーモニター SONY MDR EX800STのレビューです。
ついこの前まで、SONYの有線イヤホンを買うなんて思っていませんでした。

直径16mmの大型ダイナミックドライバー搭載。
音楽業界標準のヘッドホン MDR-CD900STのイヤーモニター版。
しかもweb のユーザー評価はものすごく高い。

今回のレビューの結論としては強くオススメできる製品です。
原音に忠実、全音域にわたる過不足ないバランスよい音質。
モニターの構造により音圧が抜け、密閉型イヤホンにはない自然な音が聴こえます。

個人的には、ボーカル曲、ジャズ、POPSの再生に適していると思います。
楽器だとピアノ、ベース、テナー・サックス、チェロなどの音が良いですね。
やっぱSONYはすごいや😃

この製品はスマートホンでも必要な音量を確保できます。
詳細なレビューは下記を参照くださいね。

イヤーモニター SONY MDR EX800ST

僕はとにかく大きいダイナミックドライバーを積んでるイヤホンを探していました。
そしてこの製品にたどりついたのです。
この製品、ソニーソニー・ミュージックスタジオの共同開発なんですね。

つまり音響メーカーのプロと音楽を作るプロが共同で作った。
音楽業界標準のヘッドホン MDR-CD900STのイヤーモニター版。
プロのためのライブステージで使うイヤーモニター。

ユーザーレビューには賞賛の言葉がいくつも書いてあります。
「イヤホンループの終着点」「これ以上の音質のイヤホンはない」「イヤホンの最高峰」。
その上、価格はハイエンドモデルと比べたらずいぶん安い。

しかし僕には少し不安もありました。
少し前に買ったAcoustune イヤーモニターの音がぜんぜん気に入らなかった。
イヤモニターって僕の好みに合うのだろうか?
SHOPで2回、試聴を行ってから購入しました。

ユーザー評価が高いSONY MDR EX800S、どんな製品なんでしょうか?
これは楽しみですね。
詳しく調べてみましょう。

https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-EX800ST/ から引用

製品コンセプト

SONYのweb情報から本製品の説明文を転載します。

"アーティストにありのままの音を”
MDR-EX800STは、ステージユースのために開発された、インナーイヤーモニターです。世界の先端技術を誇るソニーと、ライブの世界を知り尽くしたソニー・ミュージックスタジオが共同で開発。高音質はもちろん、ハードなパフォーマンスにも応える耐久性を備えています。

スタジオで聴く音を忠実に再現
アーティストに軽快なパフォーマンスを約束するインナーイヤー型ながら、大口径16mmダイナミックドライバーユニットにより、レコーディングスタジオのモニタースピーカーさながらの自然な周波数特性を実現。分解能が優れ、モニタリングに適しています。

ライブに適した装着性と耐久性
耳の形に合わせて形状が調整できるフレキシブルイヤーハンガーを採用。確かな装着性が得られます。また、最大500mWの高耐入力、アクシデント時の容易なコード変換など、ライブ環境に適した耐久性の機能性を実現しています。

スタジオモニターヘッドホンの開発ノウハウを存分に投入
レコーディングの現場で高評価を得ているモニターヘッドホンMDR-CD900STと同様に、ソニーソニー・ミュージックスタジオが共同で開発。精緻な手作業による厳密な音質調整により、音響特性の個体差を少なく仕上げています。


https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-EX800ST/ から転載

業界標準モニターヘッドホンMDR-CD900STのイヤーモニター版としてこの製品は開発されました。
チューニングは大型スピーカーで音を聞きながら行われたという、まさにミュージシャン、エンジニアのために作られた製品です。

「先端技術を誇るソニーと、ライブの世界を知り尽くしたソニー・ミュージックスタジオが共同で開発」っていうのが、もの凄く揺さぶってきますね。
「これ以上の音はないぞ。まいったか」って感じ😅

製品仕様

SONY MDR EX800ST
形式:φ16mm ダイナミック・ドライバー(ドーム型 、CCAW採用)
再生周波数帯域:3 HZ - 28KHZ
インピーダンス:62 Ω、感度:108 dB/mW
筐体素材   : 樹脂製
本体接続   :3.5mmアンバランス
コード長   :約1.6m リッツ線 Y型コード、Φ1.9mm
付属品    :ポーチ、イヤーピース3組

CCAWはアルミニウムでメッキした銅線の意味です。
ケーブルはリッツ線を使用しています。
少し前にイヤホンのケーブルについて記事を書きましたが、この製品はリケーブルNGです。

表皮効果の影響のないケーブルを使っています。
リケーブルをすると折角のチューニングをダメにします。
SONYのエンジニアはそのへんを十分に分かって選択したケーブルですね。

ただし接続がアンバランスなので、これをバランス接続で聴いてみたい気持がムクムクと💦
このイヤモニ独自コネクターなんですね。
いやイケナイ、イケナイ。

本製品はスマートホンに直挿しでも音量を確保できます。
DAPDACやオーディオ機器に接続すると、もっと良い音で聴けますよ。

購入イヤホンの写真

シンプルな薄い灰色の箱の中に包装用樹脂に無造作に製品が収められています。
まるでオモチャみたい。
製品保証もなし。
簡単に壊れない、スタジオで使う道具という扱いなのでしょう。

箱を開けると

この樹脂製ポーチは実用的に使えそうですね。
接続プラグはL字3.5mm、ケーブルは1.9 mmリッツ線です。
付属ポーチとイヤーモニター
ぱっと見デザインはカッコいい。
ヘッドの左右も一目で分かる。
機能的なデザインと思えたが…

しかし、大型ダイナミック・ドライバーは耳孔の向きに配置され、丸々耳から突き出している💦
しかも独特の大きい耳フックが付いている。
このデザインは困ったな。

どうやって装着するのかな?
まあ、付けてみるしかないか。
こうして後ろから…ケーブルスライダーまで使うのか😅

イヤホンヘッド部の写真

耳に装着したイヤホン、ケーブルは交換可能な構造となっている。https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-EX800ST/ から転載

製品レビュー

総合評価

SONY MDR EX800ST
総合     :☆☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆
装着感    :☆☆☆
サウンド   :☆☆☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆☆☆

<音質バランス>

[コメント]
基本的に音質はフラットですが、わずかに低域・中低域の音圧が高いように感じます。
これは16mmのダイナミック・ドライバーの能力によるものでしょう。
低域の音は深く解像度が高くベースラインが明瞭に聴こえる素晴らしい音質です。
この音質ですと、ジャズ、ロック、POP、クラシック、どんな音楽でも聴くことができますね。

デザイン、装着感以外には文句のつけようがありません。
奇妙なデザイン、装着は不便だが、音質はスゴイ。
定位、解像度の高さ、低音の迫力、とても魅力がある音質です。

完全密閉でなく、音が少し抜ける構造であるため音が自然に聴こえます。
これまで聴いたことがない音でちょっと感動しました。
よく考えれば、ライブで聴く音、スピーカーから聴く音は、耳を密閉して音圧を上げて聴く音とは異なるんですね。

オーディオンスの反応を知る、共演者とのコミュニケーション。
ライブステージでの使用を想定して、外部の音が聞くためにヘッドに孔が開けてあります。
このため、再生音圧が外に逃げて音質にも影響を与えています。

そういえば、セミオープンのイヤホンってありますね。
それもこんな音なのかな。
僕は室内でしか本気のイヤホンを聴かないのですが、音漏れは大きいでしょうね。

この奇妙なデザインでも2010年発売以来、モデルチェンジしないで売れている。
何よりもこの音質と機能性が評価されている証拠ですね。
確かにこの音には何者にも変え難い素晴らしさがある。

サウンド・インプレッション

例によって、かなりの数の曲をこのイヤーモニターで聴きました。
試聴曲にリストアップした曲は、この製品で聴いて素晴らしいと感じた楽曲です。

[Pops]
中島美嘉 “ORION with ensemble” ハイレゾ音源
ヴォーカルがとても自然で甘い音に聴こえてくる。
呼吸音、息継ぎもリアルで優しい音なのです。
これまで聴いてきたイヤホンとは傾向が異なるなぁ。

原因をしばらく考えてみた結果、音の抜けに関係しているのだと分かりました。
なるほど、密閉度が低いから自然に聴こえるわけだ。
初めて体験する音の響きに新鮮な感動を覚えました。

ビートルズ : 赤盤2023 “Day Tripper” , 青盤2023 ”Now And Then”
新しい赤盤2023リミックスなかなか良い。
ビート感が感じられるシンプルによい音です。
楽しくて足も腰も自然に動いてくる。

解像度も定位感もすばらしいな。
いろんな楽器の音が聞こえてくる。
彼らが色んな音を重ねて録音していたのがよく分かります。

井上陽水: 招待状のないショー ”青空、ひとりきり” ”枕詞”
音が良いのでいろいろと聴きたくなってくる。
井上陽水の1975年発売の愛聴盤。
陽水のボーカルがいいなぁ。

ビートルズ赤盤 『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』 2023エディション、、https://www.amazon.co.jp より転載

[Classic]
反田恭平 ”亡き王女のためのパバーヌ”
柔らかく自然に抜けていくピアノの音が聴こえる。
高域の音は瑞々しいなぁ。
ピアノの優しい響きに心が溶けていくようです。

反田恭平 ”ベートーヴェンピアノソナタ第8番「悲愴」”
第1楽章の変化の激しいダイナミックな演奏を聴きました。
印象に残るのは、粒立ちのよい解像度の高いピアノの音です。
反田君の高速のキレのよい演奏を楽しむことができます。
ダイナミックな演奏にも破綻がなく、音の響きを正確に伝えてくれます。

ヨーヨ・マ : Six Evolutions “Bach:Cello Suites”
大きく広がりのあるチェロの音です。
沈みこむように低く、あるいは高く響きわたる音。
外耳から脳の中までを満たすチェロの響き。
この曲を聴くためにだけでも、このイヤホンを購入する価値があると思いました。

村治香織 ”Moon River” “愛のテーマ ニューシネマ・パラダイス”
弦に爪の当たる音まで聴き分けられる解像度の高い音。
まるで小さなホールで聴いているようなギターの響き。
中音弦の柔らかな美しい音の響きが心に残りました。

YO YO MA “SIX EVOLUTIONS”、https://www.amazon.co.jp より転載

[Jazz]
ハンク・モブレー : The Turnaround “The Good Life”
モブレーの吹くテナーの音色がとにかく素晴らしい。
瑞々しいピアノの音、ハバードのトランペットの響きはエモーショナルだなぁ。
最高のジャズのサウンドが聴けますね。

Bill Evans : Portrait In Jazz “Autumn Leaves”
ラフォロの弾く、深いメロディアスなパッセージがはっきり聴こえます。
そして、エヴァンスのピアノが奏でる瑞々しい高音のメロディ。
二人のインタープレイは何と美しいだろうか。

Charlie Haden & Pat Metheny : Beyond The Missouri Sky “Moon Song”
音が素晴らしいので、大好きなこの曲を久しぶりに聴いてみた。
Charlieのウッド・ベースが低く深く歌う。
響きあうメセニーのギターの音のなんと美しいことか。
何度も聴いた大好きな曲なのに、新鮮な感動がありました。

Charlie Hade & Pat Metheny “beyond the Missouri Sky”、https://www.amazon.co.jp より転載

試聴曲

[Pops]:
中島美嘉 ”ORION with ensemble” ”雪の華”、宇多田ヒカル”First Love” “Automatic”、玉置浩二: 群像の星 “やっぱ好きやねん”、井上陽水: 招待状のないショー ”青空、ひとりきり” ”枕詞”、ビートルズ : 赤盤 2023 “Day Tripper” , 青盤 2023 ”Now And Then”

[Classic]:
反田恭平 “亡き王女のためのパバーヌ”, ”ベートーヴェンピアノソナタ第8番「悲愴」” 、ヨーヨ・マ : Six Evolutions “Bach:Cello Suites”、村治香織 ”Moon River”, “愛のテーマ ニューシネマ・パラダイス”

[Jazz]:
ハンク・モブレー: The Turnaround “The Good Life” 、Bill Evans : Portrait of Jazz “Autumn Leaves”、Charlie Haden & Pat Metheny : Beyond The Missouri Sky “Moon Song”、Wynton Kelly “Autumn Leaves”、Nina Simon : Broadway Blues- Ballad “Don’t Let Be Misunderstood ”

[試聴環境]
音源:Apple Music (ロスレスハイレゾロスレス)、DAC: Fiio K7

デザイン・製品の質感

最初見た時は何これ?と思った。
きっとデザイナーは直径16mmのDDをどう配置すべきか悩んだはずだ。
そして、DDは耳から突き出す配置となった💦

大きいドライバーを積むのは大変だと思うが、一個しかないのだからね。
15mmDDを積んでいるASHIDAVOXの方がデザイン的には無理がない。
参考までに写真を載せます。

SONYさん、このデザインは何とかならないでしょうか。
それとも、どうしてもこの向きにDDを配置して、反響音を聴かせる技術的な必要性があったのだろうか?

15mmDD搭載のASHIDAVOX EA-HF1の写真、https://www.amazon.co.jp/ から転載

装着感

筐体は樹脂製で軽量なため、大きくてゆるいフックを耳にひっかて、頭部の後ろからスライダーでケーブルを締めれば、この突き出したイヤホンも安定して装着できます。
軽量なので長時間の使用にも耐えそうです。
しかし、この方法以外に装着する方法がないのですね。

ちょっと音を聴きたいと思っても、毎回この手順を繰り返さねばならない。
なかなか面倒なのですね。
え、慣れてしまえば大丈夫って?
確かにこうやって止めれば、聴きながら踊っても、頭振っても外れないけどさ(^^;;

音場・定位感

いくつかの楽曲で音場・定位感を確認しました。
音場については、ジャズライブ音源で楽器、ボーカル位置、音の反響などステージ空間の広がりを感じます。
音場、 定位については、とても正確に表現してくれますね。

"29th Annual Cape May Music Festival brings classical, brass band, folk Americana, jazz and a cappella music to the seaside May 27-June 15" by Cape May MAC is licensed under CC BY 2.0.

レビュー製品商品リンク

今回レビュした製品の商品リンクです。


Six Evolutions

Six Evolutions

Amazon

おわりに

この数日間、このイヤーモニターでいろんな音楽を聴き込んでいます。
じつにフラットで自然な素晴らしい音です。
SONYの高い音響技術、16mm大型ダイナミックドライバーの能力を実感しました。

このイヤーモニターはライブパフォマーンスで最も性能を発揮するでしょう。
そしてリスニング向けとしても最良の製品の一つです。
奇妙なデザイン、不便な装着法以外はパーフェクトです。

しかし発売以来、13年間モデルチェンジなくこの製品は売れているからなぁ。
SONYとしてはこのままで良いのだろう。
左右のヘッド、ケーブルの形を整えて後ろから装着する…少し慣れてきたかなぁ。

誰かが「SONYが本気出したらすごい」と書いていました。
確かにそのとおりですね。
しかし、この人も「本気出してない製品」もいっぱい見てるんだな💦

これでお気に入りのイヤホンが3本揃った。
intime 雅MarkⅡ、intime 翔DD、そしてSONY MDR EX800ST
今回は最も大きいダイナミック・ドライバーを積んだ良い音質の製品だった。

僕はBAの不自然な音が嫌いです。
だからハイブリッドイヤホンの選択肢も限られてきます。
これ以上の何かがあるのだろうか?
それを確かめるためにゆっくり旅を続けます。

ShinSha