どうもShinShaです。
先日、なんとヘッドホンを購入したのです。
購入したのはSONYの名機、モニターヘッドホンMDR CD900ST。
このヘッドホンは発売以来30年以上、音楽制作の現場で使われ続けています。
そして今でもヘッドホン売上の上位に入るほど売れている。
なぜ、MDR CD900STが特別なヘッドホンになったのか興味がありました。
今回の記事では、このヘッドホンの魅力を徹底検証しました。
やっぱり MDR CD900ST は怪物だ (^ ^)
音質、コストパフォーマンスなどが最高なんですね。
詳細は記事を参照ください。
モニターヘッドホン SONY MDR CD900ST
イヤホンを買いに行ったのに…ヘッドホン💦
その日、ゼンハイザーの有線イヤホンを買おうと店に出かけました。
ダイナミック・ドライバーの世界的なメーカーはゼンハイザーだからな。
ゼンハイザーの音をじっくり聴いてみようと考えていた。
しかし、お目当ての機種など、いくつか試聴したけど音質に納得できなかった。
もっている initime、SONYのイヤホンの音質を超えるものがない。
少し興味を感じたのは フラッグシップのie900だけでした。
ie900はセールでも166K円💦…完全に予算オーバーだ。
今日は買うのは止めよう。
そう思った瞬間、悪魔が囁いた。
「一つくらいヘッドホンがあった方がいいんじゃない」💦
先日、モニターイヤホン を購入してSONYの音作りに共感していました。
ヘッドホンとイヤホンの音を聴き比べたいという気持もありました。
早速、ヘッドホン売り場に移動して、SONY MDR-CD900STを手に取った。
話は戻りますが、日本のイヤホンユーザーはShureもSennheizerも必要ない。
優れた音質を求めるなら intimeとSONYがあります。
これまで1年半旅を続けた僕の結論です。
ちなみに今回購入したヘッドホンはゼンハイザーie900の10分の1の値段です。
イヤホンを買いに行ったのに、ヘッドホンを買って帰ってきた訳です。
試聴して音が気に入ったから、帰り道は心が弾んでいました。
このヘッドホンの魅力を徹底的に調べてみよう。
製品の特徴
SONYのweb情報から本製品の説明文を転載します。
特長 "アーティストはこの音で聞く”
世界の最先端技術を誇るソニーと、音創りを熟知するソニー・ミュージックスタジオが共同開発した完全プロフェッショナル仕様のモニターヘッドホン、それがMDR-CD900STです。原音をそのまま再現する音質、研ぎ澄まされた輪郭と音像。1989年の発売以来、数多くのレコーディングスタジオで愛用されている事実が、高い評価と信頼を証明しています。
歴史
もともとは、CBSソニー信濃町スタジオ(現:ソニー・ミュージックスタジオ)で使用することを目的として開発されたMDR-CD900STが、スタジオユースの業務用として販売するに至り、数多くのレコーディングスタジオで愛用されています。またスタジオ関係者のみならずアーティストからも絶大な信頼を得て、TV・ラジオ・雑誌などでも数多く取り上げられ、その結果、一般の方からの購入希望が殺到し、その要望に応えるべく1995年より消費者向けに販売も開始、現在に至ります。
モニタリングに適した分解能
独自開発のドライバーユニット採用により、モニタリングに必要な分解能(検知限界)も大幅に向上。音の輪郭から定位、エコーの広がり感などの微妙な違いをつぶさに再現し、"本物の音"を耳に伝えます。
原音イメージそのままのどこまでもピュアな音質
レコーディングスタジオやポストプロダクション、放送局など、プロの世界で求められるクオリティと耐久性を徹底的に追求し、独自に開発したドライバーユニットを採用。これによって歪みの少ない原音イメージそのままのクリアな音質の獲得に成功しています。
あらゆるスタジオユースに対応
耐入力(最大入力:1,000mW)やフレーム・カバーの強化により、音のクオリティを重視するとともに、レコーディングスタジオや放送局などでの使用に耐えうる耐久性・安定性を実現しています。さまざまな条件をプロの立場から追求することにより、スタジオエンジニアやミュージシャンからの高い評価と信頼を得ています。
https://www.sony.jp/headphone/ から転載
このヘッドホンが発売されたのが1989年。
なんと今から34年前ですね。
それなのに、現在も国内のあらゆるスタジオ、放送局で使用されている業界標準ともいえる製品なのです。
YouTube、FirstTakeでアーティストが付けているのもこのヘッドホンです。
ボーカリストだけでなく、参加ミュージシャン全員がMDR CD900STを着けている。
映像を見ながら音楽を聴いていると、自分も同じ空間にいるような錯覚を覚えます。
なんだかこのヘッドホンが特別な感じがしてきます。
ikura ちゃんめっちゃ歌上手いなぁ。
製品仕様
SONY MDR CD900ST
形式:密閉ダイナミック型、ドライバーユニット:40mm
ドーム型(CCAW採用)(ドーム型 、CCAW採用)
再生周波数帯域:5 HZ - 30 KHZ
インピーダンス:63Ω、感度:106 dB/mW
筐体素材 : 樹脂製
本体接続 :6.3mmアンバランス
コード :約2.5m 、Φ4.0 mm
購入製品の写真
無地のボール紙の箱に中に、ビニール袋に包まれてヘッドホンは入っていました。
製品保証はなく、2週間以内の初期不良の場合のみメーカー対応。
前回のイヤーモニターと同様、スタジオで使う道具という扱いなんでしょうね。
長期間使用ができる製品
今回、製品を購入して驚いたのは、このヘッドホンに使われているパーツすべてが販売されていることです。
ユーザーは劣化したパーツを交換しながら長期間使用できる。
Webでレビューを読んでいると、20年以上使い続けている人もいました。
気に入ったものを長く使うといのはとても良いこと。
今の時代の流れに合っていますね。
僕なんか死ぬまで使えそうです😊
製品レビュー
総合評価
SONY MDR CD900ST
総合 :☆☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆☆
装着感 :☆☆☆☆☆
サウンド :☆☆☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆☆☆
<音質バランス>
[コメント]
音質は全域に渡ってフラットです。
飾りのない自然な音質で、長時間聴いても疲れることがありません。
まさに原音忠実に作られています。
低域の音圧が足りないという意見もありますが、僕には十分に感じられます。
本製品は時代遅れ、ハイレゾ化に対応できないという人もいます。
これも誤解です。
ハイレゾ音源はビットレート、つまりデジタル信号の密度の方が重要で、このヘッドホンはハイレゾ音源の再生に見事に対応してくれます。
再生周波数帯域はたしかに40kHZには及ばないものの、30kHZまで再生可能です。
ちなみに、SHUREフラッグシップ、最新モデルSE846の再生周波数は20kHZまでです。
今回の評価は全項目満点としました。
音質、デザイン、装着感、定位・空間表現など、本当によくできた製品です。
僕は少しひねくれているので、定番とかを斜めにみる傾向があります。
しかしこのヘッドホンには手放しで賛辞を送りたい。
購入して絶対に後悔しないヘッドホンです。
SONYの本気はすごい!
サウンド・インプレッション
例によって、かなりの数の曲をこのモニターヘッドホンで聴きました。
試聴曲にリストアップした曲は、このヘッドホン聴いて素晴らしいと感じた楽曲です。
[Pops]
中島美嘉 ”ORION with ensemble” ハイレゾ
ボーカルが自然で、とても甘く聴こえるなぁ。
ストリングスの響きもすばらしい。
良い音です。
曲のもつ可憐さ、エモーションを感じます。
井上陽水: 氷の世界 ”帰れない二人” “桜三月散歩道” ”白い一日”
井上陽水の1973年発売のミリオンセラー。
アコースティックギターの音、ボーカルのリアティが素晴らしい。
ドラム、ベースの低音からグルーブ感が伝わってきます。
いろんな楽器の音が聞こえてくる。
音の解像度も定位感もすばらしいな。
陽水は50年も前に、こんなにクオリティの高い音楽を作っていたんだなと感じました。
[Classic]
グレン・グールド: Bach Golden Variations, BMV 988
グールドの弾く、繊細かつダイナミックのピアノの響き。
このヘッドホンでクラシックピアノを聴くのもなかなか良いですね。
困ったのはグールドのハミングが聞こえすぎること💦
坂本龍一 : async “andata”
ピアノの美しい響き、そして荘厳なシンセサイザーの響きが聴こえます。
シンセサイザーの音は左右に揺れ、高く低く響き渡る。
ヘッドホンから耳と脳の中すべてが“andata”の響きに満たされていく。
素晴らしい体験だった。
[Jazz]
アート・ペッパー: Meets the Rhythm Section “You’d Be Son Nice to Come Home To” “Straight Life”
大好きなアート・ペッパーを聴きました。
ペッパーの張りのある、縦横無尽のアルトサックスのサウンド。
チェンバースのベース、ガーランドのピアノの音が良いなぁ。
このヘッドホンはジャズを聴くのに向いてるなぁ。
僕は時々、都内のジャズクラブに行くのです。
ライブで聴く音の広がり楽器の響きは、このヘッドホンが再生する音そのものです。
アル・ディメオラ: Elegant Gypsy ”Mediterranean Sundance”
1973年録音のアル・ディメオラの超絶ギター演奏。
スチール弦の音がとても良いです。
ラテンのリズムに自然に身体が踊ってくる。
ビル・エバンス: Waltz for Debby “My Foolish Heart” “Waltz for Debby”
ビル・エヴァンスの名盤の数曲は、最近、僕がイヤホンの音質を判定する基準です。
曲を数十秒聴けばイヤホンの実力が分かってしまう。
このヘッドフォンが再生するエヴァンスの甘いピアノの響き、ラファロのベースの低く深い音が良いですね。
このヘッドホンは低音が足りない、なんて誰が書いたのだろう。
分かっていないなぁ。
この音はジャズライブそのものの音なのだ。
試聴曲
[Pops]:
中島美嘉 ”ORION with ensemble” ”、宇多田ヒカル”First Love” “Automatic”、井上陽水: 氷の世界 ”帰れない二人” “桜三月散歩道” ”白い一日”
[Classic]:
グレン・グールド: Bach Golden Variations, BMV 988 “Aria”、坂本龍一 : async “andata” “Walker”、村治香織 ”人生のメリーゴーランド”, “愛のテーマ ニューシネマ・パラダイス”
[Jazz]:
アル・ディメオラ: Elegant Gypsy ”Mediterranean Sundance”、アート・ペッパー: Meets the Rhythm Section “You’d Be Son Nice to Come Home To” “Straight Life”、ビル・エバンス: Waltz for Debby “My Foolish Heart” “Waltz for Debby”
[試聴環境]:
音源:Apple Music (ロスレス、ハイレゾロスレス)、DAC: Fiio K7
デザイン・製品の質感
高級な素材は使用していませんが、シンプルで好感がもてるデザインです。
30年前にデザインされた製品とはとても思えません。
ヘッドバンドの質感も良く、モニターの赤いラインがカッコイイです。
いろんな人のレビューを読むと、頑丈にできていて滅多に故障しないとのこと。
華美な質感、飾りはないけれど、この製品は工業デザインが本来どうあるべきかという、一つの答えを示しているように感じます。
装着感
このヘッドホンは重量200gで見た目よりとても軽い。
ホールド感も絶妙に調節されており、1時間ずっと着けたままでも、耳が痛くなったりしません。
頭をかなり振っても、踊ってもずれないし外れない。
スタジオで長時間の使用することを考えて作られています。
もう一つ良いのは、メガネをしていても問題なく装着できることです。
音場・定位感
いくつかの楽曲で音場・定位感を確認しました。
音場については、ジャズライブ音源で楽器、ボーカル位置、音の反響などステージ空間の広がりを感じます。
当然ながら音場、 定位についてもとても素晴らしいですね。
商品リンク
おわりに
SONY MDR CD900STは本当によくできた製品だと思います。
発売以来30年以上経っても、音楽業界の第一線で当たり前のように使用されている。
バランスがよく優れた音質、シンプルで軽量でタフな造り、古びないデザイン。
いまでも売れ続ける怪物ヘッドホンです。
この数日間、夢中でいろんな音楽を聴きました。
飾りのない自然な音が良いのです。
長時間聴いても疲れることがないのですね。
原音忠実 ということはこういうことなんだな。
このヘッドホンは音楽のプロのために開発されたものですが、 リスニング向けとしても最良の製品の一つだと思います。
製品の定価は18K千円ですが、パーツを変えながら10年、20年使うことができる。
だからコストパフォーマンスが極めて高いです。
もし価格が倍だったら、ここまでの名機にはならなかったかもしれません。
そして、このヘッドホンは所有することに特別な喜びを感じるのです。
憧れのアーティストもこのヘッドホンを使っている。
First Takeはこの製品のCMみたいですね。
今年は理想の音を求めて、お気に入りのイヤホン、ヘッドホンをいくつか手に入れました。
来年はどんな旅になるのかな。
もうこのまま、立ち止まっても良いかもしれない。
ShinSha