時の化石

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【ジャズ スタンダード ノート】キャラバン CARAVAN

どうも、ShinShaです。今回はジャズスタンダードについての記事です。シリーズ5回目のテーマは「キャラバン」。 1936年にデューク・エリントンとファン・ティゾールが書いた、ラテン・フレイバーのエキゾチックなメロディのスタンダードです。

昔からこの曲が好きで、時々聴いています。歌詞は砂漠を旅するキャラバンの中で夢のような愛が生まれるという内容で、まるで昔のハリウッド映画のストーリーのようです。

古くからミュージシャンに愛されてきた曲なので、名演がたくさんあります。今回も、インスト曲やボーカル曲を新旧織り交ぜてご紹介します。デューク・エリントンから上原ひろみまで、楽しい選曲となりました。

キャラバン ”CARAVAN”

楽曲について

エリントン楽団のバルブ・トロンボーン奏者ファン・ティゾールとエリントンが1936年に共作。アービング・ミルズが1937年に曲に詞をつけました。カリブ海出身のティゾールが作曲したラテンのフレーバーがいっぱいのエキゾチックな名曲です。

この曲は映画では使われてませんでしたが、1981年、ブロードウェイ・ミュージカル「ソフィスティケイテッド・レディ」の音楽に採用されました。日本では1965年にベンチャーズがこの楽曲をヒットさせましたが、米国ではチャートインしませんでした。

1024px-Duke_Ellington_Aventure_du_Jazz.jpg "Duke Ellington Aventure du Jazz" by Louis Panassié is licensed under CC BY-SA 3.0.

歌詞

Caravan

Night and stars that shine above so bright
The myst’ry of their fading light
That shines upon our Caravan

夜 頭上で明るく輝く星たち
徐々に消えていく明かりは神秘的
僕たちのキャラバンの頭上で輝く

Sleep upon my shoulder as we creep
Across the sands so I may keep
This mem’ry of our Caravan

砂漠を横切ってゆっくりと進む
僕の肩にもたれて眠りなさい
キャラバンの思い出が忘れなくなる

This is so exciting
You are so inviting
Resting in my arms
As I thrill to the magic charms of you

とてもエキサイティングだ
あなたは僕の腕の中で休み
僕をいざなっている
あなたの魔法のような魅力に魅せられている

Beside me here beneath the blue
My dream of love is coming true
Within our desert Caravan

青空の下 僕の隣にはあなたがいる
夢のような愛が 現実になろうとしている
この砂漠のキャラバンの中で

"Caravan in the desert" by Black Sickle is licensed under CC BY-SA 2.0.

「キャラバン」の名演奏

ジャズ・スタンダードを聴く楽しみは、いろんなアーティストの演奏を聴き比べ。「キャラバン」にはどんな名演があるのでしょうか? 今回も新旧織り交ぜて素晴らしい演奏をご紹介いたします。

ご機嫌な「キャラバン」を聴くことができるジャズの名盤、https://www.amazon.com の画像を加工

インストゥルメンタル
1937年にリリースされた古い名曲ですので、名演がたくさん存在します。選ぶのがなかなか難しいほどです。最初にこの曲を録音したのはバーニー・ビカードのバンドで、録音にはファン・ディゾールも参加していますが、聴いてみると少し古い印象があります。その後、デューク・エリントン楽団もこの曲を録音していますが、これもまた古さを感じます。

今回はインスト名演として、デューク・エリントンのピアノトリオ、アート・ブレイキー楽団、そして上原ひろみの演奏を選曲しました。アート・ブレイキー楽団の迫力ある3管演奏は、まさにジャズを代表するような演奏です。そして上原ひろみはやっぱりすごい。チック・コリアがその才能を認め、アート・シェアリングしただけはあります。

⚫️デューク・エリントン
最初に選んだのは、エリントンの1967年のピアノトリオの演奏です。楽団の録音も存在しますが、録音のクオリティが低く、いま聴くとアレンジもやや時代遅れの印象を受けます。

選んだ演奏は素晴らしいメンバーによるピアノ・トリオで構成されています。デューク・エリントン(p)、チャールス・ミンガス(b)、マックス・ローチ(ds)の組み合わせは、まさに最高のリズムセクション。エリントンの自由奔放でスウィングするピアノと、ミンガスのベースは挑発的にリズムを引き立てています。

Duke Ellington “Money Jungle” 1967
Piano: Duke Ellington, Bass : Charles Mingus, Drums: Max Roach

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⚫️ アート・ブレイキー
モダンジャズの代表的な演奏と言えば、このアート・ブレイキー楽団のものが挙げられます。ブレイキーのドラムソロをフィーチャした、フレディ・ハバードカーティス・フラーウェイン・ショーターの3人の管楽器の演奏。非常に力強く、特にフレディのペットが印象的です。

Art Blakey and the Jazz Messengers “CARAVAN” 1962
Trombone: Curtis Fuller, Trumpet: Freddie Hubbard , Tenor Sax: Wayne Shorter, Piano: Cedar Walton, Bass: Reggie Workman , Drums: Art Blakey

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⚫️ 上原ひろみ
現代的で素晴らしい演奏です。シンセサイザーやEギターを用いた高速な演奏からスタートし、その後アコースティックピアノに移行していきます。チック・コリア Return To Foreverの演奏を彷彿とさせるアレンジが魅力的です。ひろみのスウィングするピアノは最高です。

Hiromi Uehara “Beyond Standard” 2008
Piano, Keyboards: Hiromi Uehara, Bass :Tony Grey, Drums, Guitar [Fretted, Fretless] : David Fiuczynsk

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"Diseño de portada / Artwork design: Art Blakey and the Jazz Messengers at the Free Trade Hall, 1961" by comunicom.es is licensed under CC BY-SA 2.0.

[ボーカル曲]
「キャラバン」はボーカル曲も多いですね。今回はエラ、ナット・キング・コール吉田美奈子が歌う曲を選びました。他にもダイナ・ワシントン、トニー・ベネットカサンドラ・ウィルソンなどの曲が素晴らしいです。

⚫️ エラ・フィッツジェラルド
1957年に録音されたエリントンバンドをバックに歌うエラの「キャラバン」。エラはテクニックを押さえて丁寧にメロディを歌っており、素晴らしいボーカルです。エリントンバンドの演奏もスウィングして楽しい。まさにザ・スタンダードです。

Ella Fitzgerald Sings The Duke Ellington Song Book” 1957
Piano: Duke Ellington, Alto Saxophone: Johnny Hodges, Trumpet: Harry "Sweets" Edison, Guitar, Flute: Les Spann, Bass: Al Hall, Drums: Jo Jones

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⚫️ ナット・キング・コール
コンガを使ったエキサイティングな演奏、ソフトで洗練されたコールのボーカルが素晴らしいです。この録音には作曲者ティゾールも参加してトロンボーンを演奏しています。

Nat King Cole “After Midnight” 1957
Vocals, Piano: Nat King Cole, Trombone: Juan Tizol, Guitar: John Collins, Bass : Charlie Harris, Drums: Lee Young, Conga, Bongos: Jack Costanzo

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⚫️ Ponta Box Meets Yoshida Minako
このアルバムでは、吉田美奈子がジャズを歌っています。この「キャラバン」はなかなか素晴らしいです。ドラムをフィーチャーしたリズミカルで現代的なアレンジがカッコいいです。吉田美奈子の声って、やっぱり良いなぁ。美奈子は渡辺香津美のアルバム『Romanesque』でもこの曲を歌っています。

PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO 2012
Drums: Shuichi "Ponta" Murakami , Electric Bass, Acoustic Bass: Vagabond Suzuki, Keyboards, Piano: Masahiro Sayama, Vocals: Minako Yoshida

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サブスクミュージックでジャズを聴こう

サブスクミュージックでジャズを聴きましょう。今回のスタンダードの名演、名曲はすべてサブスクで聴くことができます。しかも音質も素晴らしい。
Apple Musicではジャズ名盤のハイレゾ化が進んできています。素晴らしい音質で名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ

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ロマネスク

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おわりに

ジャズスタンダードを聴くと、1930年代から最近までの幅広い楽曲があり、時代とともにリズムやアレンジの変化を楽しむことができます。90年という時の隔たりの中で、歌い継がれている楽曲は素晴らしいです。現在はあまり流行っていないけれど、ジャズという音楽形式は依然として素晴らしいと感じます。

ちょっとジャズ寄りのスタンダードを選曲しようと思って、「キャラバン」を選んだのですが、日本ではベンチャーズのヒット曲(1965年)だったのですね💦 これにはびっくりしました。今回は6曲のYouTubeリンクを貼りました。実は、渡辺香津美の『Romanesque』の中にある「キャラバン」がとても好きなのですが、YouTubeには見当たりませんでした。ちょっと残念です。それでも、やっぱり上原ひろみは最高だね!

最近あまりに誤字脱字が多いので、今回からChatGPTを文書校正に活用しています。文体が変わってしまうので再度修正が必要ですが、それでもかなり楽になりました。集中力が低下しているなぁ。もう少し気を引き締めなければ。
ShinSha