どうもShinShaです。不定期にお届けするジャズ・スタンダードをご紹介する記事です。今回のテーマは、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。
「月に飛んで行かせて」恋する女性の気持ちを歌った可愛い歌詞です。今回は女性ボーカルを2曲、大好きなアストラッド・ジルベルトの曲も選びました。そして、このスタンダードにはフランク・シナトラの大名曲もあります。
この曲はボーカルがメインだと思いましたが、調べてみたら良いインスト曲がありました。ウェス・モンゴメリーと渡辺香津実、ギターがメインの曲を2つ選びました。これがぜんぜん違うんだな。ぜひ、聴いてみてください。
- 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 “Fly Me to the Moon “
- 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の名演奏
- サブスクミュージックでジャズを聴こう
- 記事で採り上げたアルバムのamazonリンク
- おわりに
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 “Fly Me to the Moon “
楽曲について
いまではスタンダードの中でも名曲ですが、ヒットするまで紆余曲折がありました。タイトルも当初は"In Other Words”となっていました。大ヒットするまで10年かかっていますが、それも曲に魅力があるからでしょう。
1954年に、作詞家・作曲家のバート・ハワードによって制作されたもので、初演はニューヨークのキャバレー "Blue Angel" において披露。
1960年に、ペギー・リーがアルバム収録曲の一つとしてレコーディング(タイトルは "In Other Words")、同時期にTV番組『エド・サリヴァン・ショー』に出演し本作を歌唱。これが切っ掛けで本作は広く知られるようになった。
現在多く耳にする”Fly Me to the Moon” が完成するのは、1962年のことである。作曲家・編曲家のジョー・ハーネルが4⁄4拍子のボサノヴァ風に書き直したものが、現在よく知られているアレンジの一つである。その後、1964年にフランク・シナトラがカバーして爆発的なヒットとなった。
引用:wikipedia
曲の歌詞
「月に飛んでいかせて」「言いかえれば 手を取って口づけして」...可愛い歌詞ですね。若い頃はきっとそれだけで、月まで飛んでいく気分になれた。この曲はやはり女性ボーカルで聴きたい。歌詞を訳しながらそう思いました。
“Fly me to the moon”
Fly me to the moon,
And let me play among the stars.
Let me see what spring is like,
On Jupiter and Mars.
In other words, hold my hand,
In other words, darling kiss me.
月に飛んでいかせて
星のはざまで遊びたい
木星や火星の春はどんなに素敵か
私に見せてください
言いかえれば 私の手を握って
ダーリン 口づけしてほしい
Fill my heart with song,
And let me sing forever more,
You are all I long for,
All I worship and adore,
In other words, please be true,
In other words, I love you
私のハートを歌で満たして
永遠に歌わせてほしいの
あなたは私の希望のすべて
私が尊敬し、憧れる人
言いかえれば どうか誠実でいて
私を愛してほしいの
訳:ShinSha
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の名演奏
ジャズ・スタンダードを聴く楽しみは、いろんなアーティストの演奏の聴き比べ。この曲にはどんな名演があるのでしょうか?今回も新旧織り交ぜて素晴らしい演奏を紹介します。
[インストゥルメンタル]
今回は下の3曲を採り上げました。それぞれ深い味のある演奏です。ジャズの楽しさに溢れています。
⚫️ ウェス・モンゴメリー
クラッシック室内楽風のイントロ。アレンジがとても凝っていますね。フルートやハプシコードまで使った演奏です。ウェスのリズミックなギターを聴いていると心が軽くなってくる。
Wes Montgomery “Road Song” 1968
Bass – Richard Davis, Drums – Grady Tate, Flute – Don Hammond, Harvey Estrin , Guitar – Wes Montgomery, Piano, Harpsichord – Hank Jones
⚫️ 渡辺香津美
香津美のアコースティックギターが素晴らしい。美しくロマンチックなアレンジが心に沁みるなぁ。独り静かにずっと聴いていたい演奏です。
Kazumi Watanabe “Guitar Renaissance V” 2012
Guitar: Kazumi Watanabe
⚫️ ハンク・ジョーンズ、グレイト・ジャズ・トリオ
バーで聴きたい華やかなピアノトリオの演奏。リリカルなピアノとよく歌うベース。さすがの職人芸です。バーボンを手にそして隣に美女がいれば。
Hank Jones Great Jazz Trio ”My Funny Valentine” 2018
Bass –Mads Vinding, Drums – Billy Hart, Piano – Hank Jones
[ボーカル曲]
今回は女性ボーカルを2曲。ナンシー・ウィルソンとアストラッド・ジルベルト。どちらも歌詞のイメージにぴったりの甘い歌です。そして、大御所フランク・シナトラは絶対に外せません。これはジャズボーカルの大名曲なのだ。
⚫️ ナンシー・ウィルソン
これぞジャズというアレンジです。ナンシーのボーカルも曲のアレンジもとても甘い。ホーンやヴァイブの響きが良い。心が溶けてしまいそう。
Nancy Wilson “Early Years 1956-62” 2016
⚫️ フランク・シナトラ&カウント・ベイシー
シナトラのボーカルは最高。ベイシー・オーケストラの演奏も素晴らしい。この曲、アレンジがクインシー・ジョーンズなのです。やっぱりクインシーのアレンジはカッコイイ。少し前 Xにこの曲をポストしたら、若い人からレスがたくさん。エバンゲリオンの挿入歌に使われたのですね。
Frank Sinatra • Count Basie And His Orchestra “It Might As Well Be Swing” 1964
Bass – George Catlett, Cello – Ann Goodman, Drums – Sonny Payne, Guitar – Freddie Green, Piano – Count Basie, Trumpet – Al Aarons, Al Porcino, Don Rader, Harry "Sweets" Edison, George Cohn, Wallace Davenport, Vibraphone [Vibes] – Emil Richards, Viola – Alvin Dinkin, Paul Robyn, Stan Harris , Virginia Majewski, Violin – Bonnie Douglas, Erno Neufeld, Gerald Vinci, Israel Baker, Jacques Gasselin, James Getzoff, Lou Raderman, Marshall Sosson, Paul Shure, Thelma Beach, Vocals – Frank Sinatra
⚫️ アストラッド・ジルベルト
わが永遠の歌姫、アストラッド・ジルベルトが歌うボサノバ曲。初めてこの曲を聴いた時、ダバ・ダバダ...のスキャットだけで、ハートを撃ち抜かれてしまった。アストラッドのウィスパー・ヴォイスは曲のイメージにぴったりだと思う。
Astrud Gilberto “The Shadow Of Your Smile” 1965
サブスクミュージックでジャズを聴こう
サブスクミュージックでジャズを聴きましょう。今回のスタンダードの名演、名曲はすべてサブスクで聴くことができます。しかも音質も素晴らしい。
Apple Musicではジャズ名盤のハイレゾ化が進んできています。素晴らしい音質で名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ
記事で採り上げたアルバムのamazonリンク
おわりに
同じスタンダード曲でもアーティストによって表現がぜんぜん違う。スタンダードはアレンジャーは腕の見せどころ。アーティストはそれぞれの感性、テクニックを演奏、歌でアピールしています。最近はぜんぜん流行っていないけど、やっぱりジャズって楽しい。
今回の6曲もとても素晴らしかった。同じギター曲でもウェス・モンゴメリーと渡辺香津美のチューンはぜんぜん音楽の表現が違います。女性ボーカルにも、シナトラのボカールにも大きな魅力があります。選曲しながら楽しかったです。
このところ、アクセス数急落でかなりスネてました。本を読んだり、久しぶりに韓流ドラマにハマったり。ブログ書かない生活も楽しい。一時は止めようかとも思いましたが、もう少し楽しめる範囲でブログを続けていくことにします。スタンダードの記事ももう少し書きたいな。
ShinSha