どうもShinShaです。ジャズ・スタンダードをご紹介する記事です。今回のテーマは、「クライ・ミー・ア・リバー」。1955年、ジュリー・ロンドンの歌で大ヒットしたナンバーです。
歌詞はこんな内容です。
自分を捨てた男が「淋しくてたまらない」と言ってくる。「いまさら何よ。私だって泣かされたんだから、涙が川になるまで、あなたもいっぱい泣きなさいよ」と恨み言を返す。
歌ものとしては、ジュリー・ロンドンがど定番です。このスタンダードはインスト曲が少ないと思っていたのですが、調べたら素晴らしいチューンがいっぱいありました。今回も新旧織り交ぜて選曲しました。
「クライ・ミー・ア・リバー」 “Cry Me a River”
楽曲について
Cry Me a River(クライ・ミー・ア・リヴァー)は、米国の作曲家アーサー・ハミルトン(Arthur Hamilton)が、1953年に作詞・作曲したポピュラーソング。
1955年にジュリー・ロンドンの歌唱で大ヒットし、彼女の代名詞となると共に、今日までロックやジャズ、ブルースなどといった様々なジャンルのアーティストが採り上げる、スタンダード・ナンバーの一つとなった。
ジュリーは、1956年に映画『女はそれを我慢できない』("The Girl Can't Help It")にも特別出演してこの曲を歌い、曲の知名度を高めた。
引用:wikipedia
歌詞
このスタンダードの歌詞は下記の内容です。今回、翻訳するまでこんな歌詞だとは知りませんでした(^^;;
自分を捨てた男が”淋しくてたまらない”と連絡してくる。”いまさら何よ。私だって泣かされたんだから、涙が川になるまで、あなたもいっぱい泣きなさいよ”と恨み言を返すブルー・バラード曲。
Cry Me a River
You're lonely and you cried the whole night through
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you
“淋しくて一晩中泣いたよ”
じゃあ 私の前で泣いてよ
涙が川になるまで泣いてみせて
私はあなたを思って さんざん泣いたんだから
Now you say, you're sorry for bein' so untrue
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you
いまさら “嘘ついてごめん”って謝るのね
じゃあ 私の前で泣いてよ
涙が川になるまで 泣いてみせて
私はあなたのために さんざん泣いたんだから
You drove me, nearly drove me out of my head
While you never shed a tear
Remember?
I remember all that you said
Told me love was too plebeian
Told me you were through with me and
気が狂うほど私を追い詰めて
あなたは涙ひとつ流さなかった
覚えてる?
わたしは あなたの言ったこと全部覚えてる
“愛なんて本当にくだらない”って
“もう君とは終わりだ”って
Now you say, you love me
Well, just to prove you do
Come on and cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you..
いまさら “愛してる”って言うのね
じゃあ 証明してみせて
さあ 私の前で泣いてよ
涙が川になるまで泣いてみて
私はあなたを思って
涙が川になるまで泣いたのだから
訳:ShinSha
「クライ・ミー・ア・リバー」の名演奏
ジャズ・スタンダードを聴く楽しみは、いろんなアーティストの演奏の聴き比べ。この曲にはどんな名演があるのでしょうか?今回も新旧織り交ぜて素晴らしい演奏を紹介します。
[インストゥルメンタル]
⚫️ デクスター・ゴードン
この曲にはやはりホーンの演奏が合います。曲の最初は淡々とメロディをなぞり、そしてサビではぐっとセクシーにサックスが歌います。カール・パーキンスのピアノも素晴らしいなぁ。
Dexter Gordon “Dexter Blows Hot&Cool” 1955
Bass – Leroy Vinnegar, Drums – Chuck Thompson, Piano – Carl Perkins, Tenor Saxophone – Dexter Gordon
⚫️ アーチー・シェップ
久々に聴いた アーチー・シェップ。この人の演奏を聴いたことがない人は、ぜひ一度聴いてみてほしい。独特のディープでファンキーなテナーサックス。この音にハマったら2度と抜け出せないかも。美しいピアノをバックにアーチーがサックスを吹き、朗々と歌う。素晴らしいチューンです。
Archie Shepp “Blue Ballad“ 2004
Bass – George Mraz, Drums – Idris Muhammad, Piano – John Hicks, Tenor Saxophone, Soprano Saxophone – Archie Shepp
⚫️ 渡辺 香津美
前半はメロディを丁寧になぞるリリカルな演奏です。この音色は香津美さんのギターの音だ。中盤から香津美ワールドが展開する。ロックティストが混じったフレージング、独特のピッキング。久々に彼のギターをじっくり聴きました。素晴らしいライブ演奏です。
渡辺 香津美 ”Live at Iridium” 2012
Guiter - 渡辺香津美, Bass - ヤネク・グウィズダーラ, Drums - オベド・カルヴェール
[ボーカル曲]
⚫️ ジュリー・ロンドン
この曲からはジュリー・ロンドンのチューンは外せません。1955年、バーニー・ケッセル(g)、レイ・レザーウッド(b)の伴奏で録音。このデビュー曲は『ビルボード』誌ヒットチャート9位となり、ジュリーは歌手としての評価を確立しました。
セクシーで悩ましいこのチューンを「目の前で歌われたら骨まで溶ける」 「これはR指定」という人もいます。確かに、ジュリーのポートレイトを見るとうなずくしかない (^^;;
Julie London “Julie Is Her Name” 1955
Bass – Ray Leatherwood, Guitar – Barney Kessel, Vocals – Julie London
⚫️ ナタリー・コール
伸びやかで美しいボーカルですね。艶やなストリングス、ギターをバックに情感たっぷりに歌う。うっとりするほど美しい。きっとナタリーならすべて許してくれる。どうせなら、こんな恨み言を言われたい。なんか妄想が入ってくる。
Natalie Cole “Take a Look” 1993
Bass – George Mraz, Drums – Richie Pratt, Piano – Roland Hanna, Vocals – Carol Sloane
⚫️ ダイアナ・クラール
ダイアナは最近ではもっとも成功した女性ジャズ・ボーカリスト。彼女の少しハスキーな声が魅力的です。曲のアレンジもモダンで美しい。もしダイアナだったら、手強そう。すごく高いものたくさん買わされて、それでもずっと許してくれないだろう(^^;;
Diana Krall “The Look of Love” 2021
Bass – Christian McBride , Drums – Peter Erskine, Guitar – Russell Malone, Orchestra – London Symphony Orchestra, Piano, Vocals – Diana Krall
サブスクミュージックでジャズを聴こう
サブスクミュージックでジャズを聴きましょう。今回のスタンダードの名演、名曲はすべてサブスクで聴くことができます。しかも音質も素晴らしい。
Apple Musicではジャズ名盤のハイレゾ化が進んできています。
素晴らしい音質で名曲を聴きましょう ♪( ´θ`)ノ
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おわりに
今回はこれまでとは違う歌詞のスタンダードでした。こういうパターンの曲もあるのですね。女性ボーカル曲を聴いていたら妄想の世界に入ってしまいましたが、こういう楽しみもジャズならでは。
えっ、前回の記事と話が違う? 誠に申し訳ありません。次回こそ、フラれてぼろぼろの男の曲、書きます (^^;;
先日、渡辺 香津美さんが脳幹出血で緊急入院されました。デビューした頃からの彼のファンです。YMOとの共演、KYLYNの活動、そしてジャズの演奏もずっと聴いてきました。何回かライブで演奏を聴いたこともあります。心よりご回復をお祈りいたします。
ShinSha