どうもShinShaです。少し前の最新イヤーピースレビュー記事の続きです。イヤホンと耳との接点となるイヤーピースは音質に大きな影響を与えます。この数年、次々と新しい技術を投入したイヤーピスが発売されています。
今回はAZLAの新製品、熱可塑性樹脂を使った SednaEarfit XELASTEC Ⅱ(セドナイヤーフィット・セラステックⅡ)をレビューしました。今年3月に4年ぶりに更新された XELASTEC Ⅱですが、しっかりアップデートしてきましたね。さらに素晴らしい製品になったと思います。
最新イヤーピースの情報
今回評価するのは以下の2製品です。
・AZLA SednaEarfit XELASTECⅡ
アズラ・セドナイヤーフィット・セラステック(以下XELASTICⅡと表記)
・Pentaconn COREIR ペンタコン・コレイル(以下COREIRと表記)
体温で耳に吸い付くように変形するイヤーピース、金属コアを取り付けたイヤーピース。SednaEarfit XELASTEC、COREIRには新しい技術が使われているので、是非とも手に入れたかった。
SednaEarfit XELASTEC Ⅱの価格が2組セットで2,500円、COREIRは2組セット3,850円(2024年4月末)。それなりの値段だ。経済が弱い国に住むとイヤーピース買うのも大変だ。為替はついに1ドル158円か(泣) キシダメ、ウエダメ、何とかしろよ!
参考までに前回のレビュー記事は下記のリンクです。
AZLA SednaEarfit XELASTEC Ⅱ
AZLAは韓国のブランド。同社のイヤーピースはマニアの間で高い評価を得ています。AZLAは熱可塑性樹脂を使用したイヤーピースを2020年にリリースしました。そして、2024年3月、このリニューアル製品 SednaEarfit XELASTECⅡを発売しました。amazonで値引きになっていたから、やっぱり買ってしまった(^^;;
「XELASTEC」とはX(NEXT)+ELAS(ELASTOMER)+TEC(TECH)の組み合わせで、次世代を意味するXと熱可塑性エラストマーを意味するELAS、そしてハイテクを意味するTECからなる合成語。
このイヤーピースは、熱可塑性エラストマーを使っており、体温で変形して耳にぴったりフィットする。装着してしばらくすると、着けている感じが軽くなってきます。しかし、ぴったりフィットしているのです。その証拠に外すのがちょっと大変。
ここで前の製品から何が変わったのか見ていきましょう。下の写真を見てください。新製品は樹脂の色がクリアになりました。形状は一回り小さくなっています。また、イヤホンを取付ける軸、軸の上部にフォルターが設置されました。
下に製品説明文を転載します。今回の新製品は注力したアップデートが行われており、評価をするのが楽しみになりました。
TPE素材での二重構造設計の実現、軸部をさらに強化 XELASTEC IIではサイズごとに2つ以上の独自の金型を使用することにより、高い品質と堅牢性に加えTPE素材での二重構造設計を可能にしました。これにより軸部をより強化し、装着するイヤホンとのさらなる安定性向上を実現しました。
ダンパー機能を有する独自のハニカム構造コアレスワックスガード 理想的な音響のために開発したダンパー機能を有する独自のハニカム構造コアレスワックスガードも、TPE素材での一体成型を可能にしたことで搭載を実現しています。ハニカム構造は様々な数学的テストを通じて図形間の余白と外郭ライン余白を最小化し、効果的に異物の流入率を減らしつつ音の伝達力を増加させる設計です。
引用:https://www.amazon.co.jp
この製品のサイズはSS/S/MS/M/ML/Lの6サイズあり、細かい配慮がなされています。少し耳孔が小さめな僕には”M”サイズより”MS”サイズがフィットしました。同じようなレビューを散見するので、購入時は気をつけた方が良いですね。
Pentaconn COREIR
Pentaconn COREIR は中国に本社を置くLinsoul Audioの製品です。Petaconnはプラグや、ケーブルなどがメインのブランドだと思っていました。最近、イヤーピースまで開発したんですね。このイヤーピース、昨年から話題になっていたのです。
先日、仕事の合間にeイヤホン秋葉原本店に行った時、大好きなintimeのeイヤホン限定バージョンに、このCOREIRが装着してあったのです。興味を感じたので、試聴をしてみると音に驚きました。
すぐに購入を決めたのですが、COREIRには真鍮とアルミニウムの2種類の金属コア製品があるのですね。店員さんに「ジャズを聴くけどどっちがいい?」と尋ねたところ、「アルミニウムCOREIRのピアノの音は暗さを残した華やかさ」を感じると、アルミニウムを推してくれました。「暗さを残した音」というのは、とてもいい表現ですね。その音を聴きたいと思いました。
COREIRの構造を下に示します。透明なシリコンイヤーピースの上部に金属コアを内蔵しています。クリアなシリコン樹脂ベースのデザインはカッコいいですね。サイズは(S/MS/M/L)の4サイズ。僕は”M”でぴったりでした。
最新イヤーピース製品をレビューする
今回はイヤホンASHIDAVOX EA-HF1に2種のイヤーピースを取り付け、ジャズ音源3種を聴きイヤーピースの音を聴き比べました。
この時感じた 装着感、音の印象から製品の評価を行いました。今回試聴に使った曲は以下の3曲です。ハイレゾ・ジャズ音源のピアノ、ベース、ギター、ドラムス、そして女性ボーカルの音からイヤーピスによる音質の変化を評価しました。
・ビル・エバンス ”Waltz For Debby”
・ジュリアン・ラージ ”Serenade”
・サマラ・ジョイ ”Star Dust”
試聴環境:Apple Music (High-Res) - iMac - S.M.S.L DO400 -
前回のレビューでは、イヤホン initime雅MarkⅡを使って聴き比べをしましたが、COREIRとinitimeのセラミックツィータVSTの相性が良すぎると判断しました。もう少し一般的なイヤホンで、音を聴き比べたらどうなるだろうかと考えました。
[総評]
評価は結果は下の表のとおりとなりました。XELASTICⅡは前のバージョンより、低音の減衰がかなり改善されたように感じます。これは軸部の強化、ハニカム構造コアレスワックスガードを設置した効果です。XELASTICは素晴らしい製品に生まれ変わったと思います。
イヤーピースCOREIRの音質を向上させる効果は素晴らしいですが、今回のイヤホンにはXELASTICⅡがマッチすると感じました。SpinFit OMNIについては前回のレビューの結果をそのまま掲載しましたが、特別に音質、装着感が改善したとは思えませんでした。
[コメント]
・XELASTIC Ⅱ
XELASTICⅡは前のバージョンより音質、装着感とも良くなりましたね。以前のモデルでは少し低音の減衰を感じましたが改善されました。ボディも小さくなり装着しやすくなりました。装着後少し経つと、着けているのを忘れるほど耳にフィットします。ストレスを感じることなく長時間使用できるのです。これは本当にいいイヤーピースですね。
ASHIDAVOX EA-HF1の音質はXELASTICⅡを装着することで良くなります。イヤホンのドライバー本来がもつ音響性能をそのまま聴こえるようになるのです。このイヤホンは少し高域が弱いのですが、このイヤピースを着ければカバーができます。さらにEA-HF1本来の引き締まった低音も聴こえてくる。これはご機嫌な組み合わせです。
・COREIR
ASHIDAVOX EA-HF1にCOREIRを装着すると音質が向上します。引き締まった低音、伸びる高音を感じます。輪郭がしっかりした音になるのですね。
COREIRは良いイヤーピースですが、特に高域の音に魅力があるイヤホン、繊細な音の表現に優れたイヤホンとの相性が良いのです。このイヤーピースから聴こえるピアノ、金属弦、シンバルの音の響きなどは特別です。
前回はintime雅MarkⅡにCOREIRを装着して評価をしましたが、セラミックツィータVSTの高域、超高域の響きが、さらに磨きがかかって聴こえました。この組み合わせは最高のマリアージュなのだと感じました。
今回レビューしたイヤーピース製品のAmazonリンク
SednaEarfit XELASTECⅡ、Pentaconn COREIRともオススメのイヤーピースです。COREIRには金属コアが真鍮、アルミニウムの2種があります。聴き比べるのも楽しいですね。
おわりに
今回は最新イヤーピースのレビューをお届けしました。イヤーピースって、小さなパーツなのですが、いろんな技術が詰まっていてじつに面白い。今回の記事でもそれを痛感しました。
SednaEarfit XELASTEC Ⅱの価格は2組セット2,500円、COREIRは2組3,850円。これを着けるだけで、手持ちのイヤホンの音質がランクアップすると考えれば、十分にその価値があると思います。
また、AZLA SednaEarfit XELASTEC Ⅱは装着感が素晴らしいのです。この感覚は是非、体験してもらいたいなぁ。ストレスなくイヤホンで長時間、音楽を聴けるというのは本当に凄いことだと思うのです。
小さなイヤーピスを何回も付け替えて音楽を聴く。頷いたり首をひねりながらメモを取る。ちょっとオタクかなとも思うけど楽しいなぁ。こんな小さなギアで音が変わるのですよ。
ShinSha