どうもShinShaです。今年もポタフェス夏 秋葉原に行ってきた。参加するのは今回で3回目となるが、自分の中では夏の風物詩となりつつある。いろいろあって最近はかなり忙しいのだが、結局、土日の2日間足運んで見てきた。
ポタフェスが良いのは、世界中の代表的なポータブル・オーディオ製品が集まるメッセであることだ。そして製品を試聴しながら、メーカーの人と直接話ができることである。今回もとても楽しい体験ができた。
今回のポタフェス出展の中からヘッドホンを展示していた気になったブースを紹介します。
ヘッドホンメーカーのブースを訪問した
イヤホンで音楽を聴き始めてから数年が経過して、興味は徐々にヘッドホンに移りつつある。以前記事に書いたが、イヤホンとヘッドホンから聞こえる音の情報量はそれほど変わらない。大きく異なるのは音から伝わる臨場感、音場の広さだ。
人間の耳は驚くほど精密にできている。イヤホン、ヘッドホンからも音源を録音したスタジオの空間、ボーカル、楽器の位置などを感じ取ることができる。音源の中の微かな音のずれ、反響音から頭の中で音場を再構築するのだ。それは膨大な再生音の中に含まれるわずかな情報だ。
特にクラシックで交響曲や協奏曲を聴く時は、臨場感に大きな差がでる。誰かがヘッドホンで聴く交響曲は「4畳半にフルオーケストラが座っている感じ」と書いていたが、イヤホンだったら1畳もないかもしれない。マニアはよりリアルな臨場感を求める。今回のポタフェスでは、最近興味があるヘッドホンを集中的に試聴した。
まず最初に、TAGO STUDIOを訪問。このメーカーが国産だということを、ブースの人と話して初めて知った。えっ、高崎なんだ(^◇^;)
TAGO STUDIOは群馬県高崎市にある市営のレコーディングスタジオ。そのスタジオが市内の製造メーカー“TOKUMI”と開発した製品が写真のヘッドホン、イヤホンだ。この製品は価格.com でもすごい人気だ。
今回はフラグシップであるハウジングが木でできたヘッドホン T3-01を試聴させて頂いた。柔らかく自然な音が印象的だ。音場の広さはそれほどとは思わなかったが、良いヘッドホンだと感じた。
次にアシダ音響のブースを訪問。アシダ音響は東京で1942年に設立された会社だ。僕はここのイヤホンをもっているが、ヘッドホンはまだ持っていない。今回は3種のヘッドホンを全て試聴した。コストパフォーマンスがよく、素晴らしい製品を作っていると感じた。だからよく売れているんだな。
試聴をしていると、ST-9007が欲しくなった。音場はフラグシップ製品の方が広いけど、このモデルに魅力的を感じる。暑い夏はヘッドホンをするのが嫌だが、この製品はイヤーパッドがコンパクトでちょうどオンイヤーサイズ。夏でもそれほど気にならないのだ。音も素晴らしく、レトロなデザインも気に入った。なかなか可愛いやつだ。
次にSTAXというメーカのブースに行く。どうも平面ドライバーのヘッドホンを作っているようだ。
「おたくはドイツのメーカですか?」
「いえ、埼玉県です」
不勉強で恥ずかしくなった(^◇^;)
STAXのヘッドホンは静電平面ドライバーを採用している。厚さ1ミクロンの大型平面膜を震動させ音を再生する。「このヘッドホンは繊細な音まで再現できる」メーカーの担当者は誇らしげに語ってくれた。
フラグシップ製品SR-X9000でクラシック音楽を視聴させてもらう。少し聴いただけで音の空間の広がりを感じる。初めて聴く、このヘッドホンの音場の広さに衝撃を受けた。
「僕はジャズがメインだけど、クラシック聴くには最高ですね」
「そうです。最近、ドイツでめちゃくちゃ売れています」
特殊な製品なのでアンプも専用の製品が必要となり、フラグシップ製品はセットで100万円近い。狂った円安でドイツ人には半額に思えるかな。この製品を買うのを僕の旅のゴールにするのも良いかもしれない。
次にドイツ製高級ヘッドホンHIFIMANを視聴。大型の平面ドライバー型ヘッドホンだ。このヘッドホンの音、音場の広さも素晴らしいな。
最後に、ゼンハイザー、ノイマンのヘッドホンを試聴した。このメーカもドイツ製の大型のダイナミックドライバーを搭載した高級ヘッドホンだ。確かに音が素晴らしいと感じた。
HIFIMAN、ノイマンの製品も確かに素晴らしかったが、直前の聴いたSTAXの製品の衝撃のためか、あまり印象に残っていない。試聴した音源の問題もあったかもしれない。またの機会に、これらの製品をじっくり聴いてみたいと感じた。
気になったブース
今年は水月雨(Moondrop)のブースは大きな混雑もなく、それほど待たなくても視聴ができそうだった。この会社は活動が活発で、新しいイヤホンを沢山出しているし、彫金細工を生かした高級製品も販売している。
最近では大型平面ドライバーを使ったヘッドホンを発売し、かなり売れているようだ。少し前に、このヘッドホンを試聴したが良い印象をもった。
創業わずか数年の会社が、これほど成長するなんて日本ではありえない。日本とは投資環境の差が大きいんだな。彼らはどこから資金を得ているのか?ひょっとして、話題の地方債ではないのか。ふとそんなことを考えた。
そして今年も変わらず、アジア、中国からの出展が多い。聴いたことがないメーカも沢山ブースを出していた。中国は足元の経済が弱く、将来不安もあるから、彼らはいま必死に海外に進出しようとしている。
Amazonで中国製ケーブル、イヤホンを販売しているNICEHCKも、ポタフェスで初めて見かけた。この会社は安価で良質な製品を出してくれているけど、eイヤホンでの下取りは10%以下だものなぁ(泣)。購入する時、どうしても考えてしまう。もうちょっと、知名度を上げることが必要だ。
会場を歩いていると、「40年前のヘッドホンを復活しました。試聴しませんか?」という声が聞こえた。「40年前はど真ん中だよ」と答えて、視聴することにした。”プリモ”という国産メーカーだ。
”CITY POP TUNED”のコピーが書いてある。シティーポップが世界的に流行っているから、それに乗って製品を売ろうということらしい。写真のオープンエアタイプのヘッドホンを試聴した。低域も高域の音もほとんど聴こえない(汗)確かに、昔はこんなスカスカのヘッドホンで音聞いてたなぁ(笑)まあ、こういう音を懐かしむ人もいるかも。
おわりに
半年ぶりに、2日間ポタフェスに参加して本当に楽しかった。これほどヘッドホンの試聴をしたのは初めてだ。しかも今回は高級製品を聴きまくりだった。ヘッドホンには、さまざまな製品があることを知り、とても勉強になった。
会場を見るとオーディオ業界の勢力図が見える。中国など新興メーカに押されて、国内のかつてのオーディオメーカーはぱっとしない。しかし、TAGO STUDIO、アシダ音響、STAXなど、オリジナリティある製品を出している元気な中小企業があることを知って大変心強く思った。これから、もう少しヘッドホンを掘り下げて行きたい。
今回はSONYのヘッドホンを買うつもりで来たのだが、いろんな会社の製品が目についたため、もう少し考えてみることにした。それにエアロバイクを買っちゃったからなぁ。でも、どうしてもアシダ音響のヘッドホンが欲しくなって我慢できなくなった。ポタフェス特別価格で、すごく安く買えたからいいか。
このところ仕事が忙しく、さらに個人的なちょっとしたトラブルがあって、なかなかブログ更新ができません。しかし、これからもゆっくりブログを書いていくつもりでいます。後半、イヤホン編に続く
ShinSha