時の化石

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ヘッドホンASHIDAVOX ST-90-07レビュー ー 迫力あるサウンドが楽しめるイージーヘッドホン

今回はアシダ音響のヘッドホン ASHIDAVOX ST-90-07 をレビューします。この製品は有線ヘッドホンの中で、とてもよく売れている製品です。1万円以下の価格で、迫力ある音を楽しめるところが良いのでしょう。

購入してから約1ヶ月間、ASHIDAVOX ST-90-07 を聴きました。ポップス、ヒップホップ・ラップ、ボーカル曲を聴くのに最適。軽量で取り扱いやすく、迫力あるサウンドが楽しめるイージーヘッドホンだと思いました。

僕はイヤホン4本とSONYの超定番モニターヘッドホン MDR CD900STをもっていて、PCオーディオを楽しんでいます。SONY MDR CD900STと聞き比べることで、このイヤホンの優れたところ、他の製品とは異なる特徴が分かってきました。詳細は下記を参照ください。

ASHIDAVOX ST-90-07

ASHIDAVOXについて

ASHIDAVOXは東京都の音響専門のメーカ、アシダ音響株式会社が展開するブランドです。この会社、なんと創業80年以上の老舗企業なんですね。


アシダ音響株式会社の主力製品は民生用のヘッドホン、マイクロホン、スピーカーなど。メインは放送局で使うヘッドセット、マイクロフォン、防災用スピーカーなどの音響製品を作っている会社です。

アシダ音響株式会社 主力製品の写真 https://www.ashida.co.jp/jp/ から転載

アシダ音響株式会社は、少数ながら一般ユーザー向けのオーディオ製品を作っています。Webで調べてみるとオーディオ製品はヘッドセット1種、ヘッドホン3種、イヤホン2種です。今回記事に取り上げるのは、そのうちのヘッドホン製品です。

ASHIDAVOX ST-90-07

本製品について、メーカの説明文を下に引用しました。再生周波数帯域は広く、40mmのダイナミックドライバーの迫力ある音を直接楽しむことができる構造になっています。また、ケーブルは取り回しもよく、丈夫で耐久性も高そうです。

弊社音楽用ヘッドホン[ST-90-05]をさらに高音質化!エンジニアリングプラスチックフィルムのダイヤフラム理論値1テスラ磁気回路に加え、ひさご電材株式会社の高品質な無酸素銅(OFC:Oxygen-Free Copper)ケーブルを採用。

さらに最適なチューニングを行うことで全帯域にわたり自然かつ輪郭のはっきりとした音質を実現。レトロモダンなデザイン、“業務用”で実績のある高い堅牢性はそのままに、 ST-90-05同様、国内生産にこだわりました。

ASHIDAVOX ST-90-07の写真:https://www.ashida.co.jp/jp/ から転載

製品仕様

ASHIDAVOX ST-90-07
形式:φ40mmダイナミックドライバー
再生周波数帯域:5 HZ - 40 KHZ
筐体素材   : 樹脂製 インピーダンス:40 Ω、感度:108 dB/mW
接続プラグ  :3.5mmプラグ

付属品:取扱説明書

購入ヘッドホンの写真

購入した製品の写真を掲載します。パッケージは業務品のような簡素なボール紙でできています。SONYのモニターヘッドホン MDR CD900STもこんなパッケージです。

製品パッケージ

ハウジング、アームなどほんとがプラスティック、樹脂素材でできており軽量です。デザインは昭和初期のレトロ風をイメージしたPOPなデザインです。
ASHIDAVOX ST-90-07の写真(1)

ASHIDAVOX ST-90-07 の写真(2)

ASHIDAVOX ST-90-07 の写真(3)

製品レビュー

総合評価

ASHIDAVOX ST-90-07
総合     :☆☆☆☆
デザイン・質感:☆☆☆☆
装着感    :☆☆☆☆
サウンド   :☆☆☆☆
定位・空間表現:☆☆☆

<音質バランス>


[コメント]
音質は、中低域〜中高域の量感が多くカマボコ型に感じます。低域から高域・超高域までしっかり音が出る製品です。このヘッドホンがもっとも適しているのはボーカル曲、ポップス、ヒップホップ・ラップ系の音楽だと感じます。

このヘッドホンはハウジング、イヤーパッドが小さく、軽量に作られた製品です。ケーブルを除いた重さは120gと、普通のヘッドホンの半分以下の重さです。このボディにヘッドホンと同じサイズのダイナミックドライバーを積んでいるから迫力ある音が楽しめます。メーカの狙いはここにあるように思います。

いわばイージーヘッドホンというべきでしょう。軽量でハンドリングがよく、迫力ある本格的なサウンドを楽しめる。このヘッドホンでビートルズアビーロード』を聴いたら最高の音楽を楽しむことができました。

しかし、この製品の音質は一般的なヘッドホンとはずいぶん異なる印象です。その理由はこの製品はハウジング、イヤーパッドが小さく、再生音が直接、外耳内部に届く構造となっているからです。

音場の再生を重視するヘッドホンはハウジングを大きくして、耳をすっぽり覆う構造となっています。この製品のハウジングの大きさは、僕がもっているSONYのヘッドホンと比べると約1/3でした。とても小さく設計されています。

ヘッドホンで聴く交響曲は、オーケストラを4畳半に詰め込んだ音のようだと、誰かが書いていましたが、このヘッドホンだと1畳ぐらいになってしまう。これでは広い音場を感じ取ることは難しいです。

本製品とSONYヘッドホンとのイヤーパッドの大きさの比較

サウンド・インプレッション

まず、ポップスの楽曲から聴いてみます。イヤホン、ヘッドホンの音を確認する時、基準としていている楽曲があります。ポップスは中島美嘉幅“ORION with ensemble”、宇多田ヒカル”First Love”の2曲です。

女性ボーカルが甘くてなかなか良いですね。バックのストリングス、ピアノ、アコースティックギターなどの響きも美しい。ベース、ドラムスは、イヤホンの音より一段深く沈み込んで迫力を感じます。大きいドライバーが効いていますね。ポップスを聴くのにとても製品だと思います。

続いて、ザ・ビートルズのアルバム”Abbey Road”を聴きました。このヘッドホンで一番良いと思ったのは、このアルバムを聴いた時です。ジョン・レノンの名曲”Come Together”では、ベース、ドラムスの低く深いリズムが曲に躍動を与えてます。

”Here Come The Sun”ではアコースティックギターが美しく、また、深いビートもが伝わってくる。なかなか良いね。こういう音楽を聴くのに一番合っていますね。

このほか、次の項に記載したジャズ、クラシックを聴いてみました。結論をいうと、この製品はジャズ、クラシックの再生には向いていないですね。大きなドライバーの再生音が直接耳に入ってくる構造だから、音の密度が高くなりすぎるのです。いわばトゥマッチの状態になってしまうのです。

しかし、個人的にはこういうターゲットを絞った製品があっても良いのだと思います。何よりポップスを聴くととても楽しいヘッドホンだから。

試聴曲

[Pops]
中島美嘉 ”ORION with ensemble”、宇多田ヒカル ”First Love”、小田和正:early summer 2022 ”風を待って”、ビートルズ “Come Together” “Here Come The Sun” “Because”
[Jazz]
Bill Evans : Waltz For Debby “My Foolish Heart” “Waltz For Debby”
[Classic]
坂本龍一 Opus: “Lost of Love” ”aqua”、反田恭平: “ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ⅠModerato”
[試聴環境]
音源:Apple Music (ロスレスハイレゾロスレス)、DAC: S.M.S.L DO400

デザイン・製品の質感

プラスティック、樹脂素材がメインの製品ですが、レトロモダンなイメージのデザインで安っぽく感じません。このデザインを好む人は多いかもしれませんね。

装着感

ケーブルを除く重さは120g。軽量で装着感は良好です。イヤーパッドが小さく耳を包まないので、夏に使ってもそれほど暑さを感じません。僕がこの製品を買ったのは夏でも使えそうという理由からでした。また、側圧が強くないので、長時間の装着も問題ありません。

音場・定位感

定位感は普通ですが、音場は狭く感じます。一般的なヘッドホン同じサイズのダイナミックドライバーを搭載しているが、ハウジング、イヤーパッドが極端に小さい。このため、情報の密度が高すぎて音場を感じることが難しいのです。

記事で採り上げた商品のリンク

今回紹介したヘッドホンです。ASHIDAVOX製品には低域の音を重視したST-90-05もあります。オススメは記事で紹介した音質のバランスの良いST-90-07の方です。


おわりに

ASHIDAVOX ST-90-07はコストパフォーマンスが高く、軽くてポップなデザインのヘッドホンです。気軽に迫力あるサウンドを聴くことができる楽しい製品だと思います。しっかり作られているので、屋外で音楽を聴くのにも向いていますね。

音楽のジャンルでは、ポップス、ヒップホップ・ラップ、ボーカル曲などを聴くのに最適です。反面、ジャズ、クラシックなど音の深さ、広がりが求められる音楽の再生は苦手です。メーカがポップ向けに狙いを絞った製品だと感じました。こういう製品があっても良いと思います。

今回はオーディオ製品の記事でした。最近は大物を買わず、あれこれ買ったり売ったりして、いろんなオーディオ製品を楽しんでいます。それはそれで結構楽しいのだ。

先日はついに、今まで手を出さなかったゼンハイザーのイヤホンを買ってしまった。また、出張時やイヤホンの視聴のために使うモバイルDACも購入しました。これから記事にしていきたいと思っています。

eイヤホン秋葉原本店は1ヶ月以内に購入品を下取りに出すと30%offで買い取ってくれるので都合が良いのです。そして、納得できたものだけをコレクションに残すということを繰り返しています。

しかし、今ふと気が着いた。実はあの店に通っているマニアの多くはそんなヤツばかりかもしれない。店は新品も中古も扱っているので、益々繁盛していくのだ (^^;;
ShinSha